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フランキー・マシーンの冬
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フランキー・マシーンの冬の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.40pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全23件 1~20 1/2ページ
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よかった、とてもよかった。やっぱりウィンズロウ作品は最高だ。 上巻の1/4越えまでは、主人公フランク・マシアーノの人間性や現在の生活ぶりが長々と描かれており、ちょっと退屈だと感じるが、そこでの内容は後々の人間関係や下巻終盤の展開に反映されている。 そしてこの後は退屈とは無縁の展開で、ページをめくる手が止まらなくなる。 物語の中では、彼の人間的魅力もさることながら、何と言ってもその銃さばきの見事さに魅せられる。 これが62歳だというところもいい。随時老齢期に突入したことを自覚しながらも、腕は衰えていない。 かっこいい。読んでいて爽快だ。 ただ、仲間のひとりが執拗なリンチを受け死亡したあと報復に出向き見事に仕留めるのだが、私としては物足りなく、もっと同じくらい長く苦しませればよかったのにと感じた。 登場人物が多くて整理するのがちょっとたいへんだったが、ストーリーとしてもよくできた内容だったと思う。 2024年現在、ウィンズロウは作家活動をやめると宣言しているようだが、絶対復帰してほしいと切に願う。 東江一紀氏の翻訳もすばらしい。故人となってしまったことは本当に残念だ。 本書は文字が大きく短い章で区切られていて、老齢期に入った私としてはたいへん読みやすかった。 | ||||
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かっこいいですねー、このじいさんマフィア。中身はなにもないけれど大変楽しく読ませていただきました。楽しけりゃいい・面白けりゃいいを地で行く小説ですね。何といっても出だしのフランクの日常の解説が素晴らしい。私はハチャメチャな「犬の力」よりこっちが好きだしお薦めします。 | ||||
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面白く爽やかに読み終えました。ウィンズロウの「犬の力」は面白かったけど、私には少し重かったのですが、こちらはちょうど良い重さ加減でした。 | ||||
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面白かったです。題材も重すぎず、最後には爽やかに笑いながら読み終えました。 | ||||
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作者のドン・ウィンズロウは、そうとうな映画ファンだ、と私は上巻のレビューで書いたのだが、下巻を読んで間違いないと確信している。 VIPたちがクルーザー上で始めた乱交を、ガードしているフランクとマイクと可憐な娼婦サマーが気つかないふりをしながらデッキで語り合うところの比喩では、映画の『カリギュラ』対『我は海の子』と書き、ビック・マックの登場で、「住まいはランチョサンタフェのお屋敷で、そこを”タラ”と呼んでいるらしい」。 もちろん映画『風と共に去りぬ』のテーマ曲「タラのテーマ」からの引用だが、ビック・マックの屋敷が南部の豪邸をしのぐ屋敷だからである。 ビック・マックの用心棒のポーターが、ダークスーツ、ボタン・ダウンのシャツ、細いブラックタイで「最後は、あんたとおれってことになるなしいな」と凄まれたフランクが「なんだ、それは?『シェーン』か?」とここでも映画が出てくる。(ポーター=ジャック・パランス演じる殺し屋だろう) 相棒のマイクは、映画『ゴットファーザー』で誰かが語った言葉を度々引用するから、「『ゴットファーザー』以外の映画を観たことないないのか?」「おまえは?」とマイクがなじる場面もある。 『カリギュラ』は、ローマ皇帝カリギュラの治世でローマ帝国衰退を描いた1980年制作のイタリア・アメリカ合作のハード・ポルノ映画です。 『我は海の子』は、ヴィクター・フレミング監督の1937制作のアメリカ映画で、ポルトガルの漁師と富豪の少年の心温まる物語で、漁師を演じたスペンサー・トレーシーがアカデミー主演男優賞を受賞した映画なのです。 ヴィクター・フレミングは、1939年に、『風と共に去りぬ』を、監督し、同じ年に、『オズの魔法使い』という映画史に残る二作品も監督しています。 本書では、映画だけではなく、M・ディビスのジャズやCCRのヒット曲も挿入されていたり、フランクが少女誘拐犯の口を割らせるシーンでナイフを研ぎながら、”誰も寝てはならぬ”を口笛で吹くシーンなど、ストーリー展開に色を添えるスパイスとして、間違いなくウィンズロウは楽しみながら書いてるのだろうな〜と思いながら読んでしまった。 この手のマフィアものでは定番となっている、FBI内部の裏切り者の登場、そして悪徳政治家とマフィアとの繋がり、大事な一人娘のジルまで誘拐されたフランキー・マシーンが絶対絶命の窮地に立たされたが・・・さて、さて、この先は読んでのお楽しみ。 訳者あとがきで、東江一紀氏が、「充実期に入ったウィンズロウの遊び心すら感じさせる、伸びやかで味わい深い熟年クライム・ノベルである。」と、書いていたが、たかがクライム・ノベル、されどクライム・ノベルと思い、やはり読者を楽しませてなんぼの世界である、と楽しく本書を読み終えました。 | ||||
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本書の主人公であるフランク・マシアーノがピザ配達人を装って手際よく裏切り者を打ち殺した後に、フランクの相棒のマイクが・・・・・「お前はマシーンだ。フランキー・マシーンだな」「それは、シナトラが映画でやった役の名前じゃないか?」「『黄金の腕』麻薬中毒者の役だ」「勘弁してくれ」「だが、おまえの場合は、“黄金の手”だな、フランキー・マシーン」その名が、のちのちまで残った。・・・・・などと読んでいたら、大昔に私がこの映画を観たときオープニングのテーマ曲と映像に衝撃を受けたことまでを思い出してしまった。 この会話に出てくる映画『黄金の腕』(The Man with the Golden Arm)を、本書の作者ドン・ウィンズロウは1953年生まれだからリアルタイムで観てはいない。 だが、作者は、子供の頃にTVか場末の再上映館で観たんだろうと想像してしまった。 本書では、映画にかかわる話はまだ出てくる。 フランクの顧問弁護士兼会計士“五セント玉”ことシャーム・サイモンの事務所でFBI捜査官のディヴ・ハンセンが聞き取り捜査している最中に、運悪くフランクから電話がかかってきてしまった。“五セント玉”は、たった一言「ラン」の言葉で電話を切ってしまった。 ・・・・・「逃げろ?」ディヴ・ハンセンがきく。ディヴは机をはさんでシャーム・サイモンと向かい合っている。「日本映画です」サイモンが答える。「黒沢監督のね。まだご覧になっていになら、ぜひ観るべきですな」「それは『乱』だろうが」・・・・・ 作者ドン・ウィンズロウが、そうとうな映画ファンなのは間違いないだろうと思ってしまった。 こんな映画の話だけではなく本書を読み進むのに苦労しない東江一紀氏のテンポのよい翻訳の冴えは見事である。 『ストリート・キッズ』『犬の力』とウィンズロウ作品を読んでいたが、本書『フランキー・マシーンの冬』は、物語の内容(マフィアの内紛)に新鮮さを感じないのだが、読者を飽きさせないウィンズロウの筆捌きは健在だな、と上巻を読み終えた。 | ||||
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本書の主人公であるフランク・マシアーノがピザ配達人を装って手際よく裏切り者を打ち殺した後に、フランクの相棒のマイクが・・・・・「お前はマシーンだ。フランキー・マシーンだな」「それは、シナトラが映画でやった役の名前じゃないか?」「『黄金の腕』麻薬中毒者の役だ」「勘弁してくれ」「だが、おまえの場合は、“黄金の手”だな、フランキー・マシーン」その名が、のちのちまで残った。・・・・・などと読んでいたら、大昔に私がこの映画を観たときオープニングのテーマ曲と映像に衝撃を受けたことまでを思い出してしまった。 この会話に出てくる映画『黄金の腕』(The Man with the Golden Arm)を、本書の作者ドン・ウィンズロウは1953年生まれだからリアルタイムで観てはいない。 だが、作者は、子供の頃にTVか場末の再上映館で観たんだろうと想像してしまった。 本書では、映画にかかわる話はまだ出てくる。 フランクの顧問弁護士兼会計士“五セント玉”ことシャーム・サイモンの事務所でFBI捜査官のディヴ・ハンセンが聞き取り捜査している最中に、運悪くフランクから電話がかかってきてしまった。“五セント玉”は、たった一言「ラン」の言葉で電話を切ってしまった。 ・・・・・「逃げろ?」ディヴ・ハンセンがきく。ディヴは机をはさんでシャーム・サイモンと向かい合っている。「日本映画です」サイモンが答える。「黒沢監督のね。まだご覧になっていになら、ぜひ観るべきですな」「それは『乱』だろうが」・・・・・ 作者ドン・ウィンズロウが、そうとうな映画ファンなのは間違いないだろうと思ってしまった。 こんな映画の話だけではなく本書を読み進むのに苦労しない東江一紀氏のテンポのよい翻訳の冴えは見事である。 『ストリート・キッズ』『犬の力』とウィンズロウ作品を読んでいたが、本書『フランキー・マシーンの冬』は、物語の内容(マフィアの内紛)に新鮮さを感じないのだが、読者を飽きさせないウィンズロウの筆捌きは健在だな、と上巻を読み終えた。 | ||||
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やはりドン・ウィンズロウは面白いですね〜 作り物っぽさが感じられないところがよいです。 また一つ一つの語り・話題もさりげなく気が利いていて、くすっとさせられたりでgoodです。 いや〜、面白い話って、こうやって語るのですね! | ||||
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ウィンズロウ作品は総て読んでいますが、個人的には一番面白い。 フランキー・マシーンの信念や規範。 とにかく申し分の無いかっこよさ。最後もウィンズロウらしくて大満足です。 | ||||
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これは過去の記憶を頼りにフランクの命を狙う犯人を探す という物語です。 過去のエピソードの一つ一つがそれ単体として おもしろく、登場人物もみな個性的なので、 物語全体をより立体的に見せてくれています。 この小説には物語の力があります。 | ||||
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夢中になって読んでしまうほど面白い小説は、書かれた場面や展開が自然と頭に映像みたいに浮かぶ作品だと思います。 ラストシーン、頭に浮かんだ“餌屋”の光景に思わず涙がでました。 どんな苦境にあっても諦めないのがドン・ウィンズロウ作品の主人公。 62歳の爺がカッコいい!! 早く次のドン・ウィンズロウ作品が読みたくてウズウズしてます。 | ||||
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開始後、81頁まで主人公“フランク・マシアーノ”の日常が書かれてます。 正直、ちょい退屈、というか今までのドン・ウィンズロウ作品特有の暴走車みたいな展開を期待していたので辛さを感じました。 でも!82頁・第7章からの展開がスゴい! さすがドン・ウィンズロウ!一気にどんどん読ませます。 書店でたまたま手にした『犬の力』を読んでからこの著者の作品は一気に揃えて一気に読んでしまいました(笑) 上巻でこのスピーディーさ…面白いです… | ||||
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壮絶な戦いが描かれているが、その中にも哀愁が漂っていていい。 スピーディな展開のため、夢中で読んでしまいました。 フランキーはすごいとしか言いようがないですね。 | ||||
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ストリート・キッズからのファンです。初めて電車の中で読み始めたのですが、頁毎に可笑しくて吹き出してしまいました。ぴちぴちとした切れのいいユーモアが軽快な機関銃のように乱射されているのです。 それから20年近くになります。紆余曲折を経て今日の姿となったのでしょう。殺しが少し多すぎます。しかし気にしないことにしましょう。 そうするとこんな美しい場面に出会うことができます。 かつて駆け出しのころ、ボスの愛人なので思いを遂げることはできないけれど、熱い想いを抱いていた女性を40年後に訪れた場面です。多くの記憶は失われています。しかし小間使いのように彼を使うことは記憶されています。買物はちゃんとしたの? 作家はここぞとばかりに執拗に書き込むことはしません。さっと刷毛をはくようにすりぬけていきます。 淡い基調の画布に、薄い青と緑の霧がすっと流れるなか、どこかの片隅に小さく深紅の牡丹が描かれているようです。音楽でいえばリヒャルトシュトラウスの薔薇の騎士の一節が流れてきます。時間の切片がきらきらと宙に浮いているのです。 あと10年も待てば、殺しのない本を読むことができるのではないかと楽しみです。一人の作家と長い間付き合うことの醍醐味なのかもしれません。 なお翻訳がとてもいいです。原文のニュアンスが理解できていないので、こんな偉そうなことはいえないはずなのですが、日本語そのものとしてよくこなれているように感じます。感謝いたします。 | ||||
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「このミス」で1位に輝くなど、すこぶる評判の良かった前作「犬の力」。しかし個人的には物足りないものでした。ストーリーも壮大で、確かに面白いのですが…ウィンズロウの作品の中にある個人的に大好きな部分をあまり感じ取れなかったからだと思います。それが何であったのかを、本書「フランキー・マシーンの冬」が教えてくれました。ふとしたしぐさや、他人にはどうでも良いこだわり、本筋とは関係のない会話など…キャラクターや街の小さな描写、ディテールをユーモアを忘れずに描く。それこそウィンズロウが他の作家より私好みの作家な理由だと気づきました。この作品には、そんな「ウィンズロウらしさ」が前作より詰まっています。もちろん、導入部から読者を魅了する上手さや、後半の真相が明らかになっていくスリリングな展開も全く見事で、本筋の方も抜かりはありません。殺伐として、救いようが無い印象の前作より、殺伐とはしていますが、どこかユーモラスで楽しい本作の方が個人的には好きでした。映像が浮かぶ作品づくりが上手い作家ですが、本書は特に「映画化して欲しい」ものでした。次の作品が待ち遠しいです。 | ||||
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オリジナルは2006年リリース。邦訳は2010年9月25日リリース。あの『犬の力』に続く作品である。ぼくは新作を読まずにいられない作家が二人いて、ひとりはジェフリー・ディーヴァー。もう一人がこのドン・ウィンズロウだ。そしていつも期待を裏切られたことがない。ドン・ウィンズロウの作品を『ミステリー』に分類するのかは悩ましいところだ。正しくは『クライム・ノヴェル』というのに分類されるのだろう。そうは言っても今年の『このミス』で本作がトップ3入りすることは間違いないと思える。前作『犬の力』では完成に5年を要したが本作は1年で書き上げた。正に充実しきった筆は遊び心が随所に感じられる。そう感じるのは音楽や映画に対する『素養』である。本作に登場する『幸運な息子』や『グリーン川の殺し屋』というのはクリーデンス・クリアウォーター・リバイバル(いわゆるCCR)ヒット曲だし、主人公『フランキー・マシーン』もフランク・シナトラ主演の『黄金の腕(1955年)』に登場する。黒帯のビック・マックがトレーニングしながら聴いているのをマイルスの『ビッチズ・ブリュー』と言い切る元マフィアというのはちょっと遊びすぎな気もするが(ビッチズ・ブリューを一度でも聴いたことがある人ならそれは音楽通でも至難の業と理解してくれるだろう)、出てくる食事にしても一切妥協がない最上級の『遊び心』が読むものをシビれさせるのだと思う。『犬の力』の時と違って時に短く章を区切り、自由自在に描く『フランキー・マシーン』のカッコよさに読んでいる間夢中にならない男がいるだろうか。本好きには絶対に外せない作品である。 | ||||
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あいかわらずのストーリー展開で読者を全く放しません。ほんのしばらく前に「犬の力」に引き込まれた私は、あっという間にウィンズロウ全作品の読者にされてしまいました。どの作品をみても即座に映画のシーンが目に浮かびます。誰が彼の作品を映画化することになるのでしょう・・・ あのタランティーノをしてもレナードの作品を仕上げるのは難しかったようで私には若干キャストに違和感を覚えざるをえませんでした。 ウィンズロウの作品はその完成度の高さと、読者を引き込む筆致によって現代のベストセラー作家(のはずですが)担ったのです。 はやく次作が読みたくてたまりません。 | ||||
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冒頭に出てくるフランキーの1日は事件とは直接関係しませんが重要な部分だと思います。ハードボイルドにおいて(本作がハードボイルドかは別として)主人公の生き方、気質の描写がストーリーの厚みを増す要素だと思います。その点本作のフランキー・マシアーノは数ある主人公の中でも指折りといえましょう。自分に対する掟に限りなく忠実で、決して筋を曲げない、諦めない、愛するものを守る。唯一の欠点は自分の(元)妻にやさしくできなかったこと、だがこれも男の琴線に触れてしまいます。 平穏な日常を暮らしているフランキーが急に命を狙われることになることは書いても問題ないでしょう。彼が数々の危機をどう乗り越えていくかが読みどころのひとつです。狩る側がめまぐるしく入れ替わり殺戮が繰り返される描写は卓越していますが、広く読者に愛されるのには不向きであることも確かです。行間にあるメロウさや、ユーモアをどのくらい感じることができるかが試される作品です。柔軟な倫理観と少しの読書経験をお持ちであれば読むべき1冊でしょう。 | ||||
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’09年、「このミステリーがすごい!」海外編で話題作『ミレニアム』をおさえて断トツ第1位、「週刊文春ミステリーベスト10」海外部門では第2位に輝いた『犬の力』の次に発表した、前作とはガラリと趣の異なったドン・ウィンズロウの10作目の邦訳作品。 サンディエゴで「釣り客のための餌屋」「魚介販売」「リネン・レンタル」「不動産賃貸」と忙しく複数のビジネスを営み、朝夕にはサーフィンを楽しみ、愛する娘や恋人と付き合い、別れた元妻とも交友する62才のフランキー。“餌屋のフランク”として地元住民に親しまれている彼には、元凄腕の殺し屋“フランキー・マシーン”と呼ばれた知られざる顔があった。 ある冬の日、ロサンゼルスのボスの息子に懇願され、デトロイトマフィアの大物との交渉に出向いたフランキーは、襲われて危うく命を落としかける。彼を罠にはめ、命を狙うのは誰なのか・・・。その謎を解くため、フランキーは殺し屋稼業に手を染めた1963年から回想をはじめる。ストーリーは、彼を付け狙うギャングの若者や、逮捕するべく追いかける20年来の友人・FBI捜査官デイヴの動きが挿入されながら、過去と現在が激しく交錯する。そして、最後の戦いが・・・。 かつての、そして現在の、“殺し”の数々。ハンパでない死者の数。老いを迎えつつある男の苦闘。これだけの「殺し屋」ものを題材にしながらも、重苦しく非情なノワールになることなく、遊び心さえ感じさせ、思わず一気読みさせる軽快さを醸し出している。東江一紀(あがりえかずき)の名訳によるところも大きいが、本書を一大エンターテインメントに仕上げてしまったウィンズロウの筆さばきと手腕には感嘆してしまう。 | ||||
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今回の作品もリアルで迫力がある暴力シーンが展開されるが、読んでいて前作「犬の力」とは違ったミステリーが漂い全体を飽きさせない展開となっている。 アメリカに移住したイタリア系マフィアの「家庭的な部分と黒い影の部分」とを明確に折まぜており、一気に読んでしまった。この作品は、近々に映画化されるという話もありあの「ロバート・デ・ニーロ」が「もう二度とマフィア物はやらない」言ったそうだがあまりにも主人公 フランク・マシアーノがカッコ良くて、また主演すると言わせた作品でもある。所々にジョークも交えた展開は読みながら「ニヤリ」とするシーンが早くも映画化されるのを期待する1冊である。洋書ではこの著者ドン・ウィンズロウと今は亡きスティーブン・ハンターは私の好きな作家である。 | ||||
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