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ジュリアン・ウェルズの葬られた秘密
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ジュリアン・ウェルズの葬られた秘密の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.40pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全5件 1~5 1/1ページ
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苦手なアメリカの小説でもこれはするする読めた。 謎解きを目的にミステリーを読んでいる人にはおすすめできないけど、「ありふれた祈り」みたいな淡々と人の営みをえがいた作品が好きなら気に入るのでは。 主人公が探すのは友人である作家の自殺の原因。 おおよそ原因の検討はついていて、実際あっというどんでん返しはないけれど、その原因を推測でなく事実にするため一つひとつつぶしていく様子がていねいにえがかれているところに好感。 | ||||
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結構スピード展開の速い小説の合間に読んだせいか、淡々とした流れに物足りなさを感じたかも・・・ 違うタイミングで読んでいたら、感想も違ったと思います。 亡き友の巡礼といった心理的側面を描いたストーリー 内面を描いた小説が好きな方には向いてると思います。 スピーディーな展開を求める方には向きません | ||||
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連続殺人や大量殺戮をもっぱら取材対象としていた作家ジュリアンが自殺する。古くからの親友で文芸評論家のフィリップは、ジュリアンの取材先を巡り、彼の死の原因を突き止めようとする。 フィリップの現在の探索の旅、ジュリアンとの過去の交友、さらにはジュリアンが作品化した犯罪の数々が三層になって物語られる重厚なミステリ。暴力、権力、支配といったことどもについて考えさせられる。 アルゼンチンの「汚い戦争」時代(1970年代後半〜80年代前半)が重要な舞台となっている。私はこの時代については映画「オフィシャル・ストーリー」からぐらいしか知識を得ていないので、もう少し歴史的な知識があればより深い読みができるかもしれないと思う。 | ||||
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原題 The Crime of Julian Wells( 原著2012年刊) パリ、ブエノスアイレス...虐殺や犯罪を取材してきたノンフィクション作家の友の自殺、その謎と向き合うために友人が取材した地を巡った果ての真相。 クックには珍しくスパイスリラー的な素材が選ばれているが、謀略小説的な興趣に作者の眼目はなく、あくまで友の軌跡を辿る鎮魂の旅の背景として選ばれている。 『夏草の記憶』(1995年)や『緋色の記憶』(1996年)といった凝った叙述構成の中に美しい情感と衝撃的な結末を秘めた代表作に比べれるとプロットの意外性にはやや欠けるが、若き日々への愛借の念と失われた友情への悔恨が静かな筆致で切々と語られ小説としての完成度はより熟成の度合いを増している。原題にあるCrimeとは何か、それを知った時、主人公の胸中にも、読者にも深い哀しみが訪れるのだ。 | ||||
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あるノンフィクション作家が自殺し、その友人だった主人公が自殺の動機を探り始めるが・・・というお話。 作中、事あるごとに往年のスパイ・謀略小説の作家やその著作の名前が出てきます。例えば、グレアム・グリーン、ジョン・ル・カレ、エリック・アンブラー、ジョゼフ・コンラッド等。作品の構成も自殺した友人が取材にいった都市を主人公が巡礼形式で訪ねるというアンブラーの「ディミトリオスの棺」を彷彿とさせる展開で話が進行して行きます。 この小説で著者がやりたかったことを考えると、かつてのスパイ・謀略小説が描いた人間の心の暗部を見つめることだったのではないかと思いました。自殺したライターが主に過去の残虐な事件や猟奇殺人犯を追及することを主な仕事にしていたという設定にすることによって、人間性に潜む狂気を抉るとかいう安易なアプローチを避け、人間の心の闇やダークサイドを人間がもつ普遍的営為として捉え、凝視して見つめるということをテーマにした作品に思いました。なので謎解色濃いミステリやサスペンスを期待すると片すかしに思う人も多いと思いますが、小説としては第一級の作品に感じました、読後感はル・カレの「パーフェクト・スパイ」、グリーンの「ヒューマン・ファクター」、最近の作品だとアラルコンの「ロスト・シティ・レディオ」に近い感触をうけました。ミステリというより戦争小説や昏いタイプのスパイ小説に近い作品だと思います。 過去のクックの著作に比べると作風が違うので違和感を感じる人もいるかもしれませんが、リーダビリティは相変わらず抜群なので読む価値は十分あると思います。是非ご一読を。 | ||||
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