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(短編集)

遠い接近



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遠い接近の評価: 4.52/5点 レビュー 25件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.52pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全23件 21~23 2/2ページ
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No.3:
(5pt)

絵画技法・遠近法を隠喩した小説

清張の本を読むなら、もっと清張について知らなければ、真の清張文学の醍醐味は味わえない。例えば、この作品「遠い接近」は、東洋、西洋絵画の美術史家としても定評のある、清張個人の研究テーマ ”遠近法” の隠喩にみちたものなのだ。遠近法は絵画の技法で、その構造が解明され、数学的に理論化されたのは、ルネッサンス期のヨーロッパとされる。この物語を一言で要約すると、「細密画」ということになる。以上の説明がわかりにくければ、清張の他の作品、短編で「絵はがきの少女」というのがあるが、これと比較して読むと私の言っている意味がわかるはずだ。この短編は新潮文庫の「憎悪の依頼」の中に収めてある。もっと清張文学を上級コースの達人として理解したいなら、少し難解かもしれないが、「宇宙に開かれた光の劇場」上野和男・著を読むことをお薦めする。あなたの清張の読み方は、幼稚園児以下だよと非難されないために。
遠い接近 (1977年) (文春文庫)Amazon書評・レビュー:遠い接近 (1977年) (文春文庫)より
B000J8UIIM
No.2:
(5pt)

市民を拉致する赤紙(召集令状)の恐怖

■ 【当初は週刊朝日の連載ミステリー 】
この長編ミステリー小説は、当初、週刊朝日に半年以上
に渡り連載され、凡そ五年後の1977年7月に文庫本初
版が出ております。週刊朝日に連載を始めたのは、著
者(清張)60歳の時です。

■ 【20年前の『召集令状』へのわだかまり 】
連載開始時は、既に、戦後二十年経ち、清張自身も、芥
川賞(’53年)、日本ジャーナリスト会議賞(’63年)、菊
池寛賞(’70年)などを受賞しており、既に、ミステリー作
家としての地位を固めた時期になっております。この時
期に、著者は二十年前の自分、即ち、34歳の中年版下
職人への『召集令状』という国家権力の拉致行為への
わだかまりを本著書によって、赤裸々に著わしている。

■ 【赤紙(召集令状)発行の実態を知る 】
小説そのものは、一兵士の個人的復讐ストーリーです。
しかし、著者本人の召集令状に基づいた体験により描
かれた内容ということで、俄然、単なるミステリーの領域
を超えております。天皇の名で出される赤紙、即ち、『召
集令状』をキーワードに、一市民家族を地獄の苦しみに
追い込む赤紙と言う国家権力、召集令状の不正な闇の
国家権力のカラクリの実態、大日本帝国の私的制裁の
横行する軍隊生活、兵士達の望郷の念と運命などを描
き出しております。ミステリー作家として「社会派」と言わ
しめる代表的な作品となっております。
遠い接近 (文春文庫)Amazon書評・レビュー:遠い接近 (文春文庫)より
4167106213
No.1:
(5pt)

市民を拉致する赤紙(召集令状)の恐怖

■ 【当初は週刊朝日の連載ミステリー 】
この長編ミステリー小説は、当初、週刊朝日に半年以上
に渡り連載され、凡そ五年後の1977年7月に文庫本初
版が出ております。週刊朝日に連載を始めたのは、著
者(清張)60歳の時です。

■ 【20年前の『召集令状』へのわだかまり 】
連載開始時は、既に、戦後二十年経ち、清張自身も、芥
川賞(’53年)、日本ジャーナリスト会議賞(’63年)、菊
池寛賞(’70年)などを受賞しており、既に、ミステリー作
家としての地位を固めた時期になっております。この時
期に、著者は二十年前の自分、即ち、34歳の中年版下
職人への『召集令状』という国家権力の拉致行為への
わだかまりを本著書によって、赤裸々に著わしている。

■ 【赤紙(召集令状)発行の実態を知る 】
小説そのものは、一兵士の個人的復讐ストーリーです。
しかし、著者本人の召集令状に基づいた体験により描
かれた内容ということで、俄然、単なるミステリーの領域
を超えております。天皇の名で出される赤紙、即ち、『召
集令状』をキーワードに、一市民家族を地獄の苦しみに
追い込む赤紙と言う国家権力、召集令状の不正な闇の
国家権力のカラクリの実態、大日本帝国の私的制裁の
横行する軍隊生活、兵士達の望郷の念と運命などを描
き出しております。ミステリー作家として「社会派」と言わ
しめる代表的な作品となっております。
遠い接近 (1977年) (文春文庫)Amazon書評・レビュー:遠い接近 (1977年) (文春文庫)より
B000J8UIIM

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