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民宿雪国
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民宿雪国の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.60pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全23件 1~20 1/2ページ
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初っ端から、読む者の想像を見事に裏切り、唖然とする展開に尻もちをつきそうになりながら、「吉良が来た後」「ハート・オブ・ダークネス」を続けさまに読むだけで、殺し、LGBTQ等々、この作者はタブーなくめちゃくちゃじゃないかと思わせる超ド級の作品です。 そして三、四に至って、このハチャメチャな物語の整合性、辻褄合わせが始まり、さすがに作者もちゃんとまとめようとしているのだと、作者を見直しかけたところで、また見事に「おいおい」と裏切られて、いったい最後はどうなるの?と思いながら一気に読み終えました。 それほど長い長編ではないのに、この作品の倍ほどの量のある作品を読んだときのようにどっと疲れました。 それだけパワーがある作品です。 「良い、悪い」という感想すら拒絶するような圧倒t歴なパワーがあります。 いったいこの作者は何を考えているのだと、作品よりもそっちが気になりますが、その点については、文庫巻末の作者と梁 石日さんの対談を読むことで、実はこの作者は思うがままに作品を書くタイプではなく、実は緻密に緻密に考えて計算し尽くした上に書いていることがよくわかります。 それにしても、この作者は只者ではありません。 知人にこの作品を薦められ、初めてこの作者の作品を読みましたが、「薦めてくれてありがとう」という感謝を捧げます。 | ||||
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退屈せずに読めた点はよかったです。第1章は独立した短編としても読め、同じようなパターンの連作集かと思いきや、実在の人物を絡めて主人公の多面性を見せ、怒涛の最終章に突入していく、かなり凝った構成です。 しかし、ラストは97歳の老人の行動としてありえない。語り自体も意識混濁を言い訳に、事実かどうか曖昧模糊となっていくし、消化不良気味です。 読後感も決していいとは言えないし、読んでしまえばリアリティの欠如に唖然とする内容でした。 | ||||
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予測がつかない展開の早さで一気に読み進めることができました!しばらく悪夢で眠りが浅くなりましたが。 | ||||
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擦り傷やへたり・汚れ等もなく綺麗な状態で届いたので大満足です。 | ||||
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氏の3冊目の作品。「最初からクライマックス?!」とも言える衝撃のエピソードから、 最後まで一気読みしてしまいました。前半は、80年代、ワイドショーをにぎわせたネタが登場し、子供ながらに、 生々しくもザワザワした気持ちでテレビを見ていた、あの頃の感覚がよみがえりました。 中盤に出る対談や批評のパロディは、氏の得意とするところでしょうか、小気味よいです。 そして後半の真相へと突き進んでいく展開にページが止まらず、氏の力量を感じずにはいられませんでした。 常にたたみかけてくる強烈な描写にお腹いっぱいになります。その部分がどうしても印象深くなるかもしれませんが、 「死」の無常感・・・(うまい言葉が浮かびませんが)の対比に、この本の ただならぬ感があるのかなと思います。 | ||||
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樋口さんの作品のなかではちょっとトピックが薄い感じ。 面白いし、オススメするが、疾走感とかはない。 | ||||
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この作家の本では、「さらば雑司ケ谷」を読了しているが、内容が特異すぎて一作だけでは評価のしようがなかった。しかし、「民宿雪国」が文庫になったら即座に買おうと思った。 新潟県T町に丹生雄武郎は「民宿雪国」を開くが、この新潟県に纏わる事件・事象が傍流として描写され、それに関わった人物も現われては消える。構成がやや荒削りで、四、の丹生雄武郎正伝を冒頭から書き出して、サブ・エピソードをそこから逐次挿入していけば、正攻法で良かったのではないか。 何故なら、魅力的な人物が簡単に冒頭から殺されるので、なんじゃこりゃあと思ってしまうのだ。とはいえ、「さらば雑司ケ谷」を読んでいたので、この展開は樋口毅宏のカラーだと割り切れるのだが・・・。相変わらず次々と予想不能の物語が続き、バシッと頬を殴られる気分と言うか、そのような樋口毅宏を満喫出来る。 但し、書きたい事がいっぱいあるのだが、それが巧く消化されていないので、読み手の方も消化不良を起こしてくる。正直、贔屓をしたい思っているのに、以前の稀勢の里のように、あーあと首を振ってしまう。 | ||||
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丹生雄武郎の誕生日が2月10日なんですが、ボクも同じなのでまるで他人だとは思えずになんだか自分との共通項を頷きながらでした。 なんだか雄武郎の絵が見る様な感じでした。色々驚かされる展開に、後半麻痺しちゃいますよね。もうスゴイ事なのに、さも当然のように。 しかしとんでもない事なのに。あとがきがまで読むととてもヘビーパンチをくらった様な感覚で考えさせられもしますね。スバラシイ。 | ||||
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まったく今まで読んだことのないタイプの本で 衝撃を受けた。 なにか後書きも含めて壮大なホラ話を聴かされているような そんな感じがした。 すべてが冗談のような。 とにかく読んでもらうしかない。 としか言いようがありません。 | ||||
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「信用出来ない語り手」が騙る小説が大好きだ。人間が言葉を使う以上、嘘は言葉とセットだという事を認識させてくれるから。人生という、全ての人間にとって過酷な代物を乗り切る為には絶対必要なものだと納得させてくれるから。単純な善悪ニ元論のバカバカしさを嘲笑ってやれるから。でも近代小説に私小説の伝統がある我が国にはなかなか良い作品のないジャンルでもある(ミステリーは別として)。という訳でかなりの数の「信用出来ない語り手」小説を読んできたけれど、この小説の面白さと、後を引く感じはトップレベルだと思う。まず序章で丹生が、とんでもない大嘘つきだといきなり明かしてくれるが、そこで先が読めるのではなく、何故丹生はこんな嘘をつくのか?という興味で引っ張っていく。丹生の嘘は日本という国が嘘でぬりかためて隠している「臭いもの」を白日の元に引きずりだすという逆説!そして、最後の最期まで嘘をつき通す丹生は哀れであると同時に天晴れでもあり、私には後味の悪い小説、とは思えなかった。本気で嘘=虚飾を信じる大衆を翻弄すると同時に、自らも生涯唯一の恋を美化しないでは生きられなかった偉大な詐欺師・・・嘘を一度もついた事のない人間以外に彼を弾劾できる者はいない筈だ。 | ||||
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1月末に、東京から大阪に向かう新幹線の中で読みました。 第1章を読んでいる時の「脳内映像」は凄まじく、その描写力に圧倒されました。 名古屋を過ぎた時興奮を冷まそうと、ふと外を見ると、一面うっすらと雪景色。 夢か現か、心地良いトリップ…その時の思いをどう言葉にしたら良いかわかりません。 呼吸を整え、はやる気持ちを抑え、また読み出しました。 普段人には隠してる冷たい私の姿や、言いたくても言えない言葉を、 見つけてしまったと感じ、台詞に親近感を持つことがありますが、この本もそうでした。 「写真がその人物や風景の真の姿を写しているとは、必ずしも言えないということです。 一見綺麗な風景も、ほんの少し影が差しただけで、がらりと印象が変わって見えます。 どんなにずる賢い人も、高価な服を着ると立派に見えます。」 「闘わなければ生は輝きを放たない。私は闘ったことがあっただろうか。」 こんなスリリングな台詞もいっぱい出てきます。 もしあなたが年を取ったことを嘆き、孤独で、色んなことをあきらめてラクになりたい。 「もう人を信じられない」と思っているなら、読んでほしい。 「民宿雪国」というタイトルの意味を知った時、その美しさに動揺してしまうと思います。 私は、樋口先生の本は初めて読みましたが、ファンになりました。 未読の作品も追いかけようと思います。 | ||||
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今日読み終えた。 はっきり言って最悪の後味だった(悪口という意味ではなく→そのため評価を4点にしてある)。 グロに次ぐグロ。男色やら性転換やら在日やら陵辱・殺人(しかも怒涛のごとく連射)・裏切りが無数に出現。 これはさすがに映画化は不可能だろう。 もちろん連続するこれらすべてのグロには作者の執拗な意図があるのだが、描写・設定が狙いすぎと言われかねない 領域に入っているので読者の好みで評価は大きく分かれるのも納得がいく。 単に唾棄すべき描写を書いてるだけじゃねえかと言いたくなる人の気持ちもよくわかる。 ただし最後まで作者の根性を貫き通したことで私の中での評価は高くなった。 実際にこう言う描写を目の当たりにしてみると、人間の本性とは予定調和や中途半端な妥協で終わることはなく、 人生の最後の瞬間まで一貫してこうなるものだろうと思わせられる。 それがこの作品の持った力が一番発揮された箇所なのだろう。 今夜は確実に夢に出る気がする。 これ以上はちょっと言葉が見つからない。 身構えていなかった自分には良くも悪くも刺激が強すぎたので「今年最強の問題作」に遭遇した感じ。 やはり自分にはこういう作風は向かなかった気がする。 当分こういうおぞましいのはもういいや…再読する気力も失せた俺(滝汗…) | ||||
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内容紹介文に、 ある国民的画家の数奇な生涯を描いたエンターテインメント。 期待した展開が何度も何度も裏切られ、物語のラストはとんでもないところに着地する。 昭和史の裏面に挑む怒涛の長編書下ろし。 とある。 たしかに中盤までは良い意味で裏切られる展開なうえ、 実在する人物まで登場させ、主人公と絡ませることで、どんどん物語に引き込んでくる。 ※実在人物は容易にわかります。 だが後半はどうでしょう。 激しかった展開は影をひそめ、最後は落ち着くところに落ち着いたと感じました。 戦争の悲劇とか差別問題とかの多岐にわたる問題が物語の奥に潜んでいますが、 それらがうまく乗り切らなかったと思います。 ただ、中盤まではホントに面白かったので★4つでお願いします。 | ||||
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もう少し先に行けば面白くなるのだろうと思い、読み進めていったが、いつまでも続く貧相な描写と突拍子もないストーリー展開にしらけきってしまい、坂本龍一の対談がでてくるあたりでゴミ箱へ。樋口さんは読者のお金と時間を屁とも思っていないようです。その度胸に☆5つ。 | ||||
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ポール・ハギス監督の映画「クラッシュ」を見た時の感想に近い読後感。花村満月や隆慶一郎が初めて我々の目の前に現れたときのような衝撃。もちろん感動に打ち震えています。読み終えたあとタイトルの「雪」の文字が紅いタイポグラフィーであることに気付き、さらに想うことしばし。 | ||||
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中高生を子供に持つ親は今すぐこの本を買い、読ませるべきだ。 20歳を超えてからでは遅すぎる。 自分の全てが、善悪が、心が、凝り固まった大人たちを揺さぶるのは思った以上に難しい。 彼らは自分が変わるのが怖い。自分の価値観を壊すよう様な「未知なるもの」を受け入れようとしない。 この本を「傑作だ。」と叫ぶ一部の良識ある大人だけのものとしても意味がない。 「自分とは何か。生死とは何か。善悪とは何か。」 全力で答えのない問いにぶつかる青少年にこそこの本を読んでほしい。 彼らにとってこの本は間違いなく〈文学〉となりえるから。 まぁ、いっそのこと今年の青少年読書感想文全国コンクールの課題図書にしてくれませんか。 ねぇ、文部科学省さん。 | ||||
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書店店頭でふと手に取り、本好きの間で話題になってたなと思い出して購入しました。 単なる猟奇殺人がからむサスペンス物だと勝手に思い込んでましたが、全くそんな予想を覆す、小説という枠をこえた作品でした。 1章目で既に常識をくつがえされながらも、そこである程度完成してるので、次はどうなるんだろう?と思って読み進める事になります。 すると、主人公の生い立ちになり、ここでトーンが落ちるのかと思いきや、全くそれは許されずに一気にラストまで読まされる・・・。 全くすごい作家が出てきた物です。荒削りではなく、計算されて荒く書かれ、一気に読者を奈落の底に落とす。そんな小説です。 | ||||
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もしこの作品が11月以前に発売されていたら、悪の教典がミステリー1位になれたのか。 もし永遠の0を読んで感動した人が、この作品を読んだらどんな感想を持つか。 荒削りのようで計算されていて、ストーリー展開や登場人物が唐突だが違和感がなく、 読み終わると、不思議な感動を残す。 この作家『とんでもない奴』 | ||||
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ネットで話題になっていたので、著者の作品を初めて手に取った者です。 中身の前知識は殆どなく読み始めたのですが、一章目を読み終えたくらいで、これは「地獄のモーテル」よりもヤバイ。日本でもこんなのを書く人が出て来たんだと、ジム・トンプスンの「ポップ1280」を読んだときのような興奮を覚えました。 二章目もそれは続いたのですが、途中から登場人物の背景描写に話しが移っていくと「あれ、そっちにいっちゃうの?」と正直、戸惑いました。しかし、並みの作家なら鼻白んでしまうような事実と物語の相関を、著者は圧倒的な知識と取材力で全て必然として受け止めさせてくれます。そしてラスト、膨大な伏線回収のカタルシスまで休むことなく物語は突き進んで行きました。 読み終わった時には、こんな凄い本を書いたのは誰なんだ? 他の本も読んでみてぇ! と思うことは請け合いです。 ただ難点をあげると、主役の丹生雄武朗がそれほど魅力的に思えなかったことです。ページ数が足りないせいか、人格も微妙に一定していなかったような気もします。地獄のモーテルのようにシニカルでもなく、帯を書いた梁石日さんの「血と骨」の主人公のように国籍も宗教も過去も家族も関係ねぇ、という潔さもない。丹生が成功を納めたとき、格闘家の道場破りを受けて病院送りにされてしまった合気道師範のおっさんのようなおっちょこちょいさがあれば、もうちょっと魅力的に見えたような……まあ、そんなことは蛇足ですが。 それから、やっぱり一章目のテイストでラストまで行ったものが読んでみたいな、とも。著者の王道ホラーが是非読んでみたい。あの流れで最後まで行ってくれたら、けっしてキングにも負けないだろうと、初めて日本の小説で思わせてくれた作品でした。 最後にもう一つ。著者の作品はタイトルが売れそうにないです。 手に取りさえすれば絶対に後悔させないと思うので、今からでも「ukiguni」とかにしてみたらどうでしょう。値段も一緒ですし。 | ||||
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年末に北陸へ向かう『しらさぎ』の車中で、 この本を手にとった。 北へ向かう特急列車ですら、 小説の極北へと向かう、 この物語のスピードに追いつかない。 『民宿雪国』の血塗られた凄惨な逸話が、 車窓に広がる白銀の雪景色の静寂(しじま)に溶けこむ。 絵画をモチーフにしながら、 小説家の筆捌きに脳内に絢爛たる名画が生まれゆく。 樋口 毅宏の書く物語が 過酷すぎる人生を反映し、 劇的なピカレスクであればあるほど、 より鮮やかに読者の「人生の平穏」を際立たせ、 そして「読書の悦楽」を煽る。 「人生は短い、一日は長い」――。 故に人は本を読むのだ。 ベストセラーは瞬く間に「映画化決定」と銘打つが、 しかし、あえてこの本に一言を添えるなら 「映画化不可能」――。 樋口作品の全てに、この称号こそ相応しいのかもしれない。 著者は無類のシネマディクトではあるが、 映画を発想、引用のベースにしながら、 映画を超えていく絶対小説世界を屹立している。 | ||||
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