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ボトムズ
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ボトムズの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.44pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全16件 1~16 1/1ページ
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まず、犯人に意外性がまったくない。ほとんどの読者が、読み始めてすぐに「こいつは怪しい」と思ったであろう人間が、やっぱり犯人である。そして、不要に長い。手がかりが次々と与えられて、少しずつ犯人がわかっていくという風でもない。最後の最後に犯人が分かるのだが、別に他の誰かでも物語的に矛盾がない。誰にもアリバイはないし、こういう動機なら他の誰でも犯人であり得るので、犯人がわかったときにスッキリさが読者に感じられない。こういうのを読むと、日本の作家さんの推理小説のほうがレベルが高いなあと改めて思わされる。 | ||||
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アメリカ人の少年冒険譚というのは、独特の魅力があります。特に、1930年代というのは、おそらくアメリカ人にとってもそうじゃないかと思います。あの「パーフェクト・ワールド」の舞台もそうだったし、題名は忘れたけど、グレゴリーペックが幼い兄弟の父で拘留された黒人を守る役の映画もそうではなかったか。 本作のハリーもたまらんね。自分より幼いトムを守るため、散弾銃を片手にとてつもない冒険を試みるそのけなげさが胸を打つ。すでに絶版だし、古書価が高騰しないうちに是非買うべし! | ||||
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本書には、アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀長編賞が授与されている。 が。 冗漫で、後半は読み飛ばしてしまった。 その大きな一因は、父が息子に語る長弁舌にある。小さな街とはいえ、治安官を勤める父親がわずか11才の息子に、このように殺人事件の推理を聞かせたり、犯行現場に連れて行ったりするものだろか。なんとも不自然で、奇妙にすら感じられた。 また、1930年代のテキサス東部であっても、少年と妹が学校へ行かないのも不自然(やめた教師の替わりが見つからないというエキスキューズはあるが) 森の縁に孤立して建っている家であり、通学もしていないので、11才のハリーの遊び相手は9才になる妹のみで、この2人プラス突然引っ越してくるおばあちゃんが独自の捜査に挑むのだが、このおばあちゃんの存在がはたして必要なのだろうか? 根深い人種差別が父親の、ハリー達の捜査をはばむ。そのあたりは密に描かれていて、読み応えがある。 しかし、マキャモンの「少年時代」、キングの「スタンドバイミー」のような悪ガキの冒険が好きな自分としては、痛快さ、さわやかさという点でかなり物足りなかった。 推理小説としても、盛り上がりを欠く。 ランズデールの最高傑作と謳われているのが、わからない。 | ||||
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マキャモンの「少年時代」を彷彿させるような雰囲気の小説。とはいっても同じ土俵で比べることはできないが、共通するのは家族の絆と父と子の在り方ではないでしょうか。少年時代の「パパ」は息子を相棒と呼び、本書では成長していく息子への接し方で愛情を表現している。内容についての詳しい書評は先人のレビューに詳しくあるので避けるとして、本書に詰め込まれている物語は決して読者を飽きさせることはない。 ある日の夕刻、書斎の本棚傍に高く平積みされていた文庫本群の、一番天辺に積まれていた本書を何気なく手にしたあと気が付いたら夜になっていた。著者の「読ませる」技術力に驚いた。物語はだれることなく登場人物を介してテンポよく進展し、主人公の成長を克明に記録し、そしてあっけなく完結する。断っておくが、あっけなくというのはあくまで主観的な感想で、勿体ない位あっという間に読了してしまったという事である。「初年時代」と共通するのは、主人公が尊敬していた父親の挫折が物語の軸に大きく影響しているという事で、少年を成長させてる為の手法の一つ。ただ一つだけ微かな不満は、ある登場人物の解説で犯人が分かってしまった事くらい。物語至上主義の私としてはあまり気にならない程度だが。 「少年時代」は多少冗長にも感じられた場面もあったが、本書においてそれは感じなかった。全ての展開が次の展開へとスムーズに引継がれていくのだが、いずれも物語の着地点は素晴らしい。「少年時代」は不覚にもエピローグでは泣いたし、本書は非常に感慨深い後味が残った。本書は大恐慌時代に生きた家族の物語を基幹に、人種差別や男の成長を見事な筆致で表現しえた佳作といえる。願わくば、彼らとともに、彼らの食卓で、彼らの家庭料理を食べてみたいものである。 末筆になるが、何より一番のミステリーは、本書を購入した記憶がないという事だ。なぜ、私の書斎に本書が積まれていたのか・・・。それが本書を読んで最後に残った、唯一不満の残る、謎である。 | ||||
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1930年代 テキサスの夏。13歳のバリーは、妹のトムと、森の中で黒人女性の殺害された死体を発見する。バリーが伝説の山羊男のしわざと考えたこの事件は、連続殺人事件に発展していく ・・・ アル・サラントニオ編集のホラー・アンソロジー『999(ナイン・ナイン・ナイン)―狂犬の夏』に収録されていた短編を、長編化した作品。短編は、キング『スタンド・バイ・ミー』、マキャモン『少年時代』を彷彿するビルディングス・ストーリであったが、こちらは、背景として差別問題が色濃く描かれており、家族の再生が印象的な作品に仕上がっている。基本的にストーリは一緒で、短編も面白いのだが、長編で厚みが出た分、読み応えは増えているし、膨らまし方(?)が上手いので、結末はわかっていても楽しめる。が、お決まりの、登場人物たちは今どうなってる的な、エピローグは、もうちょっとハッピーなかんじにして欲しかった。 レナード&ハップ シリーズは最近、とんとお目にかかっていなけれど、ランズデールのこの手の作品もいいですねぇ。 | ||||
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チューブが取り付けられ、自由に身動きもできない老人ホームのベッドの上、思い浮かぶのは懐かしい少年時代。今はもう亡くなった父、母、妹たちの顔。そして、恐ろしかった連続殺人事件・・・。南北戦争からすでに70年近く経っている1930年代、それにもかかわらず未だに人種差別の激しいアメリカ南部のテキサス州東部、通称ボトムズ(低湿地帯)で起こった猟奇的な連続殺人事件を、父が治安官を務める11歳の少年からの視線で描いた、アメリカ探偵クラブ賞最優秀長篇賞を受賞したミステリ。 作者ジョー・R・ランズデールの小説は、ちょっとキレた人たちが登場するハッブ&レナードのシリーズは読んだことがあったのですが、同じ作者が書いたとは思えないほどの重厚さです。少年が少しずつ(ちょっと歪んだ)世間の仕組みを知り始め、何よりも強く大きな存在だった父の弱さに気付き、子供から青年へとちょっとずつ成長していく様がよく書けていて読み応え十分。 サイコキラーものに分類されるミステリですが、舞台と時代背景(黒人に対する白人の差別・偏見の数々、そのイヤらしさおぞましさには吐き気すら覚えてしまいます)、さらに少年の成長物語を上手に絡め、他の凡百の類似作品など足元にも及ばない一品。傑作です。 | ||||
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本書は、アメリカにおけるミステリーの最高峰、「MWA(アメリカ探偵作家クラブ)賞」・通称エドガー賞の’01年度最優秀長編賞受賞作である。 日本では’02年、「このミステリーがすごい!」海外編第13位にランクインしている。 齢80を越え、老人ホームで寝たきりの日々を過ごす‘私’が、遥か遠くに過ぎ去りし70年近く前の冒険譚を回想する。 時は1933年から34年にかけて。所はテキサス東部。‘私’は11才の少年だった。 物語は、黒人差別がきわめて普通に浸透しているアメリカ南東部の1930年代を時代背景に、黒人娼婦連続殺人を事件の幕開けとしている。9才の妹を持つ‘私’は、長男としての責任感にあふれ、地元で治安官を務める父親の助手となって事件を解決しようと思う。 やがて父親の捜査の思惑とはまったく別のところで、黒人の老人が犯人に仕立て上げられ、首を吊るされて殺される。しかし事件は続いた。黒人娼婦以外の殺人が新たに連続して起こったのだ。そして物語のクライマックスで意外な人物が真犯人・精神を病んだシリアル・キラーとして明らかになる。 ランズデールは一連の物語を、瑞々しい少年の感性と、家族の絆、黒人差別が当たり前の時代小説としての重み、そして老人の回想というノスタルジックな切なさを漂わせながら、ゴシック・ホラーの要素も加えて、実にうまく描き込んでいる。 私は、ランズデールの“語りの才能”と“文学的香気立つ筆致”に脱帽すると同時に、ミステリーであるにもかかわらず、すぐれた文学作品を読んでいるような感じさえ覚えた。 | ||||
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1人の少年の目を通してこの時代というものを見つめている。そんな感じです。ミステリーの部分はあくまで少年の成長を描く手段として用いられているように感じました。アメリカ南部の大自然と、その裏にある黒人居住区のごみごみして退廃した様子が主人公の目を通して読者の胸に突き刺さります。 ただ少し長い。あえて切る部分があったとは思わないけど、青春小説的内容ってこともありもう少しリズムの強弱がほしかった。たとえば人種差別問題のシーンはすごくリアルで濃く描けているので、もう少しコンパクトにしても充分伝わってはくるかなと思った。 映画化希望。レッドフォードとかダラボンあたりが2時間20分くらいにまとめてくれれば結構いい作品になるんじゃないかなあ。 | ||||
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はじめてハップ&レナード以外の作品を読みました。さすがです。妙な言葉遊びもなく、ストレートに伝わってくる描写はかなり映画的。あらすじも先が読めていそうで、ちゃんとハラハラドキドキするし。少年の おばあさんが出できたあたりで、ハップレナード路線になるのかと思えば、ちゃんとスタンドバイミーに戻るし。「神は銃弾」のどぎつさが 硬派だと思う人にはお勧めしません。 | ||||
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はじめてハップ&レナード以外の作品を読みました。さすがです。妙な言葉遊びもなく、ストレートに伝わってくる描写はかなり映画的。あらすじも先が読めていそうで、ちゃんとハラハラドキドキするし。少年の おばあさんが出できたあたりで、ハップレナード路線になるのかと思えば、ちゃんとスタンドバイミーに戻るし。「神は銃弾」のどぎつさが 硬派だと思う人にはお勧めしません。 | ||||
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30年代のテキサス、森深く川の流れる自然に恵まれた田舎で、黒人女性の猟奇的な死体が発見される。白人による差別に怒りを感じながら捜査を進める保安官の父の背中を追いながら、少年ハリーは川に棲むと噂されている不気味なGoat Manの存在を感じていた…。 南部の豊かな自然、田舎町のどろどろとした人間関係、出生の秘密、少年と父親の確執、密かな友だち…。ノスタルジックで、魅力的な風景のもとに、ランズデールのストーリー・テリングの才が冴えわたります。スタンド・バイ・ミー+ハックルベリー・フィンの冒険にホラーとミステリーの要素を加えた、一粒で二度おいしい的な一冊です。 | ||||
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この小説は,複数の側面から評価できると思いました。 まず,ミステリーとしては,構成が完璧だと思いました。この小説は,読者に想像させながら一気に読み進ませるだけのスリル感があり,殺人鬼の真犯人や森の怪人ゴートマンの正体が意外であったことから,読後の充実感を与えてくれました。次に,11歳の少年である主人公の心理描写が,実に見事でした。少年が社会の様々なことを理解し始める様子や,絶対的な存在であった父親が自信を喪失して泣くところを目撃したときの描写は,読みごたえがあります。また,黒人差別問題を考えさせられる場面が,いくつもありました。日本人にとっては過去の歴史であると思われがちですが,決して遠い過去のことではないと再認識させられます。 ミステリー以外の面でも楽しめ,途中決して退屈することのない長編だと思います。 もちろん,翻訳もすばらしいのだと思います。 | ||||
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ロバート・R・マキャモンの『少年時代』と似てるけど、ただノスタルジックなだけじゃなくて、試練を克服する父親像や、主人公である少年の成長などがしっかりと描かれています。ユーモアのセンスも良くて、最高レベルの作品です。 | ||||
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ロバート・R・マキャモンの『少年時代』と似てるけど、ただノスタルジックなだけじゃなくて、試練を克服する父親像や、主人公である少年の成長などがしっかりと描かれています。ユーモアのセンスも良くて、最高レベルの作品です。 | ||||
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アメリカ南部のホラ話、怪談の要素をうまくサスペンス小説に取り込んで、なかなか読ませる。少年が主人公の冒険小説でもあるし、黒人差別を描く視点は社会派だ。テキサスの「ボトムズ」という湿地帯のことをよく知らない日本人が読んでもそこそこ面白い。自然や風俗の描写が非常に魅力的だからだ。ヒット。きれいな流し打ちじゃなく、泥臭く引っ張ってレフト前ヒット。 | ||||
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物語として、とても面白い作品だ。 物語は、死の床についた老人の回想で幕をあける。 彼の少年時代。伝説や悪魔の存在に子どもながらの興味と恐怖を覚えていた。そこにシリアルキラーが出現する。 ミステリーにのせて語られる少年の成長物語は、ノスタルジックで、心にしみとおる。 スティーブン・キングのファンの方は、絶対に気に入るはず。 | ||||
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