■スポンサードリンク


どんなに上手に隠れても



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
【この小説が収録されている参考書籍】
どんなに上手に隠れても (講談社文庫)

どんなに上手に隠れてもの評価: 7.50/10点 レビュー 2件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.50pt

■スポンサードリンク


サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全2件 1~2 1/1ページ
No.2:
(7pt)

安定の出来栄え

『99%の殺人』ではITを使った殺人、『クラインの壷』ではVRなど、時代を先取りする作品を出してきた岡嶋二人だけに今回は何か?と期待して読んだ一冊。得意の誘拐事件を軸に、今回は広告や報道がテーマ。あまり誰が犯人かというより、トリックに主眼を置いているように思いました。相変わらず読みやすく、また今回は抜群とまではいきませんが、安定の出来栄えでした。

タッキー
KURC2DIQ
No.1:4人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

どんなに上手に隠れてもの感想

売り出し中の新人歌手・結城ちひろ。
彼女はゼネラル・フィルムの新商品『パチリコ』のイメージキャラクター。
その日はテレビ局でCM曲を唄う予定だった。
同日、警察に結城ちひろ誘拐の匿名電話がかかった。
多くの人が出入りするテレビ局で、人目をひくタレントの誘拐などありえない。
そう思った矢先、結城ちひろが誘拐された。
彼女を心配する両親やマネージャー。
被害者保護と犯人確保を狙う警察。
しかし、被害者がタレント故に、関係者はそれだけではすまなかった。
芸能プロ・広告業界・スポンサーそれぞれの思惑と駆け引き。
そしてそれに踊らされる大衆によって捜査は混乱した。
はたして犯人はどうやって白昼堂々、タレントを誘拐し身代金を得たのか。
そのトリックは、そして犯人は―・・・

あらすじにある通り、誘拐ミステリです。
今回の舞台はコンピュータでも競馬でもなく、テレビ・広告業界。
本作は誘拐トリックだけが主軸ではないと思います。
「何故」犯人は人目をひくタレントを誘拐したのか。
「何故」犯人はこのようなトリックを用いたのか。
それも勿論重要なポイントです。
しかし、それと同じくらい、テレビ・広告業界の危うさやえげつなさがえがかれています。
関係者はなかなかに下種で、人命・人権より宣伝・視聴率が重要な様子も結構本作の幅を占めています。
関係者の思惑に邪魔され、警察はストレートに犯人追跡が出来ません。
しかし、そういった駆け引き・思惑は犯人・トリック推理の目くらましだけではなく、鍵にもなっています。
ただ、二点ほど気になることがあります。
まず、犯人の動機が弱い気がします。
次に、犯人の狙いやトリックは緻密なのに、狙い通りに人が動くかは運であり、その運の要素がかなり重要な点です。
緻密な割に運要素が強いというのは矛盾している気がします。
とはいえ、関係者の思惑により事件は二転三転し、非常に面白いです。
トリックの面白さは勿論、テレビ・広告業界の裏側も緻密にえがかれています。
さすが「人さらいの岡嶋」だと思える作品です。

▼以下、ネタバレ感想

※ネタバレの感想はログイン後閲覧できます。[]ログインはこちら

あんみつ
QVSFG7MB

スポンサードリンク

  



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!