■スポンサードリンク
(アンソロジー)
幻想探偵―異形コレクション
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
幻想探偵―異形コレクションの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.50pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全2件 1~2 1/1ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
幻想&ホラー小説の中に登場する様々な探偵を描いたホラー短編集です。 気に入ったものをざっとあげてみると・・・ ・黒史郎「フギン&ムニン」実話怪談でどちらかといえば日本の土着的なホラーを描いてきた作者。この作品はヨーロッパ的な吸血鬼テーマを、しかもしゃれた雰囲気で描いて秀逸、このような作風のものも書かれるのかと驚きました。 ・三津田信三「死を以って貴しと為す 死相学探偵」人物に死相が見えるという特技を持つ探偵の元にやってきた男、彼は友人たちと一緒に肝試しにとある寺を訪問したという。そこで見たものは・・深夜の寺のシーンはじわじわと怖く、そしてラストの意外性がよかったです。 ・西澤康彦「9のつく歳」レズビアンの愛憎を巡るミステリ劇、ひとひねり、ふたひねりもしてあって、うまいです。 ・多岐亡羊「証拠写真による呪いのかけ方」こちらはミッション・スクールの女学生コンビが活躍するホラー・ミステリの連作だそうです。今時の女学生事情も描いて、屈折してクールな探偵役の女子がとてもカッコイイです。 ・入江敦彦「霊廟探偵」過去の異形コレクションでは、お得意の京都を舞台にしたホラーを書いてこられた入江氏。今回はなんと19世紀末のロンドンが舞台ですが、意外でもなんでもなく、氏は現在ロンドン在住なのでした。日本人作家が書いたとは思えないディケンズ作品のような雰囲気あるヴィクトリア朝短編に仕上がっています。 ・久美沙織「ガラスの中から」高原の山荘に呼ばれた古美術鑑定家。そこで見せられたのはガラス玉に風景を仕込んだめずらしいスノーボール。そこに広がった幻想は・・・美しい一編です。 ・井上雅彦「レッテラ・ブラックの肖像」クラスでいつも鋭い推理を披露する美少年、彼の本当の姿とは・・?なんとなく作者、井上雅彦氏の初期本に載っていた氏の横顔の端整な写真を思い浮かべてしまいました。いかにも井上氏らしい幻想味に満ちた作品です。 ・篠田真由美「憧れの街、夢の都」陰鬱な冬のベネチアをさまよう傷ついたアメリカ人青年、そんな彼が出会ったのは・・作者お得意のイタリアもの。 ・芦辺拓「輪廻りゆくもの」中小企業の互助組織からまわってくる回覧板。それを担当している事務職員の私だが、ある日ふと、他にはどんな企業にまわされているのかと気になった。さりげなくそれらの会社を回ってみると・・・ユーモラスで奇抜な一編。 ・高野史緒「ペテルブルクの昼、レニングラードの夜」作者自身がペテルブルクでのロシア幻想文学作家会議に出席した時の実話?と思いきや・・現実と幻想が交差するこの作者にしか書けないエキゾチックな作品です。 ・平山夢明「幻画の女」幻想小説と言えるでしょうが、それよりも任侠世界のやくざを方言(博多?高知?)豊かに描いて、強烈なインパクトのの小説でした。 個性的ですぐれた作品の多い充実の一冊、おすすめです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
◆「九のつく歳」(西澤保彦) 還暦を迎えるにあたり、二十年に及ぶ亜梨紗との 同棲生活に、ピリオドを打つことにした安河内ミロ。 外科部長を務めている病院を休み、引っ越し の準備をしていたミロのもとに刑事が訪れる。 なんでも、近所に住む浮田裄範という独居老人が、自宅 で変死体となっているのが発見されたらしいのだが……。 押入れの奥の文箱に入れられていた古めかしい鍵や、同棲記念に買ったという 業務用の巨大な冷蔵庫など、いかにも意味深な道具立てが用いられている本作。 それらを、「幻想探偵」というお題とどう絡め、いかに処理したかが読みどころです。 一旦フェティシズムを経由してからの真相開示という手筋の変化のつけ方には 作者の作家性が如実に反映されており、一見、意味不明なタイトルも、読後は 深く腑に落ちます。 ★『動機、そして沈黙』 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!