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パレートの誤算



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【この小説が収録されている参考書籍】
パレートの誤算
パレートの誤算 (祥伝社文庫)

パレートの誤算の評価: 6.86/10点 レビュー 7件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点6.86pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全6件 1~6 1/1ページ
No.6:
(8pt)

生保不正受給の闇と闘う公務員たち。ストーリーの上手さで読み応えあり

2012年から14年に雑誌連載された、著者の長編第4作。先輩ケースワーカーが殺害されたことをきっかけに、若き職員たちが生活保護不正受給の闇を暴く社会派ミステリーである。
意に沿わない職務に回された臨時職員の聡美を励ましてくれた先輩ケースワーカーの山川が受給世帯訪問中に火事に遭い、焼死体となって見つかった。翌日、職場を訪ねて来た刑事から山川が殺害されたことを知らされた。仕事熱心で人望があり、常に受給者に寄り添っていた山川が、なぜ殺されたのか。聡美は、先輩だがケースワーカーとしては同じく新人の小野寺と二人で山川の担当を引き継ぎ、現場を回るうちに、山川が何かを隠していたのではないかと疑念を抱くようになる。受給者の裏に暴力団の影がちらつき、しかも山川はその不正を知っていただけでなく、自らも関与していて殺されたのではないか。聡美と小野寺は公務員としての職分を越え、犯人探しに奔走する…。
これまで何度も報道されてきた生活保護不正受給、貧困ビジネスの実態をリアリティ豊かに描き出すだけでなく、善意の塊のようなケースワーカーが暴力団と組んで公金を掠め盗っていたのではないかという設定と謎解きは殺人犯探しのミステリーとしても一級品で、まさに王道の社会派ミステリーである。
文庫解説にある通り、佐方貞人シリーズから虎狼の血シリーズへの転回を告げる力作であり、柚月裕子ファンは必読。時代を映す社会派ミステリーのファンにも自信を持ってオススメする。

iisan
927253Y1
No.5:
(8pt)

とあるドラマを彷彿

ストーリーは全く違いますが、吉岡里帆主演のドラマ『健康で文化的な最低限度の生活』が頭に浮かぶ作品。ヒロインの聡美が吉岡里帆に、殺された山川が井浦新に、どうしてもかぶってしまいました。誰からも尊敬されていたケースワーカーが、訪問先で殺害されるという事件が発生。なぜ殺されたのか?生活保護と不正受給をテーマにしており、一見とっつきは悪いのですが、そこは柚月作品。難しいテーマにもかかわらず、読書を引き込む安定の面白さでした!

タッキー
KURC2DIQ
No.4:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

8対2の法則

働き蟻の法則を言いたいのだな。
全体の2割が働いて、残り8割は何もしない。だったらその2割を取り除くと何もしないのかと言うと、8割の内の2割がまた働きだすという法則。
この言いたいことと、中の文章があまり合っていない感じがしたが、面白いことに変わりはない。
生活保護の不正受給をテーマにして、市の担当者の不審死にヤクザも絡んでの骨太の物語。
柚月作品としては普通だが、読み疲れがないのがいい。

yoshiki56
9CQVKKZH
No.3:
(7pt)

パレートの誤算の感想

展開が強引な部分がありましたが、生活保護の不正受給というのが軸にあったので、現実離れしすぎたストーリーではないし、楽しめました。

kmak
0RVCT7SX
No.2:
(7pt)

パレートの誤算の感想

タイトルは、経済学でよく言うところのパレートの法則、いわゆる「働き蜂の法則」そしてその亜種である「2:8の法則」からきています。
働いているのは全体の8割、その中でも2割の優秀な人が,全体の8割へ貢献をしている、そして残りの2割の人は全く働かない、ってやつです。

テーマは「生活保護」
法則に当てはめ、「働かないやつは必ずいるわけで、生活保護なんて無駄だ」と誤解している人がいる、即ち「社会に(殆ど、または全く)貢献できていない8割の人も怠けているわけではない」という事を言いたかったのかなと勝手に思っています。私の意見とは違うのですが・・・
ただ、このタイトルと物語の内容が合っていないように思えて仕方がないのです。
正規という言い方はおかしいですが、正規の不正受給者というより、弱者を利用するヤクザに付け込まれての不正。
結局、ヤクザVS公務員(警察含む)になっている。
実際そういうのもあるとは思うのですが、今年小田原の方で色々あった事ですし、その辺りの話が色々勉強できればと思っていました。
少しがっかりでしたかね。まぁ面白いですが。

梁山泊
MTNH2G0O
No.1:
(8pt)

パレートの誤算の感想

ケースワーカーを題材にした著者ならではの硬質ミステリ。
生活保護の不正受給などを取り上げ、読み応えのあるミステリに仕上がっています。
著者の長所は硬質・骨太な内容・描写ですが、前半はそれがやや希薄かな?と思いましたが
後半、クライマックスに向かうと色濃く出てきました。やはりこうでなくちゃ。
生活保護をめぐる問題点や、パレートの法則に関する薀蓄など、なるほどと思わせる部分もgood!
80:20の法則など、誰かに話してみたくなりましたよ。

本好き!
ZQI5NTBU

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