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鉄鼠の檻
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【この小説が収録されている参考書籍】
鉄鼠の檻の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.32pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全94件 61~80 4/5ページ
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京極堂シリーズ第4弾。1,341ページ。1996年1月リリース。 ひたすら大海原を一人遠泳をしているかのように長い。京極作品はレンガ本として有名だが、この第4弾に至ってよりレンガ化が激しくなる。初めは長くて全く彼岸が見えなかったが、長く深いのは実は京極作品自身の『檻』の性だ、と読了寸前に気がついた。恐るべき作家である。 読了すると『禅宗』の世界観が深く理解できている自分に気がつく。まさに1,300ページの『檻』の成せる技だ。読んでいる途中は長さに驚いたが、読了後はその深さに感服した。おそるべき大傑作である。巻末で宗教学者正木晃氏が真摯に書いているとおり、本作は絶対英訳すべきだ。単なるミステリーでなく、誰もなしえなかった驚異的な構築物である。恐るべき余韻である。 | ||||
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ロリコンとか近親相姦とかホモとか・・・。 榎さんは相変わらず面白かった。竈馬がクッキーより嫌いとか。流石「僕は神だ」。 鳥ちゃんも相変わらず「うへぇ」だった。同性愛に寛容な記述にワロタ。 取り敢えず1300頁くらいあるけどさらっと読める。暇な時間に読んでれば3日くらいで読み終わる。かなり面白い。あと松下も途中からいい感じに馴染む。 | ||||
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ストーリー・禅の講釈ともに実に面白く、ぐいぐい引き込まれます。 私はウブメ、魍魎、狂骨と順に読みましたが鉄鼠ではシリーズで初めて 被害者の死を悲しいと思いました。それなのにあの動機はあんまりじゃ ないでしょうか・・・。読み返せば違った感じを受けるかもしれませんが、 最後でちょっと消化不良をおこしてしまいました。 でも面白いんですけどね。 | ||||
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ガチです、ホモです。坊さんがホモです。偏見を抱きます。 あと、なんといっても序盤の榎木津の活躍が楽しいです。 元気すぎです。楽しげです。 | ||||
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事件への関与を嫌い、最後に重い腰を上げる・・・というのはこのシリーズのお約束のパターンのようだが、黒衣を身に纏った京極堂が最後に出撃するシーンは過去四作と較べても、抜群のかっこよさだろう。「憑物落とし」を生業とする男には深山幽谷が良く似合う。 | ||||
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「京極堂」シリーズ第4段。今回の舞台は雪に埋もれた箱根の山中。冒頭から"凍結僧侶"の落下事件を超人探偵榎木津が解くというサービスがある。そして、雪道で何者かに殺された僧侶。犯人のダイイング・メッセージ(?)もある。極め付けは「全国寺社総覧」にも載っていない謎の寺"明慧寺"。この寺の正体は ? この他、山中に出没する"成長しない少女"の謎もあるが、物語を彩るのは雪の中の僧侶、僧侶、そして仏教。この辺は作者の趣味に走り過ぎた感もあるが、それだけ作者が自分の世界に自信を持っている証拠なのだろう。雪の白と黒衣の男、この対比も作者のシャレなのかもしれない。 最後は箱根山中における榎木津・木場の大暴れシーンのサービスも含め、京極堂の憑き物落しが決まる。前3作の成功もあるのか作者の余裕が感じられ、より重量感が増した傑作。 | ||||
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禅については面白く読みましたし(時間かけたけど) 前半の京極堂+関口夫婦のほのぼのも楽しかったし。 連続僧侶殺人事件という変わった趣向も、冒頭も好きです。 しかし。 ■小ネタ(小謎)が簡単すぎる 少女の関係性とか、彼女の出自とか、過去の事件の真相。 合間あいまでヒントを出しすぎな感。 ■犯人が判りやすい 意外でも何でもありませんでした。途中で判ってしまった。 以上から、☆はミステリとしては−3。 特に捻ったトリックもなかったし、何より第一の犠牲者の死体が あった場所に関する最後の落としはあんまりです。 (うぶめの時のような心因性はなかったんじゃあ・・・) あと、他のレビュアーの方も書いてらっしゃいますが、少女の正体。 ラストのあの台詞回しはさすが京極先生、どきりとさせるのですが、 関口のあの独白一文で不可思議をかるく跳ね除けられては・・。 (ああするくらいなら、元々の予想のままで良かったと思う) いつもならしっかり理由付けされるのに、今作はどうしたのでしょう。 犯人の殺害動機にしても、「おいおい少しはブレーキかけようよ」と 思ってしまいます。 「禅」を、なんだかそういうツッコミへの言いわけに使ったように 感じてしまいました。 M氏は健全との描写がありますが、あんな事をした時点で 私は健全じゃあないと思うんですが。 とはいえ、前述のとおり、「謎」以外の部分はすごくいいです。 敦子が活躍したり、京極堂が千鶴子さんに思わぬ攻撃を頂いたり。 なので、 ・ミステリとしては☆1つ ・ファン書としては☆4つ でしょうか。 それと、蛇足ですが。 このシリーズ物凄く好きなんですが、似たような終わり方が多いことに 気付いてしまいました。 | ||||
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京極堂シリーズは好きですが、この作品はどうしても理解できません。序章の部分の流暢で美しい文章にひきこまれるように読み始めたのですが・・・。最後で思いきりこけました。 1月、雪、文献に残っていない謎の山寺、いわくありげな僧たち、振袖姿の不可思議な少女・・・、などという舞台装置は文句なしですが、謎ときに関しては納得のいかないことだらけです。伏線を探しながらあれこれ自分なりに推理したことはなんだったのだろう、と裏切られた思いすらします。 私としては、謎の少女の正体が一番納得がいきません。ホラーや幻想小説ではないのだから、それなりにある程度説得力のある種あかしをしてくれないと、これではまるで、視聴率が悪いから早めに打ち切るために、無理矢理おちをつけたドラマのようです。けっこう重要人物である飯窪さんに関する描写があまりないのも疑問ですし。 木場刑事が登場せず、まっとうな突っ込みをいれてくれないのも不満がのこる一因かもしれません。 この作品を「世界ミステリ史上最も意外な犯人と動機」と評価するのはいかがなものかと思います。 それとも、あまりに奥が深く素晴らしすぎて、私のような無学な凡人には理解できないということでしょうか? そうだったら悲しいなア〜。 | ||||
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「禅」の何たるか、が物語の重要なバックボーンであり、本作を読了すれば禅の概要が一応掴める。しかし逆に言えば、禅に対する知識が全くないとなると、作中の連続殺人事件の顛末と物語の醍醐味を充分に玩味できないきらいもある。作者の禅解釈の開陳には唸らされるが、エンターテインメント作品としては多少軌道がズレてしまっているかもしれぬ。「姑獲鳥の夏」のキャラクターが再登場している点は、シリーズを通読しているファンには嬉しいという反面、過去の完結作品に依存するのは好ましくない・・と厳しい見方も出来る。読み出したら一気に引きこまれるその筆致は流石だし、長編小説としての構造は高い完成度を顕示している。が万雷の拍手を贈るにはチト及ばぬという気もするのは辛辣か? | ||||
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京極ファンはそこに魅力を感じるのだろうが、京極堂を通じ作者が知識をshow offしているようにしか感じない。ストーリーに不必要な内容も多く、読み進むのがつらい。あの分厚さも義務感と達成感を求めて読まれる方も多いのでは。個人的には作者の無駄な知識をひけらかさない“百物語シリーズ”の方が圧倒的に明快で面白い。 | ||||
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導入部分から雰囲気がでています。 このシリーズは、犯人捜しではなく複雑に絡み合った出来事をすっきりさせることで進展していると思います。 今作も絡みに絡まって、さらに「禅」が背景にあるので複雑です。しかし、京極堂の手引きにより、絡まった糸もすっきりほどけることでしょう。 皆さんの評価通りの作品です。 前作までを既読の方は是非読んでみて下さい。 | ||||
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分冊版で読みました。読み終えてがっかりしました。殺人とその態様に全く必然性がなく,余りにも作り話だと思います。解説を宗教学者(?)が書いていましたが,これもとても読めた物ではありません。専門家が,この程度の宗教的理解に感心しているようでは,情けなくなります(多分,本気ではないでしょうが)。 ただ,このように書くと,京極氏を低く評価しているように取られそうですが,必ずしもそうではありません。個々の場面においては,読者を引き込む力を持っていると思います。最近の多くの作家が,名前だけの「文筆業」であるのに対し,京極氏は,文章を書く力と才能を持っていると思います。しかし,それにしても,本作品は,評価できません。なお,公平を期して言えば,分冊版の最初の2冊を読んでいる間は,けっこう引き込まれていました。3冊目と4冊目が翌月発売のため,そこで空白が生じてしまい,これが,白けた気分に結びついた可能性があります。推理小説は,まとめて出版して欲しいと思いました。 | ||||
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やはり京極先生は,鮮やかに美しく犯人を追い詰める達人です。仏教やお寺に関する知識が皆無の状態で読んだので,正直難しいところもありました。しかし,なぜでしょう??がんばって読み通してみると大まかな仏教界の流れが見えてきて,そういう意味でも勉強したような気分になってしまいました。後半,間違ったことは言わない,榎さんの台詞をヒントに,犯人を想像しながら読みました。書かれた時代背景を考えると,京極先生なりに訴えたいことも含まれており,キャスト的にはもちろん,内容的にもとてももりだくさん,私には欲張りな小説でした。改めて京極ワールドにはまる一冊です!! | ||||
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山奥の寺だということで、嫌な予感はしていたんだけどやっぱり、という感じでした。 まぁ、そこはいいんだけど、禅や魔境など、様々な宗教的概念が飛び交うんだけど、それが奥深くて読み応え抜群。 | ||||
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私はこの作品を「禅」を分かりやすく説明してくれる本だと評価したいです。 「言葉にすると逃げていく」... 禅は「ゲーデル・エッシャー・バッハ」でも出てきます。 あの本を読んだ時は何でこんな「公案」を紹介せねばいけないのだろう? と不思議に思っていました。 京極夏彦←→ゲーデルの不完全性定理の、「不思議な環」を私は感じずにはいられません。 #その後、「日本の弓術」を読みました。 #まだ読んでいない「タオは笑っている」「十牛図」も読まなきゃ。 | ||||
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間違いなくこのシリーズ最高傑作といっても過言ではないだろう。 いつの間にか読み手である自分もまた『檻』に囚われている不思議な感覚を覚えた。 最初はページ数と謎かけのような導入部に圧倒されるかもしれないが、読み進めるうちに本の厚さはは次第に気にならなくなる。 そしてこの一連の事件の結末(というより顛末)を見届けるまでは頁を繰ることを止められなくなるはずだ。 京極堂のあざやかな憑き物落としも勿論健在だが、やはり見るべきは最大のテーマである『禅』の世界観であろう。 この作品と同様、頭で『理解』しようとすると魔境に陥ってしまうあたりも非常に興味深いものだ。 | ||||
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出だしで思い切り取り憑かれます。 前作の「狂骨の夢」あたりから京極氏の筆がますます冴えて、特にオープニングのつかみが実にうまくなっている。また、繊細で豊潤な表現力が、この広大な伽藍の如き(曼荼羅のような、と言うべきか?)世界を見事に現実の中に描き出している。 この物語は、箱根山中の隠された大寺院が舞台となる。結界の中で次々と殺されてゆく仏弟子たち、そしてその他の登場人物もやはり僧侶が多い。ために、交わされる会話も禅(仏教)の色の濃いものにならざるをえない。 禅の考案(いわゆる禅問答)が続々出てくるので、読み飛ばしてしまう人も多いかと思うが、殺人事件の謎はすべて考案の中に明らかにされていると言ってよい。 いわば、京極氏は「謎の殺人事件」の現場に回答を置いていったとも言える。 であるから、考案については「わからん」と言わずに、じっくり読むことをお勧めする。考案自体が理解できなくても、後にこの事件がどの考案に示されていたのかがわかるだけでよい。また、鈴の歌や奥の院の描写について、仏教の各宗派についての知識があればピンとくる部分があるが、これも誰もがそれを理解できるとは思わない。 要は「この小説は推理小説ではない」、ということを納得して読むべきかと思う。 なお、この作品は後に榎木津の下僕兼探偵助手として、京極堂一味、というか薔薇十字団の一員として活躍することになる益田が、刑事として舞台に初登場する作品でもある。 若干軽いが真面目で仕事熱心な若い刑事が、京極堂一味に出会ったばかりに道を踏み外すことになるのだが、外伝のあのキャラの崩れ方があまりにひどいので、外伝から先に読まれた読者は「この刑事があの益田」と、分からないかもしれない。 そう、もともとはこういう人間だったんです。かわいそうに・・・。 | ||||
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科学と宗教の関係を「対立」ではなく「補完」と見る、か。「宗教に走る」のを、「人間が弱いから宗教にすがる(=科学から宗教に逃げる)」のだという見方ではなく、「科学で解決できない部分を宗教で解決する」という見方ね。災害で親族・知人が被害にあった時、病気になった時などに、科学や論理性、道徳だけでは自分を納得させられるものではなく、そこを強引に何らかの「軸」を用いて「合理的に」解決しようとした時に、「宗教」の出番になるのだと。人の言葉じゃ慰められなくても、「神の意志」ならば納得せざるを得なくなってしまうんじゃないかと。そうかぁ、補完かぁ。いいなぁその考え方。要はみな答えが欲しいんだね、その答えの出所を科学に求めるか宗教に求めるかって事で。 シリーズ中一番好きなお話。一回読んだだけで大筋を理解できた話だから(笑) だから再読時は確認の意味合いが強くて、「それでもおもしろい」と認識できたのは収穫かも。京極堂の語りも充分にあるし、キリスト教よりはなじみの良い仏教・禅のお話なので入りも良く、話の筋が比較的簡単だし。木場修が出ないのが残念だけど、鳥口と久遠寺が木場修不在をカバーしている。 しかし、1,350ページを4日で読もうという試みは二度とすまい(笑)。つかれる。 | ||||
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今回の主題は「禅」。 ならば相手する上で、言霊使いの陰陽師たる京極堂にとっては甚だ分が悪い訳で。 何しろ「不立文字」ですからね。 はい。 前作が、矢鱈と観念的というか、衒学的な文章が多かったのに対して、今作は語り口が非常に明快で、ユーモアもあります。 ストーリーも起伏に富んでいて、「物語」の愉しさを腹いっぱい(厚いですし)堪能できると思います。 完成度の高さはシリーズ中屈指(多分)。時間を忘れます。 | ||||
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京極夏彦の京極堂第4作。前半は静的(スタティック)な展開で、辛気くさい印象である。ここは彼の小説の面白さを知っているからこその、我慢のしどころである。そして、後半一気に動きが速くなってからは、それまでの伏線が見事に生きて、読むのを止められなくなる。京極堂は実に格好いいし、榎木津のキャラクターもしっかりしてきた。いくつかの重要な点が未解決のまま小説が終わってしまうのは相変わらずであるが、推理小説としての論理的整合性は前作までよりもさらに高まり、読後の「すわりの悪さ」はあまり気にならなくなった。これまでよりも一層長い小説であるし、前作までの展開を知っていた方が有利な内容なので、京極夏彦入門用の作品ではない。しかし、読書の楽しみを満喫させてくれる一級娯楽小説である。 | ||||
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