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卵をめぐる祖父の戦争
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卵をめぐる祖父の戦争の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.64pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全64件 1~20 1/4ページ
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GOTと三体のプロデューサーの一人である、デイビッド・ベニオフが書いたミステリで、宝島社の「このミステリーがすごい」2011で第3位を獲得していると知って、作家としても活躍している人だと初めて知り、興味を持って読んでみました。ベニオフが祖父母の家を訪ね、祖父から戦時中の体験を聞き、それを小説にまとめるという体裁をとっています。手に汗握る展開もあり、あっと言う間に読み終えましたが、読後に解説を読んで、びっくり。解説にどんでんがえしがありました(笑)。これ以上言うとネタバレになってしまうので、言いませんが、これから読まれる方は、解説まで読まれることをお勧めします。 凡庸な小説が脚本家の手で、優れた映画やドラマになることはしばしばあることです。砂の器はその典型ですかね。私は「三体」の原作は読了後も面白いとは思いませんでしたし、男女関係やすぐに暴動に走る人民の行動にもとても共感できないものを感じましたし、テンセント版(中国版)のドラマもダメでしたが、同じ原作をもとに、GOTのプロデューサーコンビであるベニオフとワイスが脚本を手掛けたNetflix版の「三体」は非常によくできていました。GOTのシーズンフィナーレは批判されていて、私もがっかりさせられましたが、この小説やNetflixの三体の出来を見て、ストーリーテリングの力量はやはり素晴らしいと思わされました。 | ||||
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レニングラード包囲戦、戦争の悲惨さを表現しつつもユーモア溢れる場面があったりと、退屈させない作品でした。 | ||||
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いつまでも読んでいたくなる、引き込まれる文章です。最初の一文からして。文才を感じます。物語が二転三転し、意外な展開が次から次へと起こります。感動あり、涙あり、青春あり、1冊の文庫本とは思えないほど、内容が濃いです。また、登場人物もクセは強いですが、魅力的です。何度も読み前したくなる、傑作です。 | ||||
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あらすじを読んで、戦争物はちょっとなぁ〜と避けてしまうには勿体ない傑作。 時代や状況は絶望的なはずなのに、ユーモアが散らばめられていて読む手が止まりません。苦しいのに笑える、笑えるのに切ない。 意表を突かれることもあり、胸が詰まることもあり、それでいて読後感は爽やか。 非の打ち所がない傑作です。 | ||||
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戦場をテーマにした小説は難しいと思う。派手なアクションなら映像にかなわないし、 つい戦争の悲惨さといった安易なテーマ主義に陥ってしまう作品も少なくない。 かといって、戦争の本質的な部分である非人間性とでもいうべきものから目をそらしてしまうのもどうかと思う。 この作品は、そんな思いに応えてくれる、稀有な小説だ。きわめて上質のエンターテインメント冒険小説であるとともに、戦場に満ちる悲しさもあますところなく描き出している。さらに、青春小説の趣もあり、多彩な魅力を持っている傑作である。 ある理由から卵を探すために戦場をさすらう主人公の二人組の道行は、適度なアクションとエスプリのあるユーモアが交互に組み合わさりながら進行していく。読者はページをめくるごとに、ドンドン引き込まれ、あっという間に読み終えてしまうだろう。 それにしても、卵が象徴していたのは一体なんだったのか?深読みもできる、本当にすごい作品だ。 | ||||
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リアルなスターリングラード攻防戦が描かれてて とても読み応えありました。 太平洋戦争とはまた凄惨さが違いました。 ためになりました。 | ||||
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きれいな本でした。満足です | ||||
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ソ連軍で「拳銃」を持っているのは上官だけであり、それは突撃しようとしない見方兵を撃つためにある ソ連最大の武器は、今も冬将軍であること ここ日本において、第2次世界大戦、とりわけ西部・海洋戦線についての情報は多いが 「史上最大の陸上戦」と言われた独ソ戦線についての知識は少ないと言わざるを得ないだろう。 それだけでも興味深かいし、なおかつこの作品には、一流の小説だけが持つ、ある種の気品や ユーモアも感じることができた。 嗚呼「図書館キャンディー」 それがどんなものであるか・この本を読まずに答えられる人間は、この日本にはまずいないだろう。 | ||||
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戦時下の異常な状況が良く描写されている。二人の道中が大変なのだが、思わず微笑む文章になっている。 | ||||
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遅ればせながら読みました。 初めから終わりまで、こんなに引き込まれてしまうとは。。。 文句なく、今年読んだ和書のベストワンです。まだ半年以上ありますが、たぶん、これ以上の本に今年は出会えないでしょう。そんな気がするくらい、良かった! ただ、身近な人に「この本、いいよ。読んでみて」と言えないところがつらいです。 そのワケは。。。読んでみたらわかります。 | ||||
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本書の原題は、「City of Thieves」であるが、邦訳版のタイトルに『卵をめぐる祖父の戦争』としたのは良かった。 「泥棒の都市」という題名では、多分あまり売れなかったのではないだろうか。 著者デイヴィット・ベニオフは、ハリソン・ソールズベリーの『攻防900日――包囲されたレニングラード』とクルツィオ・マラパルテの『壊れたヨーロッパ』の助けを借りてこの物語を書くことができたと、巻末の「謝辞」のなかで述べている。 この奇妙なカップルが、何故、ナチスドイツに包囲されたレニングラードからドイツ軍占領地帯まで1ダースの卵を探しにいくことになってしまったのか。 ネタバレになるから詳しくは書かないが、この物語の主人公のレフとコーリァが次から次へと遭遇する戦場体験には、先に上げた二人の作品からエピソードを得て著者は物語に挿入したのだろう。 バルチザンの名射撃手のヴィカが、「あんたたち二人は変なカップルね」と揶揄するところがあったが、この二人のおかしな会話や行動が、戦争の凄惨さを、一時忘れさせてくれるから、読者は、ハラハラしながら次のページへと読み進むことができる。 人類の大きな愚挙が戦争である、と著者デイヴィット・ベニオフは、大上段に構えることもなく、戦争というものが不条理でアホらしいことなのだと、この物語を通して痛烈に語りたかったのだろう。 このようなヘンな物語の構想を思い浮かぶ著者の頭のなかを覗いてみたくなりながら、不条理あり、悲惨あり、諧謔あり、「あたし、料理はしないの」というエンディングで終える本書『卵をめぐる祖父の戦争』を、微笑みながら読み終えたのです。 | ||||
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久しぶりに小説を読みましたが、普通に面白かったです。 | ||||
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これは素晴らしかった…戦争という舞台立てのなかでのごく個人的な物語、大それた作戦に従事するわけでもない きわめてパーソナルな物語でありながら(任務はなにしろ、上司の娘の結婚式のために卵を探してくるというもの!) 一切の過不足なく戦争のむなしさ愚かさを描ききっている。それを正面から説教臭くなるわけではなく、登場人物の たどる道筋そのもので表現しているのだ。この著者は映画畑の人のようだが、めちゃくちゃ小説が巧い。ユーモアと ペーソスの扱い方、その手さばきは堂に入ったものでサービス精神旺盛、白けさせることなく、人物造形もたえず飽 きさせない。生命や出逢いを肯定する切れ味抜群のエンディングに向けて、さりげなく、実に巧妙に伏線が敷かれて いるのも好感度大(ややネタバレ:一体誰と結ばれるの?といった興味を引くために女の登場人物を随所で配している のがわかる、そしてあの決着!ばあちゃん凄え!)今年読んだなかでも一、二を争う傑作でした。 | ||||
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ストーリー作りが上手いしキャラも立っている。充実した読書体験ができて大満足。 | ||||
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大佐の娘の為に「卵を調達にいく」という設定が如何に「あほげな」命令か、 置かれている状況、環境が見えてくるほどにその理不尽さに辛くなる。 レフ(17歳)、コーリャ(脱走兵)、ヴィカ(女狙撃手)3人の若者の命が戦争でもて遊ばれる。 容赦なく侵攻するドイツ軍、必死に抵抗するソヴィエト軍。 史実は厳しい寒さにドイツ軍は敗退するが彼らも制裁の厳しいソヴィエトという国の犠牲者である。 そんな中にもユーモアを忘れず目的達成の為にひたすら生き抜こうとする彼らに共感して胸が詰まってしまった。 平和な国の若者は今なにを目標に戦うのか。 | ||||
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コーリャのしつこいくらいの「中庭の猟犬」、レフと同じ気持ちになりますよね。でも物語の渦中では太字もののついつい、捨てがたい情景でもあります。深刻な戦争の物語が表層を形作っていても一層下がると、それ以外に笑いあり、スリルあり、ロシアの自然の景色あり、マドンナたちの横顔があり、次から次、という感じでわくわくでした。ヴィカさんも戦場の中での登場はあまり前面にイメージは出てきませんでしたが最後の最後に登場したときは物語のハッピーエンドの象徴、素的でしたね、料理はしない、とレフに一言付け足すのは。 | ||||
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お見事でした!楽しませてもらいました! キャラクターと会話のセンスが最高でした。 他のレビュアーさんのコメント通り、私もラスト一行を読んですぐ プロローグを再読してしまいました。 一方で、プロローグの雰囲気から、本編を読みながら「おばあちゃん」探しを していました。 しかし、スターリン・ロシアとヒトラー・ドイツの戦いに巻き込まれた市民って、 どれだけ悲惨なんでしょう。 普通、真っ暗になる題材を友情、恋心、ユーモアなどで希望を感じさせる物語に 仕上げています。 「中庭の猟犬」の逸話は自信満々の青年の繊細な一面を示す素敵なエピソード でした。 | ||||
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もー、めちゃくちゃ面白い。卵をめぐる珍道中のあいだに祖母と出会わなくては物語にならないわけで、いったいどこで出会うんだろうをメーンにして読み進めました。これは少年レフの恋をめぐる成長譚です。示唆に富むセリフの数々。名脇役リーチャの存在も光りまくります。舞台が戦場なので悲惨な話も出てきますがスルーすることが可能な程度です。寝食を忘れて最初から最後までぶっ通しで読める感動の物語だと思います。 | ||||
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【若干ネタバレしているかもしれません】 数年ぶりに再読。 初読時はコーリャが嫌いでした。 そのせいで、読み進めるのをやめてしまおうかと思うほど。 金髪碧眼長身で、機知と行動力を持ちあわせた美青年。 女性経験は数知れず、微笑みとあか抜けた会話術で女の子はみんないちころ。 チェリーボーイのさえない主人公レフを、本意ではなくとも、常にコケにするような言動。 こんな男を好きになれる男性は、あまりいないでしょう。 好きな女の子のハートを手に入れるためには命をかけなければならない、コンプレックスのかたまり少年レフの方に感情移入してしまうのも、当然というものです。 ところが中盤あたりから、実はコーリャも様々なコンプレックスを抱えた複雑な人間だったということが、明らかになってきます。 今回は、あらかじめその点が分かっていたので、はじめから彼にも共感しながら読むことができました。 コーリャはレフを好きなのに、自業自得とはいえ、彼の方はあまり相手に好かれていないところなどは、かわいそうにすら感じてしまいます。 しかし、それだけに、です。 ふたりがパルチザンの少女スナイパー、ヴィカに出会って以降は、レフの恋の行方に話の重心が移り、彼とコーリャの友情の進展はそれほど描かれなくなります。 そのため、本当の友情が築き上げられる前に、話が終わってしまっている印象が否めません。 やはり、ふたりの絆が決定的に強まるようなエピソードが、もうひとつ欲しかった。 もちろんこの恋の話も素敵ではあるけれど、どんな物語でも、主題に加えてさらに友情と恋愛どちらもというのは、あまり上手くいかない気がします。 ふたりの友情の結末も、素直には受け入れにくい。 戦争の残酷さ不条理さは、全編の多くのエピソードから十分以上に伝わってくるので、このダメ押しの一手は果たして必要だったのかな、と。 個人的には、こういう終幕は望んでいませんでした。 ポケミス版にはなかった、評論家の方の「解説」。 少々ネタバレしているし、著者の他の作品のオチを書いてしまうし、内容も「訳者あとがき」とほとんど重複している上に、なんとそこから引用までしている。 ポケミス版の「訳者あとがき」(文庫版と同じもの)にあった、「本書は完全にフィクションである」という一文が文庫版ではカットされ「解説」の方には書かれているのも、何かよからぬ事情があるのではと勘ぐりたくなる。 この「解説」は完全に蛇足です。 百点満点ではないかもしれません。 でも、戦争というものの本質を、戦場以外を舞台にしながらなおかつ、主役のふたりのキャラクターのおかげで暗くなりすぎることなく、清涼感すらともない確実に伝えてくれる小説というのも、なかなか他にはないと思います。 読後に感慨深い満足感を味わえる、珠玉の戦争青春物語です。 | ||||
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笑いあり、涙あり。残酷で惨くあり、しかしユーモアも失われていない。 王道的な冒険や勇気の物語でもあるが、戦争として締めるべきところは締める。 訳も素晴らしくほぼ違和感なしに読むことができました。 バランス感覚に優れた非常に良い作品でした。 | ||||
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