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民宿雪国
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民宿雪国の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.60pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全45件 1~20 1/3ページ
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97歳で没した国民的画家の生涯を描いた作品。 冒頭、民宿を訪れた客が発端となり、死屍累々、血生臭い暴力沙汰が発生する。この民宿とその主人の謎が紐解かれていく…ことを期待していたら、二転三転し、ストレートに話が進まない。民宿の主人が国民的画家であることが徐々に判明し、ここにまた胡散臭い登場人物が絡んでくる。 途中、トランスジェンダー男子の修羅場があったり、画家の秘密を探り当てた男の無残な末路があったりと、読者を迷子にさせるものの飽きさせない。 本作品が問題作といわれる所以は、主人公の若き日の経歴によるのだが、なるほど、読み方によってはタブーにずかっと踏み込んでいるようにもとれる。 クライマックスから、てんでバラバラなエピソードがぐっと一つにまとまるのは、ずっと道に迷っていた分、スッキリ感が半端ない。考え抜かれた構成だとすると、これは、傑作なのかも…。ただし、グロ描写にはげんなするし、読後感はすこぶる悪い。 | ||||
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樋口氏の作品を読むのはこれで二作目。 前に読んだ『日本のセックス』はエログロ全開系作品でした。今回もエログロは踏襲しつつ、ややサスペンス味と歴史のエッセンスを加えた作品だと思います。 ・・・ 新潟の雪深いボロ民宿、その名も雪国。 ここへ足を踏み入れる吉良という青年の視点から物語は始まります(第一章『吉良が来た後』)。 個人的印象としてはこの章が一番ひっくり返りました。展開に驚いた。吉良という青年が何者か、宿屋のオヤジが何者か、そこで起こったことは何か。オヤジの裏の顔とのギャップがやばい。 冒頭ということもありますが、「静」から「動」への転変が実に劇的であり、ツイストが効いていたと思います。 ・・・ 次章『ハート・オブ・ダークネス』では、世に疲れたとある記者が、敢えて人里離れたこの民宿に泊まるという話。彼自身のエログロ系色恋や生い立ちにあわせて、この民宿での出来事などが綴られます。ここでは民宿のオヤジは一種善人として扱われ、むしろこの記者の方がおのれの悪辣さを吐露している印象。こちらも章末にツイストあり。 次の章以降も引き続き、第三者がこの民宿のオヤジを語り、徐々にこのオヤジが何者でどういう人間であるか、何をしてきたのかが明らかになるという仕組みであります。最後にオヤジの問わず語り的自己紹介・振り返りがあり、読者も全体的な理解が得られることになります。 ・・・ この作品は、当然のことですが、フィクションです。 まあ、読んでいて突飛な殺人事件が連発するので分かりますが。でも、その一方でバブル前後の80年代90年代の描写が生々しく(丹生雄武郎の絵画がポパイやホットドックプレスという雑誌で特集されるというくだり)、私は思わずググって確認してしまいました。 はい、フィクションです。良かった。 真実の混じった嘘が一番分かりづらいなどと言います。本作は虚構を核として、その周りを詳細で雑多かつ網羅的な事実で装飾することで、あたかもストーリー全体を真実と思わせる部分がありました。 ・・・ そのほか、樋口氏と映画評論家の町山氏との対談、樋口氏と梁石日氏との対談等が巻末にありました。 後者の梁氏との対談で、作家は少し遅咲きの方が良い、というのも経験をストックしてないと書くことが無くなる、という旨の話がありました。私は個人的にはそうかな?と思いました。 経験があれば確かに書くネタはあるでしょう。でもストックしている経験がない人でも経験を得る過程はネタになるのでは、と感じました。むしろ、お作法やテクニック等の方が習熟するのに時間がかかるのでは、と感じました。 まあ、読者としては早咲きでも遅咲きでも、素晴らしいものであれば後は良いのですがね笑 ・・・ ということで、樋口氏の作品を読了しました。 相変わらずのエログロ・ノワール系作品ですが、嫌いでないです。ただ、周囲には『こんなの読んでいます』とはちょっと言いづらいですね笑 伝えるような友人も居ませんが。 | ||||
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初っ端から、読む者の想像を見事に裏切り、唖然とする展開に尻もちをつきそうになりながら、「吉良が来た後」「ハート・オブ・ダークネス」を続けさまに読むだけで、殺し、LGBTQ等々、この作者はタブーなくめちゃくちゃじゃないかと思わせる超ド級の作品です。 そして三、四に至って、このハチャメチャな物語の整合性、辻褄合わせが始まり、さすがに作者もちゃんとまとめようとしているのだと、作者を見直しかけたところで、また見事に「おいおい」と裏切られて、いったい最後はどうなるの?と思いながら一気に読み終えました。 それほど長い長編ではないのに、この作品の倍ほどの量のある作品を読んだときのようにどっと疲れました。 それだけパワーがある作品です。 「良い、悪い」という感想すら拒絶するような圧倒t歴なパワーがあります。 いったいこの作者は何を考えているのだと、作品よりもそっちが気になりますが、その点については、文庫巻末の作者と梁 石日さんの対談を読むことで、実はこの作者は思うがままに作品を書くタイプではなく、実は緻密に緻密に考えて計算し尽くした上に書いていることがよくわかります。 それにしても、この作者は只者ではありません。 知人にこの作品を薦められ、初めてこの作者の作品を読みましたが、「薦めてくれてありがとう」という感謝を捧げます。 | ||||
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近著が出版差し止めになったとかで話題の著者なので、過去の評判作(?)を図書館で借りてきて読んでみた。 帯に大きな活字で〈衝撃〉という語が使われている。意表を突く展開に驚かされるよ、という意味なのだろう。確かにそれも否定はしないが、あまりに雑すぎるフィクションなのに驚くというのが実感。それに加えて文章の粗雑さ、ご都合主義の強引さ、リアリティの無視等々に唖然、愕然とした。 稀代の嘘つきを主人公にした小説なのだから、その死ぬ間際の告白だけでなく、暴露評伝本を書いた語り手も嘘を書いてる、と捉えればいいのか? 矢島博美なる人物の名が末尾に付された、短いプロローグで始まる。国民的画家・丹生雄武郎が2012年に九十七歳で亡くなった、その数奇な人生を明らかにする、というものである。(本書が出版されたのは、2010年だから近未来の設定) 第一部(というほど長くはなく、1章といっていいのだが、〈四〉にだけ一章から四章の区分がある。この辺の稚拙さも、小説をあまりよんだことのない人物の、初めての創作という枠組みかと思わせる)〈私〉が新潟県T町の古びた民宿を訪ねる場面から始まる。3ページ目で〈私〉は吉良と名乗る。章題は「吉良が来た後」。矢島が偽名を使っているのか? 〈私はまだこの時点で、自らに降りかかる災難を知らずにいた。〉という思わせぶりな一行があった。で、ヤクザが暴力を振るい、やってきた警官は役に立たず、あわやというところで意外な展開。人がいともあっさり殺され、〈ソドムの市はこれからが本番だった。〉とC級バイオレンスを模倣した文章。そして〈私〉は詐欺師だと明らかになるだけでなく、丹生雄武郎に殺される。この語りは裏庭に埋められた死者のそれと明かされる。これが衝撃の展開、ということだったのか。 (これ以上筋を追って感想を書いていくと、ますますネタバレになるので止めときます。) それにしてもボートで海上に出て、〈どこまでも青い地平線に包囲された〉なんて記述するのは、書いた人間の粗忽さを示すものだが、それは作中人物なのか、作者樋口氏なのか。図書館で借りたのは初版単行本だが、文庫化の際には手を入れただろうか? 星一つがいいところの作品の出来なのだが、最後まで読ませる力(良い意味でのムチャクチャさ)に敬意を払い、一つ増やして☆二つ。 | ||||
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阿部定は知らんけど、麻原、横井といったニュースを賑わせたサイコパスらしき人もでてくる。 主人公もサイコパス。 他の人も書いているが何が言いたいのかわからない。 この小説は日本人の朝鮮人差別について書きたかったのかな? それが正当なものなのかサイコパスの虚言らしきものに紛らわせおくのは姑息な気がする。 ページ増やしの文庫本の対談相手は二人とも在日の方だし。 なんなんだろう? | ||||
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他にも書いている方がいますが、著者が何を言いたいのかが全くわからない。 単なる変な殺人鬼の生涯で、現実とリンクさせている部分もあるが、最後は詐称だったとか意味がわからない、巻末の対談に無駄なページを割いているし、久しぶりに損した気分。 | ||||
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ラストまで読んで、何が言いたいのかよくわからなかった。 殺人鬼として不遇な人生を送った画家の一生なのか? そこに織り込まれた朝鮮差別の部分なのか? 記者の性云々のくだりは必要だったのか? 色々と散らばっていて混乱したまま終わりました。私の読解力がないことも要因だとは思いますが、深読みが必要なストーリーなのかもしれません。 | ||||
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退屈せずに読めた点はよかったです。第1章は独立した短編としても読め、同じようなパターンの連作集かと思いきや、実在の人物を絡めて主人公の多面性を見せ、怒涛の最終章に突入していく、かなり凝った構成です。 しかし、ラストは97歳の老人の行動としてありえない。語り自体も意識混濁を言い訳に、事実かどうか曖昧模糊となっていくし、消化不良気味です。 読後感も決していいとは言えないし、読んでしまえばリアリティの欠如に唖然とする内容でした。 | ||||
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予測がつかない展開の早さで一気に読み進めることができました!しばらく悪夢で眠りが浅くなりましたが。 | ||||
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帯を見ると小池真理子氏を始め作家たちが称賛しているようですが、その方々の鑑賞力を疑いたくなる作品です。 いきなり読者の度肝と抜いてやろうという様な意図が伺える出だしの2章からして、物語としての構成がもう破綻しています。ただ、奇抜さを狙っただけなのでしょうか?第一、日本語がどうにもわけがわからない。3章を挟んで、最後の章は延々と主役と思われる人物の記述が続きます。(とても人物の描写という言葉を使う気にはなりません。)作者はこの章に関しては、かなり自分なりに日本語に入れ込んでいる様ですが、妙に凝った語句をわざとらしく使ってみたりしています。文章としては「ナッチャイナイ」としか感じられませんでした。 途中で投げ出しそうになりましたが、一応最後まで読みました。久し振りに時間の無駄という感・・・・。バラック建ての海の家で、まずいラーメンを食わされたという気分です。どうして、2011年度山本周五郎賞、山田風太郎賞の候補作なのか?2012年度「このミステリーがすごい」11位なのか?どうにも理解できません。 | ||||
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擦り傷やへたり・汚れ等もなく綺麗な状態で届いたので大満足です。 | ||||
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氏の3冊目の作品。「最初からクライマックス?!」とも言える衝撃のエピソードから、 最後まで一気読みしてしまいました。前半は、80年代、ワイドショーをにぎわせたネタが登場し、子供ながらに、 生々しくもザワザワした気持ちでテレビを見ていた、あの頃の感覚がよみがえりました。 中盤に出る対談や批評のパロディは、氏の得意とするところでしょうか、小気味よいです。 そして後半の真相へと突き進んでいく展開にページが止まらず、氏の力量を感じずにはいられませんでした。 常にたたみかけてくる強烈な描写にお腹いっぱいになります。その部分がどうしても印象深くなるかもしれませんが、 「死」の無常感・・・(うまい言葉が浮かびませんが)の対比に、この本の ただならぬ感があるのかなと思います。 | ||||
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樋口さんの作品のなかではちょっとトピックが薄い感じ。 面白いし、オススメするが、疾走感とかはない。 | ||||
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70歳男性期待して読んだけど意味が解らず余りおもろしくなかった。 | ||||
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著者は、今注目されている作家なので期待してたのですが、 結局何を一番言いたいのか良く解らない小説でした。 作家の本質を知るためには、他の作品をもっとたくさん読まないと いけないのでしょうが、余り気乗りがしません。 | ||||
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切り口が素晴らしく斬新だった。 一人の画家の生涯を外堀からあぶりだしていくのだが、序盤からホラーなのかユーモアなのかわからない不思議な世界が展開された。 途中で山下清が出てきたときはびっくり。 実在の人物と、架空の物語を勝手に絡ませるとは。想像の世界は無限だということをある程度実現いていた。 しかし、後半はどういうわけか失速。あまりおもしろくない印象で物語が締めくくられた。小説の後半って結構重要だと思う。 | ||||
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「第1章」の展開には正直、度肝を抜かれたがその刺激があまりにも強すぎたためそれ以降は「ああ、そうか。」という感覚の麻痺が起こってくる。さらに言ってしまえば、280ページの薄い文庫本のなかで小説部分は3分の2程度に過ぎず、残りは「お互いヨイショ対談」と「パロディーに気づかないヤツはバカ対談」(「架空」の登場人物も含めて、あえてネタを語らないのが「パロディーの鉄則」なのでは?)となっており後味悪し。 最初のペースで一気呵成に書いてしまう直球勝負のほうがはるかに「小説」としてはおもしろく、映画も含めて映像化の方向もあったはずだが、あまりにもまとまりが悪く「寸止め」感が残る。 | ||||
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思ったよりも短くてがっかり、もう少し長くても良いと思いました。 | ||||
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この作家の本では、「さらば雑司ケ谷」を読了しているが、内容が特異すぎて一作だけでは評価のしようがなかった。しかし、「民宿雪国」が文庫になったら即座に買おうと思った。 新潟県T町に丹生雄武郎は「民宿雪国」を開くが、この新潟県に纏わる事件・事象が傍流として描写され、それに関わった人物も現われては消える。構成がやや荒削りで、四、の丹生雄武郎正伝を冒頭から書き出して、サブ・エピソードをそこから逐次挿入していけば、正攻法で良かったのではないか。 何故なら、魅力的な人物が簡単に冒頭から殺されるので、なんじゃこりゃあと思ってしまうのだ。とはいえ、「さらば雑司ケ谷」を読んでいたので、この展開は樋口毅宏のカラーだと割り切れるのだが・・・。相変わらず次々と予想不能の物語が続き、バシッと頬を殴られる気分と言うか、そのような樋口毅宏を満喫出来る。 但し、書きたい事がいっぱいあるのだが、それが巧く消化されていないので、読み手の方も消化不良を起こしてくる。正直、贔屓をしたい思っているのに、以前の稀勢の里のように、あーあと首を振ってしまう。 | ||||
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丹生雄武郎の誕生日が2月10日なんですが、ボクも同じなのでまるで他人だとは思えずになんだか自分との共通項を頷きながらでした。 なんだか雄武郎の絵が見る様な感じでした。色々驚かされる展開に、後半麻痺しちゃいますよね。もうスゴイ事なのに、さも当然のように。 しかしとんでもない事なのに。あとがきがまで読むととてもヘビーパンチをくらった様な感覚で考えさせられもしますね。スバラシイ。 | ||||
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