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完璧な家族



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完璧な家族

完璧な家族の評価: 7.00/10点 レビュー 1件。 Cランク
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全1件 1~1 1/1ページ
No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

物語の枠組みは面白いのだが、細部にやや粗さがある

ボストン市警の敏腕女性刑事「D.D.ウォレン」シリーズの第10作。第9作「棺の女」に登場したフローラとのダブル・ヒロインが複雑な一家殺人事件の謎を解く社会派ミステリーである。
仲睦まじい家族の4人が銃撃され殺害されているのが発見されたのだが、16歳の長女・ロクシーだけは2匹の犬の散歩に出ていたため被害を免れたようだった。ところが不思議なことにロクシーは帰宅せず、携帯電話にも反応がなく、姿を消してしまった。果たしてロクシーが殺害犯なのか、あるいは犯行の理由や犯人を知っていて必死で逃げているだけなのか? ウォレン部長刑事をリーダーにボストン市警は全力を挙げてロクシーの行方を追う。さらに、「棺の女」で監禁から生還したフローラは密かに、女性のためのサバイバル自助サークルを結成しており、ニュースを目にすると居ても立っても居られなくなり、ロクシーを助けようとする。ロクシーが犯人である可能性を捨てきれないウォレンたち警察と、あくまでも被害者として助けたいフローラたちは、対立しながらも同じ目的のために手を握り、事件の複雑な背景を読み解いていく。
アルコール依存症でネグレクトの母親による家族崩壊、里親制度の矛盾や貧困ビジネス、子供たちの孤独や受難、さらには家族とは何かという根源的な問いかけなど、いずれも大きくて重いテーマが盛りだくさんでかなりヘビーな作品である。そのため、犯人や犯行動機など物語の根本のアイデアは面白のだが、登場人物のキャラクター、犯行や捜査のプロセスなどが緻密ではなく、エンタメ作品としてまとまり切れていないのが残念。
「棺の女」が気に入った人は必読。本作がシリーズ初の方には「棺の女」だけは読んでおくことをオススメする。

iisan
927253Y1

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