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養鶏場の殺人/火口箱



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【この小説が収録されている参考書籍】
養鶏場の殺人/火口箱 (創元推理文庫)

養鶏場の殺人/火口箱の評価: 7.00/10点 レビュー 1件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全1件 1~1 1/1ページ
No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

読みやすくて、分かりやすいが、こわい

英国ミステリーの女王・ウォルターズが「普段、本を読まない人、あまりミステリーを読まない人」向けに、読みやすさを重視して書いたという中編が2作、納められている。しかし、そうした背景から想像するような軽めの作品ではなく、どちらも普通の人間がちょっとしたことから育ててしまう狂気がしっかりと描かれており、なかなかの読み応えがある。
「養鶏場の殺人」は実際にあった事件を小説化したもので、物語が終わったあと、裁判結果に異を唱える作者の意見が付け加えられている。主人公(この作品では、加害者と被害者の双方)の心理を丁寧に描き出すことで、単なる事件再現ものではなく、味わい深いミステリーとなっている。
「火口箱」は、最新作「遮断地区」同様に人種的偏見を取り上げた、ウォルターズらしい作品。イギリスの静かな片田舎で起きた老女殺人を題材に、アイルランド人に対する偏見と差別を描いている。さらに、「誰が、何故?」という謎解きについても、周到な伏線と見事などんでん返しが用意されていて、短くてもレベルが高いミステリー作品になっている。

iisan
927253Y1

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