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ローズ・コード



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【この小説が収録されている参考書籍】
ローズ・コード (ハーパーBOOKS)

ローズ・コードの評価: 9.00/10点 レビュー 1件。 Aランク
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(9pt)

暗号解読に青春を捧げた三人の若き女性の友情と恋と愛国心

「戦場のアリス」、「亡国のハントレス」に続く現代史ミステリーの第三弾。欧州戦線の行方を左右したと言われるイギリスのナチス暗号解読施設を舞台に、戦時下で出会った若い女性三人の友情と恋と愛国心を描いた極上のエンターテイメント作品である。
社交界デビューしたばかりの上流階級の娘・オスラ、ロンドンの下町育ちの元気な長身女・マブ、厳しい母親に縛られて何事にも自信を持てない田舎娘・ベスの三人が出会ったのは、ナチスのエニグマ暗号を解読するために英国が設立した秘密施設「ブレっチリー・パーク」だった。生まれた階級も育った環境も異なる三人だが、一風変わった人材ばかりが集まり、業務は厳しいものの寛大な雰囲気の中で友情を育み、無二の親友となった。三人それぞれに恋をし、それを互いに助け合っていたのだが、ある事態をきっかけに互いに憎み合うようになる。そして終戦後の1947年、友情を壊し、愛する国を裏切った敵に立ち向かうため、三人は再び力を合わせて戦うことを決意する…。
実話をベースにしているために、イギリスの暗号解読施設の実態がリアルで迫力がある。しかしそれ以上に、三人の若い女性の戦時下ならではの恋と成長が印象的。エリザベス女王の夫・フィリップ殿下を始めとする実在の人物や史実に大胆な解釈と脚色を加えた物語の完成度は、これぞ歴史ミステリーの醍醐味と言える。700ページを超える長大作だが、一気に読み進めたくなる力強さを持っている。
ケイト・クインのファンにはもちろん、現代史ミステリーのファンに自信を持ってオススメする。

iisan
927253Y1

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