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魔女が笑う夜
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魔女が笑う夜の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.38pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全8件 1~8 1/1ページ
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カーター・ディクスンの本格もの。1950年発表の本作、あのH.M.卿が登場する。 舞台はとある英国の田舎町。村人を誰彼となく中傷する手紙が大量にばらまかれるという事態が起きている中、まったくの別件のつもりで村を訪問したH.M.卿はやむをえず調査に乗り出すのだが・・・という話。 物語の構成上仕方がないようだが、扉をみればわかるように登場人物がそれなりに多く、読んでいて特に女性陣については混乱しがちだった。微妙に人物描写がビリっとしないのです。(翻訳が古いからかもしれないですが。) さて、本作のメイントリックは、密室状態の娘の部屋に魔女(?)が侵入したというものだ。すべてのドアと窓はロックされ、それぞれの出入り口には張り番が、、、という典型的密室。。。。ということなのですが、最後まで読んで、ここがメインイベントだとはとても思えない。派手な追跡劇でハラハラさせておいて、謎めいた銃創の存在の提示。予想される犯人の人物像はかなり限定される状況なのに、具体的な指摘は本当に終盤まで何もなし。冒頭の珍事件は軽い掴みなんだろうと思っていたら、終盤にきて更にとんでもないドタバタ。喜劇映画の一シーンを見ている気がしているうちに、謎解きはさらっと終わってしまった。 うーん、なんだか不完全燃焼です。 カーを読んだぞという気がしません。 | ||||
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本書は村中に「後家」の署名による匿名の手紙がばらまかれ、それにより自殺する者まで現れるという陰湿な内容で、その展開だけ見ればクリスティーの「動く指」を思わせる。しかし、「後家」という村はずれの石像(奇岩というべきか)のイメージにより、陰湿さにかけては本書の方が上回る。 そして、その陰鬱さをH・M卿のドタバタぶりが吹き払っており、序盤のスーツケースレースと特に終盤の泥合戦は抱腹絶倒もので、本書で読む価値があるとすればこの点だけと言える。 推理作品としての本書は、その密室トリックは作者作品の中でも特にひどいもの。犯人の動機もイマイチ説得力に乏しい。 唯一、H・M卿がある人物の何気ない言葉から犯人に着目したという点だけは、名作「皇帝のかぎ煙草入れ」を思わせるが。 | ||||
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旧題「わらう後家」。"おバカ"なトリックで、カー随一の駄作との評判もあるが、それもカーの涙ぐましいサービス精神の表れと解したい。 "莫蓮後家"と言う石像があるストークと言う僻村で起こる、「後家」と署名された匿名中傷手紙事件。まず、マーチンと言う独身女性が中傷を苦に溺死する。そして、新任牧師のジェームズの所へも中傷の手紙が届き、稀覯本に釣られたH.M.卿の登場。早速、定例のドタバタ劇。ジェームズへの中傷の内容はジョーンと言う娘との醜聞。しかし、ジョーンにはゴードンと言う作家の恋人がいた。一方、ゴードンにはステラと言う未亡人との醜聞の中傷の手紙が届いている。ドタバタとロマンスと言う、如何にもカーらしい出だしだが、登場人物に以下のように言わせているのが堪らなく可笑しい。 「ユーモアというものは、決して卑俗なドタバタ劇ではない」 ジェームズは教会での説教の中で自身への中傷手紙を告白し、村人達宛ての手紙の提出を募ったが波紋を広げただけ。そして、"莫蓮後家"に人一倍の関心を持つジョーンに襲撃予告の手紙が届き、真夜中、部屋の内外を4人が監視する中、3発の銃声が響き、ジョーンは「後家」に触れられたと訴える。一応、不可能犯罪だが隙がありそう。銃は外の監視担当のゴードンのもの。この後、"莫蓮後家"像に係る追走劇と同じ銃による殺人があり、像の中から中傷手紙に使用されたタイプライターが発見される。 カーの作品にしては、雰囲気の盛り上げ方に工夫がなく(例えば"莫蓮後家"の呪いを強調するとか)、村人達のささやかな生活・秘密が淡々と披瀝されると言った趣き。肝心の密室トリックは評判通り(?)気の抜けたものだったが、チャント計算がされており泣かせる。ドタバタに始まりドタバタで終る、カーならではの笑劇の一作。 | ||||
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旧題「わらう後家」。"おバカ"なトリックで、カー随一の駄作との評判もあるが、それもカーの涙ぐましいサービス精神の表れと解したい。 "莫蓮後家"と言う石像があるストークと言う僻村で起こる、「後家」と署名された匿名中傷手紙事件。まず、マーチンと言う独身女性が中傷を苦に溺死する。そして、新任牧師のジェームズの所へも中傷の手紙が届き、稀覯本に釣られたH.M.卿の登場。早速、定例のドタバタ劇。ジェームズへの中傷の内容はジョーンと言う娘との醜聞。しかし、ジョーンにはゴードンと言う作家の恋人がいた。一方、ゴードンにはステラと言う未亡人との醜聞の中傷の手紙が届いている。ドタバタとロマンスと言う、如何にもカーらしい出だしだが、登場人物に以下のように言わせているのが堪らなく可笑しい。 「ユーモアというものは、決して卑俗なドタバタ劇ではない」 ジェームズは教会での説教の中で自身への中傷手紙を告白し、村人達宛ての手紙の提出を募ったが波紋を広げただけ。そして、"莫蓮後家"に人一倍の関心を持つジョーンに襲撃予告の手紙が届き、真夜中、部屋の内外を4人が監視する中、3発の銃声が響き、ジョーンは「後家」に触れられたと訴える。一応、不可能犯罪だが隙がありそう。銃は外の監視担当のゴードンのもの。この後、"莫蓮後家"像に係る追走劇と同じ銃による殺人があり、像の中から中傷手紙に使用されたタイプライターが発見される。 カーの作品にしては、雰囲気の盛り上げ方に工夫がなく(例えば"莫蓮後家"の呪いを強調するとか)、村人達のささやかな生活・秘密が淡々と披瀝されると言った趣き。肝心の密室トリックは評判通り(?)気の抜けたものだったが、チャント計算がされており泣かせる。ドタバタに始まりドタバタで終る、カーならではの笑劇の一作。 | ||||
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元々は「笑う後家」というタイトルでHPBで出版されていたのだが「別れた妻たち」と並んでカーの最駄作の筆頭みたいな事を書かれていたので共に昭和50年代のカー・ブーム時に文庫化されたとき改題されました。しかし、この事件トリックが人を喰いまくっているだけで別に駄作ではありません。確かにどぎつく、B級スプラッタコメディ映画風に無理矢理文章で笑わせようとしているのが最初の出版時のまじめな日本にあわなかったのかもしれませんがカーの中での英国ファルス物として認識して読めば結構楽しい作品です。しかし、ウィドーを「魔女」って訳すことはないでしょ。本文中は「後家」と訳しているんだし。 | ||||
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元々は「笑う後家」というタイトルでHPBで出版されていたのだが 「別れた妻たち」と並んでカーの最駄作の筆頭みたいな事を書かれていたので 共に昭和50年代のカー・ブーム時に文庫化されたとき 改題されました。しかし、この事件トリックが人を喰いまくっているだけで 別に駄作ではありません。 確かにどぎつく、B級スプラッタコメディ映画風に無理矢理文章で 笑わせようとしているのが 最初の出版時のまじめな日本にあわなかったのかもしれませんが カーの中での英国ファルス物として認識して読めば 結構楽しい作品です。 しかし、ウィドーを「魔女」って訳すことはないでしょ。 本文中は「後家」と訳しているんだし。 | ||||
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著者の持ちキャラ、ヘンリー・メルヴィル卿の活躍するミステリー。今回もまた、出入り口のすべてに見張りが立っていた部屋でおこなわれた事件、不可能犯罪の前にH・M卿が敢然と立ち向かう!と書けば格好もいいのだけれど、そこはヘンリー・メルヴィル卿、相も変らぬ思わせぶりなセリフとドタバタ劇で読者を楽しませてくれる。犬とスーツケースの大競争、悩める少女を助けたかと思えばインディアンの大酋長に扮装して大騒ぎを引き起こす、と別な意味で八面六臂の大活躍。それでもやっぱり名探偵、最後はキチッと締めてくれます。 傑作とは言えないし、万人うけするミステリーでもないけれど、今までずっと品切れ状態で手に入りにくかったこの作品、21世紀をむかえてめでたく重版されたこの機会に一読されては。 | ||||
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著者の持ちキャラ、ヘンリー・メルヴィル卿の活躍するミステリー。今回もまた、出入り口のすべてに見張りが立っていた部屋でおこなわれた事件、不可能犯罪の前にH・M卿が敢然と立ち向かう!と書けば格好もいいのだけれど、そこはヘンリー・メルヴィル卿、相も変らぬ思わせぶりなセリフとドタバタ劇で読者を楽しませてくれる。犬とスーツケースの大競争、悩める少女を助けたかと思えばインディアンの大酋長に扮装して大騒ぎを引き起こす、と別な意味で八面六臂の大活躍。それでもやっぱり名探偵、最後はキチッと締めてくれます。 傑作とは言えないし、万人うけするミステリーでもないけれど、今までずっと品切れ状態で手に入りにくかったこの作品、21世紀をむかえてめでたく重版されたこの機会に一読されては。 | ||||
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