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コインロッカー・ベイビーズ



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コインロッカー・ベイビーズの評価: 4.11/5点 レビュー 177件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.11pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全177件 101~120 6/9ページ
No.77:
(5pt)

龍をこれから

龍を読むならこの本から入って欲しいです。
読書が苦手だった自分は一生懸命この本を読み終わり、その時の衝撃は計り知れなかった。
もっと、読みやすい著者の本はあります。だけど、がんばって衝撃を味わって欲しい。
新装版 コインロッカー・ベイビーズ (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:新装版 コインロッカー・ベイビーズ (講談社文庫)より
4062764164
No.76:
(5pt)

俺たちは、コインロッカー・ベイビーズだ。

私はハシ、キク、アネモネ、その他登場人物のどれに対しても自分を重ねることができない。
それでも彼らの狂気に触れるのは非常に心地よく、それに身を任せたくなる。
誰しも心の中に持っているであろう退廃的ななにか、を刺激して止まない。
それがこの作品の魅力だと感じました。
コインロッカー・ベイビーズ 下Amazon書評・レビュー:コインロッカー・ベイビーズ 下より
4061168681
No.75:
(5pt)

上巻

赤ん坊の時にコインロッカーで捨てられた少年2人を主人公にした物語です。
近未来ものですが、舞台は1990年ごろの日本となっています。
暴力的で狂気を孕んだ世界観は緻密な設定で縁取られていて、まさに流石の一言です。
上巻は強烈なインパクトを残した所で終わっているので続きが非常に気になります。

ただ、刺激の強い内容ですし、グロテスクで生々しい表現が多いので人を選びそうです。
コインロッカー・ベイビーズ(上)Amazon書評・レビュー:コインロッカー・ベイビーズ(上)より
4061168649
No.74:
(1pt)

Dismal

I join others who did not care for this book. I simply could not get through it. I though it was poorly written and often just repulsive. Finally I decided I was wasting my time trying to read it. I suspect that his surname may be what got this author translated and published in the first place. But what a contrast with the excellent writer Haruki Murakami! Go read "Kafka on the Shore", or "The wind-up Bird Chronicle", your time will be better spent!
コインロッカー・ベイビーズ (JAPAN’S MODERN WRITERS)Amazon書評・レビュー:コインロッカー・ベイビーズ (JAPAN’S MODERN WRITERS)より
4770023081
No.73:
(4pt)

青春小説

あの時代特有の青春小説だったのではないかという感想を抱いています。
文学的にドウコウ言うのは難しい一冊です。
も面白いからぜひ見て欲しい。
新装版 コインロッカー・ベイビーズ (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:新装版 コインロッカー・ベイビーズ (講談社文庫)より
4062764164
No.72:
(4pt)

ちょっとしたエログロ・パンク小説。

村上龍、村上春樹のW村上は、日本で一番手に取られやすい
作家の本だと思う。大体10代後半くらいから手に取る人が
多いんではないか。斯く言う私も、そのくらいの歳に村上龍の
「限りなく透明に近いブルー」を手に取っていた。が、タイトルの
美しさだけに気をとられて、殆ど読んでいなかった。

それから10数年経ち、20代後半(30くらいだったか)にとある
ロックバンドが(ファンでもなんでもない)このタイトルをアマチュア
の時にバンド名として付けていたと知った。そのVoは当時、それくらい
この「コインロッカーベイビーズ」に衝撃を受けたらしい。(分かる気がする)
私は、村上龍の作品の中でこの本だけ拒絶していた。こういうタイトルの
事件が昔あった事実は既に知っていたし、内容が酷くダークだろうなぁと
勝手に猜疑していた。不気味で気持ちが悪そうで手に取らなかった。
そういう人結構多いのでは…。

この本は、恥ずかしながら本格的に読んだ村上龍の作品だった。
これ以外は殆ど真剣に読んでいない。本立てや本棚のお飾りだった。
600pくらいある、いわば長編の部類に入ると思うが、私は上・下に
分かれた昔の物を買っていたが、本屋で新装版になって装丁がかなり
綺麗になり、上下巻合併の一冊として分厚く売られていて、中に目を通すと
文字が大きくなっている。(長編物には嬉しい)過去のタイプの物は文字が
滅茶苦茶小さく読み辛いので、此処(amazon)で新装版を買い直した。

私は町田康が好きで小説、エッセイ含め何冊も読んでいるが
この村上の文章はかなり「断片的」な書かれ方で(情景を切り取って
継ぎ接ぎにした様な感覚)読み辛さを感じていたが、慣れればこちらの方で
爽快感すら感じた。町田康より少し、いや同等くらいの
エロ・グロ表現が文章に飛び交う。
(ホモ、オカマのオンパレードには多少退きましたが)
結構好きな方です。80年代初頭に書かれたとは思えないくらい
古臭さをあまり感じません。街(東京)を破壊してしまいたいと思い
行動に出るキクの描写は、良くあるSFパンクアニメにも似通ってると感じました。
折角長期に及び主人公達に絡んだ登場人物(脇役)を、さっさと何事も無かったように
消し去るのも新鮮でした。小難しい専門的な描写もあり、作者自体が取材を兼ねての
旅行をしていたのも分かります。

疑問に思う点は、ハシは「変態のオカマの浮浪者を煉瓦で叩き殺した」
とありますが、後の文では「人も殺した事がない」と出てきます。
殺した時点で警察に捕まらないのも矛盾。
またニヴァを刺す(未遂)のに、これまた警察に捕まりません、何故?
ニヴァが庇っていたとしてもです。キクは受刑者だったのに…。

長編なので読むのに時間が掛かりましたが、読後感が悪いと良く
目にしますが、私は寧ろその逆。本の裏表紙に「毒薬のようで清清しい」
とありますが、それに同意します。救いようが無いのではなく、キク
・ハシ・アネモネ達、コインローカーベイビーズの集団は、東京と言う
コインロッカーにダチュラ(意思表示又、存在意義)を終末的に浴びせかけたのでしょう。
反社会的だなとは思いましたが、払拭しきった感じがしました。

上下巻分かれたタイプの解説(三浦雅士)と、新装版の解説(金原ひとみ)
は読まない方で無難です。作品の雰囲気が壊れます。前者は訳の分かり
辛い例えを延々と綴り(解説がダラダラと長い)、後者は中1の読書感想文のよう。
後者にはこれで作家とは驚きました。
(金原ひとみの「文章」自体初めてだったので)

この本は10代、20代の中高生、大学生の人生経験の浅い人達には
不向きだと思う。特にかなり男目線で書かれた文章が目立ち(差別表現など)
それらを理解するには若い女性には難しいし、経験がそこそこ要ります。

作品自体は長編の割りに、比較的入り込むと読みやすいです。
好きな部類の作品ではありました。この作品では「山根」の存在と
「ミスターD」の関西弁がツボに入ってしまって(笑、面白かった。(自分は西の人間なんで)
これを機に、他の村上龍作品も真剣に読んでみます。
新装版 コインロッカー・ベイビーズ (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:新装版 コインロッカー・ベイビーズ (講談社文庫)より
4062764164
No.71:
(5pt)

混沌とした世界の、確かな夢の輝き。

この本は、まさにこの本、私が求めていたのはこれだ、と思えるような作品だった。

キクとハシという人間が主人公の物語、といえるだろう。アネモネははたして主人公と言えるのだろうか?
キクは少年期、とにかくやんちゃだった。何かとかこつけて灰皿を投げたりする。しかし積極的に行動しようとする、主体としての性格を備えている。対するハシは消極的、客体的な印象を受けた。人と接することの恐怖というか、常に成り行きまかせではきはきせず、自我を流されがちな少年という印象だ。
しかしキクとハシ、つまり「主体と客体」が正面衝突したとき、客体が何どこぞへと吹っ飛んでいく。そしてハシは、キクという革新的な主体、ただ一つの目標を持つ輝きが自らに反射してきたとき、その光の中で、「主体的な」行動を始める。主体と客体のアウフヘーベン(止揚)ともいえるだろう。ともかく、完全な客体は棄却している。

そして、ラストの場面には、カオスな世界の中を謳歌する「ゼロ世界の夜明け」をうかがわせる、そんな気風が感じられた。

中学生、高校生には必読の一冊。
新装版 コインロッカー・ベイビーズ (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:新装版 コインロッカー・ベイビーズ (講談社文庫)より
4062764164
No.70:
(4pt)

破壊、破壊、破壊、そして…?

この小説はキクとハシという二人の男がコインロッカーに遺棄されてから成長していく過程を描いた小説だ。タイトルだけを見て一種の社会派小説とみなし敬遠する人がいるが(私もかつてその一人だった)現状に不満を抱えている人、ロックが好きな人、破壊衝動を抑えきれない人、村上春樹が嫌いな人は是非これを読んでみてほしい。きっとそんなあなたは心を捉える何かをこの作品から汲み取ることだろう。ダチュラを求めて突っ走るキクと自分の殻にこもっておかしくなっていくハシ、二人の人物造形がとにかく秀逸だ。衝撃的な事件にも事欠かず、寝る間も惜しんで読んだ数少ない小説。しかし作者自身が突っ走りすぎて物語が雑になった感があったため限りなく満点に近い星四つとした。
コインロッカー・ベイビーズ(上)Amazon書評・レビュー:コインロッカー・ベイビーズ(上)より
4061168649
No.69:
(5pt)

無題

いつか読みたいと思ってたのが新装版になったということで、いい機会だと思い購入しました。

 「限りなく〜」のほうはどうしても読みにくく途中で挫折したのですが、こちらのほうは最後まで読めました。
特徴のある文章なのですが、リズムがあり、どんどん引き込まれていく感じがしました。先に先にと読み進んでいきます。

 暗い感じがひたすら続きます。読んでいて唯一心安まるところが刑務所の中の場面という・・。
読み終わった後も、なんとなくモヤモヤします。もう一度読みたくなるような本ではないです。
ですが、なんか物凄い本を読んでしまったぞ、という気分になります。何とも説明できないのですが、

 解説については、他の方のレビューにある通りです。あんた誰なんだよ、突っ込みたくなります。
解説は、解説をする場所であり、自分語りの場では無いということを知ってほしいと思います。

 物語自体はとても良かったです。また機会があれば他の村上龍の作品を読んでみたいと思います。

 

 


新装版 コインロッカー・ベイビーズ (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:新装版 コインロッカー・ベイビーズ (講談社文庫)より
4062764164
No.68:
(5pt)

20代で読んでおきたい一冊!

文学としても、エンターテインメント小説としても傑作です。
お話は、スピーディに超展開!
登場人物の心の中より、登場人物たちが置かれた状況や環境の描写に力が入っています。
いわゆる「日本文学」が、主人公の心の中の独り言が多く、登場人物たちの移動距離が短い――のに対して、コインロッカー・ベイビーズは、主人公たちは、どんどん場所を変え、環境を変え、行動していきます。
20代のうちに読んでおきたい一冊です!
新装版 コインロッカー・ベイビーズ (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:新装版 コインロッカー・ベイビーズ (講談社文庫)より
4062764164
No.67:
(1pt)

単純に面白くない話

二人の主人公が、悲惨な過去から変な性格になって意味不明な行動に走るのですが、目的が無いのでなんかやらかしても、「変なの」って感想しか抱けません。どうせおかしな事しでかすんでしょ?って感じでドキドキ感が得られませんでした。刺激的な内容なんでしょうが、昨日見た奇妙な夢について他人から得意気に話されてるような感覚を味わいました。知人によると精神的に、かつ芸術的に訴えるものがある深い作品とのことですが、私にとっては単純に面白くない話です。人工ボケの不思議ちゃんを相手にしてるようなめんどくささと冷めた気分になり、途中で読むのを止めました。人によってはこういう小説が好きなんでしょうが。
コインロッカー・ベイビーズ(上)Amazon書評・レビュー:コインロッカー・ベイビーズ(上)より
4061168649
No.66:
(5pt)

金字塔なんだろうな

天才と評されるには、「作品群」を残すことが条件と、村上龍氏はどこだかのエッセイで書いた。

芥川賞受賞作「限りなく透明に近いブルー」(24歳)
芥川賞選考で賛成票を投じた吉行淳之介氏が評した「因果なことに才能がある。」
芥川賞選考で反対票を投じた瀧井孝作氏が評した「私はこの人の尚洗練された第二作第三作をまちたかった。」

本作は、選考委員の評価は賛否どちらからも正しかったことを証明したのだろう。

芥川賞を受賞した4年後(28歳)に本作。

更に7年後に「愛と幻想のファシズム」(35歳)
更に7年後に「五分後の世界」(42歳)
翌年に「KYOKO」(43歳)
その2年後に「オーディション」、「イン・ザ・ミソスープ」(45歳)
更に3年後に「共生虫」、「希望の国のエクソダス」(48歳)
そして5年後に「半島を出よ」(53歳)
「歌うクジラ」は更に5年後(58歳)

30年以上に亘って一線でこれだけの品質の作品を世に出し続けることがどれだけすごいことか。

芥川賞を取りました。
「海の向こうで戦争が始まる」(好きな作品なのですが)を書きました...。
で終わったら、掃いて捨てるほどいる「一発屋」の芥川賞作家と同じ。

サザンオールスターズの「いとしのエリー」
マドンナの「クレイジー・フォー・ユー」
たとえが適切かはわからないが、音楽でいえばそういった位置づけの作品なのでは?と私は思っている。

広く支持されたデビュー作とは違う作風で、より高い能力を知らしめることができるか否か。
天才と一発屋の分かれ道はそこなのだろう。

40年後の龍氏の現在の作品と比すと計算されつくした作品ではない印象がある。
ただし、粗さも強引さもそれが魅力であり、何より、キク・ハシ・アネモネという三人のメインキャストに息吹を与えることに成功した時点で、本作は成功したと言っていいのだろう。

新装版で一冊になったことは大変良い。

ただし、解説が金原ひとみ氏である必要はなかった。解説と自己表現は全く別のもの。
村上龍氏の作品で、彼女の文学的表現を読むつもりはなかった。
新装版 コインロッカー・ベイビーズ (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:新装版 コインロッカー・ベイビーズ (講談社文庫)より
4062764164
No.65:
(5pt)

みんなクレイジー

登場人物みんな狂ってます。キクもハシもアネモネもタツオもミスターDもタクシーのおっさんも、みんな狂ってます。 なかでもハシの狂いっぷりには切なさまで感じてしまいましたが、レンズに写る自分の顔に呼び掛けたある言葉が僕を安堵させてくれました。あぁ、よかったねハシ、と。 いろんな小説を読んできましたが、ここまで段落変えの少ない小説は初めて読みました。途中長く感じましたが、最後まで読んでよかったと思える話でした。 今度は69でも読もうかな
コインロッカー・ベイビーズ(上)Amazon書評・レビュー:コインロッカー・ベイビーズ(上)より
4061168649
No.64:
(3pt)

こういう小説は・・・、

読んだことがない。

それは、認めたい。
ただ、個人的に楽しめたかどうかに関して言えば、あまり楽しめなかった部類の作品かもしれない。

なんでか?
あえて意味づけするとすれば、まず、ひとつひとつの描写にあまり意味を感じなかった。
とにかく、ノン・ストップでグルグルと情景が変わり続け、ついていくのにやっとだった。
それぞれのシーンを想像しながら読むのが、僕にはしんどかった。

それと、まともな人間が一人も出てこない、というのもなんだが辛かった。

僕的にこの小説を一言で言うならずばり、「病んでいる小説」というところだろうか。
コインロッカー・ベイビーズ(上)Amazon書評・レビュー:コインロッカー・ベイビーズ(上)より
4061168649
No.63:
(4pt)

童心の詩

初読みの村上龍作品です。
他には、新聞連載のインザミソスープに些かを辟易した程度です。
いわゆる残虐表現、絶望、憤懣、無軌道、悪質な戯れ、カタストロフ等々をして著者の謳うのは、
畢竟として「純な童心の詩」に聴こえます。本作の評価が最も高いので読んでみましたが、
主人公達の決断は、現代社会の否定としてのその破壊です。ストーリーの流れは、破壊されるべきそれら悉くと、
それを為すべき少年達の軌跡です。作中、因果の連絡が悪く、そうするほどの動機を感じられず、総じて戯画めいてしまいますが、
シーン、シーンの表現が魅力的なので、作品としては十分に楽しめました。只この感覚は、動機、因果、事由などの構造に甘いので、
全体としては、積み木細工のような章立ての世界観になります。しかし、それはそれで愉快です。

コミュニケーションのぎこちなさ、いまいちなクライマックス構成も作家性に豊かで信頼でき、ラストの一文も際立っていますが、
この傾向の作品に尚も活路を求めるのなら、狂気のワンブロウを得た首都の容赦のない殺風景までを描き切る度量を作家には期待します。

幾つかの重要点を偶然に預けつつ、現実を破壊(絶望の実現)に至らしめることとは、
それの救いなどでは当然としてないのならば、単に投げ捨てた(放棄)ということに感じます。
その先に傑作の予感のすることも、また否めませんが、、。
コインロッカー・ベイビーズ(上)Amazon書評・レビュー:コインロッカー・ベイビーズ(上)より
4061168649
No.62:
(4pt)

漢字が多いです

コインロッカーに捨てられた子供が、親に頼らずに奮闘して明るい人生を切り開いていく話かと思いきやその考えはちょっと生ぬるかったようです。
 ページにびっしり書かれた文章は、状況をつかむのに骨が折れました。それでも最後まで読んだのはハシのグニャグニャ世界に引き込まれ、キクのグシャグシャ世界はそのまま最後まで突っ走るのかどうか知りたかったからです。ラストには少しだけ次の入り口が見えたような気がしました。
新装版 コインロッカー・ベイビーズ (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:新装版 コインロッカー・ベイビーズ (講談社文庫)より
4062764164
No.61:
(2pt)

10代のうちに読んどけば刺激的で楽しめるかも

読み進めていくのに抵抗はありませんでしたが、後読感は良いものではありませんでした。
なんというか、すっきり終わらせているようでも、読んでいるこっちはあまりすっきりせず、本作品のどろどろとした世界観と救われない後味の悪さが目立つように思います。
また、物語も、コインロッカーから生まれた2人の半生は、「自分はコインロッカーから生まれたんだ」という事を意識し過ぎて泥沼にはまっていっただけ という印象を受けます。
2人の性格も、コインロッカーから生まれた事を理由に、周りの人々が2人の人生に干渉した結果で形成されていった人格ではなく、自らが好きで形成した人格といった感じ。
まぁその性格が暴走していく様に、ぞくぞくするものはありました。

序盤は少々退屈。
中盤が一番おもしろかった。
後半は端折られた感があります。
コインロッカー・ベイビーズ(上)Amazon書評・レビュー:コインロッカー・ベイビーズ(上)より
4061168649
No.60:
(4pt)

人道主義ではなく、ひどい小説である。

モラルというものが全く感じられない。とは言え単なる暴力でもなく、つまらない自由とかをうたうものでもない。カッコつけているわけでもないし、ふてくされているわけでもない。力んでもいないし、ダサくない。洗練されて、無駄がなく、緊張感があるようなないような、村上春樹のふわっとした感じでもなく、後ろから鉄パイプで殴られてブラックアウトしてしまったような感覚になります。子供には危険な小説のような感じがしますが、精神的に影響は受けたように思います。
コインロッカー・ベイビーズ(上)Amazon書評・レビュー:コインロッカー・ベイビーズ(上)より
4061168649
No.59:
(5pt)

熱はあなたに届いただろうか?

言わずと知れた村上龍の代表作。
最初から最後まで高熱を帯びた文章が楽しめます。
村上龍を初めて読むならまずこれから。
コインロッカー・ベイビーズ(上)Amazon書評・レビュー:コインロッカー・ベイビーズ(上)より
4061168649
No.58:
(4pt)

酷い解説

新装版になって、上下巻に亘っていたのが一冊になったので、扱いやすくなった。

作品は傑作だと思う。

だが、解説と銘打たれた箇所で、金原ひとみが色々書いているのが、酷い。
内容どうこうではなく、「ふさわしくない」のだ。

金原は、人の小説の解説欄を使って、自分語りをしている。
自分の本の中でなら許されるような、読書感想的に書くような中身を垂れ流している。

初めてこの本を手に取る読書もいる。
カネハラヒトミなんか知らなくて、興味もない、という人もいる。
そういう人のために、この作品が出てきたときの社会状況、
作品そのものの構造や構成、作家ならではのフォーカスと本質の抽出・・。
「解説」というのは、そういうものがあってこそのものだろう。
飽くまで主役は「作品」だ。

そういう客観的な視点を持てない、自意識と承認欲求だけが
膨らんだ幼稚な「サッカさん」に解説を任せる出版社も、
この原稿でOKを出した編集者も、何か勘違いしているのではないか?

この本を手に取る読者は、村上龍に関心があるのであって、
金原ひとみに関心があるわけではない。
「金原ひとみにとっての『コインロッカー・ベイビーズ』」に
一体、どれだけの人が興味を持つのだろうか?

むしろ「カネハラヒトミってきちんとした文芸評論もできるんだ」ということが
わかった方が、本人にとってもいいと思う。

解説は旧版のほうがよかった。
ということで、星4つ。
新装版 コインロッカー・ベイビーズ (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:新装版 コインロッカー・ベイビーズ (講談社文庫)より
4062764164

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