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ビッチマグネット
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ビッチマグネットの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.13pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全30件 21~30 2/2ページ
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舞城作品の中で一番好きです! 阿修羅ガールや好き好きでは面白さと同時にちょっと置いていかれそうになったので 今回の作品はとても読みやすいし、でも雰囲気は残したままで。 ていねいだけどぶっとんでて、日常だけど非日常。 矛盾してるような感想だけど正しい気がしちゃいます。 おすすめです。 | ||||
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一つ一つの章立てが短編として成立している。完成している。 一文一文が熱い。こんなのを書けるのは凄い精神力だと思う。 面白いとかって前に、凄い。 たくさんの人に読んでもらいたい。 文学って芸術なんだって、きっと実感できるから。 だけど、やっぱり、ある程度本を読む人にじゃないと薦めにくい。 薦めて分かってもらえないと嫌だし。 | ||||
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煙か土か食い物でピコーン!と来て以来、舞城さんの作る物語からジンジン伝わって来るパワーが好きで、ずっと読んで来ました。このビッチマグネットでは、西暁へも調布へも跳んで行かないし、猟奇的な連続殺人も密室殺人も起こらないし、カルトなオタクやフリークな探偵も出て来ないし、何となく過去の作品世界よりも空間的なスケールが小さく、ぶっ飛び感は物足りないかもしれません。が、するする読んでいてスコーンと時間をワープするスピード感がえらく心地良いな?と思いました。きっとテレビドラマなんかではBGMたっぷりかけて盛り上げてネチネチ時間をかけて感動的に描き上げるであろうような(ヘタするとToBeContinued…とか言って次回へ引っ張るような)場面を超ぶっ飛ばしてコマを進めてしまう爽快感、そして大事なことはちゃんと伝わって来る…。舞城さんの物語の何が私の魂を揺さぶるのか、その謎の答を、ちらっとつかみそうになる、だけど、つかみきれない、つかんでしまう前に、もう少し泳がせて楽しみたい、みたいな微妙な幸福感が、今回の舞城作品にはありましたが、どうでしょうか?やっぱり舞城ワールド、好き好き大好き。です。 | ||||
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おいおいそんな毎日考えすぎだよ、と突っ込みたくなる主人公の姉に共感しながら読んだ。というかかなり共感出来たのに驚くよ。 ストーリーは面白いんだけど舞城の文体やら狙いやらでサラサラしてて流れるよう。 サラサラしてると思ったら急に舞城の主張!だったりするけど。それはまぁ何時ものことかも(どストレートな変化球っぽいところとか)。 舞城の本を読むと元気が出る。パワーを分けて貰える。舞城ありがとう。 | ||||
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今回のストーリーは前作のディスコ探偵に比べるとスケールもぐっと小さく、『もし阿修羅ガールがコスモチックな発展をせずごく家庭的な問題を抱えて進んでいったとしたら』。熱心に舞城王太郎の作品を読んでいる人ならそれぐらいに感じてしまうかもしれないものだ。 しかし、どこをどう進んだって書いているのは舞城王太郎なのだ。彼は大体にして、作品の中で言いたいことを声高に言っている(ように、読み手は思ってしまうだけなのだけれど。) そして今回扱われる問題とは、 1、恋とはなんなのか? 2、自意識とはどこまで自覚できるものなのか? 3、人間の感情はどこからどこまでがピュアで、どこから先がビッチなのか? ということではなかろうか。 主人公である姉は過分に懐疑的だ。高校生頃までは潔癖的過ぎるほどに『自分がなにかを演じているいるのではないか』という思いに取り付かれている。この自己分裂的とさえ思える語り口も、彼女が大学生に進む頃にはなりをひそめる。 対し、弟は・・・・・・まあ、そこから先はどうぞ本書にて。 形態としては中々良く見られる家庭不和を中心に据えた話であり、そして家族再生の話である。 けれど、扱っている問題は↑の三つだ! と決め付ける私はひょっとしてビッチかしらん? | ||||
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軽快で流れるように歪な家族、どこにでもある家族の中の歪みを描き出しているのがこの作品。 途中途中で挟まれる、主人公による人生への考察で、凄く心に響く、いや抉られるような文字が踊って作品にぐいぐいと引き込まれて行きます。 仲の良い姉弟を中心に物語は進んで行き、問題にぶつかってはそれを何とか乗り越え次に進んで行く。その描写は、今までの舞城作品のような流れるような理論展開・行動で凄く盛り上がって行きます。 これ本当に純文?って言いたくなる程のエンターテイメント性も同時に兼ね揃えた本作品。一読の価値はあります。 | ||||
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若い女性の内的な成長を一人称でつづった作品であり、 その意味では平成版の桃尻娘ともいえるかもしれないが、 私にとって気になるのは「女性の内的な葛藤を ここまで詳しく書けるからには、覆面作家の 舞城はやっぱり女性なのではないか」ということなのである。 従来の作品では道具立ての過激さが舞城世界の女性性を カムフラージュしていたが、 他の作品を読まずにいきなり本作を読んだら、大概の読者は作者は 女性だと思うだろう。 もしもこれで舞城が男性だとしたら凄すぎる。 | ||||
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香織里と友徳の仲のいい姉弟。だが、父・和志は愛人を作って家を出ているし、母親・由起子はやつれて消極的な日々を送っているという誠にアンチな家庭が舞台。高校生の香織里は家族を捨てた父を憎みながらもなんとか折り合いをつけて、青春の日々を真っ当に生きようと足掻いている。母親につらくあたる弟も、香織里にだけは心をひらいてやさしく接している。そんなアンバランスな家庭の中では日常がすでにドラマと化しているのだが、そこは舞城君、深刻な設定を深刻に感じさせず、ひたすらポップにどこまでもあっけらかんと描いていく。読んでいてとても共感したのが青春の足掻きや思索がこれでもかというくらい濃密に描かれているところだ。主人公は女性なのだが、ぼくもこの時代は多かれ少なかれ香織里と同じ行程を経て大人になっていった。それが手にとるようにわかるから読んでいてうれしいし、とても刺激された。そこから広がっていく物語世界はあっという間に読み進んでしまえるくらいおもしろいのだが、やはりそこにも様々な思惟と思索が渦巻き読者を搦め取る。う〜んやっぱり舞城君はこうでなけりゃね。生きてゆく上で人間に必要なもの。歴史と記憶と想像と思い込みと願いと祈りと連想と創造。そうそう、そうなんだよ。ぼくも君の意見に賛成。物語は世界を救うんだ。あのジャネット・ウィンターソンも言ってるようにね。 | ||||
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舞城さんの新作。 現在、広谷家は荒れ模様だ。父は浮気して母はぐったりだし、弟は女性がらみの問題をもってくる。その渦中にいる広谷香緒里は長女としてこの一家が少しずつ変化する様子を様々な思いで生活している。そんなストーリー。 タイトルにちょっとビクッとする。 が、内容としてはあまり過激でもなければ刺激的でもない日常のお話。作者の『ディスコ探偵水曜日』みたいなとんでもないことは起こらず、地に足の付いており、広谷香緒里視点での弟や父やその愛人や母などを作者特有のユーモラスな自問自答(一人ボケツッコミ)での描写が心地良く、気を抜いて読める一冊。ほんとになにげないことを描いているので前述のような作品を求める人には少し物足りないかもしれないが、<キリンの腹に「吸血鬼は実在する」のラクガキ>など所々で非日常臭を醸しているシーンをさも実際はなんでもないお話に仕立てているのは作者っぽいと思う。 でも、次回作はとんでもない方面を期待。 | ||||
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舞城お得意、家族がテーマの長編です。 ミステリではなく純文です。 『煙か土か食い物』等とは違い、暴力とか超常現象めいたものは全く出てきません。 というか舞城作品でこれほど穏やかな作品は珍しいと思います。 殺人起こりませんし血も流れませんよ〜(あ、でも鼻血はでるかも)。 ちょっと変わった姉を主人公に、弟母父とその愛人、や弟の彼女が登場します。 弟の彼女はビッチだし、父は浮気、母は沈んでて、そんな中での成長物語。 舞城節は健在ながら、口当たり滑らかで普段舞城を読まない女性とかにもお薦めの作品です。 舞城は前作『ディスコ探偵水曜日』を書きあげて一息ついたような気がします。 なんというか、メタ視点を繰り返して一周して戻ってきて一旦振り返ってみた、というような『ビッチマグネット』。 その中には、多重メタ視点について主人公が内省する場面もあります。 自分を相対化(=メタ化)することも大事だけど、やり過ぎてごまかしみたいになっちゃいけない、と。 あと、大事な、物語を巡る考証もとても穏やかに響きます。 基本姿勢はこれまでと変わらず素敵ですね。 芥川賞狙い目かな、と思わないことも無いですが、まあ邪推でしょう。 ぜひ色んな人に読んでもらいたい、良い一冊です。 | ||||
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