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緋色の楽譜
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緋色の楽譜の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全8件 1~8 1/1ページ
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失敗、失敗。ミステリという謳い文句に騙されてネットで買った私が悪かった。書店でチラッと立ち読みでもしていれば、買わなかったのに。 | ||||
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巻末の作者あとがきにもあるように、フランツリストに対しての綿密な調査とかけた労力は凄まじいものがあります。 本当に感服です。 だから、尚更、この唖然とするほどつまらない話の運びに首をかしげてしまうのです。 頭の上に数え切れないほどのクエスチョンマークを浮かべながら、それでも何か読んで良かったと思う点を探そうとするのですが もう、本当に一つも無い。 時間を返せなんて、本を読んでいてあまり思う事も無い方なんですが、何でしょう、そういう感覚におちいりました。 これから先はネタバレになるような内容にもなってしまいますが、話に関してはあまりに突っ込みどころが満載なので、 一つ一つには触れませんが、 あのとってつけたような恋愛と、 とってつけたような血縁関係と とってつけたような、実は俺がラスボスだwだったり、本気でやってるとはとても思えない話です。 どたばたコメディにしては話そのものが杜撰すぎる。 すっごく大きな犯罪もいとも簡単に隠しおおせる強大な力をもつ企業の大トップが 車椅子で無防備にウロウロしちゃったり、その結果、あっさりと死んじゃったりw 超一級の資料と準備と反比例して酷い出来な本筋。 そういうの面白がれる人には珍本として愛されるものかもしれません。 | ||||
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割と陰謀論だの、ナチスの置き土産だの、やたらと壮大でペダンティックなミステリーって好きで読んでる方です。 まじめに学術本を読んでいても入らない知識や、欧州の基礎歴史、神話などがミステリーという壮大なホラに乗せて貰えると 意外とすんなりと入るし、馴染んでいくからだと思います。 こちらの作品、かのウンベルトエーコや、エンデなどを引き合いに出される作家のものですし、それならばと手を出してみました。 クラシック好きには、ふむふむと馴染む逸話がベースになっているので、もっと楽しめるはずのしろものなのに、 まあ、本当に、全くつまんないんです。 よくありがちな、独りよがりで身勝手。ワーワー自己主張だけはご立派で、喜怒哀楽の怒と哀の間だけをぶんぶん勢いよくまわる 振り子のように行き来する女性が主人公が、まあ驚くほどに魅力がない。天才ゆえの傲慢さというのとも違う 実に単調で魅力のかけらも感じない女性なんですね。彼女の特異性を中心に壮大なお話を組み込んでいくのであれば、尚更 人物設定もう少し練れなかったのか?と著者に問いたい。 リストファンが読んでもつまんないんじゃないでしょうか。 あちらのミステリーって紋切り型でこのタイプの女性しか出てこないんですが、あちらの読者は気にならないんですかね? こういう常に自分が自分がって人間を特に成長させるわけでもなく、真ん中に置かれても、 そういう人物だから、周りにどのような人物を配置しようが、コミュニケーションが成立しない。故に会話部分がひたすら 説明文+口論にしかならない。このワンパターン。 とはいえ、前篇読んじゃってしまったから、後半も読むことになるのだろうけど・・・。 出てくる組織はびっくりするほど厨二ワールド全開なんで、女性主人公を魅力的なスーパーウーマンにしてもらえると 案外児童向けファンタジーとしては読めるものになるのかもしれません。なんか、いろいろと勿体ない作品でした。 | ||||
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リストの幻の楽譜なんて、クラシック音楽のファン以外には興味が湧かないかも知れませんが、何の何の、ミステリ・ファンなら誰が読んでも面白い。それもチョーオモシロイこと請け合いです。あざとく、どぎつく、これでもか、の屋上屋型の英文ミステリに食傷している向きには、ドイツ語ミステリはお奨め。特に酒寄氏の訳文は読み易い。中でも本作は逸品です。 | ||||
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最近、ドイツ語で書かれたミステリを愛読しています。そのどれもが本書の訳者酒寄さんの名調子。この作品も面白く一気に読みました。リストの幻の楽譜という設定がなかなかのアイデアです。ヒロインの設定これまた秀逸。何しろ、所詮は上手く行く、とは予想しても、作者の用意周到なストーリー展開に乗せられて、あれよあれよです。本来は新本で買うところ、上下バラ買いの功徳か、特に下巻はびっくりのお買い得でした。いくらアベノミクスでも、経費削減は必須なり。ダンケシェーン! | ||||
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歴史芸術ミステリは大好きな分野ですし、壮大な構想で展開するサスペンスのようでしたので迷わずひもといてみましたが、話の運びや、ヒロインの「発見」に「無理」がありすぎて(苦笑)。 「ナニッ?」 「そんなのアリ?」 と何度ものけぞりました。 そこを納得させるのが著者の力量? 訳にもミョーに紋切り型な部分があって、ヒロインがすごく軽薄に感じられました。 『心理学的にありえない』ではさほど違和感なく入り込めた「共感覚」というリスキーな素材も、この作品ではいかがなものでしょうか? ヒロインが得意げに使いこなすノートPCやipod程度の「小道具」に堕している感は否めません。 リストについてはたいへん勉強させていただきましたし、なんだかんだ言いながら上下巻一気読みいたしましたので意欲作であるのはまちがいありませんが、「読み物」としてのまとまり、読者をいざなう活字のリズム、ストーリーの流れなどはいまいちです。 悪の秘密結社も弱いんだが強いんだかわからない組織ですし、とってつけたような(読者サービスのつもり?)ヒロインのロマンスも、かえって読者をばかにしているようでしらけました。 「ヨーロッパ周遊の旅」的なお愉しみは味わえますけれども。 | ||||
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日本デビュー以来、酒寄による精力的な翻訳によりイーザウの作品はたくさん読めるようになっています。大長編ばかりなので、その旺盛な創作力には舌を巻きますが、いつまでもエンデの後継者といったキャッチにつきまとわされるのは苦しいでしょう。とはいえ、テーマに沿った的確な資料配置によって物語を構築していくその手法は、エンデ譲りと言えるでしょう。 今作も、膨大な資料の山を物語に沿って切り取っていく様は圧倒的で、己の無知さを恥じ入りながらの読書となりました。 設定と展開はシンプルです。フランツ・リストの子孫であるピアニストが、リストが関わっていた秘密結社の恐るべき武器、音楽によって思いの儘にサブリミナル効果を上げられる楽譜を巡っての攻防で、世界中を駆け巡ります。もちろん、読書は止まりません。 『ダヴィンチ・コード』よりは教養があって、『薔薇の名前』ほどは深淵ではないといったところです。 | ||||
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上・下2巻、合計600ページを超える長編です。 取りあげられているフランツ・リスト(Franz Liszt 1811年〜1886年)は、ハンガリー生まれではあるがハンガリー語はしゃべれず、祖国を愛しながらも、言葉と活躍した地域の関係から言うとほとんどドイツ語〜フランス語圏の人だったらしい。ワーグナーの妻コジマの父であり、ピアノの魔術師、6本指を持つ男・・・様々な逸話を生んだ超絶的な演奏はクラシック音楽に革新をもたらしたという・・・偉大な芸術家にして文字通り歴史上の「巨人」です。 訳者によるあとがきによると、1956年生まれの作者のイーザウは日常的にホームコンサートを楽しむほど音楽を愛好し、ドイツ人にとっては「我らが偉人」であるリストの伝記多数や600点を超える資料を読み込んだ上で書き上げたのがこの作品らしい。 リストの波乱万丈で実に人間的な一生に、フリーメーソンを初めとした「組織」の存在や、自由と平和を求める戦いを絡め、ヨーロッパ中に実在するリストの「痕跡」も取りあげて、まるで万華鏡のような変化に富んだ物語が展開されます。 主人公はリストの末裔かと噂される天才女流ピアニストのサラ。音楽を聴くことで視覚的なイメージを認識する異能を持ち、発掘されたリストの音楽に込められたメッセージを「観て」衝撃を受ける。その直後から、サラは何者かに追われるようになり、リストの足跡を辿りながら、自らの出生の秘密とリストの楽譜に込められたとメッセージの意味を探るため、ヨーロッパ中を巡る逃避行を繰り広げる事となる・・・。 前作「銀の感覚」でも異能者が登場しましたが、今回も「共感覚」という不思議な能力が取りあげられています。リストの残した「音の力」によって人間を操作し、世界を思いのままするという野望をもつ組織がサラを追い、度重なる危機を乗り越えたサラが遂に知った「音の力」の秘密とは?!と言うのが大まかなストーリー。キリスト教がらみの部分も多く、ちょっと暗く重厚な雰囲気もあります。作中ではリストの作品の演奏場面やゆかりの場所、エピソードなども登場しますが、実在するもの、あるいは史実に基づいた記述が多いらしく、労作と言うにふさわしい風格さえ感じさせます。 基本的にはサラ視点の展開であるため、特に前半では、登場する様々な人物について敵か味方かが判然とせずに実際問題かなりストレスが溜まりますね・・・。その点、後半はメリハリの利いた展開で、クライマックスまで一気になだれ込んで行き目が離せません!孤軍奮闘のサラも力強い助けを得ますが、前半でさり気なく登場していた人物が後半で意外な働きをしたり、文字通り「驚愕の真相」が明らかになったりで作者の緻密な構成力には驚かされます!! 結末部分では愛する子供のために心を砕いたリストの姿や、その逆に自分の野望のために家族を利用する男の末路も描かれていて、単なるサスペンスに終わらない、「家族の絆」を描いた物語ともなっています。 問題は・・・クラシックを聴かない人にとってはどうなのか???ということですが、私も大して知りませんし、メロディーを知らないと理解不能という場面もありませんから大丈夫でしょう。出来たら・・・雰囲気だけでも知っていれば尚よろしいかとは思いますが・・・。(笑) 音楽によって人を操る・・・荒唐無稽な話ですが、「操る」の中身が「感動によって人を変える」という事であれば、これは実在する「音の力」ですね。世界中にそのまま伝わるという意味でも実に強力な「力」ですが、生誕200年を迎えたフランツ・リストを初めとする古今の芸術家たちの「理想」を、21世紀に生きるラルフ・イーザウがサスペンス小説の形で示したという、画期的野心作とも思えるお話かな? とても濃密な内容なのでジックリと読んでいただきたいですね。 | ||||
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