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照柿
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照柿の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.99pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全19件 1~19 1/1ページ
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上巻に続き、下巻をかなり時間をかけて読み終えました。ひとことでいえば、やや期待外れでした。主人公雄一郎をめぐって、達夫、美保子、さらに義兄など、登場人物それぞれが丁寧に描写されていました。しかし、それらが肝心の作品のテーマとかみあってきませんでした。というか、そもそもこの小説で何を描きたかったのか分かりませんでした。先に読んだ『冷血』が一本筋の通った良作だっただけに不満の残る読書体験になりました。 | ||||
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この小説を簡潔に表現するならレビュータイトルの通り。 「真夏と溶鉱炉と片頭痛と睡眠不足とトラウマと嫉妬」 幸い私はお盆の最中に読了し、思う存分苦しみ、そしてそれに続くカタルシスを堪能できた。 これから読む人は真夏に読むことをお勧めする。 ただ、忍耐がいる。 しかしその忍耐は十分報われる忍耐なので、 安心してのたうち回りながら読んでくれ。 そんなわけで上巻だけだと星3つ。 残りのレビューは下巻で。 | ||||
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この作家の作品全てにあてはまる気がする。 非常にいい舞台を作り上げるのだが、大道具小道具照明に懲りすぎて観衆の目がそちらへ行ってしまい、肝心の芝居が盛り上がらない。…そういう劇を見せられている気分になる。 | ||||
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どうにもついてけないものがある。 ネット風に言えばカキコしすぎ。 書かなくて良いところまでディテールを追っている。したがって話の盛り上がりに欠ける。 | ||||
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ホステス殺人事件と駅での飛び込み、これに付属して美保子を中心にした野田と合田の確執、 答えの無い事件に苦悩する合田、いつ崩壊してもおかしくはない劣悪な仕事場での事情、 前編から引き続きそういった様々な要素を散々引っ張ったわりには、 それぞれかなり雑にまとめられてしまいかなりガッカリ ホステス事件は何となく解決し、野田を貶めようと画策した合田の行動もいつのまにかお流れ、 何でこんな奴という人物が殺され、何かどたばたして終わり さすがにこれは満足できる内容ではなかった 特に合田と美保子との間に関係という物が全く存在しないのと、そもそも美保子の描写が薄いのが 一番の問題だろう いい年した中年刑事が夢中になるほどの何かを美保子には見せて欲しかった ホステス事件は他の作品に回し、駅での事件と野田と合田の話一本でいっていればと思ってしまう一冊だった | ||||
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何回も途中で止めようと思いましたが,結局最後まで読み通しました.娯楽性を持った警察小説を期待していたので完全に裏切られました.しかし,描写は細かく,印象に残ることは確かで,読んだことを忘れてしまうようなことはないと思います.ずっと頭重感を持つ主人公の心境に同調しましたが,僕がこの種の本に求めてる心地よい刺激とは違います.高村薫は当分読まないと思います. | ||||
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重苦しい。暑苦しい。暗い陰鬱な描写が続き、自分までが不眠と頭痛で朦朧としているような気がしてきます。この小説には、ほとんど嫌な部類の人間しか出てきませんが、鏡に映せば、自分も似たようなものかもしれません。圧力を増していく堰がいつ切れるのか、最初から緊張しっぱなしですが、それが起きるのは下巻の最後近く。長いです。この世の大多数の人間は似たような経験をしながらも崩壊までには至らない、その境を越えてあっち側に行ってしまった人間の崩壊物語のひとつ。 | ||||
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野田さんは頭がおかしいのですか? 合田すらおかしい。 精神鑑定したら無罪になっちゃうの? こんなわけの分からない理由でころされたら堪ったもんじゃない。 無理ありすぎでしょ、高村さんミステリー辞めて正解。 | ||||
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野田さんは頭がおかしいのですか? 合田すらおかしい。 精神鑑定したら無罪になっちゃうの? こんなわけの分からない理由でころされたら堪ったもんじゃない。 無理ありすぎでしょ、高村さんミステリー辞めて正解。 | ||||
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・・・高村薫さんって、こんな感じだったっけ? 重厚だけれどテンポの良い、五條瑛さんやとにかく一切修飾語のない 吉村修一とか読んでいたせいか、す、す、進みませんページががが! この上巻でも、「工場が衛生的でなく暑く、苛酷な労働条件です」 ということを表現するのに何十ページと使ってある。 うーん、確かに主人公の幼なじみとして、しかも極道という過去を捨てて これだけの苛酷な場所でずっと働いていた・・という虚無感や焦りを表現するのに 必要なのかもしれないが・・ 昔、世界名作全集で、延々と家族構成の説明だけを読まされた、 某・有名な名作を思い出す。 コンサルのレポートは一枚いくら、だとか何時間でいくら、だとか、 完全に量で金額が決まる分野もあることは知っているが、 もしかして小説も?長ければ長いほどありがたがられるの?と、 少しやさぐれてきたのも本当だ。 熱くて暑い描写がえんえんと続くので、読んでいるのは真冬なのだけど、 なんだか息苦しくなってきた。 顔をぐいぐい、夏のむわっとした熱いコンクリートにでも押し付けられているようだ。 読んでいるのが冬で、逆によかった。。 でも、そろそろ、展開急いで!正直しんどいです、読むの。 この上巻を説明して、と、誰かに言われたら、あたしは迷わずこう言う。 「主人公の刑事が偶然電車事故に巻き込まれて、 事故の被害者を愛人にしていたオトコの奥さんに一目惚れして 偏執狂的にストーカー紛いのことをおっぱじめる。 たまたまその奥さんと浮気しているのが、劣悪な工場で働いている 芸術家の男で、逃避行しようとしていたらばったり刑事と遭遇。 そうしたらこの二人はたまたま幼なじみだったらしい。 んで今、お互い奥さんを間に挟んで勝手に相手を陥れたくて モウソウシテルところ。そこに刑事が追っている事件がちらほら、 間に入ってきてる感じ」・・以上! | ||||
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・・・高村薫さんって、こんな感じだったっけ? 重厚だけれどテンポの良い、五條瑛さんやとにかく一切修飾語のない 吉村修一とか読んでいたせいか、す、す、進みませんページががが! この上巻でも、「工場が衛生的でなく暑く、苛酷な労働条件です」 ということを表現するのに何十ページと使ってある。 うーん、確かに主人公の幼なじみとして、しかも極道という過去を捨てて これだけの苛酷な場所でずっと働いていた・・という虚無感や焦りを表現するのに 必要なのかもしれないが・・ 昔、世界名作全集で、延々と家族構成の説明だけを読まされた、 某・有名な名作を思い出す。 コンサルのレポートは一枚いくら、だとか何時間でいくら、だとか、 完全に量で金額が決まる分野もあることは知っているが、 もしかして小説も?長ければ長いほどありがたがられるの?と、 少しやさぐれてきたのも本当だ。 熱くて暑い描写がえんえんと続くので、読んでいるのは真冬なのだけど、 なんだか息苦しくなってきた。 顔をぐいぐい、夏のむわっとした熱いコンクリートにでも押し付けられているようだ。 読んでいるのが冬で、逆によかった。。 でも、そろそろ、展開急いで!正直しんどいです、読むの。 この上巻を説明して、と、誰かに言われたら、あたしは迷わずこう言う。 「主人公の刑事が偶然電車事故に巻き込まれて、 事故の被害者を愛人にしていたオトコの奥さんに一目惚れして 偏執狂的にストーカー紛いのことをおっぱじめる。 たまたまその奥さんと浮気しているのが、劣悪な工場で働いている 芸術家の男で、逃避行しようとしていたらばったり刑事と遭遇。 そうしたらこの二人はたまたま幼なじみだったらしい。 んで今、お互い奥さんを間に挟んで勝手に相手を陥れたくて モウソウシテルところ。そこに刑事が追っている事件がちらほら、 間に入ってきてる感じ」・・以上! | ||||
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野田達夫は自分は人殺しではないかという脅迫観念を 心の中に飼い、しばし噴出しそうになる怒りを微妙な バランスで自制しながら、工場勤めを続けてたが、 18年ぶりの合田雄一郎との再会が彼の人生を狂わる。 ラストに達夫が起こした殺人事件のきっかけとも言える子供時代の 二人の出来事が明かされます。逃れられない運命をいつもながらの 格調高い表現で淡々と描写する筆力に脱帽。 余談ですが、作者が女性って始めて知ったときはびっくりしました。 | ||||
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野田達夫は自分は人殺しではないかという脅迫観念を 心の中に飼い、しばし噴出しそうになる怒りを微妙な バランスで自制しながら、工場勤めを続けてたが、 18年ぶりの合田雄一郎との再会が彼の人生を狂わる。 ラストに達夫が起こした殺人事件のきっかけとも言える子供時代の 二人の出来事が明かされます。逃れられない運命をいつもながらの 格調高い表現で淡々と描写する筆力に脱帽。 余談ですが、作者が女性って始めて知ったときはびっくりしました。 | ||||
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事件物、推理物として読む本ではないが、さりとて文学作品としては、ドストエフスキーはもちろん、中上健次の最良作にも及ばない。読み応えはあったが、焦点を絞りきれずに、事件の解決でまとめた感じ。合田と美保子がセックスするところまで行かないと、このテーマは描けないのでは……。ストーリーの弱さを文章表現と取材力で補っているうちは、改稿癖は直らないだろう。 | ||||
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事件物、推理物として読む本ではないが、さりとて文学作品としては、ドストエフスキーはもちろん、中上健次の最良作にも及ばない。読み応えはあったが、焦点を絞りきれずに、事件の解決でまとめた感じ。合田と美保子がセックスするところまで行かないと、このテーマは描けないのでは……。ストーリーの弱さを文章表現と取材力で補っているうちは、改稿癖は直らないだろう。 | ||||
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達夫は雄一郎の影であり、雄一郎は達夫の影だった。互いに相手を見つめたとき、 自分自身の一番見たくない部分を見たような、そんな気がしたのではないだろうか。 彼らはまるで、背中合わせに生きてきたようだ。そんな二人が、美保子を挟み対峙 する。もし美保子が達夫と何の関係もなかったら、雄一郎もそこまでこだわら なかったのではないのか?もし雄一郎が美保子を気にかけなかったら、達夫の行動も もう少し違ったものになったのでは?いったん狂いだした歯車は思わぬ事態を招く。 人を狂気に駆り立てるものはいったい何か?作者は緻密な描写で、読み手さえその 狂気の中に引きずり込んでいく。内容の濃い、読み応え充分な作品だった。 | ||||
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達夫は雄一郎の影であり、雄一郎は達夫の影だった。互いに相手を見つめたとき、 自分自身の一番見たくない部分を見たような、そんな気がしたのではないだろうか。 彼らはまるで、背中合わせに生きてきたようだ。そんな二人が、美保子を挟み対峙 する。もし美保子が達夫と何の関係もなかったら、雄一郎もそこまでこだわら なかったのではないのか?もし雄一郎が美保子を気にかけなかったら、達夫の行動も もう少し違ったものになったのでは?いったん狂いだした歯車は思わぬ事態を招く。 人を狂気に駆り立てるものはいったい何か?作者は緻密な描写で、読み手さえその 狂気の中に引きずり込んでいく。内容の濃い、読み応え充分な作品だった。 | ||||
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これをいわゆるミステリーのつもりでわくわくしながら読むと、期待外れになるおそれがある。心の機微にかかわる描写部分がとても多いからだ。それゆえに高い文学性を持ちえたともいえるけれど、事件や謎解きの刺激を期待しすぎると、冗漫でただただ長いような印象を受けてしまう。そういう意味では、スタンスがあいまい。 それと、熱処理工場が取り上げられている点にも大いに期待したのだけれど、明らかな誤りがあって残念。工場の熱処理現場を描写したシーンで、変成炉のフタがあく、というようなくだりがあるけれど、変成炉というのは熱処理炉で使うガスを製造する装置で、配管でつながっているだけなので、稼動中にフタがあくことはあり得ない。 モデルになった工場はトヨタ系ベアリングメーカーの光洋精工と聞いているが、あまり詳しく取材しなかったんだろうか。熱処理現場は、あくまでも赤く重苦しい熱の象徴としてのみ使いましたということなんだろうけれど。 そのあたりもイマイチだった。 | ||||
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この本は正直高村薫の他作とくらべると地味であるし 秀でているわけでもないというのが僕の印象である。ただし これを読んだ瞬間に「高村薫は大きな舵を切ったな」ということでぞくぞくした。マークスの山までは 彼女はミステリー作家というジャンルで大活躍する作家「だけ」であったと思う。但し 彼女の硬質な文体から立ち上る文学性に酔っていた僕として この「照柿」で完全に彼女の「野心」が分かったと思った。即ち 現代のドストエフスキーとも言うべき 一大文学者魂がベールを脱いだ瞬間である。 そう言う意味で 本作は彼女の転換を示した「処女作」であると思っている。これを読んで高村薫はつまらないと思う人も大勢いるだろうし 高村薫は凄いと思った人もいると思う。ある意味高村薫が読者を選んでいるような そんな作品です。 | ||||
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