凍える街
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書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点6.00pt |
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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
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PDジェイムズの本を読んだあとだったからでしょうか | ||||
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ノルウェーでは大人気の女性作家アンネ・ホルトの代表作「ハンネ・ヴィルヘルムセン」シリーズの第7作。「何で、7作目から?」と思ったら、これまで90年代後半に1〜3作が翻訳・出版されており(残念ながら未読)、今回、15年ぶりに邦訳されたとのこと。つまり、シリーズ物でありながら、最初の作品紹介からはかなりの時間が経過し、しかも4〜6作目は翻訳されていないのだ。このあたりの事情もあって、登場人物のキャラクターに入り込むことが出来ず、どうにも中途半端な読後感だった。 | ||||
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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初めの野良犬の描写が面白く、グッと入りこんだところで、突き放された。 読み始めが面白く後で裏切られるのは珍しい。 人物の感情描写に一貫性がないのか、誰のことを書いてるのか分からないくなって何度も読み返し疲れた。 ストーリーに入り込めば面白くなるかと期待したけど、そこまで行くまでに断念。 | ||||
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アンネ・ホルトの作品は前に1冊読んだことがあって、その時にもあまり好きではないなと思ったのでなかなか手が出ませんでした。 でも本屋で見かけてついフラフラと購入。 最初の犬を中心に描いたシーンは素晴らしくてかなりの期待を感じさせてくれるものでした。 でも主人公がね、もうホント苦手。設定的には心に傷を抱えた孤高の人物、美人でモテる(しかしながら自分の美しさには無頓着なよう)、お金持ちの恋人と家政婦と同居中、周りの尊敬を集めている、有能(しかしながら自信を持っていないような描写も出てくる)ということでしょうか。 しかしながら偏屈で無遠慮でとても魅力的とは感じません。主人公の出てくる場面でいらいらさせられることの多いこと。 聞き込み中に相棒の私生活について余計な事を暴露してしまったのですが相棒は怒らなかったというシーンがありました。彼女はその怒らなかったことについて「相棒が丸くなった」と表現していますが聞き込み中だから怒らなかったんだろうし暴露の内容が自業自得な出来事でも、普通の大人は初対面の相手に暴露しませんという内容で不快感を感じましたね。 それと後輩が主人公が部屋を出たあと、彼女の香水の残り香を確かめるように何度も息をするシーンがあります。文中でも「香水の香りを確かめるかのように」と表現されています。多分主人公が後輩(女性)に慕われいることを表したかった、彼女の残り香を感じることで精神統一がはかれる、落ち着くということを読者に感じさせたかったのでしょうが、こうまでして主人公上げしなくてもと思いましたね。 ただプロット自体は好きなんですよ。ひねりも効いてると思うし。これで主人公の性格や描かれ方が違っていたら。 次作では退職しているようなので少しは主人公に変化があるのでしょうか? ほかに読むものがないときに読んでみるかもしれませんが迷います。 | ||||
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北欧ノルウェーで根強い人気を得ているトリッキーな警察小説、女警部ハンネ・ヴィルヘルムセン・シリーズの重要な転機となる第7作です。著者の敬愛する作家が英国ミステリーの女王クリスティー女史と言うだけあって、その作風は決して単純ではなくトリッキーな仕掛けや企みに満ちていますので本格推理ファンの方は大いに楽しめると思いますし、著者の名前と良く似て韻を踏んでいる女警部ハンネの警察組織にとけ込めない頑固一徹な変わり者だけども一本筋の通った人柄の魅力を味わえた事が本書の最大の収穫でしたね。 クリスマスが間近に迫る日の真夜中にオスロ市の高級マンションで凄惨な四重殺人事件が起きる。海運会社社長夫妻と長男に加えて身元不明の男が被害者で、捜査の大勢は相続絡みの確執による物へと次第に傾いて行くのに対して、ひとりハンネだけは四人目の被害者の存在を重要視するのだった。 本書の真相は手掛りを追って行くだけではとても到達できる物ではありませんが、でも十分に衝撃的で恐らく真犯人を言い当てられた人は滅多におらず間違いなく誰もが茫然自失となるでしょう。著者のユニークな叙述テクニックは、プロローグとエピローグを哀れな野良の老犬の人生の一コマでまとめている事、途中に挿まれるある老弁護士の死と田舎に住む老人の異常な体験のエピソードを事件のヒントとして読者に提示するのですが一向に関連性の見当がつかずに最後まで首を捻らせ続ける事ですね。また非常に疑わしい父から不遇の扱いを受けた次男夫婦と麻薬中毒の長女の家族を巡るドラマにも読者をもしかしたらと頻りに迷わせる巧妙な工夫が凝らされています。この犯罪には信じられない様な要素があり、完全なフェアプレイとは言えませんが、それでもハードボイルドと本格ミステリーが融合された作品という意味合いではまずまず合格点をあげて良いと思いますね。さて、創元推理文庫に初登場の女警部ハンネは同性愛者でパートナーの女性と元街娼の老女と三人暮らしですが、最近不仲だった父の死を経験して幼い日の嫌な記憶を呼び覚まされて精神的にダメージを負った状態で、万全とは言い難くかなり危なっかしく見えて大丈夫かなと心配になります。しかも成行から女性地方検察官アンマリと対立する立場を取ってしまい、周囲に同調せず頑なに逆らい続ける一匹狼と見なされるのですから、さらに暗澹たる気分が深まるのですが・・・・。でも自分が完全に納得するまでは安易な考えを受け入れない彼女の実力は確かで強運にも恵まれながら誰も調べようとしない線を追って驚愕の真相に辿り着くのですね。唯一残念なのは結局彼女がやっぱり正しかったのにも関わらず、そこに勝利の嬉しさや称賛の気配が全く感じられなくて、却って組織の中で一人孤立し浮いてしまった印象が強い事でしたね。生きるのが下手で猪突猛進で無防備だけど、でもそんな自分の行動を疑わず一切後悔しない彼女の潔さと強さを最後のシーンを読んで強烈に感じましたね。 本書の続編「ホテル1222」は既に刊行されていますので追々読むとしまして、現在は絶版状態の集英社文庫の初期3作の復刊(これらは古書で入手可能でしょう)と未訳の3作が紹介される見通しはかなり低そうですが、でも望みは捨てずに気長に待ち続けたいと思いますね。 | ||||
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主人公のハンネ捜査官の余りの偏屈ぶりにうんざりさせられた。 こういう人間は組織に所属すべきではない。 私立探偵など、自分一人で活動する職業につくべきなのだ。 誰にも心を開かず、独断専行で動き回る人間を抱える、他のメンバーの身になってみろ、と言いたい。 その挙句が、ラストの銃撃になるわけで、自業自得としか言いようがない。 こんな主人公を持つ小説は二度と読みたくない。 | ||||
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北欧ノルウェーで根強い人気を得ているトリッキーな警察小説、女警部ハンネ・ヴィルヘルムセン・シリーズの重要な転機となる第7作です。著者の敬愛する作家が英国ミステリーの女王クリスティー女史と言うだけあって、その作風は決して単純ではなくトリッキーな仕掛けや企みに満ちていますので本格推理ファンの方は大いに楽しめると思いますし、著者の名前と良く似て韻を踏んでいる女警部ハンネの警察組織にとけ込めない頑固一徹な変わり者だけども一本筋の通った人柄の魅力を味わえた事が本書の最大の収穫でしたね。 クリスマスが間近に迫る日の真夜中にオスロ市の高級マンションで凄惨な四重殺人事件が起きる。海運会社社長夫妻と長男に加えて身元不明の男が被害者で、捜査の大勢は相続絡みの確執による物へと次第に傾いて行くのに対して、ひとりハンネだけは四人目の被害者の存在を重要視するのだった。 本書の真相は手掛りを追って行くだけではとても到達できる物ではありませんが、でも十分に衝撃的で恐らく真犯人を言い当てられた人は滅多におらず間違いなく誰もが茫然自失となるでしょう。著者のユニークな叙述テクニックは、プロローグとエピローグを哀れな野良の老犬の人生の一コマでまとめている事、途中に挿まれるある老弁護士の死と田舎に住む老人の異常な体験のエピソードを事件のヒントとして読者に提示するのですが一向に関連性の見当がつかずに最後まで首を捻らせ続ける事ですね。また非常に疑わしい父から不遇の扱いを受けた次男夫婦と麻薬中毒の長女の家族を巡るドラマにも読者をもしかしたらと頻りに迷わせる巧妙な工夫が凝らされています。この犯罪には信じられない様な要素があり、完全なフェアプレイとは言えませんが、それでもハードボイルドと本格ミステリーが融合された作品という意味合いではまずまず合格点をあげて良いと思いますね。さて、創元推理文庫に初登場の女警部ハンネは同性愛者でパートナーの女性と元街娼の老女と三人暮らしですが、最近不仲だった父の死を経験して幼い日の嫌な記憶を呼び覚まされて精神的にダメージを負った状態で、万全とは言い難くかなり危なっかしく見えて大丈夫かなと心配になります。しかも成行から女性地方検察官アンマリと対立する立場を取ってしまい、周囲に同調せず頑なに逆らい続ける一匹狼と見なされるのですから、さらに暗澹たる気分が深まるのですが・・・・。でも自分が完全に納得するまでは安易な考えを受け入れない彼女の実力は確かで強運にも恵まれながら誰も調べようとしない線を追って驚愕の真相に辿り着くのですね。唯一残念なのは結局彼女がやっぱり正しかったのにも関わらず、そこに勝利の嬉しさや称賛の気配が全く感じられなくて、却って組織の中で一人孤立し浮いてしまった印象が強い事でしたね。生きるのが下手で猪突猛進で無防備だけど、でもそんな自分の行動を疑わず一切後悔しない彼女の潔さと強さを最後のシーンを読んで強烈に感じましたね。 本書の続編「ホテル1222」は既に刊行されていますので追々読むとしまして、現在は絶版状態の集英社文庫の初期3作の復刊(これらは古書で入手可能でしょう)と未訳の3作が紹介される見通しはかなり低そうですが、でも望みは捨てずに気長に待ち続けたいと思いますね。 | ||||
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