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皇帝のかぎ煙草入れ
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【この小説が収録されている参考書籍】
皇帝のかぎ煙草入れの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.33pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全62件 1~20 1/4ページ
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ディクスン・カーの中ではとても読みやすいと思います。 面白かったです。 | ||||
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ディクスン・カーの作品は初めてです。普段は読まない推理小説ですが、とても楽しめました。 ゴロン警察署長が手を焼く殺人事件のわずかな疑問や矛盾を一つずつコツコツ解いていくキンロス博士。 殺人犯の濡れ衣を着せられ逮捕された美人女性イブを窮地から救う事が出来るのか?真犯人は誰なのか?動機は? この作家の他の作品もぜひ読んでみたくなりました。 | ||||
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以前に読んだことのある本です。新訳とのことで読みました。 解りやすくなっています。やはり推理はベストです。 | ||||
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ぼくは、カーター・ディクソンが好きで、ジョン・ディクソン・カーがあまり好きではない。同じ人物でありながら、書き方がまるで違うのだ。 カーター・ディクソンでは、構成・キャラクタ・文章どれをとっても超一流だ。『赤後家の殺人』など、スゴイ傑作なのになんで廃盤扱いなのか不思議で、仕方がなかったくらいだ。カーター・ディクスンの『黒死荘の殺人』も素晴らしい。正に王道だ。 ところが、ジョン・ディクソン・カーになると、カーター・ディクソンとは違うことをやりたいという気持ちが異常に強くなっている。この作品が読んでいてがなかなか進まないのも、『火刑法廷』で挫折したのも、なんでそんなところに力を込めて語っているのか解らないからだ。 トリックは優れていると思うのだが、トリック以外の変な恋愛小説を読んでいるようなくだりがグダグダと続くのがイヤなのだ。もっと言うとこの作品の文体が嫌いだ。 ただ、トリックが優れているのは認めたい。文体は嫌だが・・・。 | ||||
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ある女性が、不実な男と結婚したあと別れて、しばらく世をはかなんで過ごしていたが、別の男と出会い、その男は、善良そのもので理想に燃える、潔癖な人格者で、同様に善良そのもので理想的な家族を持つ。……ところが、その善良そのものの家族の主が殺され、その事件の真相を解明していくうちに、“善良そのもの”の仲良し家族が、実は、子供を甘やかしてだめにしたり、そのせいで息子は成長出来ない甘ったれになっていたという“内実"が露見してくる……という人間臭いドラマがベースになっていて、殺人事件の方も、アガサ·クリスティーが脱帽したと言われるかなり奇抜なものです。 タイトルの”皇帝のかぎ煙草入れ“が、見たところ時計にしか見えない上に、事件の際に粉々に割れて跡形もなくなってしまう……なのに、疑いをかけられた女性が「殺された老人はかぎ煙草入れを見ていた」と証言し、そのために犯行を疑われる……なぜそれが"かぎ煙草入れ”だとわかるのか……その“かぎ煙草入れ"についてのメモを被害者が残しているため、殺人現場にいて、そのメモを見た犯人か、事件の直前にそのかぎ煙草入れを見せられた家族にしか、それが“かぎ煙草入れ”であることは、分からないはず。……そのことが、最後には、逆に真犯人特定のカギになる。……こういう、ちょっとしたことが決め手になるという筋書きは、読んでいでわかりやすいし面白い。……“刑事コロンボ"を彷彿とさせるような……。 同じ著者が"カーター·ディクスン“の名で書いた『第三の銃弾』も、最近読みましたが、『皇帝のかぎ煙草入れ』のほうが、断然面白かった。 | ||||
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ディクスン・カーというと、不可能犯罪、オカルト趣味のイメージが強いが、本作にはそのような要素はない。 しかし、トリックの意外性、犯人の意外性、論理の必然性とよく出来ており、たいへん完成度の高い傑作と言える。その上なかなかサスペンスに富んでおり、ロマンスの要素もある。 犯行動機が弱いように思うが、これだけの傑作にその程度のことでケチをつけてはいけないと思うほど作品の完成度は高い。 カーの全作品中で、一、二を争う傑作なのではないかと思う。 | ||||
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‶かぎ煙草入れ〟とはどういう用途のものでどんな形状をしているか知らない人のほうが多いでしょう。 初読の方はあらかじめ知った上で読むと、知らずに読んだ人より満足を得られるかもしれません。でも、 ‶かぎ煙草入れ〟でググったら本作のネタバレを書いたサイトを開いてしまうかもしれないのでご注意を・・・。 ▼ ▼ 若くして父の遺産を相続し容貌も良いけれどオトコを見る目がないのが欠点の主人公イヴ・ニール。彼女は、 魅力があって頭は切れるが問題の多い前の夫ネッド・アトウッドと別れ、ローズ家の息子で銀行勤めのトビイを知る。 イヴはトビイと婚約しローズ家でも信頼を得ていたが、ある晩イヴの部屋に離婚したはずのネッドが現れる。 新しい幸福を失いたくないイヴと、不法侵入をしておきながら元鞘に戻れと迫るネッドが揉めていたところ、 二人は目の前の邸の窓辺にローズ家の長/サー・モーリスの異変を目撃し・・・。 その後いろいろあって、イヴはサー・モーリス殺しの容疑をかけられ孤立無援の立場に追い込まれる訳だが、 殺人目撃シーンでの細かいセリフのやりとりに、例によって作者カーのあくどいトリックが仕組まれていて、 そこの部分で煙幕を張る演出は評価できる。運悪く日本の超有名探偵作家の某作品を先に読んでなければ、 フーダニットの面でもハウダニットな面でも「おお~」とビックリできるかもしれない。 イヴの窮地を救うため行動を開始するのは、顔の片側に手術の跡があるので外見は怖く見えるがジェントルで思慮深いダーモット・キンロス博士。 たいていの作品でツッコミどころの多いカーではあるけれど、 この長篇の中でどんなに寛容にみても私がしっくりこない点がふたつあった。まずひとつめ。 いくら近所だからって別々の家族が住んでいる邸の×が(一応探偵小説のマナーとして伏せときます)、 共通して使えるなんて1940年代のフランスではあったのかもしれんけど私はどうしても納得がいかない。 ふたつめ。ネッドとトビイという最初は対照的に思えた男ども。イヴにからむ場面が全くスマートに非ず、くどい。 カーがドラマを盛り上げるというか笑いをとりたいのかもしれないがこの二人の言うことが鬱陶しいので、 上で述べたトリック以外の物語の部分に少しかったるさを感じた。いつの世でもしつこい男はみっともない。 ▽ ▽ 総評として、ジョン・ディクスン・カー名義で執筆された非シリーズものならばこれよりも『火刑法廷』のほうに軍配を上げたい。 | ||||
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ちょっと行きすぎたトリックでしたね.犯人は動かしがたい証拠があるのでわかるのですが,不可思議なことが多かったです. | ||||
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読みやすい翻訳ですが、気になったことがいくつか。 (1)「誰々があなたのことを何々と言っていましたよ」と言う場面があります。それにしてもずいぶん違った言葉で伝えるものだと思いました。(原文は同じ言葉で伝えていますが) あれは札付きの性悪女だぞ。(p147) (原文)This woman is a public menace! 「(途中略)あなたはゴロン署長の言ったとおりだ」 「あら、わたしのことをなんて?」 「騒動の火種だと言っていましたよ。(以下略)」(p304) (原文)“He said you are a public menace,” (以下略) (2)ゴロン署長は “zizipompom”という辞書にのっていない言葉を何度か口にします。以下はその場面と訳です。 (途中略)But as for zizipompom, that is different. Any form of zizipompom I can detect at a distance of three kilometres and in the dark. 「(途中略)しかしな、××に関してはこう見えても詳しいんだ。どんな種類の××であれ、三キロ離れた暗闇からでも嗅ぎ分けられる」 (途中略)but the word ‘zizipompom’ floated out and died away in the evening air. (途中略)“××××××××××”という感嘆の言葉が夕空に吸いこまれていった。 ×の部分はどうか本書の中で見つけてください。 同じ人物が同じ言葉を発しているのに、意味(訳)がずいぶん違うものだと思いました。 (3)つぎの原文と訳をちょっと比べてみてください。 Toby kicked moodily at the fender. ‘What beats me’ he muttered, ‘is that the fellow was actually in the room when I telephoned’ Uncle Ben said nothing. (以下略) トビイは不機嫌そうに暖炉の炉格子を蹴っていた。 ベン伯父さんはなにも言わなかった。(以下略)(p139~140) ご覧のとおり本書では、What beats me ではじまるトビイのつぶやきがなぜか訳されていません。これはこの場面でのトビイの心境を表していると思いますので、省略しない方がよかったのでは…… | ||||
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60年くらい前に、姉妹の本箱の中から見つけたのが三つの棺。切り裂かれた絵画が表紙でしたが、読めない文字を飛ばしながら本の中に引き込まれました。それから10年位経て、僧正殺人事件など、推理物やハードボイルドを読んでいました。 今また、J.ディクスン・カーを読める機会を与えてもらい幸いです。 不滅の作家ですね。 | ||||
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この本を読むと,爽やかな風が吹く. 人が残酷な方法で殺され,人々の醜い欲望が渦巻く本格ミステリなのにもかかわらずだ. 登場人物の純真無垢な性格と,初々しい男女のやりとり. 青春小説のような,甘酸っぱい雰囲気の中に垣間見えるどす黒い欲望. 序章ではどん底から幸せをつかむ短編青春小説のように爽やかで胸が躍る雰囲気で進むが, すぐにミステリを読んでいることを思い出させる,緊張と恐怖の世界. そこから徐々に見えてくる世界の醜さと過酷な現実.そして希望と新たな幸せの予感からの逆転劇! アガサ・クリスティーが脱帽したというトリックも当時にしたら革新的であったかもしれないが, 解説にもあるように,各所にちりばめられた読者に向けた“挑戦”と“罠”こそが, 小説だからできる“革新的な”トリックであるように思う. カーは個人的に好きだ.ミステリというより,小説として好きだ. | ||||
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かぎ煙草入れって何? 題名からして古臭い難解な物語をイメージしましたが、まったくそんなことはありませんでした。その疑問が意味を持つとは.... 細部まで計算された情景、読者をつかむ力はさすが。 ありのままが書かれ、奔走する素人探偵を読者が追いかけているので、つられてだまされたという感じはありません。 ディクスン・カーは初めてでしたがこんなにすばらしいとは! | ||||
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トリックをささえるこまやかな描写、造形が丁寧。 クロフツとかもそうですが、この時代の作家は実に ディティールや積み重ねが丁寧。今の読者からする とまだるっこしいぐらいなのかも。 トリック云々以前に舞台や描写で、上等な映画の ような気品を醸し出している。大切なのはトリックで はないのだなとおもう。館シリーズなど昨今のトリック主眼の 野暮ったいミステリーが失った点のように思える。 (「私の殺した少女」ぐらいかな、いいなぁと思ったのは) 他の方のレビュでは誤訳が残っているようだが、よくこなれた 日本語でいいと思います。 | ||||
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カーの女性の描き方には感心する。 ファムファタールが、実は暗示にかかりやすい男運の悪い女性にすぎないなんて! 心理的トリックが、実際有効なのかどうかは疑問だが、語り口の上手さで、一気に読ませる。 気楽に楽しめる一冊。 | ||||
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ロマンスとしても面白い。 カーの女性の描き方はなかなか。 ファムファタールと見えたものが、実は暗示にかかりやすく男運の悪い女性とは! 心理的トリックが有効なのかどうかは、疑問だが、一気に読ませる筆力はさすが。 気楽に楽しめる一冊。 | ||||
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本作は、怪奇色やフェル博士・HM卿の大芝居はないので、いわゆるカーの代表作とは言えない のかも知れないが、個人的にはカーの最高の部類に入れたいと思う。 トリックは現実的にはどうかと思うほど綱渡り状態だが、上手くやられたという感じ。 詳しくは書かないが、伏線と読者をミスリードするのが絶妙である。部分的にアンフェアギリギリ の感があるが、嵌められたー!と言って愉しむのが、カーファンってなもんだ。 嵌められたくない読者は、第1章から5章、11章のさまざまな描写をチェックしなければならない。 構成については、男と女の綾、女性心理描写、登場人物の人間模様などはリアリティがあり、 メインストーリーは単純だが、二つのサブストーリーが絡んできて、ヒロインがどんどん窮地に 陥っていくスリルに満ちている。 しかも、殺人ドラマなのに読後感が良くて、清々しさもある。 謎解きだけではないロマンスが入っていて、終章は実際の情景が目に浮かぶ。 ゴロン署長もさすがに伊達男だ。 それから、駒月雅子さんの新訳が読みやすくて、とても良い。 ただ、「鍵」の問題がひっかかる。こんなふうに鍵を作る建築家がいるとは思えないんだが。 いやしかし、1940年代のフランスの避暑地ではいたのかも・・・と考えておこう? | ||||
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主人公の女性イヴは向かいの家で婚約者の父親が殺されるのを目撃するが、彼女の寝室には元夫が忍び込んでいるので、そのことが言えない。 そして彼女が容疑者にされてしまう。アガサ・クリスティも認めた小説。伏線の隠し方が巧妙。 | ||||
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表紙の絵をじっくり眺めると、机の上に卓上灯と懐中時計と万年筆とルーペと本があり、手前になにか大きな丸いものがあるがこれが「かぎ煙草入れ」だろうか? それはさておき・・・ カーの専売特許である怪奇・オカルト趣向は皆無であり、密室をはじめとする不可能興味もほとんどなく、探偵役もお馴染のフェル博士でもH・M卿でもない、ということで本書をカーの最高傑作と言うのはいささかはばかれるし、カー初心者(失礼)に対してこれを真っ先に勧めるのも、せっかくカーを読むならもっとカーらしいものを、という感があってやはりはばかれる。 が、カーが不可能犯罪の巨匠として評価されるのも、思えばそのプロット構成の巧みさやストーリーテリングの才に負うものが大きかったのであり、そうした小説家としてのカーの技量が端的に表れているのが本作であるということも言える。 本作のキモはある種の心理トリックであるが、イヴへの心理トリック=読者への心理トリック、を成り立たせる伏線の置き方やミスディレクションの引き方の巧妙さは、実はほとんど綱渡り的なナラティブの微妙な変化(反則寸前ではある)で成り立っていて、再読するとその辺の巧さには舌を巻く。 こうしたトリックはアガサ・クリスティの得意とするもので、実際クリスティの『死との約束』(1938)とアイデア・プロット・心理トリックのいずれに関しても似ているので、カーはこれにヒントを得たのではないかという説もある。だとすれば、当然自分の数年前の作品に似ていることは既知であるクリスティが「このトリックにはさすがのわたしも脱帽する」と本書を絶賛したというのも、なにか言外の含みがあったような気がしないでもない。 で、この讃辞の全文(があるとすれば)を読みたいと思ったが、この出典はまったく不明である。 流布している英語版の表紙裏に”Very few detective stories baffle me nowadays, but Mr. Carr's always do.”というクリスティの讃辞が載っているようだが、これはまったく意味合いの違う言葉である。 この辺の消息をご存じの方は是非教えてほしい。 それから、井上一夫氏の(創元版)旧訳は決して悪くない翻訳だと思うが、幾つかささいな誤訳があり、そのひとつが第7章冒頭の「スパニエル犬”チャールズ王”」である。昨今の愛犬家なら「キング・チャールズ・スパニエル」という犬種のことだとすぐ感づくはずだが、今回の新訳でもそのまま「スパニエル犬”チャールズ王”」を流用している。校正者も編集者も気づかなかったのであろうか?せっかくの新訳であるから、そうした細かい点にも留意してほしかった。 | ||||
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騙されたと思って、騙されました。 読後の後味も悪くありません。 みなさんも騙されてみましょう。 すらすら読める翻訳も良好です。 | ||||
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江戸川乱歩の評論やエッセイで度々名前が出ていたディクスン・カー。 新訳をきっかけに集め始めています。 本書はフェル博士でもHM卿でもないキャラクターが解決役なのが個人的に-1点ですが、謎解きの醍醐味は他の作品と同じくらい楽しめます。 あ、キーパーソンの「あいつ」が超嫌な男で、「あいつ」がヒロインに持論を展開するシーンはホントに腹が立ちます(笑) | ||||
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