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蛇の形



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【この小説が収録されている参考書籍】
蛇の形 (創元推理文庫)

蛇の形の評価: 9.00/10点 レビュー 1件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点9.00pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全1件 1~1 1/1ページ
No.1:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

蛇の形の感想

上手い!とうなってしまいました。
同じ通りに暮らす一人暮らしの黒人女性が、道端に倒れているところに遭遇するのですが、言葉も交わさぬまま亡くなってしまいます。人嫌いで全く交流もなかった女性でしたが、自分が何故殺されなければならないのか・・・と言う無言のメッセージを感じとり警察にも訴えるものの、結局交通事故として処理されてしまいます。
それから20年後、執念とも思える調査ののち、彼女を殺した犯人を告発する主人公のM・ライラ。

親しい友人だったわけでもないのに何故そこまで?と最初は思うのですが、読み進めるうちに明らかになっていきます。過去の手紙や報告書が現在の話の中に挿入されていて、構成もすばらしいのですが、何より人物描写がすばらしい。

虐待する側される側、差別する側とされる側、親子や夫婦の葛藤、社会的弱者でありながら、より立場の弱い者への攻撃や偏見がなくならないのは何故なのか、支配的な母と子の対比が色んな親子の場合としてあますことなく描かれていて、深く考えさせられました。『親』になることの難しさを改めて実感しました。

爽やかとはちょっと違いますが、ミセスライラが自分の人生を取り戻し再生していく過程は読みごたえがあり、最後の手紙には非常に感動しました。

たこやき
VQDQXTP1

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