■スポンサードリンク
黄金の島
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
黄金の島の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.00pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全16件 1~16 1/1ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
黄金の島ジパングを目指した一行15人は台風の脅威に逢いながらも3人の犠牲をを出したが日本に到着する。 待ち構えていたものはヤクザの一行で日本人ヤクザの立花は出迎え船乗船時に射殺されてしまう。 ヤクザの監視下に置かれ一年半後に脱出し新たな新天地へ旅出る。 物語はここで終わるが密入国した彼らは果たして大金を得て再びベトナムに帰ることができるのだろうか。 ヤクザに拘束された後の記述がほとんど無く何故彼らが生き延びてきたかをもう少し記述してもよかったのではないか。 一般文学通算1737作品目の感想。2016/09/29 17:50 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
黄金の島すなわち日本。 かつてマルコポーロが名付けたこの日本を1990年代のベトナムでは同じ思いがあったのだろうか。 ヤクザの坂口は失敗からベトナムへ身を隠しているがそこで出会ったシクロ数のチャム達と出会い、彼らが日本に憧れボートピープルとして日本にわたる計画を知る。 二年ほど前にベトナム旅行で見かけたシクロに思いはせ興味深く読んだ。 知らざれるベトナム社会の神髄を見た。 一般文学通算1343作品目の感想。2016/09/27 21:40 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
物語としては、まあ、間違いなく面白い、ベトナムへの興味も深まった。 が、なんだろう、、、、、 え? これはどういうこと? どうなったの? なんで? という疑問が残ったまま、終了してしまった。 エピローグのやっつけ感だけが、残念だった。 密航の話なんだけど、現在では密航者が日本で生活するためには、やっぱり裏の組織の力がないと、無理なんでしょうね。 坂口はヤクザである必要があったのでしょう。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
おもしろいはおもしろいのですが、最後がなんとも救われません。結局、純粋で必死なものたちだけが生き残るのです。ある意味では死んだ人も救われてるなかなぁ。とにかく長いが。。。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
いやー読んだなぁ〜って感じですね。ひさしぶりの上下巻の大巨編読みました。さすがに疲れたし、時間もかかりましたが、充実した時間でした。あっ!!っと驚くような展開は私的にはなかったですが、真保さんの作品はその立場にいる人の人間描写が凄いうまいと思いますし、書き方も自分の考えどうりにかいている感じがしてて改めて巧い文章を描く人だなぁーって素人なりに思いました。この国際社会派サスペンスは次はどうなるんだろう?って考えるよりも人の内面的露出度が抜群!?でした。それにリアリズムがあるし、とても説得力がある。これを読んで、明日や来月に「どんな作品だか忘れてしまったわ〜」なんて人はいないでしょうね。ベトナム人の黄金の島に対する憧れや、その他もろもろの考え方や、社会制度、南北の違いなどもわかり、とても為になったし、これからは違った目線でベトナムを観てみたいと肌で実感させられる小説でした!!! | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
国を追われたヤクザが東南アジアへ逃げるという始まり。この流れはちょっと強引な感じもしましたが、タイで襲撃されベトナムへ逃げ、そこでベトナム人の少年達と知り合い、彼らのシクロ漕ぎとしての生活が描かれるところは臨場感があり楽しめた。共産主義国家でありながら強烈な資本主義的な弱肉強食の経済、公然とまかり通る賄賂、人々の生活感、そこで日系企業に各種便宜をはかる現地日本人等々、東南アジア独特の熱気と喧噪、混乱がとてもよく伝わってくる。旅行、駐在等で訪れたことのある読者には懐かしく感じる点もかなりあると思う。 主人公とベトナム人少年、少女が小舟で日本を目指すのが後半。次々に迫り来る難関に挑む海上のアドベンチャーといった趣。クライマックスにはちょっと驚きいたり失望したり、それでいてちょっと心暖まる感じもする、という具合。最後まで主人公が日本の元ヤクザというのがしっくりこなかった。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
いよいよ日本を目指して船出です。 物語はいつしか国際サスペンス超大作からアドベンチャー巨編 に変貌を遂げます。 航海の途中、修司を信用できなくて軟禁してしまうベトナム人たち。 日本の位置も知らず、ろくな操船技術も持たない彼らに一体何が 出来ると言うんでしょうか。 でも、もしこれが白人と日本人という構図なら、やはり同じ事をしていた のでは無いかと思います。 クライマックスの台風発生、吹きすさぶ風雨の中、修司とベトナムの 若者は今までのわだかまりを捨て、力を合わせて頑張ります。 このあたりは迫力有る描写で、まさにアドベンチャー巨編と言って 恥じない内容です。 そして嵐を乗り切り、ついに夢にまでみた日本へ到着。 そこで待っていたのは厳しい現実。 ベトナム人が愚かなのか、日本人が愚かなのか、考えさせられました。 この小説には登場人物が多数出てきます。 一人一人が丁寧に書き込まれ、バー「ブルーム」の支配人、甲村など、 渋い脇役も配されてます。 でも、その分物語が発散してしまった気がします。 ベトナム組みと日本組み、二つの流れがあるのも、どっちつかずの 中途半端です。どちらかをメインとした方が、小説としては まとまったのでは無いでしょうか。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
裏切り、屈辱、無力感、絶望。そんな中で人々が抱く「希望」とは何か?重厚なヒューマンドラマ&息もつかせぬノンストップアクションノベル。抗争に巻き込まれ日本を追われるヤクザ・修司。彼がベトナム・ホーチミンシティで出会ったのは、黄金の島・日本への密航を目指すシクロ乗りの少年たちだった。「黄金の国」を追われた男は、一片の愛の望みを胸に故郷をめざし、少年たちは、豊かな富がもたらすであろう幸せを求めて全てを捨ててその地を目指す。今、発展途上国の中でも特に勢いのある国・ベトナム。共産主義国家でありながら、あまりにも資本主義的な「弱肉強食」の論理がまかり通る街サイゴン。ここを訪れたことがある人なら、あの熱気とパワーに圧倒さる想いをいだいたはずです。 その中で、不公平感や理不尽さを感じつつ、地をはい回る虫のような生活を送る少年たちが、希望に向かって一直線に努力する姿は、富を得ながらも希望や夢の多くを失った僕たちにとって非常にまぶしいものに映ります。「黄金の島」は本当に目指す価値のあるところなのか?アジアの熱気と喧噪が伝わってくるような、真保さんの真骨頂!下巻まで本を閉じられません。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
この本を読んでいると日本が、誤解されているなぁと思いました。 外国の方にとって日本はまだまだジパング(黄金の国)なのに、 日本人にとってはどうなんでしょうか? そんなことを問われているような一冊でした。ちなみに、日本は私にとって少なくとも黄金の国ではないです。 でも、自然が豊かと言う意味では大好きです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
逃亡者から一転、黄金の島をめざす冒険者へ。 非常に展開が早く、かつ読者の心をつかんだまま 一気に最終章へと連れ去る。 どの部分をとっても、非常にバックボーンがしっかりしており、 いろいろな方面から勉強をしていると思われる。 いつの時代も、人間とは現状に満足できず、他人の状況を 羨みねたむ。 自分にとっての『黄金の島』とは?何が人間にとっての『黄金に島』足りえるのか? 冒険小説ながら、現代の人々に考えさせる内容の非常に濃い小説に 仕上がってると思う。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
いい話だった。文庫化された真保裕一の作品はほとんど読んでいるがその中でもっともお気に入りの作品になった。そして同時にいろんなことを教える作品でもあった。「黄金の島」は、ヤクザの追っ手から逃れてベトナムに辿り着いた坂口修二とベトナムで日本に行くことを切望する若者カイとその仕事仲間のたちの話である。ベトナムに住む人々に言わせれば僕らの住む日本はアジアで唯一ヨーロッパやアメリカと肩を並べられる「黄金の島」である。日本に行けば幸せが待っていると信じるベトナムの若者達、ところが教育水準は低く彼等は日本の正確な位置も知らないのだ。南ベトナム敗戦後、92年までに東南アジア地域に脱出したボートピープルは79万人以上と言われているが彼等を喜んで受け入れた国はほとんどなかった。ボートピープル達はやっと到着した国で難民認定さえ得られず、不法入国者や不法滞在者となってさまよった。中には陸地を踏むことすらできず、海で餓死したり、海賊によって犧牲になった人も多かったという。 テレビでもたまに日本の領海に入って来たボートピープルを放送していたと記憶している。それを見て、「なんて無茶なヤツラなんだ」とか「そんな小さな船で日本目指してどうするんだ?」とかそんな風に思ってなかっただろうか。日本と言う経済的に裕福な国に生まれたと言うだけで彼等を見下して見てはいなかっただろうか。「黄金の島」の中で夢に向かって生き続けるベトナムの青年達、彼等の生き方こそ、僕ら日本人が忘れているモノではないか。僕らが見習わなければいけないものではないか。働かなくても食べ物ぐらい手に入る。そんな裕福な国で生活している内に、何かを追い求めることすら忘れている人間が多いように思う。そう痛感させられた。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
今日上巻を読み終えて、下巻を読み始めました。 夢を抱くベトナムの若者達、それを阻止する社会のシステム。どこにいても、自分の夢のために順風満帆に進んでいける人なんて一握りしかいない。現実はそんなものだ。と感じさせつつも、諦めてしまってはその場で人生は終わってしまう。やはり人間は目標があってこそ何事も一生懸命頑張れる事を強く感じさせてくれました。 下巻はどのように物語が展開していくのか。。。 楽しんで読んでおります。そんなに重苦しい内容ではないから、どなたにもお勧めできます。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
感情を交えぬ、緻密な描写は、映画を見てるようです。 2~3本の冒険映画を見た後のような充実感と満足感が得られます。 本の代金と、選られる楽しみを比べると、お買い得だと思います。テンポよく進むストーリーは、貧困、欲にボケた人間のおろかさが中心に展開され暗めです。しかし、その中で主人公の捨てられない、甘いロマンティズムが、淡々と描かれているところに、読んでる方まで、少し甘い気分のされてしまいます。 少し残念なのは、結末の味が、あまり良くなかったです。ま、これは個人の感じ方によると思います。週末、家で、じっくり楽しめる分量と内容です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
著者の作品を江戸川乱歩賞受賞作「連鎖」から読んでいるが、今までの作品の中では、「奪取」が私の中では1位だった。が、「黄金の島」を読んでそれも吹っ飛んでしまった。時間が経つのも忘れて一気に読んでしまった。 著者の作品らしく、ベトナムでの描写のディティールの細かさ。日本のみの舞台設定では描くことができないスケールの大きさ。読み応え充分である。物語は修司を中心に複雑に絡まりあっていく。特に修司のキャラクターがいい。すんなりと感情移入できる。また、黄金の島、日本を夢見るシクロ乗りチャウからの視点が効果的。ベトナムの内情が垣間見える。本作品の値段は一見高いように思うかもしれないが、余りあるカタルシスがある。 間違いなく真保裕一の現時点での最高傑作である。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
元船員りヤクザ・坂口修司は、組の兄貴分の罠で対立組織との抗争に巻き込まれ、命を狙われる身となり、日本を追われベトナムへとたどり着いた。そこで黄金の国・日本へ渡ることを夢見るシクロ乗りの若者と出会った。町を牛耳る顔役や悪徳警官らと対立しながらも夢の実現のために生きていく彼らの姿に感心する反面、あまりにもその夢が現実離れしていることに修司は苛立ちを覚えていった。だが、ベトナムでも狙われる立場となり、自らの望郷の念も重なった修司は、ベトナムの若者数名と共に密航し、日本に戻ることを決意するが、追っ手はすぐそこに迫る。果たして修司とベトナムの若者達は無事に日本へ辿り着けるのか? そして日本では何が待ち受けるのか? 真保裕一の2年ぶりの長編として期待しながら読み進めていきましたが、上下段で約550ページの分厚さだったものの、その厚さが内容の濃さに繋がっています。物語での登場人物は日本人、ベトナム人共に多いですが、修司の組の対立組織の構図、修司が想いを寄せ連絡を取り合う幹部の愛人・奈津、ベトナムでの立場……と、複雑ながらも構成の巧さが光ります。またベトナムの若者達が、ひたすら日本に行くことだけを夢見て、懸命に働き行動する姿はせつないながらも胸を打ちます。ラストは想像以上の展開が待ち受けますが、その意外性が修司とベトナムの若者との心の絆をしっかりと描いています。発展途上国ベトナムを舞台に日本の現実が浮き彫りにもされていますが、冒険海洋小説としてもスケールの大きさだけではなく、展開の奥深さを感じられる作品でした。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
次に何を書くか予想もできないジャンル無用の作家・真保裕一。今度は何とアジアン・ノワールに挑戦。常に読者をいい意味で裏切り、作家的取組みをその姿勢に示す人だから、まあこういうのもありか、と納得はできるのだが、読み進むにつれて明らかになってゆくノワールの濃密さ。 「ヴェトナム戦争」という単語でしか知らないヴェトナム。戦争以降のヴェトナムの真実について、これほど掘り下げて描いた娯楽本というのは、初めての体験である。ボートピープルの質が、いつかしら政治亡命から、経済的な種類のものに変わってきていることなど、こういう物語を体験しないとなかなか感覚的に掴めないものだ。 そしてこの本の白眉は、カバー絵で暗示されている通り、海洋冒険小説として味わえるヴェトナムから日本への脱出航路なのだ。ヤクザになり切れぬ日本人と、貧しさの底から這い上がろうとする若きヴェトナム人たち。真保裕一中、最も雄大なスケールを持った作品。何よりもきれいごとの多かったこの作家から一皮剥けた結末に向けて、疾走する物語。ドラマの軋みが聞こえてきそうだ。直木賞候補作になったそうであるが、受賞を逃したのが惜しいくらいに、作者入魂の一冊であるのだと思う。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!