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一分間だけ



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【この小説が収録されている参考書籍】
一分間だけ
一分間だけ (宝島社文庫)

一分間だけの評価: 3.83/5点 レビュー 72件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.83pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全72件 61~72 4/4ページ
No.12:
(3pt)

ありがちな物語ですが泣けます。

犬好き・生き物好きな人には、わかっているけど泣けてしまう一冊。
というより、ただ純粋に泣きたいときに読みたい一冊。

無いものねだりで、心のゆとりのない生活をしているうちに、何が大切なのか、わからなくなる。
失うとわかって、あらためてその大切さを思い知る。
言われなくたってわかっているハズなのに、また同じ間違いをする私達。
犬の忠実さに、あらためて人間の愚かさを感じます。
この作品に、特に優れた文章があったり、奥の深い部分を感じる事はありませんでした。
本当に、ベタな感動物語です。
でも、時にそういうベタな感動が欲しくなるとき、ありませんか?
一分間だけAmazon書評・レビュー:一分間だけより
4796657746
No.11:
(3pt)

犬を飼ってる会社員に読んでほしいです。

本の内容としては正直おもしろくありません。時代背景が次々と変わりすぎて話がまったくわからなくなった部分もありました。あまりにつまらなくなって途中で読むのをやめようかと思った部分もありました。
それでも最後まで読んだのは主人公の女性の気持ちが痛いほどわかったからです。私も仕事をしつつビーグル犬を飼っていました。主人と2人で飼っていたのでまさしくこの本の状態です。いらだちを犬にあたって、自己嫌悪で苦しむ。だけど、それでも犬は自分だけを思い帰りをひたすらに待っててくれます。仕事をしながら犬を飼ってる人は共感できる部分が多々あると思います。仕事と犬の生活に息詰まった方にオススメです。
一分間だけAmazon書評・レビュー:一分間だけより
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No.10:
(5pt)

もう少しだけ・・・

この本は、ハードカバーで出版されていた時から欲しいと思いつつ、文庫本化するのを待っていた1冊。
 題名と表紙の犬の写真、本の簡単な内容で絶対読みたいと思っていて、やっと読みました。
300Pの本は、わずか4時間で完読。
 私も犬を飼っていますが、本に出てくる犬のリラと同じように、ぬいぐるみをボロボロにしたり、散歩の時は石や蟻、ガムなんかの匂いをかいでて、微笑ましく思ったり、主人公、藍がリラへした八当たりに憤りを感じたり・・・(この辺でもう本を閉じようとも思った。)。
リラへかける時間を疎ましく思う思う藍。・・・正直私も仕事で疲れた後に、自身の体調が悪い時に、少し思うこともある・・・藍がギクリとした気持ちは私も感じたことのある気持ちでした。

でもリラの癌という病気をきっかけにリラと向き合う努力をする藍。正直言って、この本のように一人暮らしで犬を飼うことは本当に大変だし、お互いの為にもすべきでないと思っています。犬の寿命はどうしても人より短いゆえに、犬の老後の看護は必須です。(本作のリラは病気ですが)私は一人暮らしではないので、家族とすることが出来ましたが、それでも大変でした。本作ではリラへの看護にとても物分りの良い会社となっています。私の場合、前飼っていた犬が老衰で亡くなった日、出社こそしたものの涙が止まらず先輩が早退させてくれました。(仕事が手についていなかったからかもしれないけど。)
 藍のリラへの思いや行動には賛同できないところが多々ありました。リラと向き合うまでは。でも、「神様、お願い。あともう少しだけ。」そう願う藍の気持ちはとてもよく分かりました。
 私自身のことですが、前に飼っていた犬が亡くなった時、家族全員で火葬場に行きました。最後のお別れを、となった時、何度も私は「もう少しだけ・・・1分だけ・・・」と思いました。
この本ではお骨になったリラは業者さんが届けてくれて、藍はリラに初めて「おかえり」と言うところがあります。私は一緒に行って、一緒に帰ってきたので「ただいま」と言いました。
 と、今飼っている犬や猫のこと、前に飼っていた犬のこと、色々な場面がリンクして、完読後はしばらく涙が止まりませんでした。。。。

 これからペットを飼おうと思っている人、飼いたいと思っている人、飼っている人に読んで欲しいです。
一分間だけAmazon書評・レビュー:一分間だけより
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No.9:
(4pt)

愛犬のアポロと重なってしまい、涙が止まりませんでした

9歳になるゴールデンレトリバーの女の子、アポロと暮らしている私には、
出会いのシーンから、すべてがアポロと重なり、
リラちゃんの動きや息遣いのひとつひとつがすべて手に取るように解り過ぎて、涙が止まりませんでした。
アポロも2年前に癌になり、何とか乗り越えましたが、
治療のくだりも、わかり過ぎるほどわかります。

仕事に情熱を注いでいたキャリアウーマンが
愛犬の病気と死を通して、
周囲の人々の心の真実に触れたり、
本当に大切なものは何なのかに気付いたりして
成長して行く物語です。

ペットショップでの、処分の話や
最後の、雑誌での特集の話など
ペット業界の暗部にも切り込んでいて
好感が持てました。

正直、「1人暮らしで、終電でしか帰れないほど仕事が忙しい人が
ペットを飼うのはあまりに無責任。恋人と別れた時
彼に託さなかったのは間違い」と思ったし
「午前1時に帰って、犬が家の中に粗相をしてたからって
犬に手を上げるなんて、許しがたい。飼う資格ナシ!」
と思ったし
「リラさえいなければ、なんて思うなんてありえない!愛してないんじゃないの?」と思ったけど、
それを言ってしまうと、物語が違う話になってしまうので
仕方ないでしょう。
そういう、はっきり言って犬を飼うべきじゃなかった、主人公が
リラちゃんと一緒に、苦難を乗り越えて、成長したってことなのでしょう。
命を預かるというのは、本当に大変です。時間も、お金も、根気も必要です。
それでも私は、「この子がいなければよかった」と思った事はこの9年間でただの一度もありません。
一分間だけAmazon書評・レビュー:一分間だけより
4796657746
No.8:
(5pt)

「リラ、おかえり。」初めて、そう言った。

…泣いてしまいました。涙がぽろっと流れて、リラ(この本に登場する犬)を身近に感じました。
そして、我が家の愛犬を瞼の裏に思い浮かべました。
リラが愛おしくて、時に悲しくて、胸がきゅんっとなる。リラはこの本の中で確かに息づき、私に、生命を感じさせてくれました。犬の立場、きもちが、すんなり入ってくる本でした。

あくまで主人公は藍という女性です。そして彼氏の浩介や、会社の人間関係なども描かれています。藍という人のリアルな働く女性のお話でもありますが、そんな藍とずっと一緒にいる、毎日『おかえり』とシッポを振ってくれる犬リラの物語でもあります。

犬を飼っている人なら、涙こぼれてしまうんじゃないかな…。何だか無性に愛犬を抱きしめたくなりました。朝が来たら、ぎゅってしよう。そう思いました。リラの、あたたかな命が愛おしい。ごくありふれた普通のワンちゃんですが、世界にたった一つの命。
動物を好きな人にもオススメの本です。最後の二行が好きです。
一分間だけAmazon書評・レビュー:一分間だけより
4796657746
No.7:
(5pt)

「関係」の物語

描かれているのは犬である。

しかし、そこに本当に描かれているのは「関係」である。

いつも側にいる、それが当たり前の、
普段はその大切さに気づかない者との「関係」。

だからこの物語は、犬を一度も飼ったことのない者にとっても、
これから一生飼うことがないだろう者にとっても、
読み進めるうちに、自分の物語に変わっていく。

ウエットなテーマ。
しかし、作家の、
あまりに劇的になることを避けた、
抑えたモダンな筆致が
適切にそのウエットさをコントロールしている。
だからこそ、より、胸に響く。

避けられない死、という物語。
でもそのエンディングに、
清清しいポジティブネスがあるのは、
「カフー」の作家ならでは。
相変わらず、原田マハの物語は、
しっかりと前を見据えて終わる。

タクシーの運転手。
「プラ悪」のメリル・ストリープばりの鬼編集長。
きっとどこかに似た人がいるであろう、獣医。
脇役が、とてもいい。
一分間だけAmazon書評・レビュー:一分間だけより
4796657746
No.6:
(5pt)

なんとも心が暖かくなり、熱い涙がこぼれます。

中盤ぐらいから涙が止まらなくて、止まらなくて、号泣でした。
本を読んでこんなに泣いたのは久しぶりです。

内容は…
いい仕事をすることが生き甲斐の主人公が、恋人と一緒に犬を飼いはじめたけれど
仕事に忙殺されているうちに何を愛し、何に愛されているか見失っていく、というもの。
そして、恋人と別れ、犬を一人で育てることになるのだけれど
これまで犬の世話を恋人に殆ど任せっきりだったので
普通にただ世話をするという事が大変で、苦痛を感じ始めた頃
その犬が癌であることが分かり、闘病生活を始める話。

中盤に獣医が言うセリフに胸を打たれた。
以下引用:
「誰にもわからないんですよ。延命治療をしたほうがいいかどうか、なんて。飼い主さんは、少しでも長生きしてもらいたいと一生懸命になる。でも、犬にしてみれば、長いか短いかなんて、問題じゃない。一年間でも、一分間でも、犬の時間は一緒なんです。どれだけ濃い時間を一番好きな人とともに過ごせるか。それが犬にとって、一番大切なんですよ」
「せいいっぱい、可愛がってやってください。この子にもあなたにも、後悔のなにように」

これは、きっと、「犬」だけの事じゃない。大切なことは、全て同じだと思う。
生きいれば、毎日いろんなことがある。
お腹がすけば、美味しいものが食べたいと思うし
休みの日には、どこか行ったことの無い所へ出かけたくなる。
それは、新しく出来たレストランだったり誰かの展覧会だったり、海だったり、山だったり、温泉だったり。
料理がうまくなりたいとか、もっとスタイルが良くなりたいとか、もっといい仕事をして、もっといろんな世界を見たいとか、そんな夢や希望や欲求もある。
誰かに愛されたいとか、誰かを愛したいとか
手に入れたい、と思うものは目に見え手に取れる物ばかりでなく
事象であり、経験であり、気持ちであり、時にそれは相対的な価値を持っていたり
あるいは、自分だけの絶対的な価値であったり際限が無い。
でも、
大切にしたいことは、そんな欲求の、本当に根本にあるものなんだと思う。
何かを強く思う心。何かに対してこだわる心。強く欲する気持ち。
そういうのが、価値のあることであり、例え、希望通りの場所にいけなくても
希望通りのものが手に入らなくても、一喜一憂することは無い気がする。
だから、自分の中にある、熱い気持ちや欲求に、ただ、ただ真っ直ぐに
向き合うことを大事にしたいと思った。
好きだと思う気持ちを大事にしたい。
そして大事な人のことを、ちゃんと大事にしたいと思った。
これは恋愛だけじゃなくて、友だちのことも、家族のことも、仕事のことも
そして、私の大事な、愛犬のことも同じ。
もしかしたら、この本で、作者が書きたかったことは全然別のことなのかもしれないのだけれど
なんとも心が暖かくなり、熱い涙がこぼれました。
一分間だけAmazon書評・レビュー:一分間だけより
4796657746
No.5:
(4pt)

心が澄み渡る

この人は前作『カフーを待ちわびて』もだけど、作品の核となるものが<祈り>だと思った。
前作はいつか来るあの人っていう恋愛だったけど、今回は家族同然の犬の話しなのだが、自分のために自分のためだけにずっと待ってくれる犬。その犬がガンに侵されてしまったことで、残り少ない時間を大切に生きる主人公の姿は淘汰されていって、読後澄んだ空気を一杯吸って心が洗われたような気持ちになってしまう。
一分間だけAmazon書評・レビュー:一分間だけより
4796657746
No.4:
(5pt)

犬にとっては、飼い主は全てなのだと思う。

犬が大好きでも、仕事や飲みに行くのが好きだったり、思いっきり恋愛したいのなら、動物は飼ってはいけないとさらに思わせられた一冊でした。下の世話やら、散歩やら、病気になったらやれ介護やら、小さな子供がいつまでもいるようでそれだけの責任を背負える人でなければ飼う資格はないのだとはっきり断言できる小説でした。「家族だよ、家族」一番大切な家族だよ。それにしても、ペットショップで売れ残った子達の行く末がそんなものだとは知らず、のんきに休日にペットショップを覗く自分が最低だと思わされました。
一分間だけAmazon書評・レビュー:一分間だけより
4796657746
No.3:
(5pt)

考えさせられる本でした。

今日買われなければ殺処分になってしまう

ゴールデンリトリーバーのリラとの出会いから

その愛するリラの死までを描いた作品。

もちろん、メインは最近の話なんだけど、

出会いの部分から泣けてくる。

その後、リラのために都心から郊外へ引っ越し、

通勤に時間がかかるようになり、

仕事にも無理がかかるようになる。

ささくれ立ちそうになる藍。

追い討ちをかけるように恋人の浩介が去っていく。

リラさえいなければ、と思う藍の気持ちが痛い。

もしリラがいなければ、仕事もバリバリできるし、

新しい恋のチャンスもあるだろうし、

「いっそ死んでくれたら、いなくなってくれれば」と

考えてしまう藍の心も良く分かる。

しかし、そのリラが病に倒れたとき、本当に自分にとって

愛すべきものは何なのか、大事なものは何なのか、悟る藍。

そしてリラのために仕事もセーブし、リラ中心の生活を始める。

この辺からもう涙がにじみます。

最後は本当に泣きそうになるくらい、

藍の気持ちが痛いくらいに伝わってきて

やばかったですね。

登場人物がちょっと優しすぎるかな?って言う感は否めません。

鬼編集長も実はいい人だったり、

編集部の面々もなんだかんだ言いながら優しい。

別れた浩介やその新しい恋人である友里もどこまでもいい人。

そこがちょっと不満って言えば不満ですが、

全体的に雰囲気が良くて、すごく読みやすかった。

そして最後に、やっぱり一人で犬を飼うのは大変だ・・・、と

思い知らされました。

飼い主の都合だけではなく

飼われる動物の身にもなってあげないと

動物を飼うことは難しいと感じました。
一分間だけAmazon書評・レビュー:一分間だけより
4796657746
No.2:
(5pt)

いっしょにあるいてる?

本を読んでこんなに泣いたのは何年ぶりだろう。後半はもう涙で文字が見えなくなるほど泣いた。主人公とは共通点がなにもなく、共感できることも少ないはずなのになぜこんなに泣けたのだろう。ただひとつの共通点は犬を飼っているということだけだ。

犬を飼っているとオシャレなんてなかなかできないし、旅行にも行けない。外出していても留守番させている犬のことが気がかりで一刻も早く帰ろうと思う。休みの日に出かけるのは犬を連れてドッグランに行く程度。毎日の散歩は欠かせないし、体調管理や食餌の世話だって結構大変である。「犬さえいなけりゃ」とふと思う瞬間があっても不思議ではない。ましてや主人公の藍は33歳のキャリアウーマン。仕事でももっと上を目指したいし、新しい恋だってしたい独身女性なのだ。

しかし「リラ(犬)さえいなければ・・」と頭をかすめたその思いが事実になって襲ってきたとき・・。末期ガンで余命わずかのリラを看取るか、仕事を取るか?仕事とリラの看病でボロボロになりながらも藍は全部をたったひとりでやり遂げようとする。別れた恋人に頼りたい、すがりたい思いも断ち切って、誰にも相談せずにひとりで背負うのだ。そして彼女は気づく。仕事のチャンスを捨てて後悔するよりも、リラを看取らずに後悔するほうが辛いことに。

散歩で共に歩いた道に咲く季節の花々、取るに足りない石ころやセミの抜け殻、雑草の匂い、リラが愛したもの、リラがいなかったら見えなかったもの。失いかけて初めて気づく存在の重さ。リラがいたからこそ知ることができた人々の温もり。どんなに遅く帰ってきても「おかえり」を言うように待っていてくれたリラ。そのリラを看取り、藍は初めてリラに「おかえり」を言うのだ。散歩で先を歩くリラが、ときどき振り返って「いっしょにあるいてる?」と聞くように藍を見た。その光景に胸がきゅ〜んとなった。切なくて哀しくて、でも温かい気持ちになれた。登場人物も非常によく描けていて感情移入できた。(だから泣けたのだろう)

この本を手に取られた方は是非カバーをはずしてみてください。笑顔のリラがそこにいます。
一分間だけAmazon書評・レビュー:一分間だけより
4796657746
No.1:
(5pt)

ペットを飼っている人も、そうでない人もぜひ、読んでほしい作品です

子供の頃、猫を飼っていた。家族だったその猫が死んだ後、ペットはもう飼っていない。あまりに悲しかったから。成人して結婚して、子供のないワタシに気軽に「犬でも飼えば?」という友人がいるが、「飼えない」のだ。都会の、動物にとって不自由極まりない中、自分の生活で手一杯のワタシには。そんな想いを代弁してくれたような作品。ペットブームの中で、ペットがいかにその人にとって大切なものか、命って何て尊いものなのかいうことを、主人公藍とリラという犬を通じて「さらり」とした文章で、「ぎくり」と感じさせる作品。原田さん特有の直観的かつリズムのある文体で、ホロリとさせながら、じっくり考えさせられもする。ペットを飼っている人はもとより、飼ってない人にもぜひ、読んでほしい作品です。
一分間だけAmazon書評・レビュー:一分間だけより
4796657746

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