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終わらざる夏
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【この小説が収録されている参考書籍】
終わらざる夏の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.92pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全115件 1~20 1/6ページ
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登場人物が架空かどうか分からないが、とても悲しい、心を震わせる物語であり、人間の果てしない醜さを思い知ることとなる、同時に、人の可能性としての尊さを信じたくなるストーリーではある。ロシア人という人種の問題なのか、異文化は受け入れざるを得ないのか、「夜と霧」を思い出す。 | ||||
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8年ぶりに読み直しました。 ウクライナ戦争がはじまり、平和一辺倒の叫び声だけでは残念ながら世の中を考える事が出来なくなりつつある昨今、理不尽にも終戦後、旧ソ連に宣戦布告された占守島の戦いの小説を改めて読もうと考えて読み始めました。 前回は、面白くないと感じた小説が今回はとても身に染みて、印象深い小説として胸に刻まれました。 前回は平和ボケしていたのだろうと思います。平和ボケのせいで、この小説の中身を現実的と感じられず、心に入ってこなかったのだと感じています。 現在は、ロシアがウクライナを理不尽な理由で侵攻し、更には、中国も公然と台湾を自分のものにすると公言し、何を血迷ったか沖縄まで中国の領土であるという中国の官僚もいるような時代です。 日々のニュースを見ると、1人の独裁者の判断でとんでもない状況が生まれてくる事、それによって一般人が敵味方関わらず大きな苦痛を強いられる事、平和な日々というのは自然と与えられるのではなく、何かの拍子にどん底に落ちていくこともある という事を感じるようになっており、この小説の中身は身につまされる思いを持ちました。 特に、この小説は、 旧ソ連が攻めてきた設定であり、また、ウクライナ人でもあるソ連軍人が戦争の酷さを語る部分もあり、 正に今読む事で小説に入り込める状況になると思います。 もし、「読もうかなあ」 と思っている人がいれば、読むならば今です。 一時期、浅田次郎先生の本を読むことを辞めていましたが、久しぶりに読んでやっぱり素晴らしい小説家であると改めて思いなおしました。 | ||||
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最高 | ||||
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最高 | ||||
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赤紙を作る人、配達する人、受け取る人、その周りの人 それぞれの人生 国って大事 | ||||
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この本を通して初めて、千島列島の占守島を知り、かつて日本の領土であったことを知りました。 太平洋戦争末期のロシアによる満州侵略、シベリア抑留については、何冊かの本で読み、ロシアという国の底知れぬ恐ろしさを知り、日本人は決してその歴史を忘れてはならないと思っていました。 今回の、戦後80年近く経って常識を覆す、ロシアのウクライナ戦争をテレビやインターネットで詳細を知るに及んで、改めてロシアの恐ろしさと救いようのない民族性を思い知らせれています。 この本の中では、ロシア人やウクライナ人による戦争の被害者としての描写も多々あります。著者は戦闘は個々の人民には罪はなく、戦争を起こす、国家や愚かな高級軍人が悪いのだと書いていますが、果たしてそうだろうか。今回のウクライナ戦争についても、プーチンの戦争であり、彼がすべての責任があるという論評もある。しかし私まそうは思わない。国家の体制や民族性、民主主義の遅れなど、多くの戦争要因があって、毎日多くの一般の普通の市民が殺されている。今後数百年、ヨーロッパをを中心にロシア人の残虐さを忘れないし、語り継がれていかなければならないが、同時に、我々日本人は、過去に被った悲惨な経験をこれから数百年に渡って、心配しそれに備える心構えと、十分な防衛体制を築かなければならない。一人たりとも戦争で人が死なないよう、死なせないよう学ぶためにも、このような素晴らしい本を多くの人に読んでいただきたい。浅田次郎さんの多くの本のように、この本にも弱い人間に対する慈しみや愛情にあふれています。浅田次郎さんをこよなく尊敬しております。 | ||||
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登場人物は多く雑多、つながりもあるような無いような 散漫と言えばそうなのだろうが、それこそがこの小説の芯なのだと思った 戦争最末期に兵士であれ士官であれ市井のひとであれ疎開児童であれ一人の人間は一人の人間として生きていたこと、終戦の詔勅発令以後にあった最北端の島での戦闘に参加したソ連の兵隊もその一人の人間として生きていたこと それらすべての生が国家間の戦争により奪われ、またかき乱出されていく 戦争はどんなに美化正当化したところで国家が市民を兵士にして戦わせ会う究極の理不尽だと改めて思った 職業軍人でさえその理不尽に絡めとられていく | ||||
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日本の指導者自ら、国民に対して、「一億玉砕」(神風特攻隊)を唱える等、狂ったとしか言い様がない。天皇さんは、本来、神主に過ぎないにもかかわらず、現人神となり、大元帥(軍の最高指導者)を兼ねるという制度上の致命的欠陥があったことが大きな原因であったことを本書から学んだ。浅田文学の真骨頂は、母親を亡くした静代が母親代わりになって、譲に口移しで食べ物を与える場面(351頁)だと思う。母親の愛が有る限り、この世は存続して行くことを著者は訴えているからだ。 | ||||
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硬いテーマで内容も硬めですが読みやすいです。何か盛り上がりがあるわけでもないのですが、不思議と次のストーリーを追いかけたくなります。早速中巻を注文します。 | ||||
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日本にいた頃普通に使っていたいわゆる「 自衛隊用語 」は軍隊用語だったといつもこの人の本で気が付かされます。まだ上刊ですが既に胸がいっぱいです。 | ||||
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中巻以降はまだ読んでいません。上巻のみの感想です。 第ニ次大戦中に召集を受けた本人や家族の心理や行動が丁寧に描かれており、興味深く読み進めることができました。 まだ序盤ですが、根っからの悪い奴は出てきません。みな優しい小市民として描かれています。そのため今のところ安心して物語の世界に浸ることができています。 これからどうなるのでしょうか。片岡、菊池、富永は無事に終戦を迎えることはできるのでしょうか。興味が尽きません。 | ||||
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自分が生きてなかった時代の戦時下の社会事情などが、読み取れる、今の外交が進まないのも無理が無いと落胆してます。 | ||||
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100キロ以上の遠距離乗車券を購入するためには、 正当な理由に基づく旅行証明書が無くてはならない。 地方への疎開は区役所から400円の支度金が交付されているほど 大いに奨励されているにもかかわらず、罹災証明書と旅行証明書は別物だから、 切符を買うことが困難だった。つまり東京都の政策を国が正当な理由として認めぬという矛盾の結果 疎開者は八方手を尽くして、ようやくこの列車に乗り込んだのである。 | ||||
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大戦中、後の実態の一部の記述が素晴らし | ||||
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大戦中、後の実態の記述が素晴らしい | ||||
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まことに素晴らしい小説で、感動している。長生きしたおかげでこの小説を読めて良かった。この小説は敗戦前後の人々の苦しみ、人間の素晴らしさ、軍部、政府の悪辣さ、欺瞞を深く描いている。太平洋戦争について今まで知らなかったことも教わった。終わらざる夏 は小説にして小説にあらず。 明日に道を聞けば夕べに死すとも可なりと言う。小説に登場する多くの普通の人々から私は道を教わった。 | ||||
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不可侵条約があったロシアがなぜ戦争終盤に北海道に侵入したのかわかった。ロシアの兵士も辛かったことが知れた。 | ||||
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戦時中の日本の状態がうまく描かれていて楽しみながら時代を想像できる。 | ||||
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中巻は、父の召集の話を聞いた片岡直哉の息子・譲が、上級生の静代と一緒に長野県の集団疎開先から東京に歩いて向かう話が中心になっている。食糧事情が悪く、痩せ衰えていく子供たち。空襲で親を失っても、健気に生きる子供たちの姿に涙が止まらない。子供たちが暗唱する宮沢賢治の詩も印象的だ。 千島、占守島の歴史もこの巻で紹介されている。この美しい島(「シュムシュ」はアイヌ語の「美しき島」だそうだ)には先住民としてクリルアイヌの人々が住んでいたが、明治政府によって強制的に移住を命ぜられる。慣れない環境に相次いで死んでゆくアイヌの人たち。アイヌとは「人」を意味する言葉だと本書で教えていただいた。やがて、郡司成忠なる退役海軍軍人が開拓団を組織して占守島に渡る。大変な犠牲が払われたようだが、北洋漁業の拠点をつくることに成功する。だが、日露戦争の勃発に端を発する憐れな末路。こんな歴史があることをまるで知らなかった。 後半、主舞台は占守島に移る。大洋漁業の鮭缶工場で働く女子挺身隊の二人の女性がここで新たに登場する。片岡ら凸凹トリオも漸く占守島に到着する。そこで明かされる片岡直哉の本当の任務・・・。下巻に向けて緊迫感が高まる一方で、片岡を載せてきた船舶兵と女子挺身隊員との恋が芽生えたり、譲の母・久子が生みの母の連合に会ってどうでも良い会話をしたり、とメイン・ストーリーから話が広がりすぎている感が否めず、中巻は星ひとつマイナスさせて頂いた。 著者は、占守島を守る陸軍全体のことを描くより、戦時下の疎開先や勤労動員の有様を描きたかったのであろう。死と隣り合わせの明るい展望のない非日常的な世界が、戦争ともなれば、こともなげに日常生活を覆い、そこから逃げることができない。登場人物たちの戦争前の日常は、今日の我々の日常とさして変わりはない。息苦しいまでのリアルさで戦時下の人々が描かれているのは確かだ。 | ||||
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昭和30年代後半に生まれ、太平洋戦争時の軍艦や航空機のプラモデルづくりが好きだった関係で、戦時中の話はあらかた知っているつもりでいた。しかし、千島の占守島で終戦直後に日本軍とソ連軍が干戈を交えたという話は、確か平成になってから初めて知った。ずっと話題にもならなかったのだろう。以後、戦闘の詳細などを知りたいと思っていたところ、本書が出版され読むのを楽しみにしていた。漸く読むことができた。 まず、上巻は、沖縄陥落後の大本営で、本土決戦に備えて日本全国で大規模な動員をかけるところから始まる。国民生活を守る一家の大黒柱から、40代の中年、10代の少年、傷痍軍人に至るまで、日本中の男という男を根絶やしにするような動員である。無理を承知で大本営が算定した動員人数に、具体的な固有名詞をあてはめて行くのは、各地の歩兵師団司令部と村役場などの自治体である。敗色濃厚な戦局にあり、兵隊になれば生きて帰ることが極めて難しいことがわかった上で、召集令状の名前を入れ、本人もしくは家族に手渡す。そんな、人を地獄に落とすような重苦しい仕事を余儀なくされた人々の苦衷と、それを渡された側の煩悶が描かれているのが序章である。戦争の不条理をあぶりだした重厚な出だしである。 続く第一章、第二章では、東京、岩手、占守島と舞台を変えながら、本書の主要な登場人物が紹介されて行く。夫々の複雑な家庭の事情や、戦時下での生活が丹念に書かれていて、読者を一気に1945年の死と隣あわせの暗く張りつめた日本へ連れて行ってくれる。新宿伊勢丹前での千人針のシーンなど、胸に迫る臨場感が感じられる。慰めは、片岡、鬼熊、菊池のどうにも兵隊になりきれない凸凹トリオの占守島までの珍道中か。色丹島まで着いたところで上巻は終わっている。 | ||||
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