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ミンコット荘に死す



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【この小説が収録されている参考書籍】
ミンコット荘に死す (扶桑社ミステリー)

ミンコット荘に死すの評価: 4.60/5点 レビュー 10件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.60pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全10件 1~10 1/1ページ
No.10:
(4pt)

愛すべき“いつメン”

レオ・ブルースの作品は初めてだ。思いのほか(と言っては好きな人に怒られそうだが)楽しめた。イギリスの片田舎、ミンコット村にあるミンコット荘を舞台に、連続する不可解な死の真相に、素人探偵(本職は教師)キャロラス・ディーンが迫る。

と書くとシリアスな感じだが、どっちかと言うとユーモア系のミステリだ。『○○に死す』という題名は『ナイルに死す』のようなスケールの大きな作品にこそふさわしいと思うので、個人的にはもともとの邦題『ミンコット・ハウスの死』のほうがいい気がする。

それにしても本作の真相は新鮮だった。ネタバレを回避するため曖昧な表現にとどめるけれど、本書が書かれた時点(1956年)で、こういうパターンはすでに前例があったようだ。しかし全然予想していない結末だったので、普通に驚いた。

シリーズを通して登場するらしいキャラクターたちも楽しい。ガミガミうるさいゴリンジャー校長、殺人事件が大好きな教え子のルーパート君、主人の探偵活動に苦言を呈する家政婦のスティック夫人。みんな愛すべき“いつメン”らしい。
ミンコット荘に死す (扶桑社ミステリー)Amazon書評・レビュー:ミンコット荘に死す (扶桑社ミステリー)より
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No.9:
(5pt)

完全に騙されました

見事なプロットだと思います。

もっとも、ある登場人物がたいした理由もなく重要な事実を隠していたり、探偵の油断で最後の事件が防げ
なかったりと、作者にあまりにも都合のいい展開もありますが、最後まで真相を気づかせない、美しいとさえいえるプロットに感心しました。

大変面白かったです。
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No.8:
(3pt)

何故?

わざわざ晩餐会を催す意味が分からない。書き手からの必然性はあっても、事実としては?である。暗黙の自白の場であったならば受け入れやすいが。
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No.7:
(5pt)

久しぶりにクラッシック・ミステリものを楽しめた。

以前より名前は知っていたが一冊も読んだことのないレオ・ブルースのミステリを読むことにした。
 本書『ミンコット荘に死す』(原題:Dead for a Ducat)は、パブリック・スクールの歴史教師キャロラス・ディーンもの23作のうち三番目(1956年)に発表された作品である。
 本書は、古典的探偵小説のジャンルに入るものだが、久しぶりに楽しめた探偵ものであった。
 巻末の解説を書いていた塚田よしと氏が、評者の読後感を語っているようなので下の・・・内に引用して、この本のレビューとしたい。
 ・・・地味なストーリーを随所に笑いでつなぎながら、作者は真の狙いをギリギリまで隠すことに成功しています。そして、ついにその隠された構図が浮かび上がったとき、混迷に満ちた事件は、美しく鮮やかに幕を閉じるのです。
 アイデアのひとつひとつを見れば、類似の例をまったく思いつかないわけではないのですが、その組み合わせ、アレンジにレオ・ブルースの創意が光ります。筆者は特に、〝動機〟に施されたミスデレクションに舌を巻きました。これは━━クラッシック・ミステリ・フアンなら誰でもが知っていて当然の、有名どころのアレの応用なんですよ。こういう使いかたもあったのか!・・・
 まあ、少し褒めすぎのような塚田氏の解説だが、たしかに評者も意外な結末を迎えたページを読み進みながら久しぶりに楽しめた一冊であった。
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No.6:
(5pt)

和訳が少なくて残念

古い海外ミステリー小説が好きです。 最近のは残虐性がひどいし、必要以上にロマンス部分が多くなっているので…。 レオ・ブルースの他の本も読みたいけれど、和訳されているものが少なくて残念です。
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No.5:
(4pt)

事実からの推論

登場人物それぞれに探偵キャロラス・ディーンが入念なききこみを敢行し、そのシーンが紙面の過半を
占めている。
なかには偽証をしたり(のちに修正されるが)、かくしごとをして死んでしまう者もでてくる。
よってキャラクターの動静はあいまいで状況証拠も然りである。
たとえきちんとした状況証拠が出てきても事件を解決するいとぐちにはなりそうもない。
そこで、ふたつの毒殺事件に関して、ディーンは七つの条件を掲げ、独自の絞り込みをおこなう。
これは論理と直感が入り混じったもので、なぜ証拠があやふやなのに論理が入りこむ余地があるかというと、
決まりきった事実からの推論がなされているからである。
七つの条件に該当する人物はひとりしかおらず、そこから演繹して銃殺事件の犯人をみちびく推論は
少々変わっていて、ある意味、惹かれるものがある。

しかし、真の魅力は三重殺人の構造で who, why とくに後者にあるとおもう。
類例もあるそうだが、これはこれでけっこう愉しめた。
ただ第一の殺人で犯人が流し場の窓を開けておいたのは疑問である。意味がないどころか足がつきかねない。

こましゃくれたプリグリー少年をはじめ、周辺キャラがユーモアをいっそう盛り立てている。
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No.4:
(5pt)

いいね!!速く全冊文庫化を!!

いいね!!速く全冊文庫化を!!
☆評価は5!!
取り急ぎ・・速く全冊文庫化を!!
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No.3:
(5pt)

なるほどね

あまり書くとネタバレになるので・・・。
そうきたか・・・なんとなくは・・・
でしたが。
 さあ、読んで推理する楽しみを満喫して!
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No.2:
(5pt)

鮮やかな逆転の構図

1956年発表の教師探偵キャロラス・ディーン物の第三長編。(原題 Dead for a Ducat)
典型的なカントリーハウス物のフーダニットと見せかけておきながら、終盤読者に背負い投げをくらわせる手際はクリスティー並に鮮やか。その逆転の構図は作者初期のシリーズであるビーフ部長刑事物の傑作を思わせる大胆なものだ。
常に作品にサプライズを用意し続けた旺盛なサービス精神と本格探偵小説退潮の時代においても謎解きミステリにこだわった作者の姿勢は愛さずにはいられず、訳者である小林晋氏がレオ・ブルースに傾け続ける情熱にも感動させられる。
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No.1:
(5pt)

英国本格の伝統を守る名探偵キャロラス・ディーンの代表作

「ジャックは絞首台に!」「骨と髪」「死の扉」と続くキャロラス・ディーンシリーズの邦訳第4作目。
既訳作品が版元全てバラバラ、今回も違う出版社で当初不安を感じましたが、
翻訳を担当しているのはレオ・ブルース紹介の第一人者の小林晋氏。
解説も海外ミステリファンおなじみの塚田よしと氏なので創元推理文庫から入ったという人も安心して読めます。

今回のディーンは知り合いの老婦人から自宅で娘婿が自殺したので来てほしいという電話を受け、事件に関わることに。
自殺としては不可解な点があることに気付いたディーンは独自に事件を調査していくがやがて第二の事件が起こり…、と言うのが流れ。
シリーズ既読の方は承知でしょうが主人公ディーンは自覚的な素人探偵であり、謎を解くことには熱心でも
解決後の処理や犯人を司直の手にゆだねるという事には関心がありません。日本の探偵でいうと館シリーズの島田潔が近いと思います。
事件の解決方法も英国本格ミステリとしては変わっており、ディーンは事件の動機や状況証拠、自分の直感から事件の真相を
導き出すタイプで、物的証拠を重視したりや犯人限定の論理を駆使する、というものは(既存の翻訳作には)ありません。
この点「ガチガチの本格」を期待すると若干の肩透かしを食う可能性があります。

ではミステリとしてはどうかと言うと今作に限れば、むしろディーン的解決方法だからこそこの真相が光ると言っていい結末になっています。
ミステリファンなら終盤開かされる仕掛けは容易に気付くかと思いますが、真骨頂はそこから導き出される第二の事件の真相で個人的には大いに驚きました。
作者ブルースは緊密な論理よりもアイディアを活かすためにこのディーンシリーズを始めたのではないかと想像しています。
1950年代に入ってクリスティーを除く黄金時代の作家たちが作品の発表ペースを落とす中、70年代の晩年まで
23作も長編を書き継いだキャロラス・ディーンシリーズは評価すべき作品群ではないかという気がします。
それを実感するためにも、小林氏が機関誌で発表済みのディーンシリーズがさらに文庫化されることを期待したいです。
ミンコット荘に死す (扶桑社ミステリー)Amazon書評・レビュー:ミンコット荘に死す (扶桑社ミステリー)より
4594071341

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