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フォールアウト



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【この小説が収録されている参考書籍】
フォールアウト (ハヤカワ・ミステリ文庫)

フォールアウトの評価: 7.00/10点 レビュー 1件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(7pt)

話が大きくなり過ぎたかな?

シカゴの女性私立探偵V.I.ウォーショースキーシリーズの第18作。今回はホームであるシカゴを離れ、カンザスの田舎町で巨大な陰謀に立ち向かう、スケールの大きな社会派ミステリーである。
「カナダの小さな火山」ことバーニーが大学の友人・アンジェラと一緒にヴィクを訪ねてきた。アンジェラのいとこの黒人青年オーガストが勤務先のジムで窃盗を働いた疑いをかけられ、行方不明になったので探して欲しいと言う。若くて無遠慮な二人に押され、しぶしぶ捜査を始めたヴィクは、オーガストの自宅と勤務先が何者かに家捜しされていたことを知り、さらにオーガストは映画監督をめざしており、黒人女優エメラルドに誘われて彼女のドキュメンタリー映画を取るためにエメラルドの故郷であるカンザス州に出かけたことをつかんだ。エメラルドの身の回りの世話をしている人物からも二人のゆくえを探すように依頼され、ヴィクは愛犬ベビーだけを連れて単身でカンザス州に乗り込んだ。エメラルドの故郷はかつて核ミサイル基地が建設され、それに対する抗議行動があった街だった。聞き込みをはじめたヴィクはすぐに地元の捜査機関や米軍から監視されるようになり、何かの陰謀が隠されていることに気づき始め、しかも、ミサイルサイロ近くの農場で女性の腐乱死体を発見したことから、さらなる混乱に巻き込まれて行った・・・。
思わぬカタチで国家的な陰謀に巻き込まれたヴィクが孤軍奮闘するという、派手な物語。事件の背景に冷戦時代の軍事機密、人種間対立、親子の葛藤など盛りだくさんの要素が含まれ、さらに30年以上前の出来事も絡んで来るので、かなり複雑な展開になっており、いつものスカッとする読後感ではない。
これまでの作品とはちょっと趣きがちがうのは、レギュラー陣がほんの少ししか登場しないこともあるのだろう。
シリーズ読者には新しいヴィクの世界が楽しめるし、本作が初めてのヴィクという読者にも十分に楽しめる作品である。

iisan
927253Y1

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