■スポンサードリンク


作家の秘められた人生



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
【この小説が収録されている参考書籍】
作家の秘められた人生 (集英社文庫)

作家の秘められた人生の評価: 7.00/10点 レビュー 1件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

■スポンサードリンク


サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(7pt)

作家話が好きな方に

日本でも「ブルックリンの少女」、「パリのアパルトマン」が評判を呼んだフランスの人気作家の2019年の作品。地中海の小島に隠棲するかつての人気作家のもとを二人の人物が訪ねて来たのと同時に、女性惨殺死体が発見されるという、孤島を舞台にした謎解きミステリーである。
20年前、絶大な人気を誇りながら断筆し、以来、表舞台に出なくなっている作家・フォウルズに自分の作品を見てもらいたいと熱望するフォウルズの大ファンで作家志望の若者・ラファエルは、島の小さな書店に就職し、作家に近づこうとする。また、行方不明になったフォウルズの愛犬を保護したという女性記者・マティルドが現われ、それをチャンスにフォウルズの家に入り込もうとし、フォウルズの隠遁生活が脅かされそうになる。同じ頃、島の海岸で女性の惨殺死体が発見され、島を管轄する海軍は捜査のため島を封鎖することになった。被害者の身元は分かるのか、犯人は島の中にいるのか? 閉塞する島の中で、事件の謎とフォウルズの過去を巡る謎が絡み合い、思いもかけない真相が明らかになって行く・・・。
殺人の謎解きミステリーとしては、最後の種明かしに衝撃度があるものの、前2作に比べるとやや冗漫。その代わり、作家が断筆した理由の解明が大きな要素を占めており、作家と作品、インスピレーションの関係を深掘りする創作の秘密物語というテイストが強い。
物語の中に物語が組み込まれ、最後にはミュッソ本人も登場するという構成で、「作家が小説を書くとは、どういう行為か」に興味がある人には強くオススメするが、謎解きミステリーを楽しみたいという人には「読んでも損ではない」というところだ。

iisan
927253Y1

スポンサードリンク

  



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!