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照柿
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照柿の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.99pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全109件 1~20 1/6ページ
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今回は熱処理工場の激アツ描写。 主人公の描写も相変わらず。 ただ、この作品の男二人の一人の女に対するのめりこみ方が尋常ではなく、ちょっとついていけない。 | ||||
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1994年8月31日第四刷にて読了、 厚さ37ミリ、全頁上下段500ページの分厚さ、 タイトルは、テリガキ、と読む、 照柿とは熟した柿の赤色で、文庫版では親切にカバーに採用されているので一応確認して主人公の目に映るカラーが如何様なものかを確認したうえで読み進んだほうがベター、 本書読了にて合田雄一郎シリーズを全巻読破、 発表順を無視しレディ・ジョーカーから始めあれこれ前後しながらだったが、気が付けば本書がラストで良かったように思う、 第三章冒頭で合田は開いた時間に八王子署の医務室で当直医師の診察を受ける、 すると血圧50-70という結果から医師は”計器が潰れているか、あんたが死ぬかだと言い、疲労、睡眠不足、低血圧、低血糖、要安静”などとカルテに記載し薬をだしたのである、 本書では合田以上に丁寧に描写される合田の幼なじみ野田達夫は更に追い詰められた疲労状態にある、 両者ともに彼らを労り休息を取らせる気の利いた人物が周囲に不在なため、物語の進行に沿い彼らの疲労は極限に向かってゆく、 血圧50-70で活動できる合田の体力はずば抜けていると称賛してもよいが、寿命を縮めていることも間違いない、 当直医はおそらく内科医だろうから、内科としての診察で済ませているようだが、合田が診察を受けるべきは神経科、心療内科、精神科、脳神経科など内科の守備範囲からはずれる分野だろう、 シリーズ全作を読んでもクリスチャンである合田が神キリストにすがる描写はなく、肉体の疲労と頭脳の疲労があるときはシンクロし、またある時は激しく共鳴を繰り返し、最後には精神の決壊とも呼ぶべきエピソードに結びつく、 次に三年ぶりに”われらが少女A”を再読しようと思うが、かの物語がどうにか平穏を手に入れた合田の物語である落ち着きが愛おしいからである、 シリーズ中、特に本作と冷血に感じるのが、恵まれた資質を持ちながら身を置かれた家庭・生活環境の劣悪さからたくさんの可能性を過酷に摘み取られ犯罪に向かうしか選択肢が無くなってしまう不幸なキャラクタの造形だ、 すべてを手に入れたようなレディ・ジョーカーの城山でさえたった一つの選択ミスが彼は破滅させてしまう、 人生、人それぞれと詠嘆しても詮無い人の世の残酷さに読者は涙するしかない、 以下蛇足、 妄想としての合田雄一郎の日記 9月15日 未了 | ||||
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①ミステリーというよりも、人間ドラマを描いた作品である。一人の女性をめぐる刑事と工員。人間の性を実によく描いている。 ②捜査は行き詰まり、先は読めない。工員の労働環境の劣悪さ連続する故障、休めない工員。二つの犯罪にはやくざと賭博が絡む。自ら賭博場に飛び込む刑事。このような場面は、刑事が参加することは普通はない。ワクワクするりんじょうかんも読みどころである。 とにかく面白い。 お勧めの一冊だ。 | ||||
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①爽やかとは言い難い結末。行場のない殺人。追い込まれると人間は罪を犯す。女を巡る工員と刑事。やるせない思いが去来する。人間ドラマを書かせたら著者の右に出る作家はいないのではないか? それぐらい良く描けている。 映画やドラマの題材としても最適だ。 お勧めの一冊だ。 | ||||
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最初、詳細すぎるように思える長々とした著者の描写は、しかし主要な登場人物の輪郭を確実に脳裏に付着させるために必要なことだった。これを読後の充実感の中でまず思ったことだ。その面影は、だから容易に消えず私の胸の内を温めてくれる。感動的な本である。著者の豊かな包容力を思う。 | ||||
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高村薫の作品はとにかく描写が細かい。だから最初のうちはこちらがイライラする。だがそれを我慢して読み進めると、自分の脳裏にしっかりと人物なり描写が焼き付いているのがわかる。これは容易にははずれない。雄一郎も達夫も美保子もヤクザでさえ迫真の立ち回りをする。きっと作者の頭に彼らのイメージがこびりついていて、文章として吐き出したそれが、今度は読み手の頭にこびりつくのだ。著者は確固たる世界観を持っているのだろう。 | ||||
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新品購入したにも関わらず、カバーが破けていました。擦れてるところがあったり、少々仕方ないかなと思いつつも、保管方法について少し疑問です。 これなら中古商品で買えば良かったと少し残念に思います。 | ||||
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上巻に続き、下巻をかなり時間をかけて読み終えました。ひとことでいえば、やや期待外れでした。主人公雄一郎をめぐって、達夫、美保子、さらに義兄など、登場人物それぞれが丁寧に描写されていました。しかし、それらが肝心の作品のテーマとかみあってきませんでした。というか、そもそもこの小説で何を描きたかったのか分かりませんでした。先に読んだ『冷血』が一本筋の通った良作だっただけに不満の残る読書体験になりました。 | ||||
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下巻はまだ読んでいません。上巻のみの感想です。 今のところ、この小説が何を描こうとしているのか方向性が見えません。おそらくホステス殺しの真相がメインなのでしょう。ただ、それに雄一郎の美保子への恋情や雄一郎と達夫の葛藤がどのように絡んでいくのでしょうか。もしかしたら接点がないまま終わるのかもしれません。いずれにしても、細部にわたって緻密な描写が貫かれている本作品は、文章を読む醍醐味を存分に楽しめる希有の小説だと思います。 | ||||
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小食も今年は齢60歳。 人生とはいろいろなことがあるものです。 照柿を読んでいて、その点を強く感じまし た。 良きこともあれ、悪しきこともあれ。 それが人生ではないでしょうか。 照柿にそれを見つけて、自分の 人生を改めて振り返ってみる良き機会となりました。 ありがとうございました。 | ||||
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私が高村薫を知ったのは 病院の 待合室に何気なく置いてあるサンデー毎日の「 サンデー事評」を見てからだ。 荒れ狂う海の中日本丸の乗客の一人である自分。自身のコンパスを信じ 生きる保身のため 近くのロープで我が身を縛り 時には(小さく)叫び声を上げ 辺りを見回しキョロキョロする。 またある時には日々刻々と変化する時間を呪い我が脳内に膿みを膨らせ「 何なぜ信じられない ふざけるな それはないでしょう」と 自問する日々。 コラムは肌身の中の四角いロープで スパーリングし ヒットしシャイニングしてくれました。 導かれるように「我らが少年 A 」「照柿」「土の記」と読破し今は「晴子情歌」上 読書中。 思うに高村薫氏は 霊媒的体質ではなかろうか? それとも作家高村薫氏は作品を イメージする 想像上の偶像を 形象化しつつ、 ぬるりと 害形を破り 赤子のように羊水の中に漂って 形はなさない 魑魅魍魎 の想念体で 斗争しつつ 微笑んでいるのだろうか? 現在私の中の お気に入りの作家です。 | ||||
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土地勘のある場所や、ベアリング工場の詳細な描写に感心しながら、暑さ・熱さを感じる小説。 その象徴が焼い入れの温度を表す照柿色というわけだ。 合田刑事の過去も含めて、登場人物のバラバラな日常を描いてそれが最後に修練するのは職人技と言う感じ。 でも再終段に至る直前で、内容がスキップしたような印象を持った。思わず部分的に読み返した。 「マークスの山」にも感じだが、最後の展開が説明不足で一気に結論に突き進んでしまうのだ。 それがどうしても馴染めない、というか納得できない。 | ||||
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気にいる、イランは、別に有りませんです。 | ||||
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この小説を簡潔に表現するならレビュータイトルの通り。 「真夏と溶鉱炉と片頭痛と睡眠不足とトラウマと嫉妬」 幸い私はお盆の最中に読了し、思う存分苦しみ、そしてそれに続くカタルシスを堪能できた。 これから読む人は真夏に読むことをお勧めする。 ただ、忍耐がいる。 しかしその忍耐は十分報われる忍耐なので、 安心してのたうち回りながら読んでくれ。 そんなわけで上巻だけだと星3つ。 残りのレビューは下巻で。 | ||||
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あまりの息苦しさによほど途中で投げ出そうかとも思ったけれども、 最後まで読んで本当によかったと思えた、そんな作品。 終盤で一気にネタバレという名の伏線回収がカチリと決まり、 おまけにデカネタを投下して物語を計算ずくの力技で完結させた その勢いには脱帽します。 上巻をスムーズに読めるなら何も言う事はないけど、 もし途中で投げ出したくなり、かつ、高村薫ファンであれば 終盤で合田が辻村から聴取を受ける場面から読んでみてくれ。 つまり2度読みたく作品でもある。 感性の鋭さが招いた悲劇を見事に描き切り、 ラスト、合田に対する義兄の手紙で完全ノックアウト。 気持ちよかった… | ||||
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20年ぶりに再読、色あせない、面白い小説というのは、あるもので、この作品も、著者,レディジョカー、マークスの山と並ぶ、三大傑作だ。その点、期待して読んだ、冷血は、少したよりなかった。 | ||||
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マークスの山・レディジョーカー・照柿までがピーク。後の作品拝読しtが、スピード感・スリリングさに欠ける。 | ||||
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マークスの山・レディジョーカー・照柿までがピーク。後の作品拝読しtが、スピード感・スリリングさに欠ける。 | ||||
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合田雄一郎 異質であること。 何かが自分の中に存在しているが、しかしその正体がつかめない。 いらだち。何もせずに 美保子に惹かれる。 達夫 確実に平凡な生活をしていた。しかし身体の中で爆発していく。 美保子 狂気を 身体の中に秘め 発露する。 | ||||
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「照柿」は刑事モノ?恋愛沙汰?鋳物工場のディテールの役割は?Amazonのキャッチフレーズ「合田雄一郎サーガ"第2弾、決定版。男たちを狂わせたのは、溶鉱炉のような炎熱と運命の女。」は間違い。そんな小説ではない。「照柿」の読み方は色々あると思うが、私の視点は一つだけ。以下ネタバレしない程度に私説を説明します。「人間とは本当に愛したい人を愛することができるのか?どうしたら愛してもらえるのか?」。この問いを高村薫は「照柿」で突きつけていると思う。野田達夫がなぜ殺人を犯したのか(彼が殺したのは、彼が殺したい人間でしょうか?NOですね)で高村薫はすでにヒントを出している。この殺人は子供の頃の合田雄一郎が達夫に宛てた絶交状にある。達夫はその絶交状の悲しみに耐えきれず、数十年後に雄一郎が予測した通りのことをやってのける。雄一郎に認められたい、愛されたいから。雄一郎が最後に叫ぶではないですか!「達夫、好きや!」と。二人の間にある感情はもちろんホモセクシュアルではない。それが何なのか、高村薫は二人の男が惹かれ合う様を微細に描写して読者に考えさせようとしているのではないでしょうか?非常に優れた小説である。 | ||||
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