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わが名はレッド



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【この小説が収録されている参考書籍】
わが名はレッド (ハヤカワ・ミステリ文庫)

わが名はレッドの評価: 3.71/5点 レビュー 7件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.71pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全7件 1~7 1/1ページ
No.7:
(3pt)

粘着度の高い復讐譚

双子の弟と共に捨てられ孤児院で育った男の復讐譚。

惨めな暮らしの末、最愛の弟を亡くした主人公レッドは、自身を捨てた兄コナー・ドナヴァン一家に恨みをつのらせて、報復を企てる。この計画が病的とも言えるほど執拗なのだ。

警官の赤子を誘拐し孤児院に放置したレッド。レッドは、20年後、この娘ルシールを使って、ドナヴァン一家の破滅を開始するのだ。レッドの悪辣さが延々と語られていく。

ルシールを探り出し、ドナヴァン一家の娘アンを母親と勘違いさせ、己が罪を悔いさせようと画策するレッド。ここでもレッドは、ルシールに直接コンタクトせず、ルシールのルームメイト ジェマを通して間接的に操ろうとする。これが、卑劣かつ回りくどいのでストレスが溜まる。著者の悪党小説『Mr. クイン』のテンポの良さはどこに…。

レッドの計画は、連続猟奇殺人鬼、ピカソの登場で狂ってしまう。ピカソは、ジェマを惨殺した挙句、ルシールを誘拐するのだ。偶然撮られた殺戮シーンの動画を入手したレッドは、ピカソを脅迫し、ドナヴァン一家を殺害していく…と続く。ピカソとは何者?は良いのだが、ここまでくると、当初の計画との落差に不満を感じてしまう。

クインと同じ犯罪プランナーのレッドは、同じ無情の悪党でも、粘着度が半端ないからか、どうも好きになれない。ゆえに結末はスカッとしてしまったよ。
わが名はレッド (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:わが名はレッド (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
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No.6:
(4pt)

ライト・クライム・ノベルです

「悪い奴が、いるもんだナ。他人の一生を滅茶苦茶にして……」が第一の感想。
他のレビュアーは、微に入り細に入りストーリーを論じていますが、
私は単純に楽しめました。

ピカソという名のサイコ・キラーが登場したあたりから、暗黒小説・犯罪小説
から娯楽的要素が強まった気がします。
その意味で本作は、ライト・クライム・ノベルと言えるでしょう。
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No.5:
(4pt)

緻密な復讐

Mr.クインに続く、著者のデビュー2作目。
主人公のレッド・ドックは、Mr.クインのジャード・クイン同様、犯罪プランナーだ。
ただし、この2作品で主人公の性格は異なっている。

クインが純粋に職業として、金儲けとして、仕掛けを楽しむのに比べて、レッドは
ひたすらに復讐に燃えている。

自分の復讐のために、何年も、何年も時間をかけて、緻密な仕掛けを作っていく様は、
Mr.クインにあった作品としての明るい感じのユーモア性は感じられずダークなトーンである。
それは、Mr.クインよりも、主人公を描く上で復讐を目的に生きる主人公の内なる世界と、アイルランドの歴史に踏み込んでいるからだと言える。
ブラックユーモア的な楽しみはMr.クインに譲るが、作品としての完成度は高いと感じた。
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No.4:
(4pt)

最後までクールでいて欲しかったが・・・

最後がややあっけなかったが、かなり引き込まれた。本の帯には、「闘うベストテン2002」海外ミステリー編第2位、「このミステリーがすごい!2003年版」海外編第3位とあるが、こうした高い評価を受けているのもうなづける。著者の「Mr.クイン」は未読なので是非読みたい。完全犯罪の迂遠ではあるが用意周到な準備とそれをぶちこわしにしかねないサイコ・キラーの登場という設定の面白さ、軽妙な語り口で前中盤は★5つ。ただ、予想もしていなかったあっけない幕切れで、結末は★3つ、平均すると★4つくらい。主人公レッドは、最初はすこぶるつきの優秀なのだが、徐々に優秀のレベルが落ちてくる。最後まで、クールで頭のいい悪役のままでいて欲しかったというのは読者の欲張りか。
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No.3:
(4pt)

born to be bad

犯人が語るというミステリーは結構古くからありますが、そのほとんどは、犯人が捕まらない様にと、ビクビクしています。でもこの物語の主人公は、根っから悪いというか、ピンチになりかけても動じません。なんとまぁ悪くなる為に生まれてきた様な、宿命の人です。あまりにサクサクと、すごいことをやり続けていくので、かなりひどいことをしていても、怪奇的な怖さがない分、現代風です。星が4つなのは、結末が少しものたりないかな?ということで。こんな人が世の中にいて欲しくないですけどね。
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No.2:
(2pt)

オチがこれでは…

犯罪を遂行する過程の描写はまあまあ楽しめるが、すぐに飽きるし、最後に明らかになる犯行の動機と真相にたいして意外性がない。同じ時間を使うなら、修道院での児童虐待についてのルポタージュでも読んだほうが良かったかな、と思ってしまう。
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No.1:
(5pt)

2002年度 一番楽しめた海外ミステリー

犯罪組織のブレーン、レッド・ドックの20年以上をかけた、周到な復讐劇です。「何に対する復讐であるのか」そして「1つ1つの出来事がどのような犯罪計画に結びつくのか」ということに引きつけられながら、一気に物語に引き込まれます。前作「MR.クィン」同様、一見意味のないことが、実際の犯罪計画では周到な意味を持った計画に変わっていく様子は、相変わらず見事というほかありません。物語は、主に登場人物3人の視点からえがかれ、衝撃の最終章にむかって加速します。2002年のこのミスではいいところまで行くのではないでしょうか。私にとっては「2002年度 一番楽しめた海外ミステリー」です。「MR.クィン」を面白いと思われた方は絶対買いなのはいうまでもありませんが、それ以外のミステリーファンの方々にもおすすめできます。この小説を楽しめる幸せ(?)を是非かみしめてください。
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