■スポンサードリンク


月光ゲーム Yの悲劇'88



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!

月光ゲーム Yの悲劇'88の評価: 6.00/10点 レビュー 21件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点6.00pt

■スポンサードリンク


サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全9件 1~9 1/1ページ
No.9:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

日本のエラリークイーンとして

初めて有栖川有栖氏の作品を読んだ。その設定や他の作品タイトルからしてエラリークイーンの影響を受けているのだろうが、理論を整理して犯人を絞り込む様はまさに、エラリークイーンそのもののようであった。そして、エラリークイーンの作品と比べて(海外古典作品だからであろうか)、遥かに面白くそして読書に浸ることができた。本格物においてこれは非常に重要な点だと私は考えている。トリック重視でご都合主義だと言われたり、あまりに現実離れした内容であったり、何かと批判は付いて回りそうなものだが、この作品はただただ結末が気になりながら楽しい読書であった。これだけたくさんの登場人物がありながら一人一人の個性も残していたりと、読み物として非常に良かった。

▼以下、ネタバレ感想

※ネタバレの感想はログイン後閲覧できます。[]ログインはこちら

陰気な私は地球を回さない
L1K3MG03
No.8:5人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

大学時代を思い出すぢゃないか

英都大学推理小説研究会は夏合宿と称して矢吹山のキャンプ場を訪れた。そこで偶然知り合った雄林大学のサークル「ウォーク」の連中、同大学の同じゼミ仲間の1グループ、そして神南学院短期大学の3名と共にキャンプを行う事になった。出遭った者達が親しくなるに連れて別れを惜しむようになり、有栖川たち英都大学の連中も含め、もう1日、延泊する事にした。しかしその夜、矢吹山が200年ぶりに噴火を起こし、下山できなくなってしまう。密室と化したキャンプ場でまず失踪者が現れ、第1の殺人が起こる。しかもその死体の指先には土に書いたYの字が。この事件を皮切りに連続悲劇の幕が上がる。

今まで素人の投稿作品のアンソロジーを読んできたために、このデビュー作における有栖川氏の非凡さが大いに引き立った。このリアリティは何だろう?
また内容も題名に「ゲーム」の名を冠しながらも、単なるパズルゲームに終始していない。総勢17名の登場人物はそれぞれ個性を発揮して単なる駒に終わっていないし、殺人事件が起こることに対する登場人物らが抱く心情も丹念に叙述し、読者の共感を促している。特に理代の次の台詞、「死ぬにしても……誰か以外のみんなは……楽しい人たちやったって……それを、私、知りたい……」はかなり心に響いた。こんな風に小説全体にこの作者特有のペシミズムが流れているのだ。それに加え、大学生という設定による社会人になる前の青臭さが新鮮で、旅先のラヴ・アフェアなどの恋愛も絡ませて一種の青春小説の様相を呈しているのも好印象だった。大学時代を思い出してしまった。

更に評価すべきはいわゆる「雪の山荘物」のヴァリエーションとして山の噴火を単純に設定しただけでなく、事件の真相に大いに寄与させているのが技巧の冴えを感じた。奇抜さだけで終わっていないのだ。
幕間に挟まれたマーダー・ゲームのエピソードなどもこの作者の推理小説(ミステリ)への愛情を窺わせる。

さて本書は読者への挑戦状が織り込まれている。チャレンジした結果、犯人は外れたが真相は十分納得いくものだった。今なお本格ミステリシーンの第一線で活躍するこの作家の才能の片鱗が窺えるデビュー作だった。


Tetchy
WHOKS60S
No.7:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

月光ゲーム Yの悲劇'88の感想

火山噴火の緊張感と、そこで起こる一風変わったクローズドサークルによるドキドキ感があった作品。
トータルで見れば面白かった部類に入るのですが、謎解き部分に少々不満点がありました。

▼以下、ネタバレ感想

※ネタバレの感想はログイン後閲覧できます。[]ログインはこちら

みたらし
S9NVQ4H1
No.6:3人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

月光ゲーム Yの悲劇'88の感想

著者のデビュー作で、荒削りな部分もありますが大変楽しめました。
クローズドサークルものでは珍しい”火山”での設定で、登山で集まったいくつかのグループが仲良くなり、キャンプ中は恋に喧嘩に殺人事件にと大忙しなお話です。
個人的には、まだ若い主人公有栖川の恋のゆくえが大変気になりながら読んでいました。(笑)

フレディ
3M4Y9ZHL
No.5:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

月光ゲーム Yの悲劇'88の感想

閉ざされた空間での事件。
最初は仲良くしていたグループが、お互いを疑って行く課程等、クローズドサークルの見せ場を上手く表現していたと感じました。
後、関西弁のセリフについては、発音がいまいちイメージがつかない所が多々あって、頭の中でのセリフが変な関西弁になってしまい、犯人を推測するより、どういう発音が正しいのかという疑問の方が強くなってしまいました。
でも、それを差し引いても、それなりに楽しめる作品だと思います。

松千代
5ZZMYCZT
No.4:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

月光ゲーム Yの悲劇'88の感想

ラストが駆け足気味に感じましたが、意外な犯人に驚かされました。主要4人の掛け合いも良かったです。

水生
89I2I7TQ
No.3:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

月光ゲーム Yの悲劇'88の感想

火山噴火によるクローズドサークルっていうのは、ドキドキしました。良かったです。

みい
XL0AKYF3
No.2:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

月光ゲーム Yの悲劇'88の感想

登場人物が多くて、誰が誰だかわからなくなることもありましたが、基本読みやすくて、一気に読めました。

ただ、クローズドサークルにするのに火山の噴火という設定はちょっと大げさというかなぁ。
まあ、火山が噴火したことで…というところもありましたから、別にいいのかもしれないですね。

▼以下、ネタバレ感想

※ネタバレの感想はログイン後閲覧できます。[]ログインはこちら

アンコウ
BKBVHN0W
No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

月光ゲーム Yの悲劇'88の感想

 初めて読んだいわゆる「本格推理」もの。最初の事件が起こるまではちょっと冗長的な感じがしたけど、その後はどんどん引き込まれていきました。
 取り立てて飛躍した推理でもなく、確かに書かれてあったことからの推理だったので、「こういうものかぁ」と思いながら読みました。
 ずっと関西弁なので、それがいやな人は苦痛かも・・・
 本格推理ものが好きになったきっかけの一作。

白髭9
BK2OMGW4

スポンサードリンク

  



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!