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サリー・ダイヤモンドの数奇な人生



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【この小説が収録されている参考書籍】
サリー・ダイヤモンドの数奇な人生 (ハーパーBOOKS)

サリー・ダイヤモンドの数奇な人生の評価: 9.00/10点 レビュー 1件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点9.00pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(9pt)

ダークで怖すぎるけど、読むのを止められない

アイルランドではヒット作を連発している女性作家の本邦初訳作品。悪は悪に育てられるのかを追求した、怖いけれど止められない傑作ミステリーである。
町外れの邸宅で老齢の養父と引きこもり生活を送る42歳のサリー・ダイヤモンド。彼女の記憶は7歳からで、それ以前のことは何も覚えておらず、他人と関わることは徹底的に避けて来た。ところが養父が死亡したことから状況は一変する。養父が口癖にしていた「死んだらゴミと一緒に出してくれ」を実践し敷地内のゴミ焼却炉で死体を焼くと大騒ぎになった。物事の裏を読むことができず、何でも額面通りに受け取るサリーだったが、社会に受け入れられる必要を痛感し、養父母の親友や近所の親切な人々に助けられながら必死に努力を続けた。しかし、養父が残した遺書を開くを、そこには信じがたい自分の過去が記録されていた。もう一つの物語はピーター少年の幼児期から現在までの回顧物語で、絶対的な父親に支配され、歪んだ認識のまま育ってきた悲惨な人生が淡々と語られる。そして、サリーとピーターの人生は交差し、想像を絶する悪の継承が表出する…。
目を背けたくなるエピソードが連なり、読み続けるのが重苦しいストーリーだが、一度読み始めたら止められない傑作エンタメ作品である。ミステリーの枠にとらわれず、ノワール、人間観察の物語としても読み応えあり、とオススメする。

iisan
927253Y1

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