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闇に香る嘘
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闇に香る嘘の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.60pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全81件 41~60 3/5ページ
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一気に読んでしまいました。 論理のつじつまなど一気に吹き飛んで、主人公と同じように暗闇と疑心暗鬼を感じながら読み進めていきました。 読み終わって、最後のラストにほっとするも、やさしい気持ちになれました。こういうラストで本当によかったと思いました。 ただ、現在、韓国との慰安婦問題などありましたが、70年前の戦争の傷跡はなくなったように思えてまだまだあることを思い知らされたような気がします。慰安婦問題は朝日新聞の問題だと思いますが、日本の戦争は仕方のなかったことだと思っていたのですが、それに派生するこういう問題(相手国だけでなく、日本人にも被害があり、それに対する日本政府の態度は冷たいのなだという)があることで、やはり戦争は悲惨だと思いました。勝者にも敗者にも影響があるのだということを思い知らされました。現在、日本の安保法をめぐって、抑止のために法律整備するのだ、いや、戦争できるようにするためだろうなど、いろいろな議論が聞こえて、これからさらに加速していきそうですが、中国や他の外国でもこの本を読まれ、戦争がいかに悲劇を呼ぶのかを真剣に考えていただきたいと思いました。 結論が全然別のところに行ってしまって申しわけないのですが、大変読み応えのあるミステリーで、筆者の力量を感じ、別の著書も読んでみたいと思いました。 著者は、山岳小説も書かれるとのことですが山岳小説といえば、城山三郎さんの小説が好きですが、城山氏のような生命の極限にあっての人間関係のようなものを書かれているならとても面白いだろうなと考えます。 | ||||
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多くの参考資料を基に中国残留孤児の苦難について詳細に記されている点が強く印象に残る作品だった。 ミステリーとしても数度のどんでん返しや多くの伏せんがちりばめられているため、最後まで全く飽きがくることがなく、一気読みさせられる面白さだった。 主人公が全盲という作品は、その行動や盲目ゆえの心理描写が新鮮で、結構なボリュームながら中断を許さないものがあり、著者の他の作品もぜひチェックしたいと思った次第。 著者は2014年に9回目の応募となる本作品で江戸川乱歩賞を受賞したようだが、下積みの長さが今後のさらなる飛躍を予想させるほどの傑作だったと思う。 | ||||
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見事な設定、巧みなプロット、爽快感を感じる感動の結末。江戸川乱歩賞に相応しい見事なミステリーだった。全編に亘る数々の伏線と、それを全て回収しながら、感動の家族のドラマが進行する。 腎臓移植が必要な孫のために適合検査をするが、不適合の診断に悲嘆に暮れる盲目の村上和久は中国残留孤児の兄に腎臓移植の依頼をする。何故か、適合検査さえも頑なに拒む兄は本当に実の兄なのか… 盲目の老人を主人公の探偵役に据え、実の兄の正体を探るミステリーと共に、戦争に端を発した悲劇を見事に描き切った傑作。 | ||||
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盲目な主人公の視点から描かれているが故に、こちらも暗闇の中でのストーリー展開となるため、誰といるのか、誰と話しているのか、どこにいるのか、なぜそうなるのか?。盲目と言う設定がより一層の緊張感を演出してくれます。 | ||||
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Reader Store 版で読了。 主人公の境遇の描写や伏線の張り方、回収法は綺麗にきまっています。安心して読める良作ですね。一番の謎の部分が簡単に見抜けるのが難点かな(コメント)。 それにしても、自民党のせいで残留孤児が大変ひどい目にあったなんて書いちゃって大丈夫なんだろうか。まあ、そちら系の人にとっては快哉を叫ぶ話なのかも。 | ||||
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9年連続で江戸川乱歩賞に挑戦し、4度の最終候補を経て受賞。 文章は安定していて、自分の視力を失ったことでの世界の認識を軸にトリックが構築されている。 暗号文や、国際的な社会問題を取り扱い、行き詰まるシーンもサービス心旺盛に配置されている。 もちろん推理小説につきもののどんでん返しも主人公の境遇の設定を生かしながら、華麗に決めてくる。 安心して読める作品。上手いとは思うのだが、それが何か物足りなさにも繋がっていると感じるのは、欲張り過ぎだろうか。 | ||||
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予想以上の驚きで決着しました! 「嘘」がありえないくらいの優しすぎる「嘘」だとは思うのですが 結末でのどんでん返しが予想外で楽しめたので良しとします 読んで損はない1冊です | ||||
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ああ、そういうこと~!! ネタが分かったときの感想です。 思わず口から出てしまいました。 夫が帰宅してからも、思わず話のあらすじからネタからなにまで全部話して聞かせてしまいました(笑)。 夫まで「おお!」と言ってました。 ネタばらしまでは、まあちょっと長かったですね。 盲目の方の話ですから、生活するのに不便な描写などが多く、読んでいて辛いなと思う部分も多いです。 でもトリックが爆弾級ですから、そこで世界は反転し、絶対評価でAでしょう。 ただ、「トリック以外」の部分、つまり謎をちりばめて引っ張っていく部分が弱かったため、星1つ減らしました。 | ||||
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検査を受けるだけなのに拒否、という時点で 話に入っていけなくなった。 明らかに、移植が前提の検査なのに。 同じ設定でも もっと徐々に、自然に 、そこに連れて行って欲しかった。 | ||||
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まず、パクリというのは、いささか疑問。 この程度の類似は、よくある話だし、あまり細かく考えると、“新しい”ミステリー(というか普通の小説も)なんか出てこなくなる。 謎のそのものは面白いし、読ませる力は十分。 ラストも含め、カタルシスもあった。 ただし、この作品、一年ぐらい前に読んだのだが、あまり印象に残っていない。 これよりずっと前に読んだ『脳男』の印象の方がはるかに強い。 そういった意味で、もっと強烈さを期待したい。 | ||||
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背景となる中国残留孤児のこともよく調べたうえで、しっかりとディテールも書き込まれています。多数の謎や伏線も最後にはきちんと回収されていて、意外な事実が明らかになります。その点で非常によく練り上げられた作品ですし、ここ数年の乱歩賞受賞作の中では傑出していると思いますが、「完璧なミステリー」とまで審査委員が絶賛しているのは褒めすぎでしょう。 点字の俳句の暗号も解読困難で、相手が解読してくれなければ作成者の意図からすると意味をなさないことになりますから、不自然です。孫娘の誘拐についても、そんなリスクの高いことをやる動機は不十分ですし、救出に乗り込んだ主人公たちがあっさり助かってしまうのも、ちょっとしらけます。またなによりも、最後に明らかにされる主人公の村上和久と徐浩然の関係は、ノックスの十戒にも反していますし、がっかりさせられます。 文章もとくに最初のプロローグはかなり気負って書かれたようで、多数の比喩表現が用いられていますが、あまりうまくいっておらず、かえってただ文章を読みにくくしているだけです。 | ||||
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かつては、その年の、最も優秀な新人のミステリとして、欠かさず読んでいた時期もあった「江戸川乱歩賞」受賞作。 最近は、他の新人賞も充実し、優秀作が分散したためか、必ず読まなくては、というほどでもなくなっていました。 しかし、この第60回(平成26年)の本受賞作は、年末の各種ミステリランキングでも、上位に食い込み、高レベルが期待でき、手に取ってみることに。 設定は、これまで読んだことのないものでした。 老齢の視覚障害者の一人称で物語は進行。 彼の孫娘が人工透析を受けており、腎臓病の完治のため、自らの腎臓の提供を決意。 しかし、検査の結果、不適合とされてしまう。 唯一の可能性は、27年前に、「中国残留孤児」として帰国した兄から提供を受けることだった。 ところが、兄は頑なに拒否。 主人公の心に疑惑が芽生える。 兄は偽者ではないか? 血縁でないことがバレないように、検査を拒否しているのでは? 兄が帰国した時、既に失明していた自分は、兄の顔を確認したことがないのだ…。 物語は、謎の手紙が届いたり、入国管理局が動き出したりと、不穏な空気の中、主人公は少しずつ、調査を進めていきます。 探偵役でもある主人公が、視覚障害を抱えていることで、独特の緊迫感があります。 また、中国残留孤児という戦争の産んだ悲劇を取り入れることで、社会性のあるドラマづくりにも成功していると言えるでしょう。 ただ、私にとっては、非常に残念なことがあります。 それは、巻末の選考委員の選評を、チラ見してしまったこと。 もちろん、内容のネタバレはありませんでしたが、本作品の「応募時の題名」と、「とにかくタイトルをなんとかしてほしかった」の文字が。 本作品は、あるひとつの優れたアイデアがあり、作品のキモとなっています。 それまでの作品世界をひっくり返すような真相です。 それが、応募時の題名を読むと、何となく察しがついてしまうのです。 これがなければ、気持ちよく騙されていたでしょうに。 これから読まれる方には、是非、選評は読了後の楽しみとして取っておくことをオススメします。 予備知識はなるべく少なめに――と言っても、その匙加減の難しさが、ミステリの宿命ではあるのですが…。 | ||||
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原題は、『無縁の常闇に嘘は香る』だったそうだが、 このタイトルだと、よく分からない。 『闇に香る嘘』の方が良いと思う。 主人公が盲目だから、『闇』である。 推理小説は、読者に推理させる訳だが、 分かり易いとつまらない。 主人公が盲目であるため、「誰かの気配を感じた」等、 読者への情報も必然的に少なくなっており、 「あの場面はもしかしたら..」と、自然に想像を掻き立てられる。 財布に入れるお札は、 ・折らない ・2つ折り ・4つ折り だったかと思うが、3種類を分けている、と書かれていた。 盲目の方の苦労がよく伝わって来て、違和感は感じない程、 とてもよく書けている。 兄を偽者と疑い調査するが、周りから止めた方が良い と言われ、余計に疑念を抱く。 目が見えないため、色々と想像してしまうことになる。 最後まで読んでしまえば、「そういうことか」と思うのだが、 とてもよく練られている。 実際にあり得る話だと思える程の高レベル。 | ||||
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盲目の主人公が音と空気の変化だけから周囲の状況を読む。息詰まるような描写にドキドキしました。 | ||||
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ここ数年の乱歩賞の中では、ずば抜けて完成度の高い作品だと思う。何といっても、この主人公でしか成立しない「ミステリー」である点が凄い。 ミステリー小説でありながら、殺人事件を解決する訳ではない。作中で描かれる犯罪は、プロローグの集団密入国事件と、クライマックスの誘拐事件のみである。(歴代乱歩賞受賞作で、殺人事件が一切発生しない物語は、今作と第49回「翳りゆく夏」、第52回「三年坂 火の夢」、第57回「完盗オンサイト」の4作のみ) 「闇に香る嘘」は、幼い頃に満州で生き別れになり、数十年後中国残留孤児として再会出来た兄が、もしかしたら『偽物』だったのでは?という主人公の疑念が果たして正しいのか?間違っているのか?という、本来なら随分と地味なテーマのお話である。健常者はよく障がいを持っている人たちを《前向きに生きようとする健気な人》とステレオタイプに判断する傾向があるかも知れない。だが、実際に親族に身障者がいた者として言わせてもらうと、決してそんなことはない。 障がいを(特に途中で)持った人間は、卑屈になることだって有り得るのだ。今作の主人公がまさにそうだった。 タイトルの「嘘」とは、作中の様々な「嘘」を表している。 「嘘」とまでは言えなくても、家族や恋人、友人の親しい関係であれ、意図的に話さないでいることだったり、敢えて相手に気を遣って言わないでおく、そんな物事は誰しも心当たりがあるのではないだろうか? 途中、主人公のアルバムのエピソードが出て来た場面で、思わず目が潤んでしまった。ベタすぎる(と言うか、ほとんどの読者は「あ、多分本当は……」と気付くはずだと思うが)が、ここで主人公が娘の「嘘」を受け入れ、感謝することによって、世界が変わって行くのだ。 そして、今作は基本的に「悪人」らしき人物は、冒頭と中盤以降に登場する密航に手を染めている海運会社関係者しか出て来ない。それ以外の人物は、悲しいまでに「善人」で固められているというのも驚嘆に値する。 点字の暗号俳句を送り続けている謎の人物も、愛する人を失ったが故の行動であり、ほぼ全ての登場人物たちが家族を思い、そして「何か」を隠している、隠し続けているのが切なくも心温まるのだ。 残念だった点が一点だけ。なぜ、あのコンテナは空気孔が塞がっていたんだろう?その後全く話題にも上らず、物語は終了してしまった。 | ||||
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多くの布石があって、それらが最後にすべてを拾って完結する完璧と言ってよいほどのミステリー。 主人公に対する非難や脅迫が、謎が解けたとたんに違った意味を持つ意味のあるものになる構成は見事だった。 たぶんそういう謎解きだろうな…というのはある程度読めてしまったのが残念でした。 | ||||
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登場人物やその状況の設定の巧みさ、歴史的背景や社会問題のプロットへの取り込み方が正攻法であること、そして終盤で明かされる真相の意外さ。 すべて一級だと思った。 細かな難点(終盤の山場の盛り上がりがやや弱い、等)はあるだろうが、上記の3点の素晴らしさの前には、些細な問題と感じる。 ミステリ・サスペンス好きな読者に限らず、社会派小説に興味がある読者にも勧めたい。 | ||||
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前半部分から終盤の250ページくらいまで、話が長く大きな展開もなくてかったるかったです。確かに謎の設定や伏線の張り方は見事なのですが、歴史小説を読んでいるかのような中国残留孤児の難しい歴史話に、ウンザリしてしまいました(+o+) 最後にすべての謎が明かされ、いくつもの驚愕の事実が明らかになる展開には感心しました。また、優しさからの嘘がたくさん出てくるのも、よかったです。読後感はかなり良いのですが、扱っているテーマが、戦争と残留孤児という重いものなので、社会派問題に興味のない人にとっては、無味乾燥した歴史の教科書を読まされている気分になってしまいました。文章もものすごく読みにくい文体です。 江戸川乱歩賞の作風とは、乱歩氏の探偵小説や東野圭吾さんの受賞作「放課後」のような、読んでいる読者がドキドキ&ハラハラするような作品であってほしいと思いました。 週刊文春ミステリー10でかなりの上位に入っていたので、読んでみましたが、個人的には20位位の作品だと思いました。 完盗オンサイトやよろずのことに気をつけよなど、最近の江戸川乱歩賞はかなり質が落ちていると実感しました。 また週刊文春ミステリーベスト10は、江戸川乱歩賞受賞作を必ず上位に入れる傾向があり、気をつける必要があります。 私はこの作者の作風や文体とは、全く合いませんでしたので、この作者の作品は二度度読みたくないと思いました。 | ||||
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日本人として、反省を促される、社会的な問題を提起しながら、大変よくできた小説になっていると思いました。 新人とは思えないなあと思ったら、なるほど、何度も、最終選考に残ってきた人だそうで、納得しました。 何度もトライしての、乱歩賞受賞、おめでとうございます。 これからもよい作品を書いてくださいますよう、期待しています。 | ||||
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前半部分はやや退屈な物語展開だったが、後半は全盲の主人公の不安感・絶望感・疑心暗鬼などなどを共有してしまうほど引き込まれた。終盤で謎解きがされると、それまでの宙ぶらりんな状態に置かれていた主人公の居心地の悪さが一挙に解消していく爽快さを読者も共に味わえる。ミステリーとしてはかなりいい作品といえるのではないだろうか。 いくつかのレビューでゴダードのパクリであるとの指摘は適切ではないと思う。パクリというレビューを参考にまず「闇に浮かぶ絵」を読み、それから本書を読んでみたのだが、どこにも似たところはない。むしろ、いつ同じような設定が出てくるのだろうか、、と楽しみにしながら読んでいたのに、肩透かしを食わされた感じだった。 | ||||
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