完璧な家族



※タグの編集はログイン後行えます

※以下のグループに登録されています。


【この小説が収録されている参考書籍】
完璧な家族
(違う表紙に投票したい場合もこちらから)

オスダメ平均点

7.00pt (10max) / 1件

7.00pt (10max) / 1件

Amazon平均点

3.00pt ( 5max) / 4件

みんなの オススメpt
  自由に投票してください!!
1pt
サイト内ランク []C
ミステリ成分 []
  この作品はミステリ?
  自由に投票してください!!

0.00pt

39.00pt

24.00pt

0.00pt

←非ミステリ

ミステリ→

↑現実的

↓幻想的

初公開日(参考)2022年02月
分類

長編小説

閲覧回数718回
お気に入りにされた回数1
読書済みに登録された回数1

■このページのURL

■報告関係
※気になる点がありましたらお知らせください。

完璧な家族

2022年02月04日 完璧な家族

監禁小説の傑作『棺の女』、待望の続編! ある朝突然、何者かに銃撃された一家。思春期の次女と幼い長男、母親とその恋人は一瞬にして命を奪われた。二匹の犬とともに姿を消した16歳の長女ロクシーの行方と事件の真相を追うのは、ボストン市警の豪腕女刑事D・D・ウォレン。さらにもう一人――472日間にわたる壮絶な監禁事件から生還した女性フローラ・デインもまた、ロクシーを見つけ出そうとしていた。 果たして一家を襲ったのはロクシーなのか。彼女はどこにいるのか。やがて平穏に見えた一家の凄まじい過去が浮かび上がる……。 NYタイムズ紙ベストセラーリスト常連の大人気シリーズの新作にして、監禁小説の傑作『棺の女』の続編がついに登場!(「BOOK」データベースより)




書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

完璧な家族の総合評価:6.20/10点レビュー 5件。Cランク


■スポンサードリンク


サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
全1件 1~1 1/1ページ
No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

物語の枠組みは面白いのだが、細部にやや粗さがある

ボストン市警の敏腕女性刑事「D.D.ウォレン」シリーズの第10作。第9作「棺の女」に登場したフローラとのダブル・ヒロインが複雑な一家殺人事件の謎を解く社会派ミステリーである。
仲睦まじい家族の4人が銃撃され殺害されているのが発見されたのだが、16歳の長女・ロクシーだけは2匹の犬の散歩に出ていたため被害を免れたようだった。ところが不思議なことにロクシーは帰宅せず、携帯電話にも反応がなく、姿を消してしまった。果たしてロクシーが殺害犯なのか、あるいは犯行の理由や犯人を知っていて必死で逃げているだけなのか? ウォレン部長刑事をリーダーにボストン市警は全力を挙げてロクシーの行方を追う。さらに、「棺の女」で監禁から生還したフローラは密かに、女性のためのサバイバル自助サークルを結成しており、ニュースを目にすると居ても立っても居られなくなり、ロクシーを助けようとする。ロクシーが犯人である可能性を捨てきれないウォレンたち警察と、あくまでも被害者として助けたいフローラたちは、対立しながらも同じ目的のために手を握り、事件の複雑な背景を読み解いていく。
アルコール依存症でネグレクトの母親による家族崩壊、里親制度の矛盾や貧困ビジネス、子供たちの孤独や受難、さらには家族とは何かという根源的な問いかけなど、いずれも大きくて重いテーマが盛りだくさんでかなりヘビーな作品である。そのため、犯人や犯行動機など物語の根本のアイデアは面白のだが、登場人物のキャラクター、犯行や捜査のプロセスなどが緻密ではなく、エンタメ作品としてまとまり切れていないのが残念。
「棺の女」が気に入った人は必読。本作がシリーズ初の方には「棺の女」だけは読んでおくことをオススメする。

iisan
927253Y1
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

No.4:
(1pt)

いやはや

無駄に長い。内容はうすっぺらい。
完璧な家族Amazon書評・レビュー:完璧な家族より
4094068856
No.3:
(2pt)

女性作家ものは苦手

カリン・スローターも最初のうちは面白いと思って何作か読んだが、段々飽きてきた、この作家も同じ。女性が書いたミステリーは受け狙いが露骨。
完璧な家族Amazon書評・レビュー:完璧な家族より
4094068856
No.2:
(5pt)

(2022年―第28冊)「家族は目的地じゃなくて旅だということ」(420頁)を描く怒涛のサスペンス長編

ボストン郊外に暮らすバエズ一家を凶行が襲う。ホアニータとチャーリーの夫婦をはじめ、ホアニータの連れ子で13歳のローラ、その弟で9歳のマニーの4人が射殺された。しかし長女で16歳のロクシーと2匹の飼い犬の姿がない。果たして犯人はロクシーなのか。ボストン市警の刑事部長D・D・ウォレンたちはロクシーの行方を追う。
 一方、凶悪な拉致監禁事件の生還者であるフローラ・デインはサラという女性を訪れていた。サラもまた生還者であるが、その彼女からロクシーを見かけたことがあると聞き、独自に捜索を始める……。
---------------------------
 アメリカ本国では大ベストセラーとなっているD・D・ウォレン刑事シリーズの第10弾です。日本では第1作の『 あなただけに真実を 』と第8作『 無痛の子 』、第9作『 棺の女 』の3作品が邦訳出版されています。
 この『完璧な家族』には前作『棺の女』に出てきた曲者、フローラ・デインが再登場です。ですので、『あなただけに真実を』と『無痛の子』はよいとして、『棺の女』だけは読んでからこの書に進んだほうが、より楽しめるはずです。

 今回は里親制度や児童ポルノ、ラテン系のギャング団など、昨今の社会問題を取り上げつつ、二転三転する事件の真相をウォレンとフローラの二人が追う姿が交互に描かれます。ウォレンの捜査は三人称で、フローラの追跡は彼女の一人称で描かれます。

 事件の複雑怪奇さもさることながら、物語全体を通して作者リサ・ガードナーが訴えるのは、家族の意味です。ロクシーたちは母ホアニータのアルコール依存症によって里子に出され、親の愛情を受ける機会を逸した過去があります。その彼女が家族とは何なのかを懸命に内省する作文が要所要所に挟まれ、そこに読者の虚を衝く言葉があります。
「完璧な家族というのは、ひとりでにはできないと思う。完璧な家族はつくりあげるものだ。間違いをおかして、後悔して、修復するもの。努力して手に入れるもの」(89頁)
「家族は目的地じゃなくて旅だということ」(420頁)
 この後者のことばは、『棺の女』にあった「生還はゴールじゃない、旅なんだ」(同書492頁)に通底するものです。つまりリサ・ガードナーは、何事につけ、たどり着くことそのものよりも、たどり着くための努力の道のりこそが人間にとって尊いものだと、手を替え品を替え訴え続ける作家だといえるでしょう。

 D・D・ウォレン刑事シリーズの第11作『Never Tell』はなんと、来月(2022年4月)、小学館文庫から『 噤みの家 』のタイトルで邦訳が出るそうです。しかもフローラ・デインは引き続き、というよりも本格的に、ウォレンのバディとして再登場するのだとか。
 今からとても楽しみです。

----------------------
*326頁:「アレックスが飼ってきた穀物・グルテン不使用で無添加の犬用おやつ」という記述がありますが、「飼ってきた」ではなく「買ってきた」とするべきだと思います。

.
完璧な家族Amazon書評・レビュー:完璧な家族より
4094068856
No.1:
(4pt)

それでも、希望は希望だ

「棺の女」(2016/12月)に続く「完璧な家族 "Look For Me"」(リサ・ガードナー 小学館文庫)を読み終えました。
 ボストンの秋。十三歳の少女、九歳の少年、その母親と恋人が何者かに銃撃され命を落とします。捜査は、ボストン市警、D.D.ウォレンに託されますが、何故か十六歳の長女ロクシーが目の見えない二匹の犬と共に姿を消しています。彼女が犯人なのか?彼女は何処へいってしまったのか?警察は、即座にアンバー・アラート(緊急事態警報)を発出します。
 一方、「棺の女」フローラが登場。彼女は、犯罪被害者を支援する自警団を立ち上げ、ロクシーを見つけるべくこの事件に深く関わり合っていきます。思いやりに満ちた傷ついた「生還者」として。
 パズラーとしては、それほど高く評価することができません。いくつかのミス・ディレクションは、読者を翻弄するというより、いささか甘くみているのではと思えるほど巧みなものではありませんでした。<Who-Done-It>は、もうここしかないという結論へと落ち着いていきます。
 しかしながら、四人が殺害された家族の持つ壮絶な過去、ネグレクト、機能不全、子供たちが里親に出されるシステムの不確かさを描く作者の真摯な視点は、絶望に打ちひしがれた子供たちへの思いを呼び起こします。家族を再構築しようとした母親・ホアニータ。「生還者」たちの家族を作ろうとするフローラ。すべての道筋が「ギリシャ悲劇」のようにクライマックスへとなだれ込みます。
 それほど、「アルコール依存症」からの回復は一筋縄ではいきません。大いなる時間を費やしたとしても、一生を捧げたとしてもその壁を乗り越えることはできません。認めて、信じて、大きな力にその身を委ねたとしても、それはただの「はじまり」にしか過ぎません。その「はじまり」にようやく辿り着き、子供たちの<監護権>を取り戻したはずの母親の幸せが一瞬にして消え失せてしまう厳しい、厳しい物語。依存症者には、その依存症に巻き込まれたすべての家族には、この程度の「希望」しか持ち得ない。それでも私たちは今日、今、この時、この一瞬、ここにいられることに深く感謝して生き続けなければならない。
完璧な家族Amazon書評・レビュー:完璧な家族より
4094068856



その他、Amazon書評・レビューが 4件あります。
Amazon書評・レビューを見る     


スポンサードリンク