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五十坂家の百年



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【この小説が収録されている参考書籍】
五十坂家の百年
五十坂家の百年 (中公文庫)

五十坂家の百年の評価: 8.00/10点 レビュー 1件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点8.00pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(8pt)

ミステリとしてはイマイチだが読み応えのある作品

いきなり最初に白骨化した四人の死体発掘のシーンから始まります。
果たしてこの死体は誰のものなのか、これがこの作品の最大の謎であり
中心部分なのですが、割と簡単に想像がついてしまいます。
したがってミステリとしては大きな意外性や展開はありません。
しかし文章が非常に上手く読みやすく、心理描写も巧みで小説としては
かなりのものだと思います。

この物語の主役はかつて悪辣な金貸し商売で富を築いた「人食い」と呼ばれた男の
子孫「五十坂家」の家族です。家族以外の人物はほとんど出てこないという珍しい作品です。
大正時代に誕生した、人食いの子孫である五十坂公一郎とその妻弥生、公一郎の妹璃理子
そして四人の娘たちとさらにその子供たちが登場人物です。

過去と現在が交互に描かれ、人食いの子孫という業を背負った一族の深い闇が次第に
明らかにされていくその過程は面白く一気読みしました。双子間の心の確執であったり
そういった心理も上手く描かれていますし、家族とは何かを考えさせる作品になっています。

いわし雲
78XRDN1A

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