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(短編集)
今だけのあの子
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今だけのあの子の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.14pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全12件 1~12 1/1ページ
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私は捻くれているので、叙述トリックというものがあまり得意ではない。 最後にどんでん返しが!と触れ込まれていると、そのトリックに騙されまいと注意深くより一層捻くれてしまう。そのせいで最後には、やっぱりね、そう思ったよ、なんだか前評判の割には大したことないなあ、とがっかりしてしまうことが多い。本来の読書の楽しみ方ができなくて悲しくなる。 ただ、本作は少し違った感想を持った。 叙述トリックよろしく、どの話も展開からすると予想外の、しかしなんとなく想定した方向に着地する。ただ、結末がどれも心地良い。主人公に成長がある。読後感が爽やかで、むしろ「だまされた」ことにも、「やっぱり!」と感じることにも、心地よく感じられるのだ。 どんでん返しに驚くというよりも、その裏に隠された人間ドラマや心理描写の巧みさに感動する。 こういった「人間の成長」や「希望の余韻」を残す作品には、どこか救われたような気持ちになる。本作が叙述トリックものとして語られる以上に、登場人物と、読む人の心に明かりを灯す物語であるという点にこそ、本当の魅力があると感じた。 叙述トリックにやや苦手意識がある人にこそ、本作をぜひおすすめしたい。 | ||||
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昔から「親友」という言葉に懐疑的だった。果たして相手は自分を本当に親友だと思っているのか。 5つの短編の中でも「届かない招待状」が秀逸。親友だと思っていた相手から結婚式の招待状が届かないことは割合ある話だ。逆に届いたのに欠席することもある。理由は出張と重なったり、祝金を出す余裕がなかったり様々だ。まあ同じ高校や大学、結婚式以降は少し距離を取る方が懸命だろう。「今だけのあの子」はよく出来た〈連作短編集〉だ。読みながら暗鬱な気分になるものの、決して希望のない終わり方ではない。全話が別の話であるものの、全ての話が繋がる伏線がある。芦沢央は長編も短編も素晴らしい。 | ||||
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2014年に出た単行本の文庫化。 「届かない招待状」「帰らない理由」「答えない子ども」「願わない少女」「正しくない言葉」の5話を収めた短篇集だ。 いずれも女性同士の友情をテーマとしている。年齢はいろいろ。 どの話も出だしは重苦しく、また登場人物が嫌な感じがして苦しい。しかし、最後はハートフルな結末を迎え、たとえようもないカタルシスが押しよせてくる。緊密に構成された、力のある作家の作品だ。 それぞれの物語が緩やかにつながって「仕掛け」を構成しており、再読したくなる一冊だった。 | ||||
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5作の短編小説からなる作者の物語 ドロドロしたストーリーなのかと思い読み進めて行くと ホッと暖かい結末に5回出会えます。 芦沢作品初心者の私は短編から入りましたが、私個人では 読みやすいと感じましたので、今度は評価の高い長編に 進みたいと思います。 | ||||
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ありがとう | ||||
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今だけと言わず女同士が永遠に良好な関係を保つには秘密を抱えていちゃあ駄目で正直に打ち明ける事が大事だとつくづく感じさせてくれた芦沢央さんの意外な仕掛けがたっぷりの「ない」尽くしの短編集著作3冊目。『届かない招待状』疎遠だった人と和解出来たら良いね。『帰らない理由』噂に惑わされずに信じられるのが真の親友。『答えない子ども』溺愛も期待し過ぎも駄目。神経質でなく大らかになれ。『願わない少女』マンガ大好き少女二人のまさかの意外な未来。『正しくない言葉』老母と娘・嫁姑が諍い遠慮なしに互いを尊重して平和であれと願う。 | ||||
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いわゆる日常の謎系ミステリ(過失犯や未遂犯は少し絡むけど)なのに、連続殺人もの顔負けの迫力とサスペンスで読ませる。ツイストの効かせかたもわざとらしさが無く、どの短編も後味がいい。リンクの貼り方もいいが、第2話のあの人も再登場させて欲しかった気もする。というよりも、続編が読みたい。 | ||||
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短編5本とも、読みやすくて、楽しめます。 解説に書かれているように、5本はゆるーくつながっているのも面白い。 私が一番好きなのは「答えない子ども」。 同じ絵画教室に通う子供の母親同士。 それほどいい印象を持っていないけれども、 ママ友としての付き合いは普通にしている。 それが、子供のことで、ちょっとした問題が起きて... この二人の女性、いい友達になれるといいなぁ..と思いました。 | ||||
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様々な年齢の女性の友情をテーマに,日常の謎を解く短編集である.従来の作品にみられたイヤミス的な要素は薄くなり,ハッピーエンドで終わり読後感もよい.ミスディレクションが上手く,サプライズも楽しめる.今後に期待がもてる作家である. | ||||
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芦沢央3作目。 なんというか、この作家自分にとっては神ではないかと思えるくらいすごい作家だと思う。 デビュー作からしてここ数年の新人作品のなかでも出色の出来だったが、2作目は2014年度 全作品のベスト作品といえるくらいの出来だし、本作は短編集として、また「日常の謎」系ミステリとしても 今後長く読み継がれるべき傑作といえよう。 冒頭の「届かない招待状」からして推協賞も十分狙えるレベルだし、続く4篇も高レベルの心理ドラマが続く。 まだ刊行ペースがそれほど早くないため次の作品が待ち遠しいが、いずれこの作家は日本ミステリ界の至宝として 君臨するに違いない。 ただただ感服するのみである。 | ||||
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初めての連作短編集らしく今までとはちょっと違った読み口だった。 今までの2作が黒芦沢なら今作は白芦沢という感じ? 自分だけ結婚式によばれなかったとか、ママ友同士の微妙な関係とか、義母を怒らせちゃったかもとか、イヤ~なシチュエーションで心理描写も上手さも健在なんだけど、そこからのどんでん返しにびっくり。 イヤミスかと見せかけて全然違う角度から切り込んでくるのも登場人物のリンクのさせ方も心憎いし、なんか一作ごとに上手くなっている感じがする。 個人的には2作目の方が好きだけど人に薦めるならこっちかなー | ||||
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それぞれ異なる年代の二人の女性が 様々な感情に振り回されながら気付く真の友情の5編。 親友だと思っていた。 何でも理解し合っていると思っていた。 本当は上辺しか見ていなかったのだ。 彼女の心の奥底に何で気付かなかったんだろうー。 友情がテーマですが、かなり心の奥まで踏み込んでいるので それがリアリティさを生み怖さを感じる場面もありました。 ほんの些細なことから変化してしまう女性の友情は 実は脆くて時には危ういものだと教えてくれます。 「届かない招待状」「帰らない理由」 「答えない子供」「願わない少女」「正しくない言葉」 5編全て面白かったですが個人的には「届かない招待状」が 一番、好きです。 同じ大学、同じサークルだった女子6人。 中でも親友だと思っていた彼女の結婚式の招待状が 自分にだけ届かない。その線引きは何なのか。 彼女との過去、最近の会話、その一つ一つを思い出してみるが 彼女を怒らせるような心当たりが無い。 思いを巡らせているうちに疑いの矛先が思ってもみない人物に 辿り着きます。 表現が、とても分かりやすく、それでいて繊細で 年代が異なっていても同じ女性として共感出来る部分が 沢山ありました。 先が気になって読み進めてしまうストーリーの展開に 引き込まれます。 初めて読んだ作家さんですが、この方の他の作品も もっと読んでみたいと思いました。 とても面白かったです。 | ||||
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