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(短編集)
江神二郎の洞察
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江神二郎の洞察の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.38pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全26件 1~20 1/2ページ
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良かった | ||||
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短編だから、読みやすい。『火村英生シリーズ』から入ったから、学生時代のアリスが新鮮!! | ||||
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学生アリスシリーズの短編集。 27年越しでまとめられた短編集です! アリスが江神さんとぶつかって、英都大学のEMCに入部することになったシーンから始まるなんて…もうファンにはたまらない‼︎‼︎ どれも面白かったんだけど、「四分間では短すぎる」がニヤリとしちゃう。 | ||||
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謎解きは納得感あって面白かったけど… 江上シリーズの方が好きかな。好みだけど。 | ||||
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学生アリス・シリーズの短編集です。それぞれの作品が発表された日は、1986年から2010年までの長きに渡ってばらばらです。発表された順に話が進んでいくのではなく、たとえば一番最初の「瑠璃荘事件」は1988年4月にアリスが大学に入学した直後の出来事で、2000年の作。2つ目は同年5月から6月にかけての出来事で、書かれたのは1996年、そして3つ目の「やけた線路の上の死体」の季節は同年夏休みですが、1986年と一番最初に書かれています。アリス・シリーズの長編を発表しながら、合間に長編を繋ぐエピソードとして、短編で埋めていったという感じです。 論理的に完成度の高い新本格のミステリを求めるなら、この本はいまひとつだと思います。学生たちの周辺で起きた出来事であり、壮大なミステリではまったくありません。自分はむしろ青春ものとして読みました。有栖川氏の特徴でもありますが、論理の陰に見え隠れする情緒的でややセンチメンタルな甘さがいい味を出しています。登場人物たちの個性や、日々の学生生活を知ることができるスピンオフ的作品として読むといいと思います、 「瑠璃荘事件」はアリスが初めて江神さんと出会い、英都大学の推理小説研究会に入ることになったいきさつが書かれています。時間的にはそれから「ハード・ロック・ラバーズ・オンリー」と「やけた線路の上の死体」が、そしてそのすぐ後に長編「月光ゲーム」が入ることになり、9月以降は、「月光ゲーム」の事件で受けたトラウマが時々アリスを苦しめている様子がわかります。また、「桜川のオフィーリア」では、2年前に卒業した江神さんの同級生の遭遇した事件が取り上げられ、推理小説研究会は、この人と江神さん含む3名で創設されたということが明らかにされます。このように、大学入学から翌年の新しい学年になった4月まで、様々なことに遭遇しながら、アリスたちがどのように1年を送ったかが描かれていきます。 個人的な話で恐縮ですが、自分は京都生まれで、有栖川氏とちょうど同じ頃に同じような所をうろうろしていました。推理小説研究会のメンバーがいつもたむろしている学生会館にも何度か行ったことがあり、英都大学のモデルになったと思える同志社大学周辺の、今出川通から鴨川、百万遍、東大路のあたりは今でも目に浮かぶようです。「ハード・ロック・ラバーズ・オンリー」に出てくる大音響でハードロックを聴かせる喫茶店は、今はもうないニコニコ亭がモデルですよね。「除夜を歩く」は、昭和から平成に変わる、昭和天皇崩御間近の当時の重苦しい雰囲気とともに、頬に冷たい冬の空気が伝わってくるような作品です。アリスと江神さんが大晦日の夜に、おけら火をもらうために八坂神社にお参りしようと、下宿から祇園四条まで歩きます。彼らも当たり前のように距離を気にせずよく歩きますが、自分も高校や大学の当時はどこへ行くにも京都の街を延々と歩いたものです。「蕩尽に関する一考察」に出てくる当時まだめずらしかった無国籍料理の店は、北白川にあったカプリチョスではないだろうかとか、まるで自分の青春がそのまま描かれているような気がしてきます。 現在から見たら、他のレビューアさんが書いておられたように、スマホもまだない頃ですからいろいろ違和感があるかもしれません。が、同年代に学生時代を送った方はきっとなつかしい思いがするのではないでしょうか。アリス・シリーズ・ファンには必読だと思います。 | ||||
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これにはアリスが英都大学ミステリ研究会に所属する経緯の話から、1年間の話が収録されています。 なので、もし江神シリーズ未読の方は、月光ゲーム→コレ、という順序が劇中の時系列的には面白いかも知れません。 | ||||
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殺人事件から、日常の謎までバラエティ豊かなミステリ短編集です。 トリックや事件に関する言及はありませんが、長編第1作「月光ゲーム」の前後の話が出ているので、先に第1作を読んだほうが、事件後の語り手(有栖川有栖)の心理状態の変化が分かりやすいと思います。 どの作品も良く出来ているとおもいますが、特に最後の作品は、名探偵に何が出来るのかという、ミステリにおける命探偵の役割に一石を投じる?内容で、印象深く読めました。(ちなみに、ドラマ「古畑任三郎」でも同じようなテーマの回がありました) | ||||
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有栖川有栖さんの本はとても読みやすくて、ワクワクしながらすぐに読んでしまいます。 江神さんのシリーズはあまり読んだことが無かったような。とても楽しかったです。 | ||||
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短編なのにストーリーがしっかりしていて読み応えがありました。面白かったのでこれをきっかけに、江神シリーズ(長編の方)を最初から読み始めました。 | ||||
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学生アリスと江神部長の短編集である。アリスの入学と入部から進級までの一年間が時系列順に読める。 私はこのシリーズが大好きなので、嬉しかった。 昭和も終わりに近い80年代を背景に、部員たちのミステリ生活が描かれる。 深刻な事件が起こるのは三篇ほどで、バカ話に終始する作も多い。他愛ないとは言っても、知的な関西風の漫才会話に没入した。 学生グループが現実の事件を解決するという趣向は珍しくないが、面白いのはこのシリーズだけだ。 他のは素人探偵が鼻について、途中で嫌になる。なぜ英都大学の面々だけが愛おしく感じるのだろう。 関西弁のせいもあるが、作品の構成自体が論理的で無駄がないからだろう。印象深いのは次の三作だ。 『桜川のオフィーリア』美しい女性の死亡写真がある。撮ったのは犯人だろうか。 『二十世紀的誘拐』無名画家の無価値な絵が盗まれた。身代金は千円!ロジカルかつユーモラスで極上の一篇。 最後のセリフに落涙した。作者は「才能不足で挫折した(無名に終わった)クリエイター」を描くのがやたらと上手い。 『蕩尽に関する一考察』やたらと周囲に奢る人がいる。動機に意表を突かれた。 あと小品ながら『ハードロック・ラバーズ・オンリー』は江神の推理に舌を巻いた。 ズバ抜けた傑作はないけど、いい作品集だった。第二集が早く読みたい。 | ||||
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『月光ゲーム』『孤島パズル』等々でおなじみ、「学生アリス」シリーズの第一短編集であります。 著者有栖川有栖先生の事実上のデビュー作「やけた線路の上の死体」から書き下ろし「除夜を歩く」にいたるまで、初出の掲載媒体・出版社は複数にまたがり、二十七年かけて細々と書き継いできたシリーズ全九編。 内容の方もまた殺人事件に日常の謎、サークル内の内輪の推理ゲームまで、趣向も方向性もばらばら。中には「これ、本格ミステリといっていいの?」みたいな話もちらほらあったり。 収録作の並びは発表順ではなくて、作中の時系列順。統一感を持たせるために書き下ろし以外には加筆・訂正が入っているとのことですが、二十七年という年月の経過はやはり大きく、たとえ登場人物や時代背景は共通していても、雰囲気や作風にはどうしても微妙な温度差が。一読者としては1990年代発表の三作品が、軽いタッチで楽しく読むことができました。 単行本刊行時の書き下ろし「除夜を歩く」は、小説の体裁で展開される、著者一流の本格ミステリ論とでもいった方がいい内容。ミステリのお約束に対する、現実視点のツッコミでもあります。なるほどと賛同するか、否かは読者のあなた次第。 けれども、本書で一番印象深かったのは『四分間では短すぎる』で織田が披露した『点と線』の真相! なるほど、エラリー・クイーン流にロジカルに考えるとこの真相が一番現実的ですな。普通の読者なら壁へ叩きつけてしまうところですが。 | ||||
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自分が学生に戻ったように読んだ。僕も同志社出身だから、今は建て替えられてしまった学生会館の様子、 街の雰囲気などを思い出し、想像などして懐かしく読んだ。 よって火村さんよりこちらのシリーズの方好きだ。ほんわかと推理を楽しむことができる。 学生の頃に戻りたいなあ。 | ||||
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有栖川有栖の「学生アリス」シリーズの短編集である。もう一方のミステリ作家のアリスシリーズは短編が多数発表されているが、学生アリスシリーズでは初短編集。収録作はアンソロジーなどで出版されているものも多い由だが、一編しか読んだことがなかったようだ。 (ちなみに、五十円玉・・・のあの短編が載ってないなと思ったら、文庫版あとがきで著者本人が述懐していた。) このシリーズは既に長編が4編発表されており、収録されている短編は基本的にそれら長編の事件の合間にメンバーが遭遇した話ということになっている。なので、シリーズを読み通している読者は、ところどころであぁとかおぉとか思うという仕掛け。ちょっと面白い。それから、京都の地理や習慣にもう少し詳しければさらに楽しめるのだろうなぁと思えることもしばしば。このあたりは関東人の辛さか(google mapを眺めるしかない)。 また、これはほかの長編もそうだが、描かれている時代が昭和末期から平成へというころなので、現在の生活必需品であるアレが存在していない。話の流れがいろいろともどかしかったり、トリック自体がそれで成立したりしなかったりするところもあるわけだが、それはそういう時代なのだと思って読みましょうということである。前にどこかでも書いたが、物心ついたころからソレがある若い読者はこの世界に入り込むのが難しいとか思うかもしれず、それはそれで気の毒という気もしてしまう。そんなこと言ってもどうにもならないのですが。 収録作品:瑠璃荘事件、ハードロック・ラバーズ・オンリー、やけた線路の上の死体、桜川のオフィーリア、四分間では短すぎる、開かずの間の怪、二十世紀的誘拐、除夜を歩く、蕩尽に関する一考察 | ||||
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文庫になるのをずっと待っていたが、とうとう来た! 学生アリスの短編集で、江神との出会いから始まり、メンバーが少しずつ長編での形に打ち解けていく様子が良い。 作家アリスと違いみんな一学生であるので、殺人事件がほいほい起きない点もいいなと思った。 長編はやっぱり絶海の孤島とかで連続殺人に巻き込まれてほしいが。 マリアも入ってメンバーが揃うと、そのまま長編を最初から読みたくなる。 月光ゲームではまたマリアのいない時期に戻ってしまうけど。 長編新作でないかな… | ||||
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学生アリスシリーズ初の短編集。日常の中の謎を紐解いていく江神さんがかっこいいのです。作品によって内容はピンキリですが、最後は読んで良かったと思います。先輩達とアリスのやりとりも微笑ましくて、初めて「アリス」と呼ばれた瞬間は何故かときめきました(笑)。 | ||||
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学生アリス・シリーズの第一短編集。 著者のデビュー作である1986年の「やけた線路の上の死体」から、書き下ろしの「除夜を歩く」までの9篇が収められている。 「瑠璃荘事件」、「ハードロック・ラバーズ・オンリー」、「やけた線路の上の死体」、「桜川のオフィーリア」、「四分間では短すぎる」、「開かずの間の死体」、「二十世紀的誘拐」、「除夜を歩く」、「蕩尽に関する一考察」と、作品内での時系列順に並べられている。 江神二郎らミステリ研の面々が活躍しており、シリーズの愛読者にはとても楽しい。一方で、このシリーズに強く漂っているテーマ性をうるさく感じるかもしれない。 論理の飛躍という点で、「四分間では短すぎる」がおもしろかった。 | ||||
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1990年代に続けて本格推理小説を書き続けていた有栖川有栖さんの「学生アリス」シリーズ初の短編集。 著者のデビュー作「月光ゲーム」は、学生時代に読んでのめり込んだのですが、「孤島パズル」、「双頭の悪魔」と執筆されたあとは、犯罪心理学者・火村英生が探偵役をつとめる「作家アリス」シリーズが中心でなかなか続編が出ず寂しく思っていました。 「女王国の城」が2011年に出版され、ちょっと乾きは癒やされたのですが、この短編集のおかげでやっぱり好きな学生ミステリを堪能です。 この短編集は、「月光ゲーム」の事件に遭遇する前、英都大学に入学したばかりのアリスが、推理小説研究会の3人、江神、望月、織田に出会うところから、新しい年に研究会のヒロイン、有馬麻里亜が入部するまでの9つの物語が収録されています。 執筆された時期は1986年から2010年と時期にも出来にもばらつきがあり、他の長編作品と比べると殺人事件の発生しない、いわゆる「日常の謎」系の物語のためどうしてもサイドストーリー的な仕上がりですが、「学生アリス」シリーズにハマった経験のある方には必読の一冊になるものと思われます。 9編の短編のうち、「学生アリス」シリーズ好きとして一番良いなと思ったのは、大晦日に望月が書いた小説をネタにアリスと江神がやり合う「除夜を歩く」。素人が書いた探偵小説のトリックを題材に、ミステリ考察が繰り広げられ、ミステリマニアに書かれた話といった感じ。 「ミステリの世界では、トリックはロジックに優先すんぞ」という台詞についついニヤリとしてしまったり。 一般のミステリマニア向けには最後の作品「蕩尽に関する一考察」かな。 高台にある古本屋の店主が近頃おかしい。売り物の本を「只にする」といったり、レストランで居合わせた客におごったり、古本屋の土地を二束三文で売り払ったり。どうしてそんな行為に走るのか……。 シャーロック・ホームズの「赤毛連盟」のような、「不自然な行動に隠された謎」がするりと解かれるときの快感はミステリの醍醐味。 「学生アリス」シリーズは長編5作、短編集2作で完結するとのこと。完結するのはもうしばらく先でしょうが、もうちょっとたくさん読んでみたいなぁ。 そうそう、「学生アリス」シリーズの有栖川有栖が成長した姿が、「作家アリス」シリーズだと思っていたら、「学生アリス」のアリスが書く小説が「作家アリス」、「作家アリス」のアリスが書く小説が「学生アリス」という構造なんだって。知らなんだ。 | ||||
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月光ゲーム、孤島のパズル、双頭の悪魔並びに女王国の城に登場する名探偵江上二郎若きの事件簿をまとめた短編集である。本格派好きのファンには是非長編4冊と共にこの短編集も読んで頂きたい。作者の作風が変化する中で、デビュー当時の新鮮な気持ちを持ち続け、長編第5作を待っている次第であす。 | ||||
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有栖川氏の火村シリーズと並ぶ江神二郎シリーズの短編集。個人的にはデビュー直後に作品が集中していることもあり、江神二郎シリーズの長編はイマイチの出来のものばかりという気がするが、この短編集もあまりガチガチの本格推理短編を期待すると肩すかしだろう。 何より不可能的興味沸く殺人事件が殆ど起こらず、日常の謎を扱ったものが多いので、ちょっと長い小話集といった感じの短編集になっている。長編のネタを織り込んであり、ファンならちょっと嬉しいファンサービス本といった感じだが、初心者にはあまりお勧めできない。 | ||||
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やはり短編は長編とは異なる、ということが如実に分かる作品集である。 著者の場合は、長編ミステリ、特に学生アリスシリーズにその傾向が顕著である。 まあ、社会人アリスものでもその傾向はあるのだが。 つまり、それだけ著者の長編ミステリは構成がしっかりとしている、ということである。 だからその分、どうしても短編は見劣りがしてしまう。 しかし、本作品集の眼目は、本格ミステリとしてのそれではない、と思う。 この学生アリスシリーズは、著者がまさに現役の学生時代から書き綴られてきたものであろう。 したがってそこには、学生時代特有の甘酸っぱい雰囲気が漂っている。 それは著者が゜作家専業となってからの作品でも同様である。 だから本書は、かつて現役の学生時代を過ごした経験を持つシニア世代にこそ、その本質というか著者が本シリーズで述べたいことが分かるのではないだろうか。 作品の時代背景がまたバブル崩壊直前というか、昭和と平成の狭間という絶妙なところもまた、何ともいえない懐かしさを感じさせるものである。 ミステリとして甘いところがあるし、どうしても満点とはいかないのだが、学生アリスシリーズ好きには必読の一冊であろう。 しかし、本シリーズがあと長編一作と短編集一冊で終わりというのは、少々寂しいものがある。 それだけ著者も年をとったということだろうか。 どうしてもノスタルジーがミステリに先行するようになってしまうのかもしれない。 それは本書唯一の書き下ろしである「除夜を歩く」で顕著である。 | ||||
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