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(短編集)

パラダイス・ロスト



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【この小説が収録されている参考書籍】
パラダイス・ロスト
パラダイス・ロスト (角川文庫)

パラダイス・ロストの評価: 4.33/5点 レビュー 54件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.33pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全46件 21~40 2/3ページ
No.26:
(5pt)

おもしろいです

ジョーカーゲームから読んできていますがやっぱり小説のリアルな世界に引き込まれます。 今回の作品では中篇が加わりよりボリュームがアップしたと思いました。 このシリーズが好きな人は読んでおいて損は無いと思いました。
パラダイス・ロスト (角川文庫)Amazon書評・レビュー:パラダイス・ロスト (角川文庫)より
4041008263
No.25:
(5pt)

面白い

なるべくネタバレしないように書きますが、D機関のスパイにも徐々に人間らしさが出てきているなーというのがこの本の感想です。 一作目のような完全無欠のスパイでは無くなってきています。 ですが相変わらず面白いです。 あとちょくちょく結城中佐が現地に来てるのにびっくりしました笑 日本ででーんと椅子に座ってるだけかと思ったんですが、意外に活躍されてる様です。 本作は結城中佐の過去も描いてあるので興味がある人は是非!
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4041008263
No.24:
(5pt)

シリーズ第3弾。

シリーズ第3弾。極めて冷めた淡々とした文章で綴られる大日本帝国陸軍のスパイたちの活躍。本作も短編集で、『誤算』、『失楽園』、『追跡』、『暗号名ケルベロス 前編』、『暗号名ケルベロス 後編』の5編を収録。

一番の読みどころは、スパイ養成組織『D機関』を統括する結城中佐の生い立ちに迫った『追跡』だろう。まるで『ゴルゴ13』のデューク東郷の生い立ちを描いた作品のようだ。
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4041008263
No.23:
(5pt)

良く考え込まれています。

作品をゴールから書いて行っているのではないかと思うほど、読み終える度に「そこが伏線だったのか!」と思わされます。
とても頭を使える内容で、おもしろいです。私にとっては、真剣に頭を使いたいときの小説です。
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4041008263
No.22:
(5pt)

日常に潜む切れ者の魅力

D機関のスパイたちの浮世離れした優秀さが一層際立っており、また今回は気になる結城中佐の過去についても…な三巻です。

本シリーズは、人並みはずれた力を涼しげな笑みで遺憾なくはっきする彼らのかっこよさが見所だと思うのですが、今回も期待通り「やってくれ」ます。どんなに困難な任務でも、このくらいできて当然という顔をする彼らが憎らしくも愛しい!!また、前作で現れ始めた、精鋭たちの人間味は、今回も物語に生かされています。彼らのスマートな立ち振る舞いに惹きつけらた1人ですが、垣間見える人間味が、新しい魅力を与えてくれていると思います。

掲載内容は短編5本、うち2本は前後の続きものですが、どのお話もとても読み応えがありました。また、前回は驚き、呆然としてしまうような展開が多かったのに対し、今回は最後には彼らの活躍に思わずにやりとしてしまう作品ばかりだったように感じました。

3巻目ということもあり、続きを楽しみにして読む方が多いと思いますが、もちろんこの本からスタートしても、十分に楽しめると思います。より洗練された彼らの活躍をたくさんの人に読んでいただきたいです!
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4041008263
No.21:
(4pt)

物語性及びミステリ的趣向が増した読み応え充分の秀作

「ジョーカー・ゲーム」シリーズの第三作。「誤算」、「失楽園」、「追跡」及び「暗号名ケルベロス(前篇,後篇)」の5つの短編から構成される読み応え充分の秀作。「日英同盟」崩壊寸前に時代を設定し、そのためか、各編の舞台もパリ、シンガポール、ハワイ沖と国際色豊かである。

全編に漲る緊迫感と読者の視座を一瞬の内に反転させるロジックの冴えは従来通りで、満足感を覚えたが、併せて中編となる「暗号名ケルベロス」を代表として物語性が増した印象を受けた。また、元々、ミステリ的趣向が織り込まれているシリーズだが、その点でも深みを増した感がある。「結城中佐の正体が分かるかも?」と思わせる短編もあり、作者の遊び心も伝わって来た。

私は作者の歴史上の有名人を主人公としたシリーズも愛読しているのだが、そうした作品を読む際、作者の事前調査が行き届いている点に何時も感心していた。今回も特に<エニグマ>に関する記述に、誤謬がない上に説明が(量的に)適格な点には本当に感心した(私は暗号関係の業務経験あり)。更に、<エニグマ>の特質が作品の本質に関わっている辺り脱帽である。「ジョーカー・ゲーム」シリーズのファンだけではなく、幅広い読者の方にお薦めしたい秀作だと思った。
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4041008263
No.20:
(5pt)

期待通り

ジョーカーからのスパイ3作目ですが、期待通りおもしろかったです。
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4041008263
No.19:
(4pt)

追う者と追われる者

2012年に出た単行本の文庫化。
 「D機関」シリーズの第3弾。3本の短編と1本の中編が収められている。
 第二次大戦を背景に、スパイたちが本格的な活躍を始めることになる。イギリスの暗号解読者と戦ったり、フランスのレジスタンスに潜り込んだり、シンガポールで障害を排除するために活躍したり。
 ストーリー展開そのものにはいろいろと疑問を感じるが、スパイたちのすごさは十全に伝わってくる。
 スパイたちの人間味が描かれているのが、これまでのシリーズ作品との差か?
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4041008263
No.18:
(5pt)

超能力者?!

とても人とは思えないけど、文句なしにおもしろいです。楽しめて考えて・・・ひっかっかたりしないぞと思いつつ・・・まず読んでから!できればシリーズ読むともっといい。
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4041008263
No.17:
(4pt)

スパイに示されるもう一つの道

大戦中、日本帝国軍内に秘密裏に存在したスパイ養成機関通称D機関。
そこに所属するスパイ達を軸として、あるいは狂言回しに据えて語られる連作集第三弾。
今巻のテーマは「選択」と「岐路」と「決断」。
時間が進み第二次世界大戦の狼煙火が大きくなったせいか、今巻登場するスパイ達には、既刊とは一味違う印象を抱いた。
顕著なのは「追跡」と「暗号名ケルベロス」。
基本的に自らの頭脳のみを恃みとする自負心の塊であるD機関スパイの価値観はブレず、「誤算」のようにその先見の明で祖国の敗戦を見通しながらも任務に従事し続けるのだが、「追跡」と「ケルベロス」のラストでは、スパイのもう一つの人生が示唆されている。いわばスパイを降りたスパイの人生……スパイの余生だ。
あるものは己の負けと衰えを自覚し、あるものは己が引き受けた責任を果たす為、スパイとしての人生に見切りをつけるのだが、彼等が新しい人生に示す決意表明が潔く爽やか。
特に「ケルベロス」は結末だけ見ればバッドエンドなのに登場人物が覚悟を貫き通す読後感が清々しく、ハッピーエンドに見えてくるのが不思議。
「標的の目に世界がどう見えているのか、常に意識するのは当然」
これは作中の内海の言葉だが、ならば表題作のラストにおける奇妙な爽快感は、読者が内海と視点を共有しあたかも彼の目を通しカモメ舞う船上の青空を見ているからか。
そして事実、これから坂道を転がり落ちるかのように戦争の泥沼に沈んでいく日本軍の歴史を知る者にとっては、リタイアしたものこそ正しかったのではないか、幸せな余生を選び取ったのではないかという感慨も滲む。
内海が言う責任とはノブレス・オブリージュの亜種、貴きものが負いし義務改め優れたものが負いし義務。謎を解く行為に取り憑かれた人間の業深さ、義務を蔑ろにし戦果のみを求めた人間の滑稽さが招いた皮肉な結末が心に残った。
また、概ね高評価の中で低評価をつけている人の理由も理解はできる。
「人である前にスパイであれ」なD機関に非人間的完璧さを求めて読んだら、今巻では「スパイである前に人である」また「スパイから人に戻った」諜報員の在り方や人間味がフィーチャされ、物足りなさを感じたという所か。
しかし徹底した個人能力主義であるD機関において、結城中佐は各自の選択を否定せず、個々の判断を尊重するに違いない。それが原因で有能な人材を失う事になっても、だ。
スパイの賞味期限は自らの能力の限界を悟った時、守るべきものを託されてその責任を引き継いだ時。
最新刊では戦況とスパイの変化を感じ取ったが、結城中佐の一切ブレない圧倒的な存在感は健在。
「追跡」では英国のスパイが結城中佐の生い立ちに迫るのだが、その素顔は暴けなくても、老人の口から語られる結城中佐の輪郭がより濃くなるような終盤のエピソードが心憎い。
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4041008263
No.16:
(5pt)

面白い!

文庫になったので即買った。相変わらず面白い。とりわけ「追跡」。結城中佐の生い立ちがこれで明らかにされるのかと期待したが、まだ謎のままなので、どこかの続編で書かれるのだろう。今から楽しみである。
「暗号名ケルベロス」の前篇の終わりではD機関の内海が殺したに違いないと思ったが、全く違っていた。お薦め。
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4041008263
No.15:
(4pt)

噛めば噛むほど…

第二次世界大戦について書かれた小説には、往々にして旧日本軍を美化するか、さもなくばステロタイプの悪玉論に終始するような作品が多く、なかなか手を出しづらい。しかし、結城中佐とD機関を主人公にしたこのシリーズは、純粋にスリリングな頭脳ゲームを楽しめる、良質なエンターテイメントである。この微妙な時代を描く場合、筆力の乏しい作者は政治的善悪論に逃げ込む傾向があるが、柳広司の作品にはそれがない。これは、著者が並々ならぬ筆力を持っていることの証明だろう。

本作は、シリーズ第三弾で中編小説という新しい試みもなされている。これも悪くはなかったが、私が最も楽しく読めたのは「追跡」と「失楽園」である。「追跡」は結城中佐の過去という、読者もぜひ知りたい話題を英国人新聞記者の目線を借りて取り上げている。しかし、結局は真相は闇の中で、そう簡単に正体を現わしてはくれない。話が二転三転し、いい意味で作者に振り回された一篇だった。

「失楽園」では、他の短篇とは異なり主人公であるスパイが表に出てこない。だから、超人的なスパイの活躍は見当たらないのだが、その分諜報活動の奥の深さ、おもしろさが際立っている。地味だが噛めば噛むほど味の出る作品だと言っていい。中編の「暗号名ケルベロス」ではなく、あえてその「失楽園」を表題作に選ぶ柳広司は、日本のミステリー作家として非常に希有な、一筋縄ではいかない作家だと思わずにいられない。

☆をあえて4つにしたのは、中篇の「暗号名ケルベロス」が他の作品と比べてやや大味な印象が強かったからである。とはいえ、中篇はこのシリーズでは初めての試みであるし、ややもするとマンネリ化しやすいシリーズものの鮮度を保つためにも、今後もいろいろな試みを続けて欲しい。本シリーズのファンとして、新作の発売を心待ちにしている。
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4041008263
No.14:
(5pt)

前作とは趣向の違うD機関

ジョーカー・ゲームからこのシリーズが大好きです。
「スパイ活動は戦争が始まれば成り立たない」という前提がありながら
前作の最終章で本格的な開戦を告げていたので、続編と聞いた時は「彼らはいったいどうやって活動するのか」と
思っていましたがどうやら時はまた太平洋戦争前に遡るようです。
今回も各話とも、ラストにどんな種明かしがあるのだろうと始めから終わりまでページを捲る速度をいっさい落とせない。

おなじみ主役は結城中佐率いるスパイ組織D機関の人間たちですが
前作までの「D機関の人間のイメージ」と比べれば今作は少々差違があるかもしれません。
他の方も仰るとおり、なんというか、あの完全無欠っぷりは少々失われつつあるかも。
能力とかそういうものでなく、人間的な意味で。

しかし却ってそれは新しい魅力にも感じられました。
中編の「暗号名ケルベロス」の主人公が最後にとった行動は個人的にとても好感がもてました。
どんなに完璧でも、今まで機関で習ったこととはまったく相容れない行動をしてしまうあたり
彼らは機械ではなく、やはり人間であるのだと感じました。
情や愛があるなどそういう良いものではなく、ただ単純にそれは人がもつ欠点であり美点であると
解釈しました。
ネタバレになるので省筆しますが、ある女性から託されたたったひとつの言葉で
彼自身まったく予想だにしていなかったであろう人生に方向転換するシーンは見事。その後の潔さには惚れ惚れしました。
珍しくとても後味の良い終わり方。これはこれで最高。
もう続編は出ないのかもしれませんが、次回があればまた新しいD機関の生き様を読みたいです。
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4041008263
No.13:
(4pt)

期待通り

文庫化が待ちきれず買ってしまいました。
ストーリーは相変わらずご都合主義感があるが、裏を返せば安心して読めるということか。
なんだかんだこのシリーズの新作が出たらまたすぐに買ってしまうのだろう。


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4041008263
No.12:
(4pt)

ポアロ最後の事件を彷彿とさせる、クールなスパイ小説。

1940年。
 すでにドイツに占領されていたパリに、そしてシンガポールに、密かに
うごめく日本の特務機関のエージェント。
 潜在意識に、気づかれないように刷り込みを行い、自分の思うままに
ひとを操る。

 敵の意図をすばやく察知し、未然に無力化する頭脳を持った男は、
その時々で名を変え、存在感のない自然な立ち居振る舞いで背景に
溶け込むのだ。
 そんな特務機関の長、結城中佐とはいかなる人物か?
 在日タイムズ記者が、必死に探る。

 そして日本参戦前夜、アメリカからの太平洋航路の船上で、暗号解読機
エニグマをめぐる事件が発生する。
 007の対応力、ホームズの観察力を兼ね備えた男の活躍が見もの。
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4041008263
No.11:
(4pt)

結城中佐の過去

シリーズ三作目で、今回も様々な状況下でのスパイ活動が描かれます。

 中で一番面白く読んだのは「追跡」でした。あの結城中佐の少年時代が明らかに?ということで、もしかしたらシリーズのターニングポイントになるのではないかと、わくわくしました。
 証言者の口から語られた少年の姿は、まさに神童そのもの。ちょっと天才すぎる感じもしますが、でもあの結城中佐ならそうかもしれない、と納得しながら読みました。

 ということで「追跡」はかなり楽しめたのですが、そうなると欲が出てきます。ファンとしては、渋い結城中佐にもっと登場してほしい気がします。続編に期待しています。
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4041008263
No.10:
(5pt)

非常に続篇の難しい第3弾だったのだが、毛色の変わった作品を織り交ぜて、相変わらずレベ

前作の「ダブル・ジョーカー」の最終話で、筆者は、時代をついに太平洋戦争開戦時まで進めてしまったというだけでなく、失敗を知らない集団のはずのD機関が取り返しのつかない失敗をしてしまうという、非常に続篇の難しい物語を書いてしまっていた。日本がやがて敗戦に向かうこととなる太平洋戦争を舞台に、しかも、一旦、失敗を知らない集団というレッテルが剥がれてしまったD機関の超人的な活躍を今更描かれても、読者はしらけてしまうだけであり、筆者がどのようにこの難題を解決しているのか、興味津々でこの第3弾を読ませてもらったのだが、筆者は、全4話とも、時代を再び太平洋戦争開戦前に戻してきた。やはり、ファンの要望に応えて無理矢理?続篇を書くためには、こうするしかなかったのだろう。 

さて、そんな経緯の中で書かれた本書では、前半の「誤算」と「失楽園」は、従来路線をそのまま踏襲した作品となっているのだが(もちろん、ひねりが効いていて、レベルは高い)、後半の「追跡」と「暗号名ケルベロス」は、マンネリ化を避けるためか、ネタ切れ模様なのかはわからないが、かなり毛色の変わった作品となっている。 

「追跡」は、敵国スパイが結城中佐の生い立ち・素性を探るという物語だ。率直に言って、国対国の争いの中で、一個人の生い立ち・素性を明らかにすることに意味があるとは思えないのだが、そうした理屈はさておいて、物語自体は抜群に面白い。特異なキャラクターの持ち主である結城中佐の生い立ちが語られているとしたら、読者としても非常に関心をそそられるところであり、まずは、筆者のひねりの効いた仕掛けを存分に味わっていただきたいと思う。

「暗号名ケルベロス」は、前後篇に分かれたシリーズ初の中篇という構成の目新しさだけでなく、D機関が探偵役となったミステリ小説仕立ての物語になっているのが特徴だ。ミステリ小説仕立ての作品としては、第1弾「ジョーカー・ゲーム」に収録されていた「XX(ダブル・クロス)」が思い起こされるのだが、ミステリとしての完成度の高さという点では、この「暗号名ケルベロス」の比ではない。冒頭で描かれている惨劇を常に意識させつつ、後篇の最後の最後まで読者を引っ張っていく筆者の技も、実に上手い。エンディングでは、感情に左右されない精密機械から1人の人間に戻ったD機関の姿も描かれている。この含みのあるエンディングを読み取る限り、本書をもって、このシリーズもいよいよ本当に完結ということになるのだろうか。
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4041008263
No.9:
(4pt)

ジョーカーゲーム・シリーズの殺人ミステリー編

結城中佐率いるD機関と第二次世界大戦というフォーマットで、魅力的なトリック・ストーリーを展開する人気シリーズ。
ま、このシリーズだけにある程度の面白さは間違いないです。

 ただ、やはり新鮮な驚きを感じることは少ない。
D機関メンバーの謎めいた完璧さが薄れ、人間臭さが出てきた。
それはそれで魅力を感じるが、D機関の不気味さ・底しれなさは薄らいだ。

 前後編仕立ての「暗号名ケルベロス」は、殺人ミステリーをD機関フォーマットで試した感じ。
えっ鯨?なんだそれ?と思ったけど意味があったんですねー。
私は結構好きですよ。
パラダイス・ロスト (角川文庫)Amazon書評・レビュー:パラダイス・ロスト (角川文庫)より
4041008263
No.8:
(4pt)

相変わらずのカッコ良さではあるが

本作も、スパイたちの活躍は相変わらずカッコよく面白い。

ただ、シリーズを重ねてきたからか、
諜報活動を行うスパイの物語というよりは、
スパイという設定で、どんなミステリーが書けるのか
となってしまった印象がありました。
パラダイス・ロスト (角川文庫)Amazon書評・レビュー:パラダイス・ロスト (角川文庫)より
4041008263
No.7:
(5pt)

この緊張感はハンパない

スパイ養成学校“D機関”シリーズ第3作。
ドイツがフランスを占領し、イギリスと開戦した第2次世界大戦勃発直後、
日米開戦直前の日米英仏独各国の思惑が錯綜し、スパイが暗躍する中、
日本のD機関員が頭脳を尽くして、意表を突く活躍をする。

緊張感が持続して、読み応えがあり、読後はさわやかである。
パラダイス・ロスト (角川文庫)Amazon書評・レビュー:パラダイス・ロスト (角川文庫)より
4041008263

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