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マレー鉄道の謎



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【この小説が収録されている参考書籍】
マレー鉄道の謎 (講談社ノベルス)
マレー鉄道の謎 (講談社文庫)

マレー鉄道の謎の評価: 3.69/5点 レビュー 32件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.69pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全32件 21~32 2/2ページ
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No.12:
(5pt)

古風な「本格推理」で大満足。

国名シリーズにしては珍しい長編の「マレー鉄道の謎」は有栖川氏らしい作品で読み応えはあります。海外取材に行ったのがよく分かります(笑)人はなぜ殺すのか、殺人者は皆「悪」なのか、とおなじみの会話を交わす犯罪社会学助教授の火村と小説家(兼助手)のアリス。その2人が旅先で「密室」に出くわし、それを発端に起きた連続殺人事件に巻き込まれます。今回は旅先での事件、ということで帰国までのタイムリミットもあり火村は焦ります。それでも落ち着いて読める小説にできあがっているのは有栖川氏らしいというべきでしょうか。推理にはお決まりのアイテムも続々と登場:密室 ダイイングメッセージ 屋敷 使用人(しかも若くて美人) 頭のキレる探偵 間抜けな探偵助手後ろ髪を少し引かれる寂しい物語の終盤で、冒頭での火村&アリスの会話が頭を反芻します。氏の尊敬する三大巨匠を意識して書いたらしいだけあって、久しぶりに古風な「本格推理」を読んだ気分になれた作品です。マレーシアの美しい情景も伝わってきて、本片手にふらりと旅に出たくなりました。
マレー鉄道の謎 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:マレー鉄道の謎 (講談社文庫)より
4062750775
No.11:
(3pt)

できのいいパズル

推理小説は、なぜ殺したのかという動機を重視した作品と、誰がどうやって殺したのかというロジックを重視した作品の二種類におおまかに分類されます。どちらか片方にウェイトをおきつつも、この二つの要素が高いレベルで混ざり合うことが、良質のミステリー成立の条件ではないでしょうか。必要以上に動機にウェイトをおくとテレビの2時間サスペンスのようにお涙頂戴の陳腐な作品になりますし、逆にロジックを重視しすぎると文章を手段にしたただのパズルに堕してしまいます。その意味で、今まで一貫してロジックを重視していた有栖川さんらしく、この作品のロジックも冴え渡っています。さすがに、ロジック重視の代表選手であるエラリー・クイーンの向こうを張って国名シリーズを刊行している面目躍如というところでしょうか。しかし、動機、および人物描写についてはイマイチと言わざるをえません。まず、謎解き部分のロジックの面白さに比べると、なぜ殺人を犯したのかという理由がありきたりで必然性が弱い気がします。さらに、主役である火村とアリスの会話が探偵と道化回しというパターンに固定化されてしまい、それが物語をつまらないものにしています。やはり人気シリーズゆえの宿命なのか、このシリーズはマンネリ化への道を踏み出しているようにすら思えます。今はやりの動機にあまり重きをおかない推理小説が好きな方にとっては、この作品は本当に面白い作品でしょう。しかし、私の目にはできのいいパズル以上のものには見えません。
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4062750775
No.10:
(4pt)

有栖川有栖らしい作品

決して、はっとするようなトリックがあるわけではない。何故、次々と殺人が起こったのか。それを追って行く火村とアリスの思考は、読んでいて面白かった。だが、トリックや犯人が明らかになった後にまで、そのすっきりとした気分が残るわけではなかった。事件が起こる前に二人の交わす小難しい会話なども、読了するまでは、必要性を感じず、グズグズとむずがゆい感覚を覚えた。しかし最後の一行まで読み終えれば、全ては思いつきなどではなくこのラストのために書かれたものであろうことがよく分かる。トリックが全てではない、有栖川氏らしい作品と言えよう。有栖川氏の作品のファンはもちろん、トリックに固執するミステリーはとっつきにくいという人にもお薦め。
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4062750775
No.9:
(4pt)

オーソドックスな本格ミステリなのかな。

 オーソドックスな本格ミステリなのかな。火村とアリスの軽妙なやりとりが無いのは寂しい。それでも、このコンビが話を進めるという面での安心感はある。 ミステリを解明するアプローチは動機面と物証面(アリバイとか密室とか)の2つがあると思うのだけど、ボクが好むのは動機面から追いかけていくもので、物証面からのみのアプローチしかない作品はあまり好きではない、そういうものを「人間が描けてない」と言いたくなるのだと思う。殺人が技術的に可能な環境が用意されているとしても、そこからの一押しが無いと殺人は行われず、逆に動機があれば技術は不要な訳で。大事なのは動機といった人間の心の動きだろう。まぁ、京極堂的に見れば「動機は万人を納得させる為の言い訳でしか無い」んだけど。『マレー鉄道の謎』は、新本格を冠するだけあって、動機面よりも物証面でのトリッキーな謎解きに重きを置いてるけど、不足している動機面(人間描写面)をカバーするのが火村&アリスのコンビなんだろうなぁ、と。 オチはちょっと納得仕切れなかった。物語は全て決着が付くというモノではないけど、何となく。まぁそれでも読み応えはありましたです。
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4061820273
No.8:
(4pt)

有栖川さんの関西弁

ミステリーというのがほとんど苦手で最後まで読めないことが多いです。それはやたらとカタカナの名前の外国人が出てきて(特に翻訳)、しかもキャラクターの薄い人が多く登場してくるものは、誰が誰なのか途中でわからなくなってしまうからです。そういうのにくらべてこの作品はそれぞれの人物像がはっきりしていて、内容も面白く、最後まですらすらと読めました。有栖川さんの関西弁は本物なので、とてもかっこよく感じました。今までは小説に関西弁が出てくるとどうしても野暮ったく感じたものですが、有栖川さんに語らせるとなぜかクールに感じてしまうのが不思議です。
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4061820273
No.7:
(3pt)

国名シリーズ!

そろそろ火村シリーズに代表作と呼ばれるものを・・・と思って書かれた長編小説。有栖川氏のロジックはいつもとても素晴らしい。けれどこの作品にはところどころ、首を傾げたくなるような箇所があるのも事実。代表作、と呼ばれるには今ひとつ、何かが足りないと思う。とはいえ、人気の高いシリーズものなのでキャラクターに思い入れのある方は面白く読める作品だと思う。本格の中の本格を求める人はちょっと物足りないかも?
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4061820273
No.6:
(4pt)

おもしろいけど

 マレーシアの様子が良くわかり、また旅に出たくなるような作品。犯人の心理がリアルタイムで伝わらないのは一人称でかかれているものでは仕方ない。しかし、古今東西、ワトソンに始まりヘイスティングスもこのアリスと同じ立場であれだけの面白いものをかいてきた。今回は「パズル」のような謎解きでした。それも「心理篇」。これまでの時間や路線を使ったトリック物ではないです。だから「むづかし」くて「面白い」。CLUEsが多くて四苦八苦。余分な描写も今回は多かった気がするけど、楽しめました。いつもの作者の作品の根底にある「リリシズム」なるものがあまり味わえなまったのは残念。
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4061820273
No.5:
(4pt)

納得の国名もの

特別、マレー鉄道(あるいはマレーシア)に限定しなくても良いのにと思ったが、やはりマレーシアでなければいけない事がだんだんと明らかにされてくる整合性と魅力が見事にマッチした作品だった。実は密室がトレーラーハウスを舞台にしていると言う事で、最初に大凡のトリックは判ってしまったのだが、現場に残されたヒントや複雑な人間関係、数年前の鉄道事故などの組み合わせの妙は、著者の国名シリーズの中でも群を抜いていると思う。数日前に発表された日本推理作家協会賞受賞もあり、氏の『本格もの』の更なる飛躍を期待します。
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4061820273
No.4:
(5pt)

最も本格では!

「国名シリーズ」初の海外作品。殺人現場は鉄道ではないけれど、鉄道がちゃんと意味を持っているのも、本格ぽくてよい。この作品の一番の見所は、やはり、登場人物や事件全体を濃密に包みこむ熱帯の雰囲気だろう。それゆえか、謎多き(アリスに言わせれば、「明敏な頭脳と強靭な精神力をもちながら、どこか危うい」という、乙女心をくすぐる♪男)火村も、日本にいる時よりは少しだけ舌も滑らかになるようだ。初めのほうの、アリスとの、犯罪や罪というものについての談義における彼の意見には納得しかねる部分もあるが・・・どちらかといえばやはり、アリスの方が一般人代表なのだろうか。この作品単独でも楽しめるが、なるべくなら火村&有栖川コンビの前作までを読んでからなら、火村の変化もよく!ァ!かって、物語への感情移入もしやすいのではないかと思うし、彼についての興味が一層深まるだろう。これまでの作品も面白かったが、この作品は、これまではトリックを先に思いついた犯人が無理に犯罪を犯しているように思えなくもない作品があったのに対し、動機も至極まっとう。人間の欲望や本能だけは熱帯の異国でも変わらないものだな、と思う。トリックも机上の空論ではなく(これまでのものがそうだったという意味ではない)㡊€!納得できるもの。読み終わってからのスッキリ感もある(一部、作風の変化なのか、許せない部分もあるが)。シリーズ最長作、最新作、そして最高傑作。次回作にもますます期待したくなる。
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4061820273
No.3:
(5pt)

ついに海外進出!!(笑)

一言で言えば、待ちにまったかいがあった『マレー鉄道の謎』でしたvミステリには欠かせないトリックなどもワタシ的には満足いくものでしたし、いや、それよりなにより、それ以上に火村先生とアリスの掛け合いが笑えて見物です☆ストーリーやトリックも魅力的な小説ですが、それと同時にキャラクターに魅力を感じさせる小説だと思います。絶対!おすすめですv読んでみてください!!!ハマりますvvv(>▽<)
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4061820273
No.2:
(3pt)

待ちました!!

待って待って待って、待ち続けて、ついに出ました。「マレー鉄道」アリスと火村の学生時代の友人を訪ねて、彼らは今回、マレーシアに旅立ちます。マレーシアの雰囲気が味わえるし、彼らの学生時代のエピソードも出てくるので、それはそれで楽しいです。が、ミステリ的にはどうかなあって思います。熱帯特有のスコールで痕跡が瞬く間に消えてしまうと言う、不利な状況下で起きた、一応、密室殺人ですけど、ちょっとトリックが物足りない感じですね。でも、ま、だからといって、つまらないわけでは決してなく、最後まで楽しんで読めると思いますよ。
マレー鉄道の謎 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:マレー鉄道の謎 (講談社ノベルス)より
4061820273
No.1:
(4pt)

あの二人がマレーシアで活躍!

有栖川氏の「国名シリーズ」初の全編海外ロケ(?)長編です。タイトルから「まさか新本格の雄が時刻表トリックに手を染めたのでは」という疑いを持ちましたが、心配無用の正統派密室殺人でした。外国を舞台にしても、火村助教授と作家アリスのコンビがいつものペースで難事件に挑み、犯人に迫って行くのが嬉しいですし、青春の残り香のような感覚を覚えるビビッドな人物描写も健在です。謎の深さを予感させるプロローグから、次作が楽しみなエンディングまで、異国情緒溢れる高原リゾートでの謎解きを味わってみてはいかがでしょうか。
マレー鉄道の謎 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:マレー鉄道の謎 (講談社ノベルス)より
4061820273

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