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晩鐘
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【この小説が収録されている参考書籍】
晩鐘の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.52pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全66件 41~60 3/4ページ
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すごく読みやすく、さすが乃南さんといった感じでした。 しかし、読了後のこの感じはなんだろう。すごく重たい。爽快感、満足感はありませんでした。 確かに物語としては、すべてハッピーエンドでは、作者の意図が伝わらないでしょうけど。 ただ、犯罪加害者の家族がみんな、そういう結末を迎えるとは思いたくありません。 背負った十字架は確かに重いでしょうけど、まっとうに生きている人たちもいると思いたいです。 前作「風紋」が双方に未来を感じさせる終わり方だったのに、残念な感じです。 この本を読むには結構な精神力が必要です。軽い気持ちでは読めないでしょう。 私は、「凍える牙」から入ったから乃南さんの作品が好きですけど。初めての乃南作品が「晩鐘」だったらファンにならなかったでしょう。 残念ながら友達には進められません。なので、星三つです。 | ||||
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犯罪そのものの発生やその謎解きではなく、加害者、被害者の家族らを丁寧に描いた「風紋」の続編。 前作で描かれた殺人事件から7年が過ぎ、深く傷ついた加害者、被害者ともに、何とか新しい生活で立ち直ろうともがく。 被害者側の家族らが、相変わらずギクシャクし、苦しみながらも、何とか前向きに生きていくのに対し、加害者側の家族は、坂道を転がり落ちていくように悲惨な状況に追い込まれていく。 確かに後味は悪いですが、この結末は必然といえます。 殺された人の家族と、殺した人の家族が、両方ハッピーエンドになるなんて、メロドラマでもあり得ないでしょう。 そんな都合のいい結末だったら、そのほうが後味が悪い気がします。 文庫本の裏表紙に、筆者の乃南さん自身が記しています。 「誰もが救われていて欲しいと願いながら、新たな悲劇をも、描くことになってしまった。事件というものは必ず、悲しみと憎しみの連鎖を生む。そして、いちばん弱いものが最も深く傷つくことに、改めて気づいた」 切ないラストを読んで、取り返しのつかいないほど傷ついた<いちばん弱いもの>の姿を見て、犯罪の本当の悲惨さ、について考えさせられました。 | ||||
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あれから7年。 父親は再婚し姉は新しい家庭を持った。 真裕子は7年経った今もひとりぼっちで孤独に耐えている。 殺人犯の子ども達は、自分の両親の事は知らされず遠い長崎で祖父母と暮らす。 そしてその妻は、過去に平凡な教師の妻だったことなどなかったかのように、なりふり構わず生きてきた。 一つの犯罪は、何年経っても終わる事を知らない。 一人でいる事に耐え切れなくて、好きでもない男と不倫に陥る真裕子。 父親が殺人犯だとも知らず、叔母だと信じていた母親と2人、東京で暮らす事になってしまった大輔。 変に大人びて心の底から甘える事を知らない大輔は、これから先どんな大人に成長していくのだろう。 癒されるはずのない心の傷は、いつか誰かが癒してくれるのだろうか。大輔は実父の犯した罪をどのような形で知ってしまうのだろうか。 乃南さんらしい心の描き方が最高の作品。 | ||||
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一つの犯罪が引き起こす波紋。 それは、どこまでも続く。 荒んだ母親の生活。 それと同じように大輔の心は荒れている。 自分ではどうしようもない自分の生い立ち。 殺人犯の息子、人殺しの息子。 外見はいくら大人びていても小学生。 それを背負って生きていくには、まだまだ幼すぎる大輔。 そのやり場のないもやもやが、幼い妹までも死に至らしめる。 大輔が最後に実父にいった言葉。 その言葉は、罪を犯した実父にとって裁判所で確定した刑よりも、もっともっと厳しく心に突き刺さる言葉だったに違いない。 ある意味、まだたった12年しか生きていない大輔の、自分の人生に対する復習の言葉だったのかもしれない。 犯罪がもたらした悲しみの大波は、周りの誰かが手を差しのべなけれ!ば、けっして一人では乗り越える事はできないと感じた。 そういう誰かを見つける事が出来た真裕子は、苦しんだ分幸せだと思う。 これ以上悲しみの連鎖が続かないように祈りたい。 | ||||
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加害者の家族にあまりにも救いがなく、展開に説得力も感じなかったので、後味が非常に悪かったです。 彼らを結果的に追い詰めた新聞記者にもその自覚がなく、偽善者としか思えませんでした。 | ||||
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私はこの作品を「風紋」という作品の続編ということを知らずに読みました。でも充分に楽しめました。 人物それぞれが丹念に描かれているので、どんどん作品に引き込まれていきます。そしてラストは感動して思わず涙ぐみました。 思春期のころに抱きがちな「なぜ人を殺してはいけないのか」という幼稚で残酷な質問があります。その問いに対する答えがつまっている作品です。 親が子供に与える影響力というものを改めて考えさせられました。 | ||||
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「風紋」「晩鐘」と読み進んできて、片時も目を離せない、いったい何時になったら肩の荷が下りるのか、ずっとそんな感触を味わい続けてきました。結局、一連の事件は一つの帰結を見るけれど、でも、真の意味で安堵はもたらされない。これは机上の空論等ではなく、実在のドキュメンタリーに近いと強く感じました。 私自身、8歳年上の新聞記者(しかも社会部)と結婚したため、真裕子の心理が手に取るようにわかる件があります。更に今は二人の性格の異なる娘を持つ身となり、全く違う二つの視点から本書の内容に共感を抱きました。乃南氏は、殺害された母の心情については敢えて殆ど描写していませんが、母が女性としての自分を求めた心理そして当時高校生だった真裕子が、亡き母の代わりとなる存在として知らず知らず建部に惹かれていく過程の心理は、もはや他人事ではありません。犯罪加害者側の登場人物の崩壊の過程は、何もここまでおとしめなくとも…と感じるほど徹底していますが、この小説が現代の犯罪抑止力になれば、乃南氏の意図も報われると言えるかもしれません。 | ||||
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読むほうにも相当な精神力が必要だと思った。特に高校生くらいの子が読むんであれば、自分の暗い部分がひきずりだされそうで、結構怖い小説だなあと感じた。自分も決して、無垢なものの前で全部をさらけだす勇気はない。純真な大切な人が、自分のダメなところを見透かしているような気がする、そんな気持ちは本当にしんどかっただろうなあと思う。ありきたりな言い方だが、主人公の1人、大輔は本当に母親の愛情に飢えてるのだと思う。祖母の愛情は本当に深かったのだろう。真裕子に関しては、「風紋」から読んできてやっと息がつけた感じがした。タイトルもぴったりだと思う。 | ||||
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風紋(上下巻)、晩鐘(上下巻)を10日程度で一気に読みました。とても読み応えがあり、かなりのページ数はあったものの冗長さを感じませんでした。微細な心理描写をページを惜しまず表現している結果かとも思っています。素晴らしい作品だと自身を持って言えるでしょう。 ただ、残念なのは劇的な結末を演出する為に加害者側の親族をあまりにも不幸に(作品上では連鎖と呼んでいるものかもしれません。)描いてしまった点では無いでしょうか。 被害者側は心の傷を負いながらも、失った生命を新しい生命によって傷を埋めて行くという終わり方でとても納得の行くものなのですが、加害者側は常に崩壊を連鎖させてとことんまで行ってしまったという気がします。 犯罪による連鎖の恐ろしさがメッセージかもしれませんが、ただ単に犯罪者の家系というだけで連鎖に巻き込まれ、死を迎えるという結末はひどすぎる気がします。 | ||||
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あの殺害事件から7年後の物語。母親を殺害された真裕子と、殺人犯を父に持った大輔のリアルな心情。 殺害事件を追った新聞記者・建部の客観的な描写。 1つの事件とその影響が夫々の視点から描き出された 読み応えある物語に、ページをめくる手が止まりませんでした。「運命は自分で切り開くものだ!」 「自分次第で運命は変わる!」 「思い通りにいかないことを運命のせいにするなんて!」 とはよく耳にする言葉。真裕子も大輔も、香織も、夫々の家族も、 自分の意思とは全く関係の無いところで過酷な運命に 直面した訳ですが、7年が経過した後もここまで各々の人生に 影を落とす「運命」というものに、 やはり人間は立ち向かうことなんて出来ないのではないか、 と思ってしまいます。暗い影を引きずりながらも徐々に光を取り戻しつつある真裕子と、 ある意味で最も深く傷つき、 絶望についに捕らえられてしまった大輔の対比が印象的でした。 | ||||
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上下2巻ですが、おそらく読み出したら 全部読んでしまう、と思われるのでまとめてのレビューです。「風紋」の後日談ということで暗い話になるのは もう覚悟していましたが、やはりかなり深刻な話なのに、 つい読みふけってしまいます。ハード版で読んではいましたが、 今回手頃な(そうでもない値段ですが、この作品に は惜しくない金額だと思います)文庫版になり、やはり 手元に買ってしまいました。こういう物語を構築する場合、作者があまり表に出てきすぎると ご都合主義になり、物語の現実味が薄れるのですが、 そうかといってただ観察者みたいな書き方だと ノンフィクションみたいになりますし、、 なかなか難しいと思うのですが、 乃南アサ、その辺のバランスはやはりさすがです。「風紋」事件の関係者のうちもっとも 傷ついた主人公二人、被害者の娘の真裕子と 加害者の息子の大輔、そのうち 真裕子は救われるが、大輔は救われない、というラストは いろいろ意見があったようですが、 私はそこが非常にうまい、と思いました。どっちも救われるのではちょっと現実味が失われますが、そうかといって どっちも救われなければ読んでる方もあまり救われません。いろいろ考えさせられる内容ですが、やはり、多少なりとも 幸せだった頃の家族に思い出が残っていた真裕子が 最後には何とか再生できたのに対し、「風紋」時には まだ小さく、そういう記憶を何ももてなかった大輔が ああいう結末を迎えたのはなかなか意味がある、と思いました。読んだ後楽しくなるような小説でないのは間違いありません。 が、それでも読んでしまうのはやはり物語の力強さだと思います。 時間も気力もある時是非ご一読をおすすめします。 (風紋から読んだ方がいいと思います) | ||||
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17歳の時、母親を殺された高浜真裕子。彼女の心の傷は深い。月日の流れも、傷を癒やす役には立たなかった。一方、加害者松永の家族も哀れだ。松永の子供、大輔と絵里も、この事件の被害者のような気がしてならない。私たちは毎日、新聞で殺人事件の記事を読んでいるが、すぐに忘れてしまう。だが、加害者や被害者の家族の苦しみは、ずっと続いているのだ。ある被害者の家族の言葉。「哀しみや憎しみの後には、恨みが残る。」思わずぞっとした。それが本音なのだろう。しかし、恨みを抱いて生きる人生は、虚しくないのか?だが、そんな虚しい人生しか送れなくなってしまうのが、「事件を起こす」ということなのだ。やりきれなさだけが、心に残った。 | ||||
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上下巻で、読み応えたっぷり。 風紋はまだ未読ですが、すぐにでも読みたくなりました。7年前の殺人事件に関わった人々のその後の話。 年月とともに事件を自分の中で消化して、現実と折り合っている被害者の姉と父。反対にいつまでも事件の悲しみに囚われる娘。 また、加害者の家族も思わぬ方向へ人生は転がっていて、世間が事件を忘れても、巻き込まれた当事者たちは、各々がそれぞれに十字架を背負って生きていかなければいけないのだと考えさせられました。特に、加害者の息子である少年は、屈折した心を抱え、父親が犯した罪に翻弄されてしまう、なんともやりきれない結末になってしまっている。これが(小説だけど)現実の厳しさなのかもしれない・・・と思いつつも胸にわだかまりが残る、衝撃的な一冊でした。 | ||||
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風紋から読ませてもらいました。 風紋も晩鐘もすごく分厚い本で、全部読みきれるか?と思いながら入り込んだのですが、あっという間にストーリーの中に入り込め、最後の最後まで楽しみ涙しました。 晩鐘のラストは”え~~~っ!!”と驚きながら、でもすっごく切なく 読み終えた後しばらく涙と共に、なにかしら深く心に残るものがありました。 続きがあれば読みたい!!と思いました。 でないのかな? ぜひ 出してほしいし、まだこのままでは終わらないだろうという感じに思います。 ラストで辛いながらも起こした大輔の行動にはしばらく 私の心に残りそうです。 最後に・・・ 真裕子の暗い気持ちについていくのが疲れました~ | ||||
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犯罪被害者と加害者の家族が、事件後もがき苦しみながら、生きていく姿は、息苦しい程であるが、そこへ、健全なバランス感覚を備えた新聞記者である建部を、一人、置くことによって、この小説の支柱なるものが出来、読者を、暗いトンネルを照らす灯りのように、出口まで導いてくれるような、小説の構想力に脱帽。 「風紋」から続けて読むうちに、まだ書き足りない、もっと、もっと、と、この本の中に入り込んでいく感覚は、読者冥利につきる快感である。 | ||||
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最後のページを読み終わってまず、そう感じた。 加害者の家族として生きることは、かくも苦しく、また、ここまで血のつながりをのろわざるをえないものなのか・・・。つらすぎる・・・。 物語とはいえ、作者の人物心理描写の細やかさが際立つこの作品は、ぐいぐいと読み手を、心の奥底の暗闇まで引きずりこんでいく。暗闇は、加害者やその家族だけにあるもの?本当にそうなのだろうか? 闇をみつめながら、それでも、希望や夢をしっかり抱えて生きていく人もいるはず・・・。作者には、自作としてそれを描いてほしい・・・・晩鐘の続きの最終章として、それを描ききってもらいたいと、強く感じた「晩鐘」のラストだった。読み手のあなたには、命の重さがどう感じられるだろう・・・。 登場人物の誰に感情移入するだろう・・・・。 それとも・・・。加害者、被害者という二者だけでない読み方が、きっとできるそんな読み応えのある作品であると思う。 | ||||
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加害者の家族である4歳の少年が 事件から7年経過してどのように成長してゆくか 主人公を加害者の家族少年にしたことで 社会に太刀打ちできず、運命に翻弄される小さな魂を描いている読んでいると、主人公が小学生であることを忘れるほど 子供では片付けられない欲望が渦巻く しかし、成長しきれてない身体に精神が所々に見え社会が加害者にもたらす報復に 太刀打ちできない少年の苦悩が充満している充満している苦悩が少年の成長にどんな影を落とすのか 子供に許された成長は加害者の家族には無いのか 上下本ですが、上を読むと下をすぐ読みたくなる筆力あり | ||||
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読み終わってみてただ涙・・・ 読んでいる途中、何度も読むのをやめようと思った。 先へいくにしたがって不幸が加速していく<なぜここまで救われないのか> 理不尽な言い分だが作者にはこのラストしか頭になかったのだろうか? 何年後でもいいから続編を書いて欲しい、彼を救ってほしい。 じっくりと読んでほしい一冊です。 | ||||
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長崎で起きた少年殺人事件、事件を追う新聞記者建部は被害者の叔母笹塚香織が7年前東京で起きた主婦殺人事件の加害者の妻だった事を知る。東京に戻った建部は、犯罪の被害者と加害者の家族達のその後に迫る特集を組むことを考え、主婦の娘真裕子にコンタクトをとる。犯罪の加害者・被害者の家族の未だ癒えぬ傷を描く超長編、盛り上がりそうで盛り上がらない作品、とにかく長かった。 | ||||
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