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風の万里 黎明の空 十二国記
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【この小説が収録されている参考書籍】
風の万里 黎明の空 十二国記の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.69pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全108件 61~80 4/6ページ
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十二国記、第五巻 風の万里 黎明の空(上)です。 この巻は、主人公として、陽子と海客で仙人の鈴、 峯王仲韃の娘で仲韃の死をきっかけに仙籍を剥奪さ れた祥瓊の三人が設定されています。そのため、物 語を今までの巻以上に多くの面から読み理解するこ とができる味の豊富な巻です。 読みどころ3つ挙げますと、 (1)景麒の溜息。 (2)延王「俺は雁を滅ぼしてみたくなる」 (3)新・峯麒の行方。 この巻の魅力は、陽子を通して景の国政の内実が描 写され、それ以外を鈴や祥瓊などの登場人物を通し て、景という国の実情や問題、陽子からは見えない、 確認できないことを読者に確認させ、両端から、登 場人物と共に慶の国政と国情を実感として繋げてい くところなんです。読んでいるうちに、本当になん ともいえぬ感動が湧いてきますよ。 | ||||
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女子高生が突然一国の王になったら・・・・そりゃ悩むでしょう! でも陽子はそれを真剣に受け止めて、解決しようともがきます。 実際に国を見て、問題を見つける・・・・。日本の政治家にも見習ってほしい! とにかく陽子がかっこいい!元女子高生とは思えない迫力と威厳。 最初は景麒もいじわるな事ばっかり言うなぁと思ってましたが 景麒も陽子を信頼しているのがわかって、安心しました。 初勅のシーンはとてもかっこよかったです!早く続きが読みたい! | ||||
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他の12国記も読んでいるので、迷わず上下巻購入。 ちょうど届いた日に風邪をひいて仕事を休んでいたので、体の具合が良くなったときに 読み始めたら止まらなくなり、一気に上下巻読んでしまいました。 陽子・祥けい・鈴が近づいていく様子もとても面白いのですが、やはり3人が揃って自分の信念のために戦いに 参加する処。そして祥けい・鈴が陽子のために民衆に啖呵を切る(といっていいのか?)所。でも一番の見どころは 陽子が禁軍を前に王は自分であるというところを見せる、ここが一番カッコイイ! 熱があっても寝られなくなりました。文章がすごすぎる・・・お勧めです。 | ||||
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時代は陽子が景王に即位した直後。 華々しく即位の儀が執り行われ、民たちの間には今度こそ良い時代がやってくるはずと喜びと期待が満ちている中、陽子は苦悩しています。短命の女王が続いたため官吏には「女王」に対する不信感があり、相手にされていない。唯一の拠り所の景麒は無口で無愛想、不満を顔に出してしまい陽子を不安がらせる。海客のため、国と政治の事がさっぱり分からない。。。まさに八方ふさがり。 ありきたりなファンタジーなら信頼できる仲間と有能な官吏が主を支えて協力して国を運営していくのでしょうが、作者は楽な道を与えてはくれません。「月の影〜」で友達になった楽俊は雁国の大学へ行ってしまったし、協力を得た延王・延麒はあくまで他国の王と宰相なので陽子に積極的な協力は出来ない。陽子は孤立無援の状態に置かれてしまいます。 「風の万里・黎明の空」は陽子だけでなく、長くなってしまうためくだりを割愛しますが海客の鈴と元・芳国公主の祥瓊の2人の少女が苦難を乗り越え、成長していく物語が展開されています。 陽子・鈴・祥瓊がどう行動し、それぞれの困難を乗り越えていくか? 自分に足りなかったもの、目をそらして見て来なかったもの、やる前にあきらめてしまった事・・・3人の歩んだ道を通して、はっと気付かされる事が多くありました。 自分の進む道に行き詰ってしまっている人に是非読んで頂きたいです。 | ||||
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ファンタジーはどこか現実世界において感情移入するものがなければ本当の意味で楽しさは味わえないもの、というのが私の考えなのですが… この作品は現実世界にも目を瞑りたい影の心理がリアルに描かれている作品の一つ。 なによりこの「風の万里〜」は人が持つ「地位、名声」が他人にどれだけそこへの「期待」「妄想」「嫉妬」といった感情を抱かせるかをテーマにしていると思う。 「実際になってみて違う―、実際会ってみて違う―」よく世間で人と出会えば起こりうることだ。そのギャップを知り、自分の甘さを知り成長していく陽子、鈴、ショウケイの三人の成長ぶりは今でも好きだ。 高校時代はこの本を読んで、ざくざく心の弱さにしみた憶えがある。 ファンタジーなのに現実をがんばってみよう!って思わせてくれる素敵な作品でした。 そんな意味で、これが十二国記の中でも一番好きな理由です。 | ||||
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最初は“ゴーストハント”シリーズだけでした。それも漫画の方。 いつになってもでない続編。イライラしながら待っていました。 その最中、愛する台湾で作られた日本の漫画“花ざかりの君たちへ”が原作のドラマが気に入り漫画全巻揃えました。 その中で小野先生の“屍鬼”が紹介がされておりました。古本屋迄探しても下巻が見つからない時期があり(普通の本屋で売っていることは知らなかった)、探しながら“黒祠の島”で人間の狂気に、全巻揃えた“屍鬼”では様々な心理描写に嘆息しました。 その後、“屍鬼”と一緒に買った、最初に読んでしまった“魔性の子”は広瀬から醜い人の描写に驚き、“東の〜”で尚隆・六太が心を温め、“図南の翼”で珠晶の潔く自己の過ちを省みる姿に心打たれ、“風の海〜”は泰麒から麒麟の事を学んだ。 その後に“月の影〜”で極限のどん底に落とされた陽子が楽俊に巡り会ってからの自己確立の芽生えには感動しました。 その後のこの“風の万里〜”は、不幸に浸り自らを救う事を知らなかった鈴が、自他国の事・公主としての務めの事が分かっていなかった祥瓊が、王として下すべき何もかもが分からなく信の置ける臣下もいない陽子が、それぞれに動き始めて自らの過ちに気付いていく。そして自分の為だけではなく、信ずる正義の為に周りを助けながら、愚かだった自分と決別していく。 そして最後の場面での景王陽子の初勅。目に浮かべてみたら涙が止まりませんでした。 本当に、この巻だけは中学・高校の社会科での必ず読まなければならない読書本として指定しても良いと思います。 まだの方、是非読んで下さいね〜。 | ||||
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シリーズ4作目にして1作目で陽子が玉座に着いたその後の物語。 慶国玉座につきながらも、「こちら」の世界がわからない陽子。 何を聞かれても、何が最善かがわからず、回りからはため息をつかれ 自信もなく、苦悩する。 崖から足を踏み外し、虚海に落ち「こちら」の世界の才国にきてしまった鈴。 言葉も通じない、もとの世界にももどれない、自分以上に不幸な子はいない、 誰も私をわかってくれない。と、 周りのことを、みようともしない。 芳国国王の娘に生まれた祥瓊。 王と王后に溺愛され後宮奥深くに隠され、幸せにくるまれて世間もそのようだと思っていた。 目の前で両親を殺され、身分を剥奪されるまで国王が何をしていたのか、国の中がどのようなものだったのかがわからなかった。 わかってからも、自分は何も悪くない。と、すべて何事も人のせいにしつづける。 同じ年頃の少女たちの物語が交差して進んでいく。 350ページ近くもある上巻の中で 少しずつ変化を見せる鈴と祥瓊。 この2人が陽子とどう繋がるのか。 3人の物語は繋がりそうでまだ繋がらない。 分厚さも気にならないくらい面白い。 かえって、その厚さがうれしいくらい面白い。 | ||||
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いままでの自分を振り返ることのできた鈴と祥瓊。 何が間違っていたのか。 何をすべきか。 そして、陽子、鈴、祥瓊の3つの物語は繋がりひとつの方向へと向かう。 上巻は350ページ近く。 下巻は370ページ。 下巻の中盤からさらに展開は面白くなっていく。 クライマックスも、十分読み応えあり。 祥瓊もかっこいいけど、陽子がかっこいい! 読み終わった後、とても気持ちがよくって、 よし、がんばろうって、思う。 | ||||
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な、ながっ!。上下巻合わせて700ページはゆうにあるから(笑) 今回は、陽子の統べる慶国がまだまだ「カタチ」にさえなっていない時期の話です。 主人公は、陽子を含めた3人の少女。 鈴-----蓬莱にて、家が貧しく親に売られた娘。 売られる屋敷に行く途中、突然の嵐で虚海に落ち「あちら側」へ行く。 翠微洞の梨耀に拾われ、下僕となる。 祥瓊----十二国のひとつ芳国、峯王・仲韃の娘で公主。 過酷なる法によって民を苦しめ、天命を失くした峯王・仲韃を目の前で月渓に殺される。 祥瓊は殺されずにすむが、芳国民の元へ素性を隠し、おろされる。 陽子----天命を受け、慶国の女王となったはいいが、陽子が女王となる前に国を 荒れさせたのも女王だったという過去で、民の信頼が得られない。 且つ、海客ゆえに「こちら」の様々なことがわからない事が、更に側近達のため息を増やす。 簡単に、簡単に言ってしまえば、3人の娘達の生い立ちはこんな感じ。 ただし、上巻300ページ以上使っても3人は 「まだ出会っていない」 。 それぞれの「願い」は、本当に正しいものなのか? 果たすべき責務を理解していない幼き少女たち。 幾人かの大人がそれとなく教えようとするが、わからない。 現実世界もこんな感じだな……と思った。 社会に出たら、オブラートに包み「自分で理解させよう」とする。 大人になるために必要な心構えややり方は、学校のように教えてはくれない。 でも、そうやって大人になるものなんだよな……。 | ||||
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鈴と祥瓊、それぞれの思惑は違えど「景王・陽子」に向かって進み始める。 陽子に会いに行く当初の思惑は、幼く独りよがりだった。 道中、それぞれの苦難を乗り越え、精神的に大人になってゆく様は、読んでいてホッとする 場面。「その気持ちになれたのならば、会いに行ってもいいよ」と許したくなる。 あっ!そうそう!優しい優しい楽俊が再び出てきますよ。 (アタシは楽俊が恋人だったらな!と読むたびに思います。鼠の姿だけど) 陽子の方は、さすがの女王。 自分で答えを見つけるために行動を起こした。 不甲斐ない自分をそのままにせず「知る」ために、街に下りた。 王という素性を隠し、下界で生活してみる。 民の生活を知る事で、民のための政治ができるというもの。 下界で出会う「先生」も、陽子が会うべくして会った傑物。 その「先生」がさらわれ…… ここから物語が急変する。 ここから先の事は、あえて書かないことにする。 次々と胸をすく種明かしは、誠に清々しい。 そして、陽子が自らの力で見つけた信頼しうる仲間たち。 まだまだ少ない慶王朝の官吏だが、これなら大丈夫と思える者たちばかり。 自分の力で見つけるもの。それをこの本に教わった気がする。 | ||||
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最初にこの本を読んだのは、8年くらい前の、学生の頃です。 当時は、十二国記シリーズの中では、 「風の海 迷宮の岸」や「図南の翼」に感動して、 この本は、厚いのに印象の薄い話というイメージでした。 私は就職し、それから何年も過ぎて、デスクワークからサービス業に転職しました。 環境は全く変わり、今までの自分は通用しませんでした。 毎日怒鳴られ罵倒され、職場の人間も、来るお客も大嫌いになりました。 「私は私なりに頑張ってるのに、見てくれない。 理由があってやったことなのに、何をしても怒られる」と泣いて、 毎日ヤケ食いをしてはフテ寝していました。 そんな中、久しぶりにこの本をふと読み返し、はっとさせられました。 「なぜ自分ばかりが不幸な目に合うのか」と泣き怒る祥瓊とか、 「その涙は子供と同じ。誰か何とかしてくれって泣いてるのと同じだ」と諭される鈴とか、 正に今の自分の事を指摘された気分でした。 一番心に響いたのは、 「人生は辛い事と幸せな事が半々のはずなのに、 人間っていうのは、なぜか辛い事の方を大きくとらえてしまう」 という一文でした。素直に反省の涙が出ました。 あの時の自分に一番効いた言葉は、友達や同僚の慰めではなく、この本でした。 あまり記憶になかった作品だったのに、その時からとても大事な作品になりました。 十二国記の続きは、現在刊行未定だそうですが、 数年経って読み返して、新たな感動をもらっている人間もいる、 本当にすばらしい作品だと思います。 続きがでるまで、これからも何年も待ち続けることと思います。 | ||||
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陽子、祥瓊、鈴が合流。 市井の状態や、周りの皆は陽子が王と知らないままなので「王は何をしているのか」という王制の不満を陽子は目の当たりにし、陽子は自らの不甲斐なさに落ち込む一方で、王制に対抗する渦に自ら巻き込まれていきます。 ファンタジーとは爽快な部分が多いけれど、十二国記はその部分よりも「相応の物を手に入れるにはそれ以上の努力が必要で、手に入れた後も勤勉に務めなければそれは脆く崩れる」ということを学ばせてくれる一冊です。 ラストの陽子は格好いいですが、泰麒奪還の際の最後の扱いをみると、良き仲間は手に入れたものの、まだまだ陽子はこれからも苦労を強いられるんだなと思いました。 どこまでもハッピーエンドにはならない十二国記。 普通のファンタジーとはそこが違って、説教臭くないにも関わらず、読後色々と考えさせられます。 | ||||
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陽子の治める慶に話が戻ってきました。 戴冠したものの、いまだに異世界の仕組みになじめていない陽子は腐敗した官僚制度の中で孤立し泥沼にはまっていた。 それを自覚して打開するために市井の生活に降りてしまう。 一方芳では父王を討たれ農村に追われた公主が周りを恨みながら生きていた。 そして百年以上前に流されてきた海客の少女もまた、主となった女仙のもとで卑屈な生活を送っていた。 その三人が他人の道と交差しながら自分の道を切り開いていく様子が微笑ましく描かれている。 当初は引っ込み思案だった女子高生の陽子があまりにも少年っぽく変貌してしまったのが不思議だけど、まあ年齢的にそんな時期でもあるしね。 三人の道が交わり、お互いに成長しつつまた新しい歴史が刻まれていくのでしょう。 | ||||
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十二国記シリーズの中で一番印象に残っていると言っていいほど面白かったのがこの下巻です。 3人の少女がようやく出会いそして慶に巣食うケダモノ達をバッタバッタと倒し最後に景王・陽子が麒麟の背に乗り一喝するのはカラーで動くアニメキャラや声優がいなく活字だけでも想像だけで危機迫る迫力で心底スカッとしました。それだけでも充分すぎるのですが私には一番なのは3人の少女の劇的とも言える心の変化ー。あれだけ卑屈になっていたのが周りが見え自分達が努力しなければいけなかったことを知り陽子と共に和やかに笑えるようになったことは読み手にとっても自分のことのように嬉しかったのではないでしょうか? 人間、愚か者のまま生きるか愚を知り次ぎに行けるかのポイントは間違いに気付きをそれを何とかしようという気持ちがあるかないかの差。陽子は慶国の有様を知った、祥瓊は楽俊に出会い己の無知を知った、鈴は清秀と出会い自分だけが哀れではないと知った、、、そういうことだと思います。 読み終えたあとは自分でも気持ちがスッキリしました。 | ||||
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前半は景王・陽子を含めた3人の少女が出会うまでの道のりを書いてます。 王になり民を先導していかなければいけないが官吏にも小馬鹿にされままならない陽子、海客で虐げられ続けられる鈴、公主の立場から一転どん底に突き落とされた祥瓊、、、一見可哀想と思えるのですが実はそうではなく共通していることは「知らないからやらなかった。」「わからなかったからやらなかった」で済まそうとしていることです。それが如実にでているので「月の影」の前半の陽子が3倍になったようですごくイライラされました。陽子はそれでも経験があるのでいち早く気付き慶の実情を知ろうとしたのでまだましなほうですが、、。 知らなければ知ろうという心は彼女達の心に芽生えなく取り返しのつかないことが起こるまで気付かないのはなんとも愚かだと思います。現実世界にも少なからず彼女達のような人間はいるので彼女達の言い訳がましさ、エンホの教え、などを読んでいると何となく身をあらためさせられるようです。 | ||||
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正直、ファンタジーが苦手でした。精密に書かれていればいるほど、そこに詰っているアンリアルな世界、夢見る世界に馴染めない自分が居ました。特に中国の歴史は大の苦手、国の名前や順番なんてまったく覚えられなかった私です。どうして『十二国記』のような、中国風の時代背景設定、精密に作られたばりばりのファンタジーを読めるでしょう!?友人に勧められても、手を出すには相当な時間がかかりました。 電車に乗っていて、あまりにも暇だったので少し読んでみたのです。読み始めて、もう、その手がとまりませんでした。アンリアルな世界を構築する、小野さんの精密な描写が続く点も全く苦になりません。それどころか自身の想像が膨らんで、いつのまにかゆったりと時の流れる異国の風景に思いを馳せる自分を発見してしまいます。 私があれほどまでに苦手なファンタジーの部類に属す、この作品に、音をあげなかったのは… それはアンリアルな世界だからこそ、余計に際立つ「人間の弱さ」「人間の醜さ」のリアルに触れたからだと思います。設定はどんなに浮世離れしていようと、私の住む世界と違おうと、登場人物の洋子、鈴、祥瓊のもつ煩悩は、痛いほどに私と通じていました。 他人の顔色ばかりを伺い、自分の意見を貫く強さを持てない陽子。自分の不幸を過大評価し、哀れんでくれない他人を憎む鈴。他人の幸福を妬み、自らの責任を忘れてプライドばかりを育てている祥瓊。 それは私であり、まわりの友達でした。 三人がそれぞれに人と出会い、自らを省みて、少しずつ前進していくさまは、どんな押し付けの形ばかりの励まし言葉よりも、ずっと読者を叱咤激励するものだと思います。実際、私は、三人が自らの過ちに気づくとき涙がとまりませんでした。それほどに、感情のリアルさに共感していたんだと思います。 これほどまでに内面を掘り下げながら、物語としての構成や設定にも抜かりが無い。本当に傑作だと思います。 「風の万里 黎明の空」が一番好きなシリーズです。ちなみにアニメもすごくおすすめです。 | ||||
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ストーリー展開はまさに「水戸黄門」。でも、面白い。 十二国記シリーズのなかでは一番感情移入しやすかったし、 十二国の制度とかの理解をすっ飛ばしても、サクサク読めた。 それだけ、陽子、祥瓊、鈴の成長物語はよくできている。 とりあえず、学校で、職場で、家庭で、 「私だって頑張ってるのに、なんでそんなこと言われなきゃならないのっ!」 「私の大変さなんて、どうせわからないくせに!」 「なんで私だけそんなふうに言われるのよっ!」 という気分に陥っている自分を発見したら、 この作品を読んで再浮上しよう。 | ||||
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ストーリー展開はまさに「水戸黄門」。でも、面白い。 十二国記シリーズのなかでは一番感情移入しやすかったし、 十二国の制度とかの理解をすっ飛ばしても、サクサク読めた。 それだけ、陽子、祥瓊、鈴の成長物語はよくできている。 とりあえず、学校で、職場で、家庭で、 「私だって頑張ってるのに、なんでそんなこと言われなきゃならないのっ!」 「私の大変さなんて、どうせわからないくせに!」 「なんで私だけそんなふうに言われるのよっ!」 という気分に陥っている自分を発見したら、 この作品を読んで再浮上しよう。 | ||||
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十二国記シリーズの4作目★スラスラ読めちゃいます。4作目だけれども、これが本編の2作目です(間の2作は外伝?みたいなもの) 【上】では陽子・鈴・祥瓊(ショウケイ)のこれまでと慶国の現状についてなど紹介的なところが多いです。 『普通の女子高生が異世界で王様になる羽目になってまぁ大変!』って書いたら陳腐でよくある話だけれども、十二国記はそんなありきたりの話ではないです!! 1作目でのサバイバルを生き抜いて、女らしさが抜けてしまった陽子がさらに男前になっていきます。 | ||||
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慶国スキの方の大体が1番スキな話だと思います♪【上】でそれぞれの登場人物の説明をして【下】でやっと陽子・鈴・祥瓊(ショウケイ)が出会います! 景麒と陽子のやりとりも面白い★話が進むにつれてワクワクしていきます。終盤での陽子は筋肉男とクマ男(=スケさん・カクさん)を連れた、まさに黄門サマ!! 本当は、とても頭がよく奥の奥まで物事を見る力があった祥瓊と、決めたら一直線だけど、とても優しく間違っていると思う事には真っ向から立ち向かっていく鈴と、そして陽子の始まりのお話。って感じじゃないかと思います。 | ||||
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