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(短編集)
パーク・ライフ
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パーク・ライフの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.17pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全61件 1~20 1/4ページ
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面白いのでお勧めです。 | ||||
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「波紋の広がる池、苔生した石垣、樹木・・・、それらすべてが視界に入っている状態というのは、実は何も見えておらず、何か一つ、たとえば池に浮かぶ水鳥を見たと意識してはじめて、ほかの一切から切り離された水鳥が、水鳥として現れるのだ」本当にその通りです! 公園で気球を上げているおじさんの話が面白いし、猿のラガーフェルドは可愛いし、読後感が爽やかで、部屋で本を読んでいても、公園のベンチに座って読んでいる気持ちになりました | ||||
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〇 これがはじめて読んだ吉田修一作品だった。この人はいいなと思って他の作品をあれこれ読んだうえで(と言っても7,8冊だから多産なこの作者の全体を理解したとまで言うつもりはないが)改めて読み直してみると、やっぱりこの作品が一番良いなと思った。 〇 日比谷公園で昼を過ごす若いサラリーマンの日常を、自宅と、職場と、この公園を舞台に描く短い作品で、短いながら作者の小説制作技術が惜しみなく注ぎ込まれている。 〇 特に印象に残るのは、最後の場面。主人公が公園で知り合った女性の「よし。・・・私ね、決めた」という呟きだ。何を決めたのかはまったくわからない。知る手がかりもない。たいしたことでは無いように思えるが、一大決心(たとえば転職とか?)なのかもしれない。でもそこが良いのだ。ちょっとしたことだが決められない、なかなか踏ん切りが付かないという経験は誰にでもあるはずだが、そこを「決めた」と言って潔く一歩踏み出そうとする姿が爽快な快感を呼び起こす。 〇 この作品全体のテーマは「人と人の距離感」だろうか。他人との距離を近く取れる器用な人が数多く登場してくる(例えば、公園で会った女性、上司の近藤、アパートの隣室の女、散歩仲間の浅野さんなど)、その一方で不器用な主人公や友人の瑞穂・和博夫妻もいる。作者は、どうすればいいんだろう、それぞれで苦心しながら答えを探すしかないんだよな、と言っているかのようだ。 | ||||
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ネタバレが含まれるかもしれません。ご了承ください。 個人的な意見ですがこの作品か合わない人は芥川賞を受賞した作品もだいたい合わないと思います。吉田修一さんのパレードと比べている方がいますが、私は大衆文学の賞を受賞した作品と純文学の賞を受賞した作品を比べるのはどうなのかな?と思います。 感想書くのは下手なのですが、パークライフの感想を述べるなら、文章の引き込む力がすごいなと思いました。いろいろありますが特に印象に残ったのが書き出しの部分と公園の景色から過去を回想していく場面です。 | ||||
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作家吉田修一を知るのに最適の本。最初のページから数ページ捲るだけで、吉田の世界に引き込まれてしまいます。 | ||||
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(初読)何かに対する怯えが基調にあって、一見仲のよい家族同士の自然な関係が、実は時代つくりだす不条理な<主人とメイド>といった関係であったりする。何らかの力を失い、都会から疎外され始めた兆候からそれが決定的になる最後。都会から拒否される主人公の末期の状態を描きだした作品。 (再読)東京の日比谷公園界隈で友人に頼まれて高級マンションに留守番をしている主人公。ある女性との刹那的な出会いから、再び公園で再会し微妙で希薄な愛情が生まれる。奇妙なものに満ちあふれている、都会の現在とそこに住まう人の生態を描いた作品。 (再々読)日比谷という東京の中心地を舞台に先端の風俗の断片を小説に集約した一作。スターバックス、恋愛の出会いから経過、高層マンションでの留守番生活、空中写真を撮ろうとする老人。ここに出てくるのはいずれも先端の流行である。 | ||||
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二人がこれからどうなるのだろうと考えながら読みすすめるが、大したことは何も起こらない。でも最後、何かを決めたのかも分からない彼女の一言「決めた。」に、なぜか晴れやかな気分にさせられる。 あの映画化された悪人を書いた人の作品とは思えません。あっさりとしていて、人体模型の描写などは実は緻密で、想像力を掻き立てられる作品です。川上未映子、村上春樹、又吉直樹など違って文学的と感じさせる作品ではありませんが、芥川賞でいうとコンビニ人間、蹴りたい背中あたりと通じたところのある、ほのぼの系の良作です。 1日で読めるので、おすすめです。 | ||||
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全体構成がとにかく上手い、文章力はそれほどでもないと思う 緻密な日常と差異が積み重なる 純文学として完成度を求めている感じがした この作者が描き出そうとする世界は難しい Flowersが収録されているが、こちらは狂気と花と日常という感じ 表題作は可能性を意識的に抑えた日常といった感じ 読み比べると凄い作者だなと思う | ||||
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「公園生活」「花々」という訳題からして何となくふんわりとしたゆるさを感じますね。私はまだ著者の作品を多く読んでいませんが、独特な人間性の物語だなと思いましたね。『パーク・ライフ』まだ互いの名前も知らないままの二人は何れパートナーになるのでしょうか?かかあ天下になるのは確実ですね。場所違いですが、心字池からさだまさしの「飛梅」を連想した方はさだ通ですね。『flowers』一年中正月の元旦君はボコボコにされて人として悔い改めたのか?どこかで同様に生きていそうですね。 | ||||
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地下鉄の駅で起こった出来事を機に繋がって行く男女の出逢いを描いた小説は00年代初頭の空気をうまく表現している。スターバックスがまだ新しかった当時私は大学生で時代の流れに巧く乗りきれずに悩んでいた。そんな時出会ったこの小説は時代の風をわたしの背中に一杯吹き込んでくれた。その頃わたしの町にもスターバックスがオープンし巻き起こるような風が時代を包んでいた。私もそんな騒がしいが楽しい時代に乗って少しずつ世の中の路を学んでいってような気がする。この小説のアイコンは皆当時私は最先端だったものである。そんな時代の男女の出逢い方、新しい人間のあり方を教えてくれた気がする。若さの素晴らしさを教えてくれたのだ。今ではそんな時代の空気が懐かしくいとおしい。 | ||||
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「パーク・ライフ」、空想好きな私には、どストライクでした。 はじめの出会いはユーチューブのAI朗読バージョン。 ガラケーのメール読み上げ機能に比べ、語尾の下り方など耳ざわり感がかなり解消されてて驚きでした。 ただ、噛む事も無くすばらしいAIさんですが、声色が単調で、今の誰のセリフ?状態になる事しばしば。 30分もしないうちに寝落ちてしまいます。 次に出会ったこちらのオーディブル君。 主人公のイメージにぴったりの声で...いやいや、近藤さんにしろ、上京してきた母親にしろ、まるで一人芝居を観ているかの様な成り切り感で実に愉快! 小説の内容の受け止め方を答え合わせしてるみたいで、私ならこうやって読むかなぁ…と、時には突っ込んだり…。 とにかく、空想満載で、聴き終わっても、アレはどういう意味だったのか…?心と身体はどこまで合致しているものなんだろう…? 書かれた頃とは違い…今じゃこうだよなーとか、あそこは朗読の編集ミスに違いない!なんて炊事洗濯しながら思い巡らして楽しんでいます。 個人的には「Flowers」の方は苦手。 その理由は、なんといっても後味の悪さにある。もう一度聴き直そうとは思えない。 ただ、他の人のレビューではこちらの方が高評価なので不思議…。つくづく、感じ取り方は自由なんだ!と思います。 是非この本の謎解きを他の方々とも共有したい!オーディブルバージョンを聴いた方、貴方の感じた事をお知らせ下さい。 (本当は、作者・吉田先生の感想が一番知りたいんですがね…。) | ||||
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感想が言葉でうまく言えない、というまさにそこが非常に面白いです。 大きなヤマやオチがあるわけではありません。下手に考えさせる作品や感動させようとする作品とは全く違い、胸の奥にしっくりきます。 白昼夢を見たような、読み終わった後に不思議な、心からリラックスした気持ちになれます。 吉田修一さんの作品は初めて読みましたが、ファンになりました。 | ||||
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どこにでもいるサラリーマンが、友達夫婦のマンションや日比谷公園などで過ごす日常と、感情を描いた小説。 オレンジジュースみたいなバスジェルを販売し、友人夫婦の飼うサルの世話をし、スタバのカフェモカを飲み、ジムで体を鍛える主人公。どれも、生きていくためには不必要だ。そんな生活感のない都会生活を送る現代人が描かれている。人生の美酒を浴びる勝ち組でもなく、といって、奈落に落ちるような負け組でもない登場人物の振幅の狭い感情は、希薄な人間関係の象徴でもあり、この小説のもつ独特のゆるい空気感を生み出す。ただ、そのような登場人物を揶揄するわけでも、賞賛するわけでもない。 公園で時々話す名前の知らない女性が話す。 「なんにも隠しているものなんてないわよ。逆に、自分には隠すものがないってことを、必死になって隠しているんじゃないかな」 | ||||
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電車で間違えて声をかけてしまった女性と、主人公との淡々とした交流を描いた作品。どこにも属さない、都会の匿名性のようなものを上手く描いていると感じました。 物語はこれといった事件もなく、静かに進んでいきますので、人によってはつまらなく感じるかもしれません。合う人にはあうと思います。 | ||||
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吉田修一らしい「日常のきりとり」シーンで構成される作品。毒のない丁寧でやさしい文章は読みやすく、自分にも誰にでもあると思えるストーリーがゆっくり自然に流れていきます。もう一歩踏み込んでみたら、また違う展開になるかもしれないのに…とちょっと背中を押したくなるような登場人物たち。でもその踏み込みをしないことの方がごく自然なのかもしれません。 自分だったらどうなのかな。意外と同じじゃないかな…と思ってしまう展開がストーリーを身近に感じられる理由なのかもしれませんね。 「悪人」や「パレード」ほどインパクトは感じられない作品ですが、見方によっては「悪人」や「パレード」同様にいろいろな受け取り方ができる内容。一息つきたいときにはお勧めの本です。 後半がやや急ぎすぎ感&押しきり感が強かった感じがしたので☆は4つです。 | ||||
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官能シーンどころか、恋の産まれる瞬間の描写の絶妙さ、主人公の名前すら、分からない。、 純文学は、こうでなきゃね。 | ||||
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タイトルの「パーク・ライフ」と「flowers」の2作品を収録 読みやすいので2時間程度で読めてしまう 「パーク・ライフ」の終わり方などなんだか謎めいていて、そこに何かがあるのかと探してしまうけれども・・・・ でも結局この物語には心地よい時間と誰もが目にする世間・・・ そんなものが込められだけにすぎないのだろうけど・・・ でもページを進めさせる力は間違いなく本書にはあった 他の作品も読んでみたいと思わせる | ||||
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作者の作品はほかにも読んだことがあったが、本作は芥川賞受賞作 ということで読んでみた。 読んでみて公園内での一日を俯瞰して覗き込んでいる気分になった。 ここに描かれている主人公とスタバ女や会社の先輩、気球のおじい さんは公園内にいるはずなのに実際は公園の何も見ていない。 何も起きないし、始めることもしない主人公の寂しさと残酷なくらい 平和な日常の交錯が伺える作品に仕上がっている。 | ||||
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ほぼ日常の中から・・・ ちょっとはみ出した話です。 先の読めないストーリー展開が面白いと思いました。 | ||||
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毎日同じようなライフスタイルをおくっていると、形骸化してくるような感覚になってくるが、この小説はそんな日常の形式化からある女性との偶然の出会いによって目を覚まさせてくれ、そして最後は前向きになれるような、さわやかな小説だと思った。 目を覚まさせてくれるといっても、「はっ」とするようなドラマチックなものではなく、静かにゆったりとした空気のような話の流れで、とても心地よかった。(逆にドラマを求める人にとっては退屈かもしれない。) 日常の形式化に似ているものに、形だけの常識もある。 ある女性との出会いのきっかけとなった、臓器移植ネットワークの広告の『死んでからも生き続けるものがあります。それはあなたの意志です。』というキャッチコピーにも表れていると思った。それを読んで多数の人は、なんとなく「ああ、そうなのか」と常識的に(無意識的に受け入れるように)思うだろうが、この主人公は、「ぞっとする。」と感じ、形だけの常識から逸脱する。それがきっかけで、ある女性と出会い、話は主人公の形式化してしまった日常から少しずつ実のある日常へと変化していく。 小説冒頭部分から東京の地下鉄などの地下の構造網を『中身がすかすかなケーキ』とたとえたり、スタバにいる女性たちが『何か秘密を隠し持っている』雰囲気を放ちながらも実は『自分には隠すものもないってことを、必死に隠している』という話が出てきたり、都会の洗練された外見の一方で実際は内側には何もないという形骸化された感じをとてもよく表している作品だと思った。 本の帯に『東京の「今」を感じさせる人気作家』と書いてあったが、まさに「東京」がよく表現されている作品だった。 小説の中に日比谷公園で小さな気球を飛ばして、上空から公園を撮ろうとする人が出てくるが、読後には、その人の気持ちがよくわかった。故郷の写真展に行って、前向きになれた小説中の女性のように、視点を変えれば希望が生まれてくるのかもしれない。 と私なりに分析してみたものの、解説がないのがとても残念。(こんな時に、アマゾンのレビューが情報交換の役にたったりします。) | ||||
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