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鉄鼠の檻
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【この小説が収録されている参考書籍】
鉄鼠の檻の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.32pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全80件 21~40 2/4ページ
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百鬼夜行シリーズの第四弾、京極堂の憑き物おとしは、箱根の山奥深い禅宗寺でおこる僧侶連続殺人事件。 本作品の見所は、死体の派手な見立てや、怪しげな妖怪変化の登場、事件の顛末より、怒濤の禅宗史とその思想になるだろうか。懇切丁寧に解説がなされるわけだが、著者の博覧強記ぶりと哲学に、読みながらしばしば気絶寸前となる。(1300頁の分厚さは眠くなったら箱枕として便利) 純然たる謎解きとは違うのが、本シリーズの特徴だ。 関口、榎木津、敦子のお馴染みシリーズキャラクター登場(残念ながら木場は不在)は、嬉しい限り。「姑獲鳥の夏」のキーマン再登場なので、忘れてしまっていると、ちょっと残念な思いをするかな。 面白さプラス達成感。 | ||||
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注文してから直ぐに届いて驚きました! (関東→中国.注文から2日) 商品の状態は評価通りって感じです。 (評価・良い) ありがとうございました。 | ||||
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間延びせずさらさらと、それでいてのめり込むように読める本作は素晴らしい。 殺人以外もアッー!とかロリとか内容はけして爽やかなものではないが、読後はスッキリする内容だった。 全てを焼き尽くして、全てが瓦解して終わるのは座りが良い | ||||
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去年読んだ中で最高の一冊 「絡新婦の理」は未読ですが、これはシリーズ最高なのでは?という予感もしています。個人的には”魍魎”より上。もしかしたら、人生で最高の1冊候補。 序章こそ「???」で、こりゃ厄介なものを買ってしまったと思いましたが、本編始まってからはグイグイと引き込まれていきました。 まず淡々と流れる文章が心地よい。今川と久遠時翁の長い会話シーンが全く苦にならない程。事件など起こらず、これがずっと続いて欲しいくらいの妙味がある。 その後主要人物が、近場に続々集まりつつあることが分かってくるが、この展開も自然ですんなり受け入れられる。 その後仙石楼で取材チームが合流すると、まもなく訪れる怪異。 庭に突如現れた異物の出現に驚き、ページを戻らなかった人がいるだろうか? そこまでやたら、雪どけして落下する塊の描写がちょくちょく入ると思ったら、これに関する読者への仕掛けだったのですね。普通にスルーしてました。 ともかく物語のほぼ全編は、水墨画のようなモノクロのイメージ。 ただ一点、鈴の着物が刺す紅が、鮮やかなアクセントとなって強烈な印象となります。 中盤までは、作中でも言及がちょっとありますが、京極流の”獄門島”をやりたかったのかな・・・などと思い、その辺注意して進めました。 だいたい半分くらいのとこにある、常信と京極堂の問答が、本書の大きな山場。 禅僧と陰陽師の脳髄バトルなど、こんなに興奮する勝負はそうそうありません。 ここまででだいぶご馳走様でありました。 その後、女人禁制の場ならありがちな男色展開がちょっとあり(やっぱ出たかと思う)、著者得意(?)の近親相姦ネタなんかも交えつつ、怒涛の終盤へともつれ込んでいきます。 菅野博行の登場は余計な気がしないでもないですが、鈴との関わりで話も膨らむからいいのかな・・・と。ちなみに彼が狂ったのは、”相手”がほんとは大人だったからですかね? 話がちと逸れましたが、真犯人の動機がまたふるってる。結局金絡みや痴情のもつれだったら「ケッ!」ってとこだったのですが(そう匂わせる要素も多々あった)、そんな常人には理解しがたい理由でこそ、宗教テーマのミステリーに相応しい。 そして(私が)モノクロと捉えてきた景観が、一転色彩のパノラマ絵巻へと転換していくダイナミズム。ほんとにもう、始めから終わりまで最高です。 元々「鉄鼠の檻」は、作品名ではなく、YAKATAの雑魚キャラとして覚えたものでした。 綾辻氏の作品すら1つも読んだことない状態でやったゲームだったのですが。 その後、ウブメやらモウリョウなどを知ってきた流れで、「鉄鼠の檻」も目にするようになります。 話は重そうだし、お長いんでしょ~?だけど、やっぱりなんか気になる。でもだいぶ時間潰しになりそうだったから(その時時間かかりそうな本を読みたかったこともある)、「てやー!」と思い切って買ってみたら、大変良い結果でした。 ところで、殊能将之氏の「鏡の中は日曜日」で出てくる作中作(作品の中では現実)に、寺院での連続殺人が起こる”阿修羅寺事件”てのがあります。 すぐに関連を思い立ったのですが、巻末の参考文献に「鉄鼠の檻」は無いんですね。 綾辻氏の館シリーズは、十角館から黒猫館まで名を連ねているので、”鉄鼠”が入っててもおかしくはない感じなのですが。 散々ほめてきましたが、決して万人向きとは言えません。 仏教や禅の深い話など、私も十分理解したとは言えません。ただその様な文字列を読んでいく耐性があったから、というだけの話かも知れません。 その点あの序文は、読者を篩にかけるいい作りなのかも。 | ||||
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すぐ配達してくれましたので、良かったし、商品もとても良い状態でした。 | ||||
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電子書籍化の際の瑕疵と思いますが 山靈←最後の一文字画像で黒塗りになっています。 おそらく特殊文字を画像表示しようとしている部分です。 | ||||
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個人的には京極堂シリーズの中での最高傑作だと思います。物語の背景に禅があり、その歴史や宗派による違いなどが描かれ、禅に興味のある人には勉強になると思います。 特に老僧が長年取り組んでいた難解な考案を即座に解いた榎木津の答え、それを聞いた老僧が「大悟しました」と言ったシーンは最高。「う〜ん」と唸らされました。 | ||||
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一巻から色んな怪しい事件が起きますが 怪異として残ったのは大禿でしたね。 4巻を通したスタンスは一巻で出てくる 京極堂と関口の会話で出てくる 「科学的思考と云うのは凡てが証明され、明白になっていない限り、結論を出してはならないものだ。・・ 欠落情報が補えないような場合の一番据わりの良い理解の方法は、妖怪変化と考える事なのだ。」 二巻p382で出てくる瞑想と禅の違い、受け流すべき「魔境」の話は実に面白いですね。 | ||||
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京極氏の小説は宗教色が強いと思っています。 この小説の舞背景には禅宗が設定され。 そうして各宗派の寄合所帯の無名の寺が舞台となっています。 この設定は実に面白いですね。 怪奇を強調し、怪奇を解いていく過程で 僧も囚われる、識者の代表である僧が囚われる檻 この檻は識? と著者は主張したいのでしょうか。 まだ全巻は読んでいませんが先が楽しみです~ 禅の解説や怪奇は軽く読み飛ばし先に進みましょう その方が楽しめます。 そこに嵌ると「鉄鼠の檻」!で小説を楽しめませんよ~ん | ||||
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信仰心ゼロの自分ですが、宗教それも長く続いたものは本当にうまく出来てると感心。 全ての仕組みに理由や目的があり、考え抜かれている。 寺というのは出家の修業の場なんですね。 私たちがなんとなくお参りしたり、お葬式を出してもらったりしているお寺の本質をズバリ教えてもらいました。 宗教対立が世界中で起こって嘆かわしい昨今ですが、異教徒への理解も信仰の有無はさておき、相手方の宗教の歴史とか、 仕組み、行為の意味するところの勉強から入っていったらいいかもしれない。 | ||||
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ニコニコ〇画で見つけた動画で結末を知りながらも読んでみたくて購入。 うん、買って良かった。 とりあえず読みやすい(分厚いけど) 禅とかの説明は読んでて修行してるような気持ちになったけれども(説明が長くてダルいーでも読まなくては!というのの繰り返し) キャラクター一人一人魅力もあり、被害者加害者にも感情移入してしまい複雑な気持ちになったりもした。 怖くなってトイレに行けなくなりながらも、徹夜して三日で読み終えたとき、とりあえず達成感があった。 やりきれなさは残ったけど、でもこの素晴らしい作品は全てを納得させてくれた。 悲しい怖い謎色々な感情はあったけど、納得してこの事件の終わりを迎えられた。 これもやはり京極先生の上手さなんだと思う。 とりあえず素晴らしい。 | ||||
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まず、何人かが既に書いているが、これは「犯人を見つける」物語、つまりミステリーではない。伏線は確りしている。物語が破綻しているとか、肝心な部分がぼかされているとか、そういうことではないのだ。寧ろ、そういう部分はそこらのミステリー小説よりよっぽどミステリーらしい。しかし、読者は何故かそれらが「見えない」。見えているし、わかっているはずだ。読んでいるし、そのことを覚えてもいる。しかし、何故か本質をとらえられてはいない。常識で考えればわかるはずなのだ。そのあたりは魍魎の匣のラストを思い浮かべればわかるだろう。 今作も、その特徴は変わっていない。 「わかったつもりになっている」。そんな言葉が作中のひとつのキーワードになっているが、まさに読者は文を読み「わかったつもりになる」。そしてわかったつもりになったがゆえに惑わされ、物の怪妖の類いが視界を過る。憑りつかれているのだ。 ラストに京極堂が「祓う」まで、読者は白と黒、是か否か、僧と禅、ぽつりと浮かぶ赤い少女に憑りつかれたままなのである。 「鉄鼠の檻」__。 これは、そんな過程を楽しむものであり、「わかったつもりになった」自分なりの解答が合っているか、なんてものを楽しむつもりならおススメはできない。 この本を薦めたいのは、本を読むことを心から愛する「読書家」である。 | ||||
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魍魎の匣を超える厚みにびっくりしましたが、状態も良く、これからじっくり読みたいとお観ます。 | ||||
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吃驚するほど分厚い本で、読むのにエネルギーが要るが、内容は面白かった。 | ||||
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分厚い本で、第二次世界大戦後、数年たったころの時代背景で、禅関連の宗教用語が多い本だが、意外に読みやすく、一日少しずつ読んでいっても、2週間もあれば通読できる。登場人物の数が多く、そのうちの半分は僧侶なので、名前が覚えにくく、また、シリーズを読んでない読者にとっては、レギュラー陣の数も結構多いので一苦労。推理小説、妖怪小説のいずれとしても楽しめるが、本作品では、禅小説といってもよいほど、禅の有名な問答や、歴史、思想が無理なく詰め込まれており、作者の蘊蓄の深さには驚かされる。禅は、理論だけでは何もならず、実践しないと意味がなく、そこから悟りに至るまで(小悟から大悟まで)、様々なレベルがあるが、登場人物は、禅に造詣のない人から、悟りにいたった僧侶までおり、それぞれの人物の禅への思いが書かれているので、多少なりとも禅に関わった人なら、共感がもてるところ。興味深いのは、瞑想と禅を異なるものとしている点で、どちらもマスターした人は、心が平静となる反面、五感が研ぎ澄まされ、世界との一体感を感じ、世界が新鮮にみえるとしており、そこが到達点と解説しているものも多い。本書では、その状態すら、脳内のエンドルフィンなどの物質の放出による幻覚(魔境)で(幻覚剤によっても再現が可能な生物学的に理解できる状態)、その満足した状態すらも、幻覚妄想と受け流す、一つ上を行く禅の修行の究極とも言える境地が紹介されている(p498、512)。そうした悟りに至った僧侶と、実践という意味では入口にも入っていない主人公の京極堂が、実社会で、どう対決しているかをみることで、悟りとは、禅とは何かを考えさせる本にもなっている。内容が深いので、禅の入門書などをよんでからの方が楽しめる作品。京極堂は、本人は座禅をしないので、いくら知識があっても、禅を語る資格はないというスタンスであるが、こうした場合、悟れないもののジェラシーのようなものが、その背後にありがちであることを、禅や瞑想を少しでも体験した読者ならば感じるところではないか。文庫版にある解説は、新書版には、残念ながら収録されていない。 | ||||
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禅をベースとしたミステリー。 文体は大きく違いますが、内容として、高村薫の「新リア王」と「太陽を曳く馬」を思い出しました。 言葉にとらわれる故に、言葉以外の何かに憧れる、ということでしょうか。 「信仰を科学しても、科学を信仰してもいけない」というのは、両者の関係性を表す言葉として本当に分かりやすいです。 さらに、Whydunit(動機)が秀逸でした。ネタばれになるともったいないので詳述は避けますが、私は納得できました。 総合的に、ボリュームの多さを例によってあまり感じさせない良作ミステリーでした。 | ||||
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箱根の旅館に忽然と出現した修行僧の屍。 仏教、特に禅をメインに据えたミステリ。 釈迦・達磨から栄西、道元を経て隠元隆'gに至る禅宗への 作者なりの整理・解釈が、作品に単なる愛憎・物欲による物語に 収まらない異趣の感を与えている。 | ||||
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妖怪シリーズ第四弾。 ある意味では「姑獲鳥」の後日談並びに解決編とも言えるので、 一作目から読んでいない人には少々辛いところがあるかもしれない。 この巻辺りから長文化と視点の二転三転が増加することが多くなるので、要注意。 あと、迷探偵・榎木津の奇人変人ぶりと関口先生の影の薄さにも拍車がかかってきてる気がする。 特に関口先生に関しては、いると言動に逐一イライラさせられてしまうが、 いないとどうにも物足りなく思えてしまう妙な味わいがあるキャラクターなので、 是非とも出番は削らないでいただきたいものである。 ――箱根の山奥に聳える、京極堂さえ知らない謎めいた古刹。 ――数十年前から少しも成長しない、不気味な女童。 ――警察の必死の捜査を嘲笑うかのように、次々と殺されてゆく僧侶達。 「禅」を中核とする結界で覆われた秘境に、我等が陰陽師・中禅寺秋彦はどう立ち向かってゆくのか。 個人的には、転落を機に意気消沈してしまった山下警部補が、とある人物の死に怒りを燃やし、 捜査の巻き直しを決意するくだりが一押し。 | ||||
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ネットでの評価は、それまでの作品のクオリティと比較するから、どうしても低くなるみたいだ。 でも、私は面白かった。 少なくとも、デビュー作のテンションは、まだ本作では維持されている。 そして、京極堂と宗教の絡みは、必然とはいえ、なかなかに含みの多いものだ。 本作が本シリーズの分岐点だろうことは、シリーズを通して読んでいると良く分かる。 本作以降の作品は、まず文体が本作後半から終盤でも見られたように、めまぐるしく視点が変わり、それに加えて視点人物が特定しにくくなる。 それがトリックというか、作品の構築に必要なのだろうが、小説としては非常に不親切である。 そして、作品世界を恣意的なものにと、どんどんと傾斜させていく。 だが、本作ではまだ、そのあたりは弱い。 それが、本作では作品世界へののめり込みを容易にしている。 それゆえ、本作は以降の作品より、中身が濃い。 詰め込まれている情報は膨大だが、しかし、割とすんなり頭に入る。 それは、視点がある程度はっきりしているためだろう。 相変わらずテーマは陰惨である。 それはミステリとしては、ある意味、仕方のないことではある。 そして、少々救いのないラストもまた、宗教との対決ということでは、仕方のないことではあるだろう。 読み応えのある、そして読後の達成感もまた、まちがいのない傑作である。 | ||||
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この本は推理小説として批判する人が多い様ですが筋違いだと思います。 本のジャンル分けはあくまで便宜的なものです。 山中の禅寺で起きた事件 奇怪な結末 この物語の醍醐味は謎には有りません 登場人物達の囚われた意識の檻ひょっとしたら私たちも・・ それを払い落す事それがこの伝奇譚の醍醐味です。 京極先生が一番「凄味」を込めて書いた伝奇譚だと思います 面白かったです。 | ||||
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