■スポンサードリンク
99%の誘拐
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
99%の誘拐の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.88pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全81件 21~40 2/5ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
約25年前に刊行された誘拐物のミステリー、今読むと確かに時代を感じます。プロットもガジェットも陳腐だと否定的な評価をされることもあるでしょう。しかし本作の価値は現在の視点から見た斬新さではありません。この作品がすごいところは、刊行後25年を得てもいまだに入手が可能で、ある大型書店では平積みにさえされている点です。月次のタームで姿を消してゆく小説が実は非常に多いにもかかわらずです。 本書はすでに古典の域に達しているように思います。古典とは、あるジャンルにおいて革命(ブレイクスルー)を起こして、長くその手法が踏襲されているものと私は考えています。次のブレイクスルーが起きるまで、その後に書かれたものは本作に影響を受けざるを得ず、その中に本書のDNAを必ず垣間見ることができます。 このような楽しみ方をするのはある程度の量の本を読みこんで、本書の歴史的な位置づけがわかる人となりますが、そんな知識がなくても、むしろ中途半端なバイアスのない若い方々にその価値を評価されるような気がします。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
かつて誘拐の被害者となったものが、今度は犯人となる。話の筋は面白く、またコンピューターを使ったアイデアも良い。でも、全体的に御都合主義な感じが否めない。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
岡嶋二人による誘拐ものの最高峰と言われる傑作。 今から20年以上も前の作品だが、パソコンやネット通信を大幅に取り入れてハイテク駆使というプロットが秀逸だ。80年代後半の黎明期のパソコン知識だが、それが今読んでも全く遜色ないのも凄いと言える。 本作以降も東野圭吾や歌野昌午など数多くの作家が誘拐ものを発表しているが、いまだに本作を凌ぐプロットは出ていないし、どうやろうが誘拐ものは本作に影響を受けてしまう。まさに古典にして最高傑作と言える。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
お得意の誘拐+コンピュータに題材を求めた作品なんやから面白くない訳がない。 序盤の洋一郎の日記の記述を使っての慎吾に肩入れしてしまう語り口、終盤のこれまたお得意のスポーツネタ(スキー)に絡めてスピード感を演出する辺りも、ケチの付け所なし(岡嶋作品って、特に終盤テンポよすぎてあっさりとしてしまうケがあるので…)。 トリックも「古い」とか「実現不可能」とか言われますが、そりゃ20年前のコンピュータ絡みの作品なんやから古いのは当たり前で仕方のない事。そこまで言い出したら、ハイテクネタの小説を全否定しないといけなくなります。 実現の可能性やって、序盤の慎吾の呟きで「後はツキがあるかどうか」って言ってるんですから、承知の上。これまた「100%成功するトリック」なんて有り得んのやし(あったら実際にそういう事件起きてます)、そこでまたハラ2ドキ2するんであって。 敵役の間宮の存在感も、作品に一本芯を通してくれてますし、岡嶋作品らしく殺人が起きない(病死と事故死が各一名おりますが)のも好感持てるところ。どこを貶せばいいのか判らない、岡嶋二人の魅力が全て詰まってると言っても過言ではない名作です。 実質的に岡嶋「二人」としての最終作ですし。本人的にもかなり気合いが入ってたんやないでしょうか? [以下蛇足]それだけに…。 十数年前に二時間ドラマでした時には凄く期待して見たんですが。あんな脚本・演出でドラマ化して欲しくなかったです。名作を泥で汚された思いで、未だに怒りを覚えてます。 それ以来、二時間ドラマと言うものを毛嫌いする様になった…位に名作。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
おかしな二人と書いて、岡島二人と読みます。あ、逆か。 間違いない。代表作です。 何故なんでしょうか。いわゆるトレースもの。事件を追っかけていたら、どこかに併走する何かがあった。実はそれは現在進行形だった。そんな良くある設定が、実に心地よい。 今となっては古臭いはずのコンピューター技術にも、新鮮な響きを感じてしまう。 そんな岡島二人の代表作です。 誰に勧めても、喜ばれます。万人にお勧めです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
この作品が書かれた当時パソコンなど一部の人しか知らなかった。その時代、「パソコン」なんちゅうものを使うとこんなことができるのか、と思った人もいたかもしれない。が、現在でも絶対不可能なのは明らかだろう。 が、これは揚げ足取りであって、エンタメとして面白くし、それでいいと思う。 復讐としての誘拐という設定だが、復讐に至る犯人の心も描かれていないし、復讐の犠牲になった子ども(かつての自分)の心の傷も描かれない・・・。 まあ、そんなことはどうでもよろしい。時間つぶしにいい作品である。 歴史に残る推理小説というのは、時代が変わっても、その本質は色あせることがないものだ。松本清張の「砂の器」しかり、森村誠一の「人間の証明」しかり。 これらとは比べるべくもないが、最初から比べること自体が的外れである。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
本書には2回分の誘拐事件の顛末が納められているのですが、記述はそれぞれの身代金の受け渡し方法にほとんどを占められています。これが素晴らしいアイデアと緊張感に満ちていて、好きな人ならたまらないはず。絶対に楽しめると思います。私は正直、そういうのにはあまり興味がなかったんで、向いてなかったのかなという感じ。誘拐される側から誘拐する側になった青年の心理をもっと深く読みたかったかな。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
エンターテイメント作品としてはレベルが高い。しかし、ミステリー作品としてはイマイチ。 論理的整合性を求める人には向かない。実際にこれを実行したとしたら、10回やって1回成功するくらいだろう。 それを割り切って考えて読んでしまえば、楽しむことが出来る。 ゲーム的なワクワク感は、スリルのある展開は江戸川乱歩のよう。 スマートで軽妙な作品。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
二つの誘拐事件が登場する。 最初の事件で誘拐された子供が、成人し二つ目の事件では身代金(ダイヤ)の受け渡し役となる。 それぞれの事件のトリックというか仕掛けはハッキリするが、実はこの物語の本当の意味でのトリックは、二つの事件の関係にある。 それがなんなのか、物語のなかでどう書かれているか、は読んでからのお楽しみ、ということで。 他の方もレビューされていますが、語り口もテンポ良く、ミステリーとしての醍醐味が味わえます。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
30代、男です。面白いです。トリックや、人間の黒い思惑など一昔前の舞台設定ではありますが、話にグイグイと引きこまれていきます。一気に読んだはよかったのですが、なんだかそれだけで、後には何も残らない・・・。そんな、サッパリ感が魅力なのか、味気ないと感じるか。そんな読後感です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
今から約20年前に出版された誘拐小説なのだが、誘拐事件もスピード感があって一気に読めたし、全く色褪せてない作品だと思った。物語は昭和43年に起こった誘拐事件の手記から始まるのだが、これが昭和63年に発生する誘拐事件の引き金になっていた。昭和63年の誘拐事件はパソコンが指示を出して人質を閉じ込めたり、身代金の受渡の指示を出したりと、当時ではハイテク技術が駆使されていたのだが、ハイテク技術よりもその発想や、昭和43年の誘拐との類似性などのアイディアが素晴らしいと思った。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
コンピュータを犯罪に使う話。刊行されたのは、1988年だからまだwindows3.0も出ていない頃。しかし、ダメなSF小説と違い、ちっとも色あせていないのは、コンピュータの機能に依存していない内容になっているからだろう。残念なのは、ミステリにふさわしくないテーマであること。このテーマ(会社乗っ取りとそれに翻弄された親子の復讐話)なら、社会は心理小説の形式にした方が。岡嶋二人なら、書くことができたはず。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
コンピュータを駆使した完全犯罪。 実現可能かどうかを問うのはナンセンスでしょう。 物語がどんどん加速していく。この疾走感は流石ですね。 いわゆる犯罪小説とは異なり、完全犯罪の実行というスリルだけに焦点を当てている。 たとえば、当事者の心理描写などは、あまり描かれていない。 そのおかげで、スリルに魅せられながら、ぐんぐん読める。 ただ、読み終わった後に残るものがない。 ああ、面白かったで終わってしまう。 しかし、エンターテイメントとしては素晴らしい作品。 感動よりもエンターテイメントを期待して読みましょう。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
本作を読んで端的に感じてしまう完璧だ。だが同時に完璧すぎてつまらないとも。。 本作に限らず事実そこが岡嶋二人の美意識とも言えるのだが,この一作はより苛烈だ。というのも,作中の誘拐劇を成立させる為にあまりにも システマティックにプロットを組み上げているので,逆に制御されてしかるべき前提(システム)にひずみをきたしてしまう。 言ってることが判りにくいだろうからいきなり結論になるとミステリ愛読者にはきついものがあるってこと。いかにもミステリ好きの興味を そそるタイトルだけに手を伸ばしてしまう方も多いだろうが,読後どうだろうか?ミステリがもつ独自の愛嬌,偏執的で偏愛的な余韻を 感じとれる人はあまりいないのではないかと想像する。 この一作では,そんな愉しむべく余裕をこそげ落としてあくまでストイックに構成されている。ただ矛盾するようだがミステリとして駄目な わけでは全然なくて,謎解きのキー・ワードだってしっかり用意されています。 しかし,どちらかというとノンストップでドキドキできる誘拐ものを読みたいなって方向きでしょう。その点に関しては岡嶋二人は凄い。 誘拐を芸術にまで昇華させている圧倒的な想像力の鬼火が迫ってきますよ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
昭和43年、半導体メーカー社長の息子である生駒慎吾が誘拐された。 のちに慎吾は無事解放されたが、その時の身代金として会社の虎の子の 資金を使ったために、慎吾の父の会社は大手メーカーに吸収されてしまう。 20年後、ある事件をきっかけに亡き父が遺した手記を読んだ慎吾は、過去 の誘拐事件の際に、父を嵌めた人物がいたことを見抜く。そして、慎吾は、 父の会社を吸収したメーカー社長の孫を誘拐する計画を始動させる……。 本作は、志を果たすことができず、無念の死を遂げた父のために仇討ちをする息子の 物語なのですが、そこから連想されるようなべたつく情念とか重苦しい愛憎を慎吾が 吐露することはありません。 思うに慎吾は、自分より遥かに強大な相手に対し、単に危害を加えて復讐すれば 満足なのではなく、あくまでフェアに、そして誰にも頼ることなく独力で自らの計画 を成し遂げたかったのではないでしょうか。 そうした行為が大手会社に屈せざるを得なかった父の 無念を晴らすことになると信じていたのだと思います。 結末で慎吾は、かつて自分を誘拐した犯人と対峙し、互いの罪を告発し合う のですが、その後で二人の間に流れる空気がえも云われぬ余韻を残します。 さて、最後にミステリ的勘所について一言。 本作最大のキモは、身代金であるダイヤ奪取のハウダニットなのですが、 そのための伏線は、第三章の冒頭、慎吾の職場を描写している場面で、 さりげなく提示されています。お見逃しなきよう。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
12年のときを隔てた2つの誘拐事件。その犯人と被害者を巧みに配置して物語を構成している。洗練された作品です。 誘拐事件は、犯人にとって、身代金の受け渡しの際に姿をあらわさざるを得ないという難関がある。本書では、犯人の精緻な計画と、刻々と移っていく状況に応じた警察と犯人の駆け引きがスリリングに展開し、引き込まれます。 コンピュータ環境が、この作品が書かれた当時とは相当に変わっていますが、その点はあまり気になりません。また、「こんなに精緻な計画が成り立つかなあ?」という感じは多少しますが、作者の上手な話の展開によって、不自然さを感じさせません。 岡嶋二人さんらしい、「ほんとうに上手だなあ」と感じさせる作品であり、400ページを一気に読ませる魅力的なミステリーです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
12年前に誘拐された男が、今度は自らの手によってその事件の首謀者の息子を誘拐する!それも思わず絶句してしまうような驚異の技術と周到な計画をもって…。 井上泉の得意とするコンピューター分野を活かした作品だけあって、慎吾によって綿密に練られた犯罪の完璧さには気圧されずにはいられない。 だが、本当に恐ろしいのは、完全犯罪を遂行後に慎吾が自らを誘拐した犯人である上司と、互いに真相を見抜きながらも始終穏やかに語り合う、そのスリリングな静寂だとつくづく思う。考えてもみてほしい。犯人同士が対峙しながらも証拠は一切なく、和やかに言葉が交わされる…。なんという光景だろうか! 被害者の少年と一度も対面せずに、コンピュータだけで誘拐、監禁、ダイヤモンド奪取を成し遂げた慎吾の犯行手口は、喝采を贈りたくなるほど見事なものだ。 ただし、犯行はともかく犯人までが機械的であるとはどうしたものか。これは倒叙ミステリで、所謂犯人当て小説ではない。ゆえに、必然的に犯人の行動心理に目がいくわけだが、何故慎吾はあのようないまわの際の父の手記に目を通しながら、父の想いに応えずに同じ歪んだ犯罪に手を染めてしまったのだろうか?冒頭の父の手記のその切実さゆえに、どうしても、同じ愚を犯した慎吾に共感も同情もできなかった。 著者が過去の事件をあの手記を用いて提示したのが逆効果に思えてならない。慎吾が犯行の準備に取りかかるシーンが唐突に出てくるのも疑問だ。せめて、コンピュータ蘊蓄をある程度割愛してでも慎吾が復讐に至るまでの過程が微に入り細を穿って描かれていれば、畢生の犯罪小説に仕上がったと思うのだが。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
コンピューターにより制御された「完全犯罪」を徹底的に描ききった作品。 純粋に面白かったが、ただそれだけという感想。 ただただ、頭脳明晰な犯人が演出する完璧な「誘拐事件」に、 読み手も被害者と一緒に最初から最後まで翻弄され続ける。 読み終えた後はちょっと疲れてしまった。 これでもか、これでもかと次々と出される犯人からの難易度の高い命令、 驚くべき作戦とその手腕は実は結構突っ込みどころ満載。 しかし、細かいことを気にする性格でなければ続きが気になってどんどん読み進められると思う。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
このお話は冒頭がすごいです! 事件が「ぱっ」っと始まったと思ったら、ビュンビュンと物語が“通過”していきます。 否応のない(そして決して不快でない)この引き込み方は本当に見事!! ついついページをめくってしまうという現象に後から気づきます。高級カーに乗せられて、景色が見えない道路をつれまわされているような感覚ですかね。 時は昭和40年代。 ある中小企業の社長の息子が誘拐されたところから事件が始まります。 誘拐犯は5000万円を金塊に変えることを指定。 その5000万という金額は、社長が会社再生をかけて用意した金額と同額でした。 疑問を持ちつつ社長は息子のために奔走。 あざ笑うような犯人の指示は数度にわたり、ついに金塊は海の底に。 子供は無事に帰ってきますが、その際の社長の台詞 「これでいいんだな? ○○」 はゾクゾクきます! さて、時代は下って昭和63年。 またしても誘拐事件がおきることになるのです。 関係者はすべて20年前の誘拐にかかわった人たち。 さらに身代金の搬送人に指定されたのは、20年前に誘拐された社長の息子! 事件は20年前をトレースするかのように続きます。 物語の最後は意外とあっさり。 「え?これでおしまい?」と思うようなエピローグです。 ここでタイトルの『99%の…』が思い浮かび、「ああ」と思う人と「ええぇ?」と思う人に分かれるかもしれません。 とってスマートで、軽くて切れ味のよい作品でした。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
息をつく間もなくストーリーが展開。 かつて誘拐の被害者だった自分と自分を助けるために 夢を失ってしまった父の無念をはらすため、 主人公はたった一人で、被害者に接触することなしに誘拐を成功させ、 身代金として10億円のダイヤの原石を手に入れる。 しかし、そこにはどろどろした感情や葛藤などの心理描写はまったくなく、 スマート(悪く言えばまったく現実感なく)、かつ、スピーディーに ひたすら軽く話しは展開します。 感動や感激はないけれど娯楽小説としてはすばらしい。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!