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誘拐



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誘拐の評価: 7.00/10点 レビュー 1件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(7pt)

じわじわと効いてくる

名無しのオプシリーズの記念すべき第一作。プロンジーニが、1970年代のいわゆる「ネオ・ハードボイルド派」の新人として注目を集めるきっかけとなった作品である。
サンフランシスコに事務所を構える一匹狼の主人公は、息子を誘拐された金持ちの父親から依頼され、犯人に身代金を届ける仕事を引き受ける。簡単に終わるはずの仕事だったが、金の引き渡し現場で殺人が起き、主人公もナイフで切りつけられるハメになる。身代金を奪われた上に息子が解放されなかったため、主人公は引き続き調査を進めることになり、やがて事件の醜い背景をえぐり出す・・・。
誘拐事件の構図は比較的シンプルで、まあさらっと読めるのだが、主人公のキャラクター設定がネオ・ハードボイルドの真骨頂ともいうべきユニークさで実に魅力的である。47歳、独身、唯一の趣味がパルプマガジンの収集というだけでも個性的なのだが、さらに、恋人との関係、多量の喫煙による“いやな咳”に悩まされているという。霧深いサンフランシスコの街並みとともに主人公の葛藤がじわじわと心にしみてくる、味わい深いミステリーである。

iisan
927253Y1

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