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終わらざる夏
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【この小説が収録されている参考書籍】
終わらざる夏の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.92pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全172件 101~120 6/9ページ
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戦争を文章にするのは難しい。百人の人がいれば其々に違う戦争体験があるだろうから。そんな中、本書では多くの人間を語りながら其々にとっての戦争を描きつつその人生の焦点として「戦闘」を捉えた。上下二冊の大作でありながら戦闘自体に記述に殆ど頁を割いていないのが、逆に、破局点としての「戦闘」を巧みに表現したと思える。 作中登場する人物の多くが作中で死んでゆく。残った人々にもつらい運命が待っている。そう、戦争は二度としてはならないのだ。だがその辛い世の中でこそ光る優しさ、美しさがある事も又この作品は教える。 元自衛官だからこそ書ける作品とも言えよう。死を目の前にした事がある者でしか書けない愛と勇気と信念の物語である。 | ||||
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昨今、期待外れが多い?浅田次郎氏ですが、この本も文庫本になって、初めて手に取りました。 題材に大いに興味がありました。いわゆる火事場泥棒というやつだと認識していましたが、詳しい史実は知らず、 勉強になるところも多々ありました。この千島列島の歴史を明治以降に遡って、日露戦争でのポーツマス条約も含めて、簡単に書いてくれれば、もっと理解が深まったと思いますし、何故、今、北方列島の4島のみの返還要求になって しまったのかも説明が欲しかった。 史実ネタが少なく、何とか小説に仕立てるべく、様々な主人公を上巻、中巻で 登場させたにもかかわらず、最後に中途半端に収拾がつかずに終わってしまっています。 クライマックスの戦争の描写をロシア側から描く手法は、さすが巧みな腕と感じ入りましたが、ラストの翻訳の引用で 終わるのは、”くさい”終わり方だと思いました。 せっかくの題材ですから、小説として書くなら、もっとストーリーを推敲して書いてほしかったと思います。 | ||||
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包装も丁寧で満足しています。 また、内容においてもちょうど終戦記念日を迎え戦争について改めて考えさせられました。 二度々起こしてはならないという事を深く考えさせられました。 | ||||
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いよいよ、天皇の玉音放送が始まる。 公式には終戦を迎えた中、登場人物達にも終戦は来るのか? 知られざる占守島での戦いを通じて、作者が訴えたかった戦争の悲惨さ。 そして、勝敗に関わらず、誰1人として幸せにならないという真実。 この小説を通じて、何を感じるかは読者次第。 本書では被害者として描かれている日本が、 被害者の場合もあったことが戦争であるということは忘れてはならないと思う。 | ||||
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少し前に3巻読んで、レビューを書くのを忘れていた、読み始めは面白かったが、中盤だれる、そして後半又話しの中に入り込んでいく。著者らしからぬ、凡作。 | ||||
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たまたま巡り逢った子どもにヤクザ者が言うセリフ、 「二度と、戦争はするな。 戦争に勝ちも敗けもあるものか。 戦争をするやつはみんなが敗けだ。 大人たちは勝手に戦争をしちまったが、このざまをよく覚えておいて、おめえらは二度と戦争をするんじゃねえぞ。 一生戦争をしねえで畳の上で死ねるんなら、そのときが勝ちだ。 じじいになってくたばるとき、本物の万歳をしろ。わかったか」 私は今年50歳で、戦争は知りません。 この平和な50年間は、当たり前なことではなく、この本に出てくるような当時の名も無き人々に勝ち取っていただいた大切な時間であったと気づきました。 一生戦争をしないで、畳の上で死ねる人生でありたいと、心から思います。 | ||||
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登場人物達それぞれの戦争に対して向き合う戦いを描く中巻。 戦争が終局に向かう中、片岡が召集された真実も明らかになっていく。 狙った通りの結果をもたらすのか?それとも? 戦争の凄惨さを感じながらも、ページを捲る手は止まらない。 戦争自体ハッピーエンドでないが、登場人物達のハッピーエンドを願って、 そして、この物語の結末に向けて、いよいよ下巻。 | ||||
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時は1945年。沖縄が陥落し、いよいよ本土決戦が想定されいる日本。 新たに召集された片岡他主人公達は、千島へ集められていく。 戦争が結末へ向かう中、召集された目的も分からないまま、 片岡達は運命にその身を委ねていく。 果たして彼らの行き着く先は? 全3巻に及ぶ大作の上巻である本書は、 登場人物達のバックボーンを中心に描かれている。 登場人物の多さ・方言・戦争用語のせいもあって、内容がやや難しい面も。 いよいよ、本編とも言える中巻以降に期待。 | ||||
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ストーリーにあまり魅力を感じませんでした。 浅田次郎の作品は好きなのに、今作品は残念です | ||||
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上・中・下巻読了。占守島の戦いを描いた小説。 8月18日。ソ連軍はポツダム宣言を受諾した日本に対し、突如、侵攻してきた。既に降伏した日本軍は、理不尽な戦いを強いられる事になる。 登場人物の一人一人の生活が、活き活きと書かれており、敗戦色の濃い戦時中の生活を本当に体験しているかのようだった。 赤紙一つで、人の一生を采配する責任。歴戦の古兵の勘。疎開中の子ども達の生活。細かい部分まで描かれていると思った。 若者がいないため、40過ぎの男にも召集令状が送られてくる。 実際には、終戦の交渉を睨み、語学堪能な人材が前線に送られているのである。 ノモンハンから南方へ送られる部隊と、内地に送られる部隊の明暗。満州国境に妻を残した男の哀しみ。 三度目の招集で老いた母親が気がかりな、まるで犯罪者のような古兵。水産会社の役員と女子社員。運を信じる海兵の男気。 物語の核となる一家の他、魅力的な登場人物たちにぐいぐい惹き込まれる。 捕虜となった日本兵はシベリアへ抑留される。彼らの運命の悲惨さにスターリンへの憤りを感じる。 ようやくドイツが降伏し、戦争が終わったと思いきや、シベリア鉄道で東へと送られるソ連兵。彼らにとっても理不尽で、悲惨な戦いだった。 哀しみしか残らない。 | ||||
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終戦直前にソ連軍が侵攻してきた北の島占守島が舞台の物語。それまでそれぞれの生活や夢を戦争によって突然うちこわされ戦場にいかされた市民の怖さを感じました。 | ||||
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私も満州で、戦争を体験し、6才のとき家族で命からがら、引き揚げてきました。 日露不可侵条約を破棄した国に対して憤りを今でもかんじています。 | ||||
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上、中、下巻の総合評価です。 感想には賛否両論あると思います。 面白かった、壮大だったという意見もあれば、つまらなかった、焦点が絞れてないなどネガティブな感想もあります。 戦争ものに何を期待するかによって、感想は違ってくるのは当たりまえ。 個人的にも、ぶっちゃけ期待していた内容とは違いました。 でも、やはりいろいろな意見を鑑みたとしても、「壮大な小説」であることは間違いないと思います。 誰が主役、誰が敵、誰が味方でもない。 一人一人が、あの戦争に巻き込まれ、考え、悩み、自分の人生を歩く。 登場人物の分だけ、人生があり、背景がある。 一人の人生の裏側には、別の人生があり、別の想いがある。 若い兵隊、年老いた兵隊、徴兵ギリギリで戦地に行くことになった兵隊、疎開した子供、その子供を東京へ連れ帰る刑務所出の男、社員を見送る社長……、いろいろな人が、なんとも言えないあの戦争に巻き込まれ、あの時代を生きなければならなかった。 本当ならば、普通に生活して、平凡に生きて、家で安らかに死ねるはずなのに、それをさせてくれない時代があった。 その事実が、そのまま、文字になって読み手の心に何かを訴えてくる。 そんな小説でした。 すごく悲しい場面があるわけではないです。 悲惨さを前面に出しているわけでもない。 なのに、なぜか泣けてきました。 最後の部分は描かれていないのに、その一歩手前の描き方があまりに美しいから、余計に現実が心に突き刺さってくるのだと思います。 いろいろな戦争を書いた本がありますが、この本も、一度は読んで損はない、何かを確実に感じ取ることができる本だと思います。 私は、個人的におススメします。 | ||||
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占守島が主舞台となっている。近年の此の島の状況を把握している人は、ほとんどいまい。したがって、島の気候風土については、作中の描写を信じ込んでしまうのではないか。私は、この数年、8月中旬にロシアの、ハバロフクスク・イルクーツク・ノボシリビスクなど極東やシベリアを訪問しているが、占守島と緯度の同じ場所で、この時期白夜になることはない。主舞台の気候がもう少し正確だとぞくぞくした構成になったのではなかろうか。 | ||||
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この作品は戦争の本質を問いただしています。国家の名の元で国民個人の生活は木っ端微塵に蹂躙され、人間の存在が巨大な暴力にすり潰されてしまいます。どのような理由があろうとも戦争は絶対悪であることを想起させてくれます。理不尽な戦争の論理で無念の死を遂げた何百万人もの犠牲の元に今日の日本の繁栄があると思います。終戦記念日を間近に控え戦争を二度と起こさせない、巻き込まれないためにはどうすべきか一人一人が考えるべきだと考えます。戦争を学徒として迎え、大阪大空襲を体験した母親が「威勢のいい事を言う奴にロクな人間はいない」と言っていました。短い言葉ですがある意味本質を喝破していると思います。平和主義、基本的人権の尊重、主権在民は多くの方の尊い犠牲の上にもたらされた貴重な財産だと思っています。平和の尊さを掛け替えのなさを改めて感じました。 | ||||
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本書(文庫本で全三巻)は、「壬生義士伝」に共通するスタイルを取り、『独白、手紙』などを綴っていく形になっています。それぞれの文章を読み始めた段階では誰が書いているのか分からず、読み進むにつれて頭の中で映画が上映されるように情景がありありと見えて来ます。この構成は、百田尚樹氏の傑作「永遠の0 (講談社文庫)」に影響を与えたと思いますが、浅田氏や百田氏のような桁外れのストーリーテラーだけに使いこなせるスタイルなのかもしれません。 また、「壬生義士伝」が、南部脱藩・吉村貫一郎とその家族や友人を通して「南部魂」を描いているのと同じく、本書は、3人の南部人が主人公となっており、南部の言葉が効果的に使われています。浅田氏は南部によほど熱い思いをお持ちなのでしょう。 ※ 現代日本で最も有名な岩手県人である小沢一郎は、仙台藩領だった水沢の出身ですから、決して「南部人」ではありません。浅田氏が描く南部人と小沢一郎が似ても似つかないのは当たり前です。 本書を購入した晩の23時に「読み始めたら眠れないかな」と思いつつ上巻を読み始め、止まることが出来ず、翌朝の6時、既に夜が明けきった時に下巻を読み終えました。7時間、同じ本を読み続けた記憶はあまりありません。 私は戦史には普通の方より詳しいつもりですが、浅田氏のリサーチは隅々まで行き届いており、気になる点は見当たりませんでした。浅田氏の最近の傑作、斎藤一を主人公とした「一刀斎夢録」では、明治陸軍史のリサーチにやや弱点がある(司馬遼太郎の『乃木愚将論』をそのまま踏襲、など)嫌いがありましたが、本書は安心して読めました。 なお、占守島の戦いについて、戦史の専門家がコンパクトにまとめた本として「一九四五年夏 最後の日ソ戦 (中公文庫)」があります。本書を読んだ後にお勧めします。 | ||||
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本書(文庫本で全三巻)は、「壬生義士伝」に共通するスタイルを取り、『独白、手紙』などを綴っていく形になっています。それぞれの文章を読み始めた段階では誰が書いているのか分からず、読み進むにつれて頭の中で映画が上映されるように情景がありありと見えて来ます。この構成は、百田尚樹氏の傑作「永遠の0 (講談社文庫)」に影響を与えたと思いますが、浅田氏や百田氏のような桁外れのストーリーテラーだけに使いこなせるスタイルなのかもしれません。 また、「壬生義士伝」が、南部脱藩・吉村貫一郎とその家族や友人を通して「南部魂」を描いているのと同じく、本書は、3人の南部人が主人公となっており、南部の言葉が効果的に使われています。浅田氏は南部によほど熱い思いをお持ちなのでしょう。 ※ 現代日本で最も有名な岩手県人である小沢一郎は、仙台藩領だった水沢の出身ですから、決して「南部人」ではありません。浅田氏が描く南部人と小沢一郎が似ても似つかないのは当たり前です。 本書を購入した晩の23時に「読み始めたら眠れないかな」と思いつつ上巻を読み始め、止まることが出来ず、翌朝の6時、既に夜が明けきった時に下巻を読み終えました。7時間、同じ本を読み続けた記憶はあまりありません。 私は戦史には普通の方より詳しいつもりですが、浅田氏のリサーチは隅々まで行き届いており、気になる点は見当たりませんでした。浅田氏の最近の傑作、斎藤一を主人公とした「一刀斎夢録」では、明治陸軍史のリサーチにやや弱点がある(司馬遼太郎の『乃木愚将論』をそのまま踏襲、など)嫌いがありましたが、本書は安心して読めました。 なお、占守島の戦いについて、戦史の専門家がコンパクトにまとめた本として「一九四五年夏 最後の日ソ戦 (中公文庫)」があります。本書を読んだ後にお勧めします。 | ||||
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浅田次郎の作品を読むにつけ、プロフェッショナルな作家の構想力と文章力に感服します。また、ヤクザものの啖呵や方言を自在に操る、言語能力の高さにも恐れ入るほかはありません。本書には、敗戦色濃厚な昭和20年代の人々の生き様と苦悩が召集令状をキーワードに見事に描かれています。団塊世代の読者にとっては、自身の父母の青春時代を追体験するような思いに駆られるのではないでしょうか。 | ||||
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終戦後にあのような戦いがあったことを初めて知りました。北方領土返還に対する気持ちが強くなりました。 | ||||
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悲しいです。普通の日本人が・・・ロシア人が・・・・・ 68年前にこんな戦いがあったって初めて知りました。 残り頁が少なくなるにつれ、古くからの友人と感じていた登場人物の最期が近づく・・・ 戦争さえなければ、みんな幸せに・・・・ 歴史教本には描かれない日本人の心が描き出された秀作です。 | ||||
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