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終わらざる夏
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【この小説が収録されている参考書籍】
終わらざる夏の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.92pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全172件 41~60 3/9ページ
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うぐぐ。なるほど。 上、中巻は、終戦間際に戦地へと向かう人々の群像劇になっていて、 それはまあ、悲劇には違いないのだけれども、 それでもそれぞれになにがしか自分が命をかけるに足る意義を見つけようとしている 前向きさともいうべきものがあったように思います。 どうあれ起きてしまった戦争に対して、自分がやるべき事をできる限りやろう、 そうすればきっと報われるだろうという感覚がどこかあって。 しかし、下巻で描かれる、実際の戦争は そんなものをすら全て吹き飛ばしてしまう理不尽さで、 あらゆるものを一瞬にして取り返しのつかないところに持って行ってしまう。 それまで群像劇を編み出していた人々のお話は、 この戦闘を持ってねこそぎ終わってしまう。一切の理屈なく。ぱたっと。 あとはエピローグで語られる事後の話のみ。 これが戦争か。と。 浅田次郎さんが描きたかったのはこれだったのかと。 自分の考えの甘さを思い知らされました。 戦争。よくない。 | ||||
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太平洋戦争終戦末期の北の孤島・シュムシュ島を主な舞台として、ここに集まった数多の人間模様と戦争の残酷さ・非道さを、壮大なスケールで描いた傑作。読み終えて、しばらく動くことが出来なった。面白いとか残念とか、感想を安易に一言で表現することがためらわれる。上下巻合わせて、ずしりと重い本に著者の魂の叫びが込められているように思えてないらない。戦争という怪物に翻弄される人々の姿を見事に描き切った、重厚なる反戦物語とも言えるのではなかろうか。 | ||||
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浅田さんは、なにかのエッセイで「分厚い本が書いてみたかった」と言っていたが、この終わらざる夏も分厚くするためにいろんな話を詰め込みすぎた印象。 上巻は人物紹介、中巻は反戦争を親子と先生を通して描いて、下巻で一気に終わりに持って行くけど、3巻分の分量にしたことで話が膨らみすぎて、それはいいとしても終わりがあっさりしすぎ(直接的な死を描きたくなかったんだろうが)、ロシア人は、ただの日本の悲劇物語にしないため(ソ連軍の中にもこういう人はいたんだよ!のために)と、いろいろ出てきた人物たちの死を一気に描ききるための道具に過ぎないと思った。 なので、いつも浅田さんの短編を楽しみに読んでいる人からすると、オチも弱いし、1上巻まるまる使って描いてきた主人公らの半生がどう終わるのかが消化不良で終わってしまうので評価が低い一因だと思う。 | ||||
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別に戦闘シーンを期待してた訳ではないですが、 下巻の1/3まで登場人物のエピソードが続くのは 長いと感じました。 | ||||
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1945年の夏、赤紙をもらって召集された数人の男たちを中心に据えた戦争モノ。単行本の上下で900ページ強の長編だったが、例によってストーリーづくりがうまく、十分な読みでがあった。 前半は第二次大戦末期、「根こそぎ動員」で召集令状がばら撒かれた岩手県と、学童疎開先の信州からの脱出を試みる国民学校(小学校)の男女2人連れの逃亡劇を軸に物語が進む。後半は、赤紙を受け取った陸軍の下士官・軍医・兵卒らが派遣された千島列島北東端の占守(シュムシュ)島を舞台にした8月15日以降の模様が描かれていく。シュムシュ島防衛の兵士たちの描写や残された家族の様子、時日の進行に伴ってそれらの群像劇が、18日に始まったソ連軍のシュムシュ島上陸と、無条件降伏した日本軍に対する侵攻(国際法無視の暴挙)という有名な史実の中に収れんしていく。全体を通じてのプロットの組み立てのうまさは、さすが、というほかなかった。 赤紙1枚でシュムシュ島に送り込まれた男たちの行く末については、ネタばらしになるので触れないが、史実におおむね忠実なように思える一方、端役に至るまでの老若男女の描き分けのうまさ、感傷的な要素を極力排したタッチなどで、おしまいまで物語としての緊張感を保っている。 | ||||
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太平洋戦争末期に、戦争に駆り出される人を描いていますが、上巻は駆り出されるだけもあり、つまらなかった。それぞれの生活や人間関係や考えがあるなかでの一般人が戦争へ参加するというのは、こんなもんだったんだろうという印象です。 | ||||
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8月15日終戦記念日ではない。そもそもそこから間違っている。学校もマスコミもその事をもっと教えるべきです。 半月余りの兵士の戦いが、絶望的で理不尽なものであったと思います。 今、特に若い世代に呼んでほしい本です。 | ||||
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上巻、中巻は少し冗長な感あり、読み終わるのに少し時間がかかったけど、下巻は一気に読み終えた。終戦後のまさに不条理な戦争に、国土とそこに暮らす人々を守るために誇り高く戦った人間群像。日本人もまたロシア人も軍人も民間人もそれぞれの誇りと愛するものを守るために戦ったのだ。菊池が医師として生と死に真っ向から向き合い、死んでいった者たちの形見とともに死者と語るがごとき小説の最後が戦争放棄の覚悟を読者に迫ってくる。涙が流れてとまらなかった。 | ||||
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本書を読み始める前は、私の本書に対する期待は高かったが 上巻、中巻、下巻と読む進むうちにどんどん中身が希薄になってくる。 浅田次郎の本を読むのは今回が始めてだが、これが浅田のストーリーテラーとしての手法であるならば、今後の作品はもう読みたくない。 中身が希薄なのにページ数稼ぎで無意味な文章がだらだらと続く。どんどん読み飛ばしても一向に筋は進まない。 吉村昭の一字一句もおろそかにしない真摯な作品と大違いだ。 ただ、最終章(第八章)後半に来てようやく読者も多少は報われるだろう。 作者は、死に行くソ連の将校の独白の形で作者のソ連に対する嫌悪感を語らせている。 1.ソ連は日ソ不可侵条約を一方的に廃棄して満州や樺太に攻め込んできた。 2.日本は8月15日にポツダム宣言を受け入れ無条件降伏している。 しかし、本書の舞台となっている占守島(シムシュ島)の日本軍はピカピカの戦車数十台を保持し その軍隊もソ連と戦っておらず無傷であった。 その占守島にソ連は8月18日になって戦争を仕掛けてきた。 すでに無条件降伏し、負けた国の軍隊に、攻撃を仕掛けてくるのは国際法上許されない。 3.応戦した日本軍はソ連の攻撃を一方的に撃破大勝利を収めた。 しかし、国家として降伏したのであるから、占守島防衛軍も最終的にはソ連軍に降伏した。 4.その占守島の日本兵たちも最終的にはシベリアの強制労働に駆り出され 過酷な条件下多くの人命を失った。 以上、占守島の攻防戦は私の予備知識の全くなかった領域であり これだけは本作品の中で勉強になった点である。 それにしても、択捉、国後など北方4島に対する侵略と言い、ソ連というのは嫌な国である。 | ||||
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はっきり言わせてもらえば駄作である。 大河小説の中だるみなのだろうか。 上巻でこの小説の主役と思われた英語翻訳者片岡直哉二等兵は本編ではあまり出番がない。 代わりに片岡の長男で小学校4年生、片岡譲の集団疎開生活や東京に踏みとどまっている片岡の妻久子の生活が描かれている。 また舞台の占守島(シュムシュトウ)に函館高女を卒業したばかりで派遣された女学生挺身隊の生活も描かれている。 時期は8月15日の終戦直前である。 広島、長崎に原爆を落とされソ連の侵攻を迎えた日本人たちの心情はどうだったのだろうか。 中巻では、まだ占守島にはソ連の侵攻はない。 この話は下巻に持ち越されるようだ。 しかし、いずれの描写も冗長で感動というものがない。どんどん筋を追って読み飛ばすが なかなか筋が進展しない。単なるページ数稼ぎに思われる。 中巻のメリットをなにか上げるとすれば 千島列島の歴史がかなり詳細に語られていることだ。 この説明によってロシアが不法占拠している北方四島のうち 歯舞、色丹は千島列島にも含まれない古来からの日本領土であったことが分かる。 巻頭の北千島のかなり詳細な地図も千島の歴史の理解に役立っている。 | ||||
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毎年2月7日は北方領土の日だ。 戦中世代の私は、この日が近付くと、日ソ不可侵条約を一方的に破棄して すでに沖縄も失い、広島への原爆で青息吐息の日本に火事場泥棒的に侵攻してきたソ連に対し腹の底から怒りを感じる。 本書は数年前に発行された時から、読みたい本として目を付けていたが、あまりの長編に二の足を踏んでいた。 今回思い切って読み始め、ようやく上巻のみ読み終えたところです。 終戦間際の大本営は来る本土決戦に備えて大動員計画を策定する。 しかし、玉砕的決戦ばかりではなく、あるていど和平への布陣も考えていたようだ。 大動員計画の結果、すでに2回の応召を果たし、戦地で指3本を失った退役曹長の佐々木 東京外語学校卒で敵性語の英語の翻訳に従事していた45歳の片岡直哉 などにも召集の赤紙が回ってくる。 上巻では、このほかに体躯貧弱で岩手医専卒、東京大学医学部在学中の菊池忠彦を加えた3人が 運命の見えない糸に引かれて同じ列車で応召 根室から1000キロ、ソ連のカムチャッカ半島先端と目と鼻の先の占守島(シムシュとう)へと赴くところで終わっている。 実は本書を読む前は占守島などという名前は聞いたことがなく 北方4島や樺太などへのソ連の侵攻の読み物だと思っていたが じつは最果ての地、占守島の攻防戦の話らしいと分かった。 これから中巻、下巻とどのような展開になっていくのだろうか。 作者は市井の人々の日常生活の描写からはじまって 予期せぬ赤紙を貰い、ただただ戦争に巻き込まれていく人々を 大河小説の手法で書き込んでいる。 話には色模様もないし女性はわき役だ。 それでも、ぐいぐいと先を急いで読ませtる著者の筆力は大したものである。 本書の中で多用されている東北弁の会話は 想像力を逞しくしないとついていけない読者もいるのではないか。 次巻意向を楽しみに読もう。 | ||||
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この本が届いた時、なぜ広島の数日後の長崎にも原爆が落とされなければならなかったのか?をネットで見ていると、皇居の下に掘られた巨大な地下壕の動画があった。そのため、最初の軍の地下壕の部分は頭の中に画像として実感することが出来た。終戦まじかの日本で軍人、役人、農村の人々、知識層、子を持つ母、老いた母を残して出征する無法者、これから中、下巻で物語を展開させていくであろう人々が、その背景とともに紹介されるプロローグ。敗色色濃い当時の日本で、それでも、声高に厭戦を言うことは出来ず、なかばあきらめにも似た空しい気持ちで家族を残して出征し、出征する家族を見送った人々。なぜ日本は戦争をしなければならなかったのか?なぜ誰もが本土決戦などしてはならないとわかっていたのに、広島、長崎に原爆を落とされるまで戦争終結させられなかったのか?私の疑問に答えてくれることを中、下巻に期待しつつ、上巻を読み終えました。 | ||||
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戦争末期まで生き延びたさまざまな人たちの群像劇としてとても面白く読めました。 群像劇なので、主人公がいないと感情移入できない人にはお勧めできません。 さまざまな思いの人々が綿密に描かれ、日本最北端に収束していくところは非常に綿密に描かれ、重厚で読み応えがありました。 しかし、そのいろいろな人の思いがどのような結末を迎えたかがばっさりで、無念。 ロシア人の描かれ方も、日本人に比べぞんざいで、まして変なファンタジーは必要なかったのでは? 編集者片岡が途中からあまり描かれなくなり、また片岡自身のセクサスへの思いが十分伝わってこない。片岡がなぜこのセクサスの抄訳部分に拘ったのか、自身の人生観や社会との関連の中で夢見たであろうことなど、そして直接的には自身の性愛との関連性などがもっと描かれて欲しかった。 僕には筆者浅田氏がなぜセクサスにこんなに拘ったのか、伝わってこなかった。 (セクサスを読んだことのない僕には、ただのさかりのついた奔放な性が若干きれいに描写されているだけに見えた) | ||||
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戦場へ行くまでの、つまり兵隊になる前の登場人物たちの葛藤が描かれています。 買った家を売らなければならないとか、年老いた母親を面倒をみてくれる人がいないのに置いていかなければならないとか・・、 そういった日常生活の破たんも、戦争の被害なんだということが、ひしひしと伝わってきました。 市井の人々の今まで何十年と努力して築いた生活や仕事をあっという間に奪っていくーそれが戦争なんだと思いました。 ただ、一つの長編にするには、登場人物が多すぎて、読んでいくうちに誰が主人公か分からなくなって混乱し、途中で読むのをやめてしまいました。 1人1人の登場人物を主人公にした短編にしたら、より作者のメッセージが伝わりやすかったのではないでしょうか? ただ、それは私の読解力のなさによるものかもしれないので、星2つで。 | ||||
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終戦の混乱時期を描いており、当時の日本情勢も解る、小説でした。 | ||||
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世の中を恨んでも、何も変わらない。 憎しみからは、憎しみしか生まない。 戦争とは、正しいことを、正しいと言えない。 おかしいことを、おかしいと言えない。 赤紙という紙切れ一枚で、人の一生をも左右する時代。 その流れに、微力ながらも逆らおうとして奮闘することが、後ろ指指される。 そんな過酷な状況下にあっても、人が人らしくあるために、それでも、生きる、生きなければならない。 明日を信じて。 信じることで、救われることもある。 希望だけは、失くさないで。 雨にも負けず 風にも負けず 雪にも夏の暑さにも負けぬ 丈夫なからだをもち 慾はなく 決して怒らず いつも静かに笑っている。 | ||||
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上巻と中巻を読み進むスピードに比べて、下巻は次を知りたくて一気に読んでしまいました。 当然、著者による「泣かせ」も下巻に散在していました。 訓導の先生のお話、赤紙をもらった受刑囚の行動、あるいは社の前で、上野駅の改札で泣かされました。 1000頁に及ぶ長編であることと歴史的事実から、ストーリー展開を予測しながら読んでいたのですが、それは見事に外れ、終章にまとめられていました。 ただこれまで読んだ著者の本の中では一番悲しみの余韻が長く続く本です。 | ||||
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疎開生活〜脱走など、あまり重要でないエピソードが多いのでは。 | ||||
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日本の降伏後、日ソ不可侵条約を侵してソ連が千島列島に侵攻してきた。攻めて来るなら迎え撃つしかない。たとえ日本政府、帝の勅命に抗ってでも我が九十一師団がこの日本の北方領土を死守するのだ。 | ||||
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今迄当たり前だった生活が一通の召集令状で一変する。 戦争に動員された多くの兵士達が現代の我々と同様につい2~3週間前まで郵便配達員だったり八百屋さんだったりタクシードライバーであったり医師であったり学生であったりした。 太平洋戦争降伏後にソ連が日本に対して火事場泥棒とも言うべき戦争を仕掛けた。 | ||||
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