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暗い抱擁



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【この小説が収録されている参考書籍】
暗い抱擁 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

暗い抱擁の評価: 4.07/5点 レビュー 14件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.07pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全2件 1~2 1/1ページ
No.2:
(3pt)

テレサ姉さん最高。

とても分かりにくい小説でした。他の人達の解釈を知りたい!
とりあえず私の解釈はこんな感じ↓です。
ネタバレです。

ゲイブリエルとイザベラが愛してあっていたのかというと、どうなんだろう…ゲイブリエルは惚れたのかも知れんけど…という印象。
でも別に愛じゃなくてもいいよね。

イザベラは、セント・ルーの安定した幸せから離れ、自分を変える為の人生の相手としてゲイブリエルを選んだのだと思う。
愛情だとか環境だとかそういう外的なものじゃなくて、与えられた環境に満足せず、何かを強烈に求め、失うことを恐れない、行き方というか生のあり方というか。
だから最後にゲイブリエルを庇う「選択」をしたことが、彼女の人生の勝利だった。
彼女は勝ちました。

ゲイブリエルは、ピサの宗教画の話があったように、これまでずっとお空の高いところにいる人から選んでもらえないっていう僻みに近いような鬱屈があって、だから行動も姑息だし、わざわざ見返りを求めるような偽悪的なところがある。
天国の住人でも、貴族でも、あこがれてるのにどうせ仲間に入れてもらえない入れないという不幸を感じている。
彼にとってイザベラは天国の入り口みたいなもんなんですよ。
認められたいって思ってるんだけど捻くれてるし妙なところで潔癖だから、籍は入れないし試すように酒に溺れたりしてる。
でもそのイザベラが自分を庇って死んだから、彼はもうその愛を確信するしかない。
天国の門が自分にも開かれていたことを認めるしかない。
他の方が「キリスト教的愛」について言及されてましたが、この辺なんじゃないでしょうか。
つまり、神の愛を確信した人間はよい人間とならざるを得ない。
だから、ゲイブリエルの英雄としての人生はイザベラの死から始まったのです。
暗い抱擁 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)Amazon書評・レビュー:暗い抱擁 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)より
4151300864
No.1:
(3pt)

ある聖女の物語?

いつイザベラという、やや謎めいた感じのする女性の本心が
わかるのかとひたすら読み進めましたが、
とうとう最後まで、彼女という女性が掴めないままでした。
まだゲイブリエルの方の気持ちは、理解できなくもないのですが
彼女の方は全く理解できませんでした。
ゲイブリエル初め、その他の人々は存在しそうな人々ですが。
それに比べてあまりにもイザベラが浮世離れし過ぎているというか、
非現実的な人物造形で。



なぜクリスティーが、このような女性像を創り上げたのだろう?
としばし考え込んでしまった程です。
しかしテーマが「キリスト教的博愛をテーマに描く至上の愛」の
ようなので、やはりイザベラという、果たして実在し得るのか?と
思ってしまうような女性が、
この物語では実在していたと素直に読むべきなのでしょう。
イザベラの人物造形に、リアリティーを求めてはいけない小説なのでしょう。


しかし、やはりイザベラのこのような人物象や、
ほとんど彼女の内面の吐露のようなものが見られないため、
大変に彼女への感情移入が難しく、
感動もできませんでした。
言うなれば、まるでどこかの教会で、
ある聖女の物語を聞かされたような気分です。
私にとっては、イザベラ自身が一番のミステリーでした。
やはりキリスト教徒の人々の方が、すんなりと感動できる話の
ような気がしました。クリスティー自身も気に入っている作品のようですし。
かなりキリスト教的色彩が濃い小説のような印象を受けました。
暗い抱擁 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)Amazon書評・レビュー:暗い抱擁 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)より
4151300864

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