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(短編集)

教会で死んだ男



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【この小説が収録されている参考書籍】
教会で死んだ男(短編集) (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

教会で死んだ男の評価: 4.05/5点 レビュー 19件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.05pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全19件 1~19 1/1ページ
No.19:
(5pt)

満足

ほんの状態は良好。新品のようです。新品だからかな。読むのが楽しみです。
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No.18:
(4pt)

ドラマ化された名作ぞろい

BBCがTVドラマ化した作品が多く入っているので原作とドラマを比べる楽しみも味わえます
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No.17:
(3pt)

『ポアロ登場』に選抜されなかった9作品+α

〇電子書籍版発行……2012年3月10日
 「メモとハイライト」機能……×(本文のどこにハイライトを入れても、「目次」と表記)
 表紙……〇(Amazonの表示と同じ、紙Ver.の表紙画)
 ページ表記……〇(あり)

 さて、本書は著者の落穂拾い的短篇集の一冊だが、マープルものの表題作と怪奇小説が一篇以外は、すべてポワロものの計13篇からなる。
 ポワロものの11作品のうち、「二重の罪」「スズメ蜂の巣」を除く9作品は、『ポアロ登場』に収録された14作品と同じく、The Sketch誌に1923年に掲載されたもので、収録順番も入り混じっている。
 The Sketchへの掲載は一旦1923年12月いっぱいで一区切りついているので、1924年3月に出版された『ポアロ登場』には、それまでの作品はすべて収録候補に入っておかしくないが、実際に収録された中で最も新しかった「消えた廃坑」以降の作品は、編纂のタイミングで間に合わなかった可能性はある。
 しかし本書冒頭に置かれた「戦勝記念舞踏会事件」(#1)をはじめ、最初期の「クラブのキング」(#3)や「プリマス行き急行列車」(#5)が見合されたことには、何らかの取捨選択があったのは間違いない。

 霜月蒼は、平均的に低レベルの同時期の作品の中でも、クリスティーのお気に召さなかったものは採用されず、彼女が巨匠になったが故にそのようなB級作が後に短篇集化されたのだろうと推察しているのだが、この意見には今ひとつ賛成できない。
 巨匠になったから落穂拾い的短篇集が編まれたというのは間違いないが、作品の出来によって採用不採用を決めたのだろうという部分だ。
 なぜなら、本書にまわされた作品が『ポアロ登場』の諸作品よりも劣っているといった印象は受けなかったからだ。あくまで同等レベルという意味でだがw【注1】

 作品の出来に関しては、当時の著者の未熟云々よりも、掲載されたThe Sketchが週刊誌であることを考慮すべきだ。
 そこにクリスティは25作品を1923年内に発表しているのだが、まんべんなく分散しているのではない。3/7号の「戦勝記念舞踏会事件」以降、「チョコレートの箱」までの12作品が毎週掲載され、四か月を置いて9/26号に載った「エジプト墳墓の謎」から「呪われた相続人」までの13作品がこれまた毎週掲載されているのである。
 事前にストックがあった可能性もなくはないが、この時点で著者の都合がそうそう通るわけはないだろうし、編集者から頁数をはじめ幾つも注文があった筈だから、それ以降に書き始めたと考えるのが自然だろう。
 一方で1923年の3月号まで、『ゴルフ場殺人事件』がThe Girl with the Anxious Eyesというタイトルで、別の雑誌に四分載されていた。
 長篇は以前に書かれていたものを雑誌掲載に併せて分割掲載した可能性も多分にあり、The Sketch用の短篇に対しては、注文を受けてからそれなりに時間があったのかもしれないが、最初の12作品で書き貯めた分を放出し尽くしたので、新たに書き貯める期間として四カ月が必要だったのだろう。

 それにしてもトンデモないペースである。
 このペースで書いていて、そら傑作が生まれるわけがない。
 おみそれしました。

 【注1】当時の取捨選択理由がどうであっても、後の著者がそれらの落穂拾い的短篇集の出版にさほど積極的でなかったのは事実だと思う。本書を含めたそれら短篇集が、米国で出版されて英国でされなかったのは、著者の意向が強いのか、はたまた両国の出版社の熱意の差なのか……。
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No.16:
(3pt)

翻訳がひどいです……。

最初は読んだことの無い短編が楽しみだったのですが、文章があまりにも読みづらく途中で読むのをやめてしまいました。とにかく読点が多すぎて、副詞や主語の後にすぐ「、」と付くのがしつこすぎます……。ただマープルものの最後の一編は話が面白かったので☆3です。
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No.15:
(4pt)

今回の件についての感想は、ヘイスティングズ?

1951年に出版された"Sanctuary and Other Stories" という短編集。ポアロ物が11篇に、ミス・マープル物1篇、怪奇物1篇という構成です。

「洋裁店の人形 The Dressmaker's Doll」は、探偵役はなく重大な事件も起こらない、という意味では異色作。いつ、どういうわけで入ってきたのか分からない人形が洋裁店の中に居て、誰も見ていないうちに置いてある場所が変わっている。生きているような不気味な人形だがどうすることもできない、というありえない話なのですが、語り口にひかれてどこかでそんなことを経験したような気になってしまいます。

ポワロ物、ミス・マープル物は盤石の面白さでした。
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No.14:
(1pt)

翻訳が嫌い

アガサクリスティが好きでポアロシリーズの他色々読んでいますが、翻訳が嫌いなものがいくつかあります。
これもその一つ。
翻訳一つでこんなにも楽しめないなんて本当に悲しいです。
ポアロが語尾に〜だぜ。や、すまん。などを使うという違和感。
読んでいて気持ちの悪いのなんの。
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No.13:
(5pt)

最後の表題作が圧巻‼︎

こども時代から大好きだったアガサ・クリスティ作品、持ち運びやすいようにkindle版をどっさり購入。改めて短編を読み返すと、ミス・マープル物やパーカー・パイン物の短編に較べポワロ物は全般的に長編よりややはしょり気味でちょっと味気ない感も。そんな中最後の表題作『教会で死んだ男』は昔紙媒体で読んだ時と同じ充足感を再度感じました。ミス・マープル物ですが、牧師夫人「バンチ」が同じくクリスティ作品の「タペンス」みたいに機知の回る魅力的な女性だし、ミス・マープルはもちろん他の登場人物も皆生き生き描かれていて短編とは思えない読み応え。クリスティ女史の作品に登場する魅力溢れる女性達に触れれば触れるほど、女史の理想の女性像が明らかになるようで面白い‼︎
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No.12:
(5pt)

読んだことのない短編。

読んだことのない短編が入っていて、面白かったです。短編集もどんどん出版してほしいです。
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No.11:
(5pt)

製品のように来ました、そして、予想されるよりよく実行しました!

この製品は説明されているように本当にうまく機能しています。 優れた購入! お勧め! 友人への贈り物としてでした。 それはとても安価です, 説明されているように, 完璧に動作, 非常に便利.彼らはそれを愛している。一度に非常に幸せなショッピング 私は完璧を期待するように 品質は非常に良い、より多くの友人の信頼を願っています。店主の態度、いいですね、また訪れます。私はあなたの家を購入する私の友人をもたらすでしょう。
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No.10:
(3pt)

最初期から後半期まで、作風の変遷を垣間見られる短編集

元々はハヤカワ・ミステリ文庫の1冊として1982年に発行されたオリジナルの短編集で、当時は“クリスティー短編集12”として扱われていました。それをクリスティー文庫に移したのが本書です。

これに続くクリスティの短編集は『クリスマス・プディングの冒険』と拾遺集『マン島の黄金』の2冊ですが、前者は先にハヤカワ・ミステリ(文庫ではなくポケット版のほうです)で翻訳があったため、それとの重複を避けつつ、英米では短編集に収録されながら、ハヤカワ・ミステリ文庫の既刊では未収録となっていた作品を集めた内容となっています。執筆年代も主人公もばらばらの話が1冊に詰まっているのは、そうした経緯によります。

収録されている13編の内訳は、ポアロ物11編、マープル物1編、怪奇幻想物1編で、これらは発表された時期によって、3つのグループに分類できます。

まず、ポアロ物のうち、「二重の罪」と「スズメバチの巣」を除く9編。これらは1923年にThe Sketch magazineで発表されました。執筆当時の時代的な要請からホームズ以来継承されてきたフォーマットに沿って書かれているため、後年のクリスティらしさが確立する以前、最初期の作風を知ることができます。なお、The Sketch magazine掲載のポアロ物短編は全25編。クリスティー文庫では、本書に9編、『ポアロ登場』に14編、『愛の探偵たち』に「ジョニー・ウェイバリーの冒険」1編、『マン島の黄金』に「クリスマスの冒険」1編と4冊に分かれて収録されています。

次にポアロ物の「二重の罪」と「スズメバチの巣」。これらは1928年にいずれも新聞紙上で発表されました。The Sketch magazineでのポアロシリーズが終わってから5年、この間クリスティは50作を超える短編を発表、1922年にデビューしていたトミーとタペンスはもちろん、クィンやマープルという新たな探偵役も創造、さらには後年『リスタデール卿の謎』や『死の猟犬』に収められることになる諸作まで、実に多彩な作品を書いてきました。一方で、ポアロ物は「負け犬」1編のみ。長編まで広げても『ビッグ4』と『アクロイド殺し』しかありません。しかも、『ビッグ4』のラストでポアロは引退し、『アクロイド殺し』は隠棲先での事件となっています(単行本になったのは『アクロイド殺し』が先ですが、先に書き終えられたのは『ビッグ4』です。そのため、単行本の出版順で読むと、ポアロの引退を巡る状況が逆転します)。クリスティがポアロを好いていなかったことは有名ですが、実際この時期、クリスティはポアロから距離を置いていたのです。それが再び書き始めるようになるのが1928年からで、同時にこの年は最初の夫であるアーチボルトとの離婚が成立した年です。「二重の罪」と「スズメバチの巣」はそうした転換期に発表されています。

最後はマープル物の「教会で死んだ男」と怪奇幻想物「洋裁店の人形」。前者は1954年、後者は1958年に女性誌Woman's Journalに掲載されました。クリスティは生涯で150強の短編を書いていますが、そのうち100本近くがデビューしてから10年以内、すなわち1930年までに発表されており、第2次世界大戦が終結した1945年以降となると、10本にも満たない数しかありません。「教会で死んだ男」と「洋裁店の人形」はそうしたほとんど短編を書かなくなった時期の作品です。

早川書房の編集方針としては、あくまで未収録の作品を読者に提供することにあったと思われますが、図らずも最初期のポアロ、リスタート期のポアロ、そして後期の作品が揃い、クリスティの長いキャリアにおける変遷を1冊で味わえる内容になっています。これが本書の最大の特徴といえるでしょう。

なお、他の方も指摘されているように、本書収録の短編には、後の中編あるいは長編のベースとなった作品が含まれています。以下、収録作品の簡単なレビューを載せますので、「潜水艦の設計図」「マーケット・ベイジングの怪事件」「プリマス行き急行列車」の各項を確認してください。

なお、レビューの並びは雑誌で発表された初出年代順です。ポアロ物については、()内の数字でポアロ物短編としての発表順も示してあります。例えば、「戦勝記念舞踏会事件」はポアロ物短編第1作となります。これは同時にクリスティ自身の短編デビュー作でもありました。

戦勝記念舞踏会事件(1)
仮装舞踏会を舞台にした殺人事件を扱います。作中、コンメディア・デッラルテが重要な意味を持ちますが、ここにアルルカン、すなわち英語でいうハーレクインが出てくるのがファン的には興味をそそるところです。
*コンメディア・デッラルテ北イタリアで生まれた即興演劇。ヨーロッパの大衆演劇に大きな影響を残し、現在でも上演されている。コメディア・デラルテ、コメディア・デル・アルテとも。

クラブのキング(3)
明かされる真相はかなりトリッキーですが、結末を知った上で再読すると、随所に手がかりが散りばめられていることがわかります。最初期らしく、ラストのセリフはいかにもホームズ的。

プリマス行き急行列車(5)
タイトル通り鉄道物で、イングランド南西部の地名がたくさん出てきます。地図と見比べながら読むと、列車が通るルートがわかり、より雰囲気が出てくるでしょう。長編『青列車の秘密』の原型となった短編です。

マーケット・ベイジングの怪事件(16)
ポアロ、ヘイスティングス、ジャップ警部の3人が連れ立って週末を過ごすという設定が面白いです。結構プライベートでも仲がいいんですね。この短編は後に中編「厩舎街の殺人」(『死人の鏡』収録)へとアレンジされます。

潜水艦の設計図(19)
大臣の私邸で起こった機密書類の盗難事件を描きます。後に中編「謎の盗難事件」(『死人の鏡』収録)へと発展します。ヘイスティングスが登場しないことを除けば、事件の真相や話の展開はほとんど同じです。

炊事婦の失踪(20)
デヴィッド・スーシェがポアロを演じたTVシリーズ『名探偵ポアロ』において、記念すべき第1話の原作となった作品。クリスティにしては珍しく、都会に暮らす中流階級の家庭を描いています。ヴァイタリティの塊のようなトッド夫人のキャラクターが面白く、前半のテンポの良さは抜群です。真相については、読む側がどこまでリアリティを感じ取れるかで評価が変わってくるかもしれません。

コーンウォールの毒殺事件(22)
舞台は田舎町の裕福な家庭、殺害方法は毒殺、さらに中高年女性の恋愛という心理要素も絡めてきます。初期短編の中では、後年のクリスティらしさを感じられる一編です。

二重の手がかり(23)
ポアロにとってのアイリーン・アドラー、ヴェラ・ロサコフ伯爵夫人が初登場します。ほぼそのためだけに書かれたといっていい内容で、クリスティが彼女を再登場させる気満々だったことが伺えます。

呪われた相続人(25)
The Sketch magazineにおける最終作。中世以来の呪いに悩む名門の一族が登場し、相続に関わる物語が展開します。テーマがテーマだけに人物名がわんさか出てきます。できればメモのご用意を

二重の罪(27)
保養地を巡るバスツアーで起こった美術品の盗難事件を扱いますが、新聞の日曜版に掲載されたせいか、どこかのんびりしたムードが漂います。1作前の『負け犬』(『クリスマス・プディングの冒険』収録)では未登場だったヘイスティングスが再び顔を見せ、The Sketch magazine時代同様、語り手を務めています。

スズメバチの巣(28)
読みやすさを意識した軽快な文体ではなく、より一般小説に近づけた文章で綴られ、視点も3人称を用いています。内容的にも謎解きではなくドラマ性を意識しており、『杉の柩』や『ホロー荘の殺人』といった諸作を経て、後期の作品へと通じるテーマの萌芽を見て取ることができます。注目に値する一編です。

教会で死んだ男
全20編あるマープル物短編の第19作。教会で瀕死の男が発見され、やがて息を引き取ります。男は何者なのか、なぜ辺鄙な村までわざわざやってきたのか、という謎を中心に話が展開します。本作は、1954年10月、Woman's Journalに掲載されましたが、その後所有権が個人に移ったため、なかなか単行本に収録されませんでした。というのも、本来この原稿はロンドンにあるウェストミンスター寺院の修復費に充てることを前提とした一種のオークション用に書かれたためです。マープル物の中でも人気の高い『予告殺人』の舞台チッピング・クレグホーンの村やそこの住人が再登場するのは、作品に付加価値をつけるためでしょう。

洋裁店の人形
1958年12月、Woman's Journal掲載された、クリスティ最後の幻想怪奇物短編。人形が引き起こす異常現象を描きますが、ガチガチのホラーではなく、心の片隅をちくりと刺す、ちょっとほろ苦いテイストの話になっています。
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No.9:
(4pt)

先に中短編集「死人の鏡」を読んだ方が得・・・?

ポアロ物11編 「戦勝記念舞踏会事件」、「潜水艦の設計図」、「クラブのキング」、
 「マーケット・ベイジングの怪事件」、「二重の手がかり」、「呪われた相続人」、
 「コーンウォールの毒殺事件」、「プリマス行き急行列車」、「料理人の失踪」、
 「二重の罪」、「スズメ蜂の巣」
ミス・マープル物1編 「教会で死んだ男」、 怪奇物1編 「洋裁店の人形」
いろいろなトリックを繰り出す短編集でマジックショー的に愉しめる。
もう少し長めにして物語として充実させてほしかったと思う作品もある。
でも、まずは、この短編集を読む前に、ポアロ中短編集「死人の鏡」を読むことをお勧めしたい。
この「教会で死んだ男」の或るポアロ2編と、「死人の鏡」所収の或る2編とは同じネタとなっている。
「教会で死んだ男」を先に読むと、「死人の鏡」は全4編なので、4編中2編がネタばれで損した感が
大きいが、「死人の鏡」を先に読んでから「教会で死んだ男」を読むとポアロ物11編中2編がネタばれ
なので損した感が少ない・・・(せこいかな?)
しかも、「死人の鏡」は中短編が3編(プラス短編1)なので、ボリュームのある作品をネタばれしつつ
読むのはちょっとつらい・・・
「教会で死んだ男」の中ではポアロ物「料理人の失踪」がシャーロック・ホームズのあの有名な作品
をヒントにしたような感じで、冒頭から伏線が詰まっていて、スピーディーな展開と意外な結末に少し
うなってしまった。
表題作のミス・マープル物「教会で死んだ男」は、男の最期の言葉を聞いた牧師夫人がマープルに
相談するストーリーで、牧師夫人の実際的でシャキシャキした人柄が好ましく、マープルの素早い
判断と行動力に感心する佳作である。
「洋裁店の人形は」不気味感はあるものの、怪奇物というより、人形に仮託しているが、ちょっと不幸
な人間はこう願っているんだろうなと思わせられる、女性作家らしい感性のファンタジーである。
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No.8:
(5pt)

キラリと光る短編集

アガサの「短編集」はどれも読むのが楽しい。ちょっと出かける時にも一冊持って行きたくなる。
この短編集の中で私の好きな作品は、『スズメバチの巣』だ。
ネタバレ注意なので書けないが、わずか20頁ほどの短編の中に人間の憎悪、殺意、悔悛が凝縮されているのとポアロの人間としての懐の深さを感じさせる点で秀逸な短編だと感じる。

もう一つ面白かったのは『洋裁店の人形』。こちらはポアロもマープルも出てこないし、殺人事件は起きないのだが、日本でも題材になりそうな(あるいはなってきたかもしれない)怪奇な内容で妙に心に残るものがある。(もう少し話を長くしてくれたら、、とも思うが、かえって短い方が心に残るのかもしれない。)
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No.7:
(4pt)

『教会で死んだ男』はマープルもの、11編はポワロもの、『洋裁店の人形』は怪奇もの

ミス・マープルが名付け親になったハーモンは牧師の妻になっている。
教会で瀕死の男は「サンクチュアリ」と言い残して死んだ。
彼の親族と名乗る夫婦が遺体を引き取りに来た。なんか怪しい夫婦だったので、
遺体の背広に縫い込んであった預かり証のことは話さずにマープルに相談する。
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No.6:
(4pt)

Yum

クリスティーの短編集。彼女は短編もうまいので、時間のないときやじっくりと読む環境にないときに良いです。
内容は、個人の好きずきもあるので批評を控えますが、短編ものの原作と、TV版とで内容を比べるのも面白いです。
例えば「コックを探せ」をTV版にしたDVDを見ると、この短編だけで一本のTV時間の内容に膨らませるのは大変だったと思うし、TV版の方が面白く作られていたように記憶しています。まあこれも個人の感覚ですが、現代のクリスティーの楽しみ方の一つだと思います。
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No.5:
(4pt)

イタリア喜劇を用いた話が、特に興味深かったです

「戦勝記念舞踏会事件」は、イタリア喜劇の趣向を用いており、
興味深かったです。
「呪われた相続人」は、二重の皮肉が効いた話であり、
また、緊迫した愛憎劇のような話もあり、今回の短篇集は、様々な傾向の話で、楽しめました。
でも「潜水艦の設計図」と「死人の鏡」収録の、「謎の盗難事件」
とは、かなり似ている設定の話で、あまり面白くなかったです。
クリスティーって、「白昼の悪魔」と「死人の鏡」収録の「砂にかかれた三角形」
もそうなんですが、時々同じような設定・パターンの作品が、出てきますね。
「洋裁店の人形」は、少し不思議な作品です。
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No.4:
(3pt)

煮え切らない作品が目立ちます。

やはり女史は短編より長編だな、
ということを再認識させられてしまう
短編集です。
多分そう感じてしまうのは
女史が余り短編向きの文章表現では
ないからなのかもしれません。

詳しく言えば、
最後のほうがどうも詰まったように
感じてしまうのです。
ページ数が普段より少ないせいなのか
どうも描写に限界があるような感じです。
なので読者側から見ればなんだか煮え切らなく
感じてしまうのです。

それと割とポアロものの作品は
ある程度作品を読んでいれば
短編集独自の指定パターンが
あることに気づくはずです。

あまり目立たない作品ばかりですが
非ミステリー作品は
非常に印象的なはずです。
今の季節に見たら
ある場所に行くのが怖くなってしまうかもしれませんよ…

いまいちでした。
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No.3:
(5pt)

ポアロものを中心にした短編集

ポアロものを中心にした短編集。
なぜ、ポアロもの以外を入れたのかの趣旨の説明がない。

短編ものでは、似た作品があったり、重複して収録していたり、
単行本、文庫にするのであれば、収集の方針を示して欲しい。

「クラブのキング」は、終わり方が解せない面もあった。
警察ではないとはいえ、犯罪に対する対応方法は、どうなっているのだろう。

ポアロの性格からすると、長編の方が合うような気がする。
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No.2:
(5pt)

短編にどんでん返しはあるか?

13篇の短編集であるが、それぞれの作品はごく短い。

しかし、多くのエッセンスが凝縮しており、じっくりと読む必要がある。

登場人物のたった一言、ちょっとしたキーワード、脇役的登場人物の存在など、

眼をアンテナの様にして、注意深く読み進まなければ、犯人に到達しにくい。

逆に、注意深く読めば、短編故に、犯人を推理出来ない事もない。

私は、赤鉛筆を用いて、ポイントをチェックしながら読み進んだ。

すると、著者の長編に比べて、内容を整理しやすかった。

本書では「呪われた相続人」は、祟られていて、一族が次々と死ぬ。

こういう小説では、祟られている=殺人鬼の存在を意味している、と言える。

この作品は、特に「呪われている」事がミステリアスで、面白かった。

著者の長編作品では、読者に○○が犯人?と思わせておいて、

実は、思わぬ真犯人が現れるというパターンが多い。

つまり、強烈などんでん返しだ。

はたして、短編作品にどんでん返しは仕組まれているのか?

そんな事を思いながら読むのも、楽しみの一つだ。
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No.1:
(5pt)

短編もいいです!

短編がぎっしり詰まった一冊です。「クリスティーは一気に読みたいけど時間が無い・・」という人には短編集がお勧めです。短編でも手の抜かれていないおもしろさなので、空いた時間に1話ずつ読んでも満足感があります。クリスティーは話の面白さはもちろんですが、人物の描写が巧みなので勉強になります。『洋裁店の人形』はいつもと違った趣で印象に残りました。
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