■スポンサードリンク
冥闇
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
冥闇の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.85pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全13件 1~13 1/1ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
なぜsurvivor's club を殺人クラブとしたのか気になってダメでした。ただ英語で読んだときは気がつかなかった最初のほうに大事な一節(68頁)があったのは発見でした。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
24年前に起きた一家惨殺事件。一人助かった末娘のリビーも31歳になる。犯人として刑に処されているのは長男のベン。 その後真面目に働く意欲もないリビーは手癖も悪く、性格も決して良くない。そして殺人捜査のマニアたちで作るクラブからこの 事件の真犯人探しに協力することで金を稼ごうとリビ-は動き出す。自分の証言で兄のベンを有罪にしてしまったという 罪悪感と、兄以外に犯人は考えられないという信念の間で揺れ動くリビー。リビーの真犯人探しが始まる。なかなか面白い プロットで意外な展開と結末を期待させたが、もう一つ意外な結末が待っているわけではない。悪魔祓いの儀式として 描かれるおどろおどろしい描写などで読者を驚かせるが、展開としては面白くない。女性作家だけに主役や脇役には 女性が多いが、ほぼすべて性悪だ。そして彼女らがのさばっていく感じが不愉快さを残すだけで、もう一つ戴けない。 やたら暗くて、救いのない作品というのが印象だ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
教科書みたいな「辛いこともあったけど、前向きに生きていくわ」調の空疎なキャラクターは登場せず、誰もが人間的に弱く欠けている、有り体に言えば全員駄目人間なところがリアリティですね。 嘘や思い込み、偶然や思惑が積み上がって出来た謎が次第次第に解きほぐされる様は見事。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
幼少期に陰惨な体験をした少女が徐々に人に心を開いてゆく過程は楽しめた。しかしなぜこんな陰惨な事件が起こったかが、後半ご都合合わせにみえてしまった・・・ | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ギリアン・フリンの第2作。新刊コーナーに並んでいたので新刊かと思い、購入したのだが、『ダーク・プレイス』というタイトルで映画化されたことを機に増刷され、映画宣伝用にオーバーカバーされた文庫だった。未読作だったので良かったのだが。 一家惨殺事件の唯一の生き残りのリビー・デイが25年後に有名事件の真相を語り合う『殺人クラブ』に招かれたことから、事件の真実に辿り着くというミステリー・サスペンス小説である。 現在と過去が交互に描かれ、当時の事件関係者を巡るうちに一つずつ複雑に絡まった糸がほぐれていく過程が面白い。しかし、登場人物の全てが脛に傷を持つ、屑ばかりで、読んでいて良い気はしない。一種のイヤミスという感じの小説。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
出てくる人物全員が闇を抱えている。ミステリーとしてはそんなに衝撃的ではないし、若干後出し的だが、ディテールの暗さには圧倒される。この暗闇を味わう小説であろう。その意味では良い邦題だが、やはりラストでの主人公の心情を鑑みるとplaceという単語は欠かせないので、そのままの表記、もしくは翻訳で良かったのではと思う。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ゴーンガールを読んで面白かったので、同じ作者の作品を探したところ、この本を見つけました。 ゴーンガールより好きです。 グングン読めました。 酷い話だけど、読後感は爽やかです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
一家殺人事件を少女が唯一の生き延びる。 その少女が大人になった女性が主人公。 この人物描写がなかなか良い。 生きることに捨て鉢でありながら、それでも生に必死にしがみについているリアリスト。 話は現在と過去を、主人公、容疑者の兄、母親、計三人の視点から描かれる。 その過去は、事件の前日なので、なかなかスピード感がある。 徐々に絡み合いながら、過去と現在が段々と収束していくのが面白い。 それぞれ単体でもちょっと読ませるくらい。 ただ、それにしてもちょっと文章が長い。 その描写の丁寧さがたまらない、という人が多数派かもしれないが。 ラストの真相も、悪くはないが、正直もう一捻りほしかった。 ゴーン・ガールも含めると、これから凄い作家になる可能性はある。 警察小説じゃなくこの手の話をやるのは好感が持てる。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
どうも後味の悪い作品でした。 評価が高い割には私には合わなかったです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
タイトルからくるイメージだと「闇の深さ」がイメージされるし、実際救いようが無いと思わせる所から始まるので「ゴーン・ガール」のような終わり方は嫌だなと思っていました。 まず、主人公のキャラクターがいいですね。何か弱点だらけのような女性で投げやりだけどやっぱり深い所で愛を求めている。 自分のことも事件のことも理解したいと思っている。 謎解きもいままでに無い過程をたどるので惹き付けられます。 ラストの彼との関係も微笑ましい感じです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
「ゴーンガール」を読んで、「傷」を読んで、「冥闇」に辿り着きました。 いやあー、これも面白い! あらすじだけ読むと暗ーい話かなと思ったけれども、主人公リビーのキャラも良く、例によってアメリカの「トホホ」なデイティールも秀逸で、翻訳も読みやすく、ぐいぐい一気に読んでしましました! リビーとオタク兄ちゃんのライルのやり取りも微笑ましいし、過去のベンの切なすぎる青春も描写がうまく、とにかくキャラが皆よく出来ていて、エンタメとして良かったです! ギリアン・フリンの作品は、全て映像化が決まっていて、この本もシャーリーズ・セロンのリビー役が「?」ですが、映画も楽しみです! オレは、何度読み返しても飽きません。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
デヴュー作「KIZU―傷」でCWA最優秀新人賞を受賞した女流作家ギリアン・フリン第二作目である。 「KIZU―傷」(ハヤカワミステリ文庫)では新聞記者である女主人公が自分自身、自傷行為を繰り返しながら少女殺人事件の取材を始めると、犯人が身内である疑いが出てきてしまうという身も心も傷だらけな傑作ミステリであった。 本作も身内におきた惨殺事件を生きのびた娘が、思い出したくもない過去を語っていく物語である。 事件とは<1985年1月3日午前2時頃、ひとりあるいは複数の人間が、カンサス州キナキーに住むデイ家のうち3人を殺害した。>長女ミシェルは絞殺され、次女デビーは斧で切り殺され、母親パティは2発のショットガンの弾痕、斧の切り傷、ハンティングナイフによる深い刺し傷が発見されるという、むごいものであった。 しかし生存者がいたのだ。末娘リビーは事件当時部屋の中にいたが、窓から外へ脱出して難を逃れたという。 そして長男のベンジャミンは母と口論になり納屋で寝ていたと証言するもアリバイはなく、悪魔崇拝の噂もあり逮捕されてしまう。最も大きな決め手は妹のリビーが兄の犯行を見たと証言したからだった。 現在31歳になるリビー・デイは当時集まった寄付金で生活していたが、デイ家の血がそうさせるのか<なにかがまともではない><ふてくされた大人に成長>し、金も底をついてきていた。 リビーの育った環境とは父のラナー・デイは酒飲みのろくでなし、凶暴でたちの悪い小男で別居していた。母も子供を4人も産んでおいてまともに世話することができない、つぶれかけた農園の主だった。 リビーは接近してきたおたくグループ「殺人クラブ」のラリーに金目的で事件当時のことを語り始める。 真犯人とは本当にベンなのか、父親のラリーではないのか、それともリビーも関与しているのか。物語は過去に遡るにつれ錯綜しついに犯行の状況が克明に描かれる。 しかし最後にいたって読者は知らされるのだ。 家の主としての母、子の将来を思う母の心を。 そしてベンは家の長男としてデイ家という血の流れを絶やすまいと念じていたことを。 これは辛く哀しい物語である。 最後の頁を閉じるとき<向こうのほう>へ帰っていく彼女の描写はカポーティが「冷血」で最初に語り始めるホルカム村を彷彿とさせる。 「ほかのカンザス人が<あちら>と呼ぶ寂寞とした地域だ。」(佐々田雅子 訳) | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
80年代に起こったカンサスの貧農一家の惨殺事件をめぐるミステリー。 さびれた田舎町の貧乏な子どもたちや裕福でも親からネグレクトされた子どもたちのうっ屈した精神状態などが丁寧に描写され、特異なヤングアダルト小説としても読めた。 母親が殺されるとき、ほかの子どもたちを守ろうとアオカケスの鳴き声のような声を上げる、というシーンがたまらない。(アオカケスの鳴き声はカラスにちょっと似ていて、きれいというよりうるさいらしい)この母親は夫と離婚後に農場経営の手腕のなさから、4人の子どもたちにとんでもない貧困生活をさせているのだが、どこまでも気が弱くまじめな性格だった。殺人犯として捕まった息子ベンや生き残った娘リビ―からの視点もあったが、この母親の視点から描かれている部分には、人生が思い通りに行かない焦り・絶望など、年齢的にも近いせいか自分が思わず共感してしまうところが多い。 やりきれない話だが、最後に少しだけ希望が感じられた。 自然で読みやすい翻訳。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!